TOPエンタメ映画・本ショートストーリーの朗読28冊目の空欄06:50 9月24日 2再生 問題を報告する 再生する シェアする AI目次完璧な送別会へ向けた28冊目のノート店を閉めた旧友との会話の不協和音予約をキャンセルした「僕」の決断思い出の紙片が語る友情の軌跡二つの椅子が示す未完の未来とはAI文字起こし(β版) # 28冊目の空欄 28冊目の空欄 聞きどころ、新しいノートには、送別の昼食を成功させる段取りが詰まっています。 準備を重ねた僕と、店を閉めたばかりの旧友の会話がすれ違います。 予約のアラームが鳴るとき、二人の時間はどちらへ向かうのでしょう。 5分物語 昨日のラインには、九つも項目があるのに、思い出せる顔が一つもなかった。 僕は喫茶店で新しいノートを開いた。 28冊目 カップを持ち上げると、最初のページに水の輪が残った。 今日は、旧友の周平と昼飯を食べる。 彼は昨日、杉田印刷屋の看板を下ろした。 午後の列車で、奥さんの実家がある町へ移る。 僕はフルーツと食べ放題を予約した。 二人分は支払い済み。 当日の返金はない。 今月の外食代の大半を使ったが、忘れられない日にしたかった。 日順も話題もノートに書いた。 周平は紙袋を下げてきた。 予約まで30分ある。 店の近くのフードコートで待つ間、僕は用意した話題を開いた。 向こうでも名刺ぐらいなら仕事受け取れるんじゃない? それ、後でいいかな。 じゃあ、趣味は?釣り屋までやってる? 面接みたいだな。 笑い返すと、周平はもうこちらを見ていなかった。 昨日、最後に機械を止めたんだ。 そうしたら、奥の冷蔵庫の音が聞こえてさ。 でも、これからはゆっくりできるだろう? 今日ぐらい店をなくしたままで居させてくれよ。 点が止まった。 僕のノートには移転先、仕事、費用、埋めるはずの欄が並んでいた。 お前とならさ、何も決めなくていいと思ってさ。 店名の横に小さな字があった。 電話で聞いた。最後にゆっくり飯でも、という言葉。 その周りを僕の予定が囲んでいた。 アラームが鳴った。周平が立ち上がる。 行こうか。せっかく通ってくれたんだし。 あの店へ入れば、次に何をすればいいかは分かる。 ここに残ったら、何も決まっていない。 僕さ、昨日のことをほとんど思い出せないんだ。 書けば残ると思って、27冊もノートを押し出した。 今日はさ、ちゃんと残る日にしたくてね。 周平は座り直した。 俺、映像庫の話しかしてないな。 うん。 あれ、呪文もすごいんだ。指が二本ぐらいしか入らない。 今度は二人とも笑った。 僕は予約の取り消し画面を開いた。 返金額ゼロ円。 フルーツの写真を見て親指が止まる。 帰りに惜しくなる。きっとなる。 今日はここがいい。 親指を下ろした。 取り消し済み。 二人の席はもう僕らのものではなかった。 周平はそば。 僕はパンとコーヒー。 また財布からお金を出した。 席に戻ると、周平が紙袋から小さな綿棒を差し出した。 店の余り紙いる? 僕は受け取った。 紙の端は少しずつ不揃いだった。 白い一枚をめくり戻した。 周平は初めて僕の名刺を吸った日の話をした。 肩書きを二つ、字を大きく打って、会社名が入らなくなったんだよ。 そんなこと言った? 覚えていなかった。 でも多分言った。 僕はパンを口に入れたまま笑った。 周平は閉店した後一度店に戻ったと言った。 電気を消したかわからなくなってさ。 ちゃんと消えてたけどね。 もう一回見たかっただけかもしれない。 僕はペンに伸ばしかけた手でカップを持った。 改札で別れる時、周平が振り返った。 着いたら電話してもいい? 特に報告することはないんだけどね。 うん、もちろん。 帰り道、予約代がやっぱり惜しくなった。 公園のベンチでノートを開く。 木の上には細かくほどけた秋の雲が残っていた。 話の順序はもう少し曖昧だった。 話したこと、という欄の下で朝のカップの輪が乾いていた。 僕は輪を広げて避けて椅子を二つ描いた。 片方をほんの少しこちらに向けた。 もっと見る #現代文学 #再会の生活劇 ショートストーリーの朗読ソフトウェアテストTACT 「そふてた」と呼んでください06:501.28冊目の空欄コメント感想・質問・応援メッセージを書こう
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