TOPエンタメ映画・本ショートストーリーの朗読名前の半分07:22 10月8日 1再生 問題を報告する 再生する シェアする AI目次退職技師を動かす旧友からの依頼元同僚が明かす書憲台の真実机の幅と名前の半分、その葛藤見落とされた記録と下された決断名前を分かち、書憲台が繋ぐものAI文字起こし(β版) # 名前の半分 名前の半分 聞きどころ 古い道具を磨くと、自分の名前を横切る鉛筆の線が現れます。 仕事の証を残したい男へ、昔の共同開発者から留守電が届きます。 その線の先にはどんな使い道が待っているのでしょうか。 5分物語 木の台座に一本の鉛筆の線が走っていた。 退職した技師の穴部治は、磨く手を止めた。 端から8センチ、自分で削った名前の真ん中を通っている。 それは重い本を開いておく書憲台だった。 2本の金属の筆がページを押さえる。 会社で特許をいくつも書いたオサムに残った、売れなかった試作品の一つ。 来月、資料室で展示されることになっていた。 携帯電話に留守電が一軒、昔の共同開発者、小木の文からだった。 あの書憲台まだ持っている? 窓際の机で使いたくて、横幅を教えてください。 オサムは出品表を見た。 試作当時の形でとある。 その下の作者欄には自分の名前。 やっと誰かに読んでもらえる。 定年の日に持ち帰った図面は3箱。 それが今では1箱になっていた。 オサムは文を書き直した。 横幅は42センチ。 やっぱりそこを切らないとダメか? 線を引いたの君か? 名前の上だぞ。 文は黙った。 昔もこうして返事を待たされると、オサムは先に話を閉じた。 今さらこんなものを借りなくてもいいだろう? うん。無理なら別のを探す。 明日、本だけを見せに行く。 使い道のなかったものを気を使って借りようとしているのか。 オサムは薄くなった押えの布を直しかけた。 原型を残すという注意書きを思い出して手を引いた。 翌日、文が持ってきたのは修理の跡だらけの分厚い本だった。 窓を少し開け書券台へ載せる。コツ? 少し遅れてコツ? 二つの押えがページの二つのくぼみに重なった。 使っていたのか? 最初の工房で6年、次でも4年ぐらい。 会社へ返すまで本の修理にね。 オサムは本のせい触れた。 売れなかったことは知っていた。 このくぼみができるまでの時間は知らなかった。 文が机の図を広げる。 幅は34センチ。 窓の横には湯呑みの絵。 昔の小机をまた使おうと思って、あの線を引いた時の机。 台を横に向ければ? 腕が出ちゃう。 棚を足すと窓が開かない。 余った8センチは金具もネジもない。 営業用に見栄えを整えようとオサムが広く取った場所だった。 文が帰るとオサムは古い貸出記録を探した。 返却済みの丸。 その下に継続しよう希望。 自分は丸だけを見て帳簿を閉じたのだった。 展示説明には利用されることはなかった。と自分で書いてある。 オサムはその一行を消した。 夕方資料室から展示説明を明朝の印刷前に確定したいと連絡が来た。 説明を直して展示すればいい。 フミは別の台を変える。 オサムはノコギリを出し一度箱へ戻した。 来場者が自分の名前を読むところを何度も想像していた。 机の向こうにはフミが描いた小さな絵のみがある。 オサムは電話をかけた。 台を切って持って行く。明日家にいてくれるか? 展示は? 出さないよ。 向こうが黙った。 オサムは今度は言葉を出さずに待った。 お茶を用意しておく。 オサムは展示を辞退した。浴潮一覧から外したという返事が来る。 鉛筆線を引き直しノコギリを引いた。 名前の溝から黒い埃が落ちた。 刃が通り抜けると短い機片が床へ落ちた。 拾っても元の一枚板には戻らない。 フミの机に書券台が収まった。 切った端だけが白い。 フミがそこへ薄い紙を差し込み、ガタツキを止める。 今度はそれも記録しておくか? フミは笑って鉛筆を出した。 コツ? 少し遅れてコツ? 本の端だけを風が揺らした。 オサムのポケットでは名前の切れ端が太ももに小さく当たっていた。 もっと見る #日常ミステリー #職人ドラマ ショートストーリーの朗読ソフトウェアテストTACT 「そふてた」と呼んでください07:221.名前の半分コメント感想・質問・応援メッセージを書こう
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