TOPエンタメ映画・本ショートストーリーの朗読3本100円の王様06:18 10月12日 35再生 問題を報告する 再生する シェアする AI目次「買い物王」:男たちの勝負のルール「王座」を守るためバナナを隠すサエキ隠蔽工作とバナナ売り場の想定外の事実バナナの凹みと友情の価値告白の末に見出した、王様の意味とは?AI文字起こし(β版) # 3本100円の王様 三本百円の王様 聞きどころ 三本百円のバナナが男の名誉を揺さぶる。 買い物を守りたいサエキは、小さな秘密を棚の陰へ隠す。 空になった売り場でいつもの勝負はどう変わるのか。 五分物語 サエキは買い物籠にオレンジのリボンを結び直した。 先月の買い物王の印だ。 友人の溝口と同じ品を安く買った方が勝つ遊びを続けている。 同額なら相手が買えなかった品を持つ方が勝ち。 ルールはサエキが作った。 帰り道で品物を並べて説明するのも楽しみだった。 先月の溝口はレシートを見せるサエキの隣で何度もうなずいていた。 あの顔を今日も見たかった。 三本百円 バナナの札の下に袋が10個ほどあった。 サエキは一袋を籠へ入れ、もう一袋を手に取った。 溝口の分だ。一応取っといてやろう。 そう思いながらその袋を缶詰の陰へすべり込ませた。 溝口が買えずに帰れば出してやる。買った後で。 店を一周するとバナナの棚は空だった。 サエキは口元を引き締めた。 笑っていると王様らしくない。 いやあ最後の一袋だったよ。 やってきた溝口はバナナより籠の持ち手を見ていた。 今日は缶詰も多いな。 保存がきくからな、先を考えなきゃ。 サエキは籠を左手から右手持ち替えた。 リボンが指に食い込んだ。 少しここで待ってろ。 溝口がレジの方へ行く。 薪を確かめに行ったのだろう。 サエキは負けたものをどう慰めるか考えた。 すると溝口が同じバナナを抱えて戻ってきた。 向こうの台にたくさんあったぞ。 店員が売り場を移しただけだった。 売り切れた。 とは誰も言っていない。 サエキの耳だけが熱くなった。 同額なら引き分けだな。 自分で作ったルールが妙に腹立たしかった。 せめて隠した袋を戻そうと缶詰の棚へ向かう。 袋を引き出すと押されたバナナの皮に大きな凹みがあった。 このまま置けば誰の仕業かわからない。 サエキは袋を棚へ近づけた。 その時溝口の手が籠の持ち手へ伸びた。 「そっちは俺が持つ。帰りの坂、いつも持ち帰っているだろう?」 「勝負まだついてないぞ!」 「勝負がつかないと一緒に帰れないのか?」 サエキはバナナの袋を握り直した。 溝口は重さを確かめるように籠を少し持ち上げ、 サエキが手を離すのを待った。 王様の札を読み上げる人の顔ではなかった。 「そちら、ここに置いてありましたか?」 定員が袋の凹みを見ている。 サエキは前からこうだったと言いかけた。 溝口は隣にいたがサエキの代わりには答えなかった。 サエキは袋の三本を見た。 溝口の分だと思った時、籠へ入れて渡せばよかった。 たった数歩のことだった。 袋にはまだ自分の指でつけた折り目が残っている。 「俺が押したんです。友達に買われないように。」 言ってしまうと随分小さい声だった。 「これも買います。」 「わかりました。もう一袋棚へお戻ししますか?」 「いえ、それも買います。今日は二袋です。」 得をしたかった買い物カゴがさっきより重くなった。 デジで二袋分を押し払った。 店を出てからサエキはリボンの結び目をほどいた。 固く結びすぎていて、しばらく指先でもがいた。 「ほどくの手伝おうか?」 そこは自分でやる。 ほどけたリボンを渡すと溝口は畳んでポケットを入れた。 サエキのカゴはもう溝口が持っていた。 公園で二人はバナナを一本ずつ食べた。 溝口はリボンをポケットから出してカバンに盗んだ。 サエキはへこんだ皮を指で伸ばした。 「一本三十三円と三分の一。」 今日は余計に百円かかっているだろう。 サエキは口を動かしたままうなずいた。 溝口のカバンでさっき結んだ王様のリボンがバナナと皮と一緒に入れた。 もっと見る #聞かれなくても話したいこと #生活喜劇 #買い物仲間のドラマ ショートストーリーの朗読ソフトウェアテストTACT 「そふてた」と呼んでください06:181.3本100円の王様コメント感想・質問・応援メッセージを書こう
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