TOPエンタメ映画・本ショートストーリーの朗読白い継ぎ目06:45 10月10日 1再生 問題を報告する 再生する シェアする AI目次売った椅子が三日で戻る不可解な事態父の修理札「補修済」に隠された意味台帳が語る修理記録と意外な真実「未点検」札の見落としと苦渋の決断白い継ぎ目の椅子に刻まれた父娘の絆AI文字起こし(β版) # 白い継ぎ目 白い継ぎ目 聞きどころ 売って三日で戻った椅子に白い継ぎ目が残っている。 父の店を繋いだ娘は、その修理を信じきれなくなる。 椅子の裏の小さな番号はどこへ繋がるのか。 五分物語 椅子の足が床をひっかいた。 中古家具店の店主、住は客が抱えてきた一脚を受け取った。 三日前、自分が売った椅子だった。 座ったら急に傾いたんです。 座面の裏には色の合わない白い継ぎ木があった。 端に小さな七の刻み。 隅が触るとその近くで骨となった。 客はレシートの今回点検日という欄を指した。空白だった。 これ、いつ見てもらったものですか? 父が直したものです。 答えてから、いつには答えていないと気がついた。 父は隅に修理を教え、今は店の奥へ退いている。 修理札の補修済という文字を見て隅が販売を決めた。 店頭には同じ施設から仕入れた十二脚が並ぶ。 明日、カフェへ納める注文だ。 この売上で月末の店舗契約を更新するつもりだった。 父と並んで初めて椅子を売った日もこの店先だった。 シャッターを閉めるところだけはどうしても想像したくなかった。 今日中に直してお届けします。 父の仕事が古くなったのだろう。 そう思いながら、父には見せられなかった。 隅は椅子を近所の工房へ運んだ。 顔見知りの職人が裏側を覗いた。 この日、白い木は動いてないよ。 開いているのはその隣。 工房の職人が座枠の継ぎ目を指した。 全体を調べなければ直せない。 その日の返却はできなかった。 椅子を抱えて戻った隅は、父に修理札を突き付けた。 補修済みって書いたじゃないか。 いつの隅だ? 父は白い継ぎ木の端をなぞった。 七番、台帳取ってくれるか? 古い台帳の写真に同じ白い木があった。 補修済みは足一本の欄。 その隣には座枠再入荷時に分解点検と書かれていた。 父の雑な修理だと思った跡が、まだ確かめていない場所を指していた。 隅は引き出しに押し込んだ札を裏返した。 全体未点検。 商品を取るのに邪魔で外した札だった。 父の字はこちらにもあった。 こんな札で引き継いだのは俺も悪かったよ。 隅は口を開きかけた。 全部大丈夫だと今だけ言って欲しかった。 父は店の印を押さず台帳を二人の間に置いた。 残りも一緒に見て。 十二脚を裏返す。 完了した箇所も残された点検も一脚ずつ違っていた。 明日の納品には間に合わない。 カフェへ電話すると回転日は動かせないと言われた。 隅は資金表を開いた。 前受け金を返し他の返品にも備えなければ更新費用は残らない。 受話器を握る手を一旦膝へ下した。 店頭の十二脚が夕日に赤く染まっていた。 父の失敗だと言い切れば楽だった。 けれど札を外しうるっと決めたのは自分だ。 隅は脚の指が空欄を辿ったのを思い出した。 私が過去の補修を今回の点検と取り違えました。 注文を取り消して返金させてください。 既に買った客にも連絡し、同じ説明を店に掲示した。 一番下に自分の名を書いた。 カフェは別の店へ注文した。 最初の客は修理した椅子を受け取らず返金を選んだ。 隅は店舗の更新を断り、明け渡しの日を決めた。 月末、看板を下した後、隅と父は戻った七番の椅子を直した。 座枠まで確かめた。白い継ぎ木は隠さず残した。 引っ越しの箱に囲まれた自宅で隅は台帳を開く。 父の古い修理日の下に今日の日付と自分が見た箇所、名前を書く。 父は白い継ぎ目の椅子にそっと腰を下ろし、隅が最後の一行を書き終えるまで何も言わずに待っていた。 もっと見る #日常ミステリー #職業ドラマ ショートストーリーの朗読ソフトウェアテストTACT 「そふてた」と呼んでください06:451.白い継ぎ目コメント感想・質問・応援メッセージを書こう
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