TOPハウツー・学習歴史十二単着付け師の【にちにち気づきだより】第630話 【秋の七草】目立たないものを七つ数える06:10 9月11日 64再生 問題を報告する 再生する シェアする AI目次秋の七草とは?春の七草との違い万葉の花人・山上憶良が選んだ七草目立たぬ野花に宿る日本の美意識日常で「美しさ」を見つける重要性役に立たぬものから始まる文化の贅沢AI文字起こし(β版) # 今日はどんな日 日々気付きだより佐藤美奈子です。 今日もお聞きいただきありがとうございます。 このチャンネルでは毎朝、平安の行事、季節の移ろい、 当時の人の暮らし、そして生息のこと、その日の暦を一つお話ししています。 千年前の営みが今の暮らしや仕事にどう繋がっているのか、 毎朝一つお届けしています。 おはようございます。 昨日は栗と甘蔓、甘いもののお話をしました。 今日は花のお話です。 秋の七草。 春の七草は召し上がったことがあると思います。 七草粥にしますよね。 春の七草は食べるもの、そして秋の七草は見るものです。 # 美しさを見つけられる人であってほしい 秋の七草、聞いたことを皆さんありますか? ちょっと順に挙げてみますね。 まずはハギ、次はオバナ。オバナというのはスズキのことです。 そしてクズ、ナデシコ、オミナエシ、フジバカマ、キキョウです。 この7つなんです。 選んだのは万葉の花陣、山の上のオクラです。 秋の野に咲く花を指折り数えたら7種あった。 そういう趣旨の歌を残しています。 さてここが大事なところですけれども、食べられるかどうかで選んでいない。 これが秋の七草の値打ちだと思います。 春の七草は食べるためのものです。 冬を越えて一番最初に出てくる青いもの。 体に入れるために数えたわけです。 秋の七草は違っていて、食べられないものをわざわざ7つ選んで数え上げている。 そして選ばれた7つをもう一度ご覧ください。 ハギ、スズキ、クズ、ナデシコ、オミナエシ、フジバカマ、キキョウ。 どれも派手ではありません。野に紛れている花ばかりです。 目立つものではなくて目を止めれば見えるものを選んでいる。 日本の美意識のかなり最初の方にある選択。 原始的な感覚だなというふうに私は思います。 着付けを学ぶ方には時々こんなことをお伝えしています。 道に咲いている花に気付ける人でいてくださいとお話しします。 着物や帯にはたくさんの草花や鳥、動物も描かれています。 けれどもその花を実際に見たことがなければ、柄の中に咲いていても案外気付けないんですね。 フジは上から下へ流れるように花を付けます。 桜も咲き始めと満開、散り際ではまるで表情が違います。 鶴が飛び立つときに羽はどう広げているのか。 例えば蝶々はどんなふうに花に留まるのか。 そういうことは本だけではなくて日々の暮らしの中でも覚えていけます。 私は花屋の店先を見たりとか、あとは近所の庭木を眺めたりとか、 動物や日本の自然を紹介するテレビ番組を見たりします。好きです、とても。 そして目にしたものが少しずつ蓄積されてきて、着物や帯を見たときに季節や景色として立ち上がってくるように、分かってくる、理解できるようになってきます。 ああ、この時期に咲いていた藤だからこそ、少し先取りして藤の帯でもよかろうとか、そういうふうなアドバイスもできるわけですね。 帯結びの形を覚えることも大切ですけれども、その前に目の前の季節に気づけるという自分でいること、とても大事だと思います。 美しいものを扱う人ほど、まず美しさを見つけられる人であって欲しいと思っています。 役に立たないものをわざわざ7つ選んで数え上げる、この贅沢さがとても良いなと思います。 食べられる草を数えるのはわかります。これは必要だからです。体に対して。けれども、見るだけの草を7つ選ぶのは、すごく必要なことではないですよね。必須なことではないです。 必要ではないことをわざわざしているわけです。そこに文化と呼ばれるものが始まるのではないかなと思います。 そしてもう一つ、選ばれた7つがどれも地味だということです。もし、きれいな花を7つなら、もっと派手なものが入っていたはずです。 けれども、おくらが選んだのは、野に紛れている花ばかりでした。見つけようとしないと見えない花です。 そういうものを美しいとした人たちが、後に重ねの色目を作っていったわけです。 おみなえし、はぎ、なでしこ、七草の名というのは、そのまま小族の色の名前にもなっていきます。 千年後の今も、私はその名前で色を呼ぶようにしています。 今日は9月11日、明日は鳥の話をします。先ほども動物の話が出てきましたが、鳥の話をします。 日本最古の書物に、鳥に教わったと書いている、そういう話です。 今日もお聞きいただきありがとうございました。また明日。ごきげんよう。 もっと見る #秋の七草 #葛 #桔梗 #萩 #藤袴 #薄 #撫子 #女郎花 十二単着付け師の【にちにち気づきだより】さとうみなこ00:551.今日はどんな日05:162.美しさを見つけられる人であってほしいコメント感想・質問・応援メッセージを書こう
第653話 平安の一生【五十日の祝】 16分・22時間前・ 42再生AI目次平安「五十日の祝い」の真実餅が示す赤ん坊の未来とは?紫式部日記にも登場する祝宴現代の「育成」に通じる先見性儀式が固める大人の「覚悟」
第652話 【水始涸】元へ戻し静かに閉じていく 13分・一昨日・ 36再生AI目次「水初めて枯るる」七十二候の異質さ光を映す田んぼ、土色への回帰華やかさの後に続く「下ろす」仕事「終える」ことの真の意味、次への接続華やかではない「終わりの施策」の価値
第651話 神無月〜離れることは見放すことではない 10分・10月2日・ 64再生AI目次「神無月」の名の由来とその背景「神様のお留守」が教える支えとは教える立場で気づいた師の言葉の重み人の成長を促す「待つ心」の重要性「離れる」がもたらす自立と内なる力
第650話 衣を整え、季節を迎える 11分・10月1日・ 65再生AI目次平安貴族の衣替え:住まいも変える五感で楽しむ平安の季節の移ろい「更衣」に込められた二つの意味とは?衣が導く心と体の季節への準備衣替えで心と暮らしを整える秘訣
第649話 長月に思う〜急がずに向き合う時間 10分・9月30日・ 80再生AI目次長月が秘める意味と夜の過ごし方時間の長さに潜む大切な気づき手間をかける仕事が教えるもの効率化の中で守るべき手間とは長月に考える丁寧な時間の使い方
第648話 言葉を知ると、見えるものが変わる 9分・9月29日・ 67再生AI目次秋の情景を彩る微妙な言葉の数々曖昧な感覚が明確になる言葉の力「なんとなく違う」が「違い」に変わる瞬間技術習得に不可欠な言葉と観察眼の連携言葉で育む感性と世界を深める知覚
第647話 蟄虫坏戸 — また戻れる場所であるために 9分・9月28日・ 66再生AI目次巡る季節に宿る穏やかな眼差し稽古場を「休む」ことの真意鍵をかけずに待つ教える側の心休止期間に育つ見えない学びの力戸を閉じても歩み続ける人生の道
第646話 【月やあらぬ…】同時に見られる唯一のもの 11分・9月27日・ 84再生AI目次源氏物語に登場する「月」の役割とは?隔たった者同士を結ぶ唯一の「月」成平の歌にみる変わらぬ月と移ろう心着物と技が繋ぐ時空を超えた絆千年前の装束に触れることで得る一体感
第645話 【御萩】と【牡丹餅】 9分・9月26日・ 60再生AI目次おはぎとぼたもち、季節で変わる呼称の謎同じ食べ物に異なる名を贈る日本文化合理性だけではない呼び分けの深い意味文道の現場に見る所作と心持ちの変化二つの名前が伝える季節と心の移ろい
第644話 【月の宴】水面に映った月を観る 10分・9月25日・ 36再生AI目次「中秋の明月」と平安の「歓月」月を直接見ない、平安貴族の知恵水面に映す月が心を動かす理由着付けの鏡が教える「距離」の価値とどまらない月が心に残すものとは