TOPハウツー・学習歴史十二単着付け師の【にちにち気づきだより】第641話 【強飯】米は食べ物であり通貨でもあった時代08:24 9月22日 65再生 問題を報告する 再生する シェアする AI目次平安の主食「強飯」の驚くべき実態「こわい」語源は硬いご飯?食文化の深層米が通貨だった時代 経済を支えた価値値段より「手間」が重要?本当の価値とは現代社会が忘れた?手間の価値と豊かさAI文字起こし(β版) # 今日はどんな日 日々気付きだより佐藤美奈子です。 今日もお聞きいただきありがとうございます。 このチャンネルでは、毎朝、平安の行事、季節の移ろい、 当時の人の暮らし、そして所属のこと、その日の小読みを一つお話ししています。 千年前の営みが、今の暮らしや仕事にどう繋がっているのか、 毎朝一つお届けしています。 はい、昨日は平安の名付け、名前を付けるお話をしました。 今日は、食べるもの、お米の話です。 今年のお米が出回り始めている頃です。新米ですね。 皆さんはもう新米、お召し上がりになったでしょうか。 そして、七十二項も変わります。 雷すなわち声を納む、雷すなわちこれを納む、という項に入っていきました。 雷が声を納める頃という意味です。 # 手がかかるものの価値 平安の主食は、今もお米を主食になさっている方が多いと思いますが、平安時代もやはりお米です。 ただし、今の炊いたご飯とはちょっと違いまして、強い飯と書いて、こわいいと言います。 固式で蒸した、大変硬いご飯です。 どれくらい硬いかというと、今の現代の炊きたてのご飯でしたら、 お箸でお米をすっと一口分取ったとしても、ほくほくと柔らかくて、ほろほろと落ちてくる感覚があると思うんですが、 そんなことはなく、箸でもがっちりつかめるほどと言われています。 そして、高く高く盛り付けて出されています。 今のように炊いた、ひめいい、今のようなご飯、柔らかいようなご飯のことを、お姫様のご飯と書いて、ひめいいと言って、 そのひめいいが主流になるのは、ずっとずっと後の世のことです。 ちなみに、こわい、つよいという意味をよくこわいという表現しますが、そういう形容の仕方ありますよね。 あれは、このご飯の硬さから来ていると言われています。 さて、ここからが今日の本題ですが、 米は食べ物であると同時に通貨でもありました。 役人の給与も米、お寺へのお布施も米、土地の価値も米の量で計られる、そんな時代です。 地方の官僚、いわゆるずりょうと言いますが、その任地の吉足も、 金目は米がどれだけ取れるかということで、吉足が区別されていたと言われています。 つまり、米が実るということは、経済が回るということだったわけです。 だから宮中は、あれだけ稲の実りを祈ったわけです。 9月4日に、国物すなわち実るのお話をしました。 一年の行事が稲の小読みでもあったというお話でしたね。 新米でいただく一膳というのは、千年前から国家の関心ごと、 それだけこの米というものは影響力があった食べ物ということになります。 例えば、小族を扱うときに私は、自己生産に向けてですね、値段のことを先にお伝えすることは、まあほぼありません。 高価なものだと聞けば、もちろん丁寧に扱おうとするでしょうけれども、それだけではちょっと違うんじゃないかなと思うんですね。 一枚の絹がここに来るまでにどれだけの時間と人の手が重なっているのか、手を加えられているのか、思いが入っているのか、 お貝子を育てている人がいて、糸を引く人がいて、染める人がいて、織る人がいて、仕立てる人がいるわけです。 その話をすると、自己生産の手つきがちょっと変わってくることもあります。 そっと持つようになったりとか、置き方が静かになったり、畳むときも自然と気持ちが入っていらっしゃいます。 例えば着物だとか、こういう装束を畳むときに、どうしても空気を抜きたくて、トントントンと叩くように畳む方もいますが、 こういうお話をすると、やっぱりちょっと気づいて、トントンと荒く扱うことをスッとやめられる方もいます。 逆に、全くそういう言葉を言っても響かない方もいることは確かですが、やはり練習、お稽古というのを重ねていくたびに、私の思いも受け取ってくださるようになっています。 ありがたいことです。値段を聞いて大事にするのではなくて、そこに費やされた手間を知って大事にしたくなる。 この流れが一番、私は大切なことだと思います。 物の値打ちというのは、金額だけではなく、そこに残っている時間まで感じられたときに、初めて自分の中に入ってくるのだと思います。 お米が食べ物であると同時に通貨でもあった。 これはずいぶん幸せなことだったのではないかと私は思います。 今、お金はお金でしかありません。 食べられませんよね、お金。 けれども、お米なら、価値であると同時に食べられるものでもあります。 そして、作るのに一年かかります。 一年かけて作られたものが、そのまま価値になる。 価値の単位が、手のかかるものだということ。 私の扱っている小族も、そういうものです。 お米と一緒にするという話ではないかもしれませんが、価値の単位が手のかかるもの、まさに小族もそうなんですよね。 一枚の絹に、どれだけの手がかかっているか。 貝子育てて糸をとって染めて縫って縫うと、その全部を知っていると扱い方ががらりと変わるはずです。 受講される方に、値段の話、私はしませんとお話をしました。 代わりに、どうやって作られたかをお話します。 そうすると手つきが変わります。 値段を知って丁寧になるのと、手間を知って丁寧になるのとでは、残るものが違うと私は信じています。 はい、今日はお米の話から、この価値という話まで進んできました。 皆さんいかがでしょうか。 新米をいただく朝、夜、ありましたら、どうぞこのつやっとしたお米に感謝をして、 それだけの人の手がかかって、貴公の足というものも乗り越えて、 このお米は私たちの口に入ってきてくれているということを感謝しながら、この音声も締めたいと思います。 今日は9月22日、明日は終分、お彼岸の中日です。 昼と夜の長さがほぼ等しくなる日のお話をします。 それではまた、ごきげんよう。 もっと見る #平安時代 #新米 #衣替えと健康 #衣と暦 #強飯 #姫飯 十二単着付け師の【にちにち気づきだより】さとうみなこ01:111.今日はどんな日07:132.手がかかるものの価値コメント感想・質問・応援メッセージを書こう
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