TOPハウツー・学習歴史十二単着付け師の【にちにち気づきだより】第642話 【秋分の日】暦と信仰がきれいに重なる日10:32 9月23日 67再生 問題を報告する 再生する シェアする AI目次暦と信仰が重なる「秋分の日」の意味此岸と彼岸を結びつく稀有な一日着付けに見る「左右対称」の落とし穴人体は左右非対称?美しさの再定義本当の「釣り合い」がもたらす調和とはAI文字起こし(β版) # 今日はどんな日? 日々奇跡でおり、佐藤美奈子です。 今日もお聞きいただきありがとうございます。 このチャンネルでは、毎朝、平安の行事、季節の移ろい、 当時の人の暮らし、そして生息のこと、その日の暦を一つお話ししています。 千年前の営みが、今の暮らしや仕事にどう繋がっているのか、 毎朝一つお届けしています。 はい、今日は終文です。 昨日は、新米とお米が通貨だったお話をしました。 終文の日、お彼岸の中日の今日はお話をします。 ちょうどお彼岸の7日間の真ん中の日です。 # 昼と夜が釣り合う日 はい、「終分」というのは、昼と夜の長さがほぼ等しくなる日です。 そして、ここを境に、夜の方が長くなっていきます。 暑さ寒さも彼岸まで、と言いますよね。 実際この日を過ぎると、空気がガラッと変わっていきます。 24世紀は千年以上前に中国で整えられたものです。 それが日本の実感にもよく合っています。 終分を境に、日は目に見えて短くなります。 夕暮れが早いと感じ始めるのが、ちょうど今頃です。 そして、今日は太陽が真西に沈む日でもあります。 一昨日お話ししたような、西の方角に極楽浄土があるとされました。 だから今日は、彼岸の中日として、最も志願と彼岸が近づく日とされたのです。 志願というのは、こちら側の岸を意味しています。 私たちが今生きている、迷いや煩悩に満ちた世界のことです。 それを志願と言います。 悲願というのは、向こう側の岸を意味しています。 煩悩の川を渡って、苦しみのない悟りの世界に達した状態のことを、悲願と言います。 仏教では、志願は東に、悲願は西にあるとされています。 春分の日と秋分の日には、太陽が真東から上り真西に沈むために、志願と悲願が最も通じ合う日とされています。 一年に二度、昼と夜が釣り合う日です。 春分と秋分、その日をご先祖様に会いに行く日と定めたわけです。 暦と信仰がこれほどきれいに重なっている行事は、そう多くないのではないでしょうか。 例えば着付けをしていると、左右を揃えること、襟元なんかは特にそうです。 そして、美しく整えることという表現もどちらもあります。 左右をしっかり揃えなさいとか、美しく整えなさいという二つの言い回しがあるのですけれども、 やはりこれは同じではないので言い分けています。 人の体というのは、もともと完全な左右対称ではありません。 臓器の配置も違いますし、左右対称ではないです。 例えば、心臓の位置のあばら骨というのは、心臓を包むように骨が配置されているので、 若干左胸の方がちょっと出ていらっしゃる方も多く見受けられます。 そうすると、補正をしたり着物をする前に、均等にするときに、 左側は抑え目にして、右側の方のお胸の方は少し厚めにすると、やっと左右が揃う。 そういうことです。左右を揃えるとはそういうことです。 肩の高さも違えば、腰の位置も違います。 立ち方や癖によっても、衣の落ち方というのは変わるのですよね。 一番多く見受けられるのは、ショルダーバッグや普通のカバンでもそうですが、 どちらかの腕で必ず持たないと落ち着かない。 左の腕でいつも持っているとか、左肩にいつもショルダーをかけているという方の 右・左の肩の上がり具合というのは、やはり変わってきます。 人にはそういう癖というものだったり、じわりじわりそうなっていったという左右不対称なものもどうしてもあります。 ですから定規で測ったように左右を同じにすると、かえって違和感が出ることがあります。 私はちょっとそれが美しいとは言えないなという私の感覚があります。 そんな時はほんの少しだけ寄せてみたりとか引いてみたり、その塩梅というものは経験に基づいたものでもあると思いますが、そのようにします。 片方を整えるためにもう片方を少し譲るということももちろんあります。 大切なのは数字として同じであることではなくて、 その方がそこに立った時に全体が静かに穏やかに収まって見えること、そこがやっぱり大事かなと思います。 長くこういう着付けなどの仕事をしていますと、 整えるというのはすべてを同じにすることではなくて、それぞれの違いを見た上でちょうど良いところを探すこと。 それが仕事の内に入ってくるなとつくづく思います。 釣り合いというのは、揃えることではなくて、相手に合わせて見つけていくものなのだと思います。 ですから、例えばあの方の着付けはちょっと肩が凝るとか、あの方にやってもらうとすごく楽なのっていう場合、 技術が上手い下手とはちょっと違うんですよね。 その方の体の癖というものをきちんと理解して無理のないようにしていらっしゃるという方が、 指示されている着付け師さんではないかなと思います。 昼と夜が釣り合う日です。 1年365日のうち、釣り合っているのはこのたった2日です。 旬分と秋分です。 あとの363日はどちらかが長くて、どちらかが短いということにもなりますよね。 私はこれがすごくいいなというふうに思います。 とても好きな感覚です。 もしも毎日釣り合っていたら、たぶん誰も気にしないんですよね。 2日しかないから、その日に秋分とか旬分って名前をちゃんとつけてあるわけです。 着付けにも似たところがあって、完全に左右対称にするとかえって美しく見えない。 人の体は左右違うし、肩の高さも腰の位置も違う。 そこに全く対称のものを着せてしまうと、体の方のズレが目立ってしまう。 だから、わずかに寄せたり、少し補正を足したりとかしてバランスを取ります。 見た目が釣り合うように、実際にはちょっとずらしていることも実はあります。 よく帯結びなんかもそうでしょうか、ちょっと解釈が違いますけれども、 私のようにちょっと体格のいい、お尻もしっかり大きいような女性の場合、 一般的にお太鼓結びという四角い正式な帯というのは、 長さが40センチぐらいに作る。 タレの長さが40で、お太鼓部分が30でとよく言われます。 帯幅は30センチです。ですからちょっと縦長に見えるわけですが、 その40センチでは私の体には合わないんですね。 逆にタレの方をちょっと40よりも長くしてみたり、 ちょっと気軽な着物だった場合に、 タレの部分を若干斜めにするということで、 お尻がカモフラージュされてすごくすっきり見えるという釣り合わせ方があります。 これはちょっと熟練した考え方が必要となる技術ですけれども、 釣り合って見えるように見えるということと、 実際釣り合っているとは別のことです。 きちんと左右対称にしたら私の体は実は合わない。 ちょっと不釣り合いにした方が合う体もあるよということを知っていただきたいなと思います。 1年に2度しかない釣り合う日にそんなことを思いました。 今日は修文、彼岸の中日です。 明日は香りのお話をします。 平安の香りは焚くものではなく、温めて香らせるものでした。 最後に一つお知らせをさせてください。 この小読みはいくつかの場所でお届けをしています。 サイトでは毎朝7時に、 インスタグラムでも毎朝、kb平安のインスタグラムでお届けしています。 メールでは毎週火曜日の朝に7日分をまとめてお届けしています。 どれも同じ小読みですので、ご自分の合うところでお楽しみいただきたいと思います。 それではまた明日。ごきげんよう。 もっと見る #秋分の日 #彼岸 #彼岸の中日 #塩梅 #左右対称 #此岸 #衣と暦 十二単着付け師の【にちにち気づきだより】さとうみなこ00:501.今日はどんな日?09:432.昼と夜が釣り合う日https://ikumina.comコメント感想・質問・応援メッセージを書こう
第674話 平安人は「何を掛けて」眠っていたのか? 15分・17時間前・ 25再生AI目次千年前、平安人は何を掛けていた?衾と夜着:衣と寝具の境界線重ね着が生んだ平安の装束文化十二単衣の重みが伝える熟練の技布団一枚に繋がる千年の歴史と思想
第673話 柚子の皮ひとかけで、秋を感じる 15分・一昨日・ 24再生AI目次柚子ひとかけが告げる秋の深まり古事記から平安へ、橘の香りの物語装いを彩る帯締めの繊細な心配り「引き算」が魅せる日本の美意識柚子の香りが呼び起こす遠い記憶
第672話 霜降〜露と霜の違いは? 11分・10月23日・ 41再生AI目次梅雨と霜、その形成メカニズムの差二十四節気に刻まれた秋の深まり暦が示す日付と各地の季節のずれ十二単が教える変化の美しさとは日々の小さな変化に気づく心の豊かさ
第671話 平安京はなぜ、東へ広がったのか? 15分・10月22日・ 49再生AI目次平安京建都の日に振り返る歴史設計図通りの都にならなかった理由理想と現実の間で都はどう変化したか守るべきものと変えるべきもの見極め世代を越え育まれた古都の姿とは
第670話 清少納言は、なぜ御簾を上げたのか。 13分・10月21日・ 70再生AI目次平安貴族を魅了した白詩文集の世界紫式部を悩ませた漢詩の学びと女性清少納言が御簾を上げた、その真意言葉なき対話を生む共通認識の力知を分かち合う教養が繋ぐ人と人
第669話 神様の留守を守る「恵比寿さま」 13分・10月20日・ 82再生AI目次カンナ月に出雲に残る神様とは?商売繁盛を司る恵比寿さまの役割目立たぬ場所を守る「留守神」への感謝「べったら市」が今に伝える恵比寿講日常を支える「見えない貢献」の価値
第668話 「百日の祝」生後百日、もう一度祝った理由 12分・10月19日・ 79再生AI目次平安時代の「百日の祝」その真意とは医療が未発達な時代の「日々の重み」「百日の祝」から「お食い初め」へ「できた」だけではない継続の価値誰かと分かち合う「日々の歩み」
第667話 虫の声と、言葉にしない「寂しさ」 12分・10月18日・ 79再生AI目次暦と虫の声 古代のキリギリスとは和歌が紡ぐ独り眠る夜の情景「衣片しき」に秘められた寂しさ言葉なき感情を察する仕事の視点現代社会と日本語の余白の美
第666話 新米を、まず神さまへ 13分・10月17日・ 78再生AI目次「新米をまず神様へ」平安の智慧稲作と「衣」に宿る感謝の祈り「良いものをまず誰かのため」仕事術自分の喜びより先に「誰かを想う」「いただきます」千年の感謝と恵み
第665話 琵琶の音から、弾く人が見えてくる 13分・10月16日・ 81再生AI目次平安貴族の琵琶:女性も奏でた優雅な音色源氏物語に学ぶ、技は「かきあわせ」に宿る姿見えぬ琵琶の音に込められた心のあり方着付けの心:最初の所作に表れるプロの技小さな変化を見抜く、聴き手の感性とは