TOPハウツー・学習歴史十二単着付け師の【にちにち気づきだより】第649話 長月に思う〜急がずに向き合う時間09:46 9月30日 87再生 問題を報告する 再生する シェアする AI目次長月が秘める意味と夜の過ごし方時間の長さに潜む大切な気づき手間をかける仕事が教えるもの効率化の中で守るべき手間とは長月に考える丁寧な時間の使い方AI文字起こし(β版) # チャプター 1 日々気づきだより佐藤美奈子です。 今日もお聞きいただきありがとうございます。 このチャンネルでは、毎朝、平安の行事、季節の移ろい、 当時の人の暮らし、そして消息のこと、その日の暦を一つお話ししています。 千年前の営みが、今の暮らしや仕事にどう繋がっているのか、 毎朝一つお届けしています。 おはようございます。 昨日は、秋の涼しさや寒さを表す言葉をいくつかご紹介しました。 言葉を一つ知ることで、それまで気づかなかった違いが見えてくる、そんなお話です。 そして今日は9月の最後の日です。 一月の締めくくりに、この月の名前をもう一度味わってみたいと思います。 長月。 この長いという言葉から、時間の受け止め方について少し考えてみます。 # チャプター 2 九月の和名は長月。 もともとは、旧暦の九月を示す名前です。 今度九月とは、ちょっと時期がずれますので、当時はもう少し秋の深まった頃の呼び名だったわけですね。 由来としてよく知られているのは、夜長月が縮まったという説です。 八月は次第に長くなっていく月だからですね。 他にも、稲の刈入れにちなんで、稲刈月から来たという説などもあります。 八月の終わりにお話をした葉月と同じように、由来は一つに定まっているわけではありません。 ですから、昔の人がどのような思いでこの名を付けたのか、これですというふうに言い切ることはできませんけれども、夜が長い月と聞くと、私はその夜をどのように過ごそうかと思いをめぐらせたくなります。 月を眺める。 虫の声に耳をすませる。 明かりの下で本を開く。 この九月にも、月や虫の声など、秋の夜に心を向けるお話をしてきました。 日が暮れるのが早くなると、昼間にできることが少なくなったように感じることがありますが、一方で夜の時間に目を向ければ、静かに何かと向き合う時間が少し長くなったとも受け取れますよね。 長月という名前を口にすると、私は時間の長さだけではなくて、その中で何を感じ、何を大切にするかを考えたいなと思います。 長い時間の中にいるからこそ、気づけることもある。 これは日々、小族に触れているときにも感じることです。 小族の仕事をしていると随分手間がかかるんですね、というふうにお客様からも言われます。 習い始めの方にも特に言われます。 その通りだと思います。 一枚ずつ広げて、確かめて、順番を整えて、置きせして、そして終わればまた丁寧に納めるわけです。 急ごうと思えばもっと早くできるところもあるのかもしれませんけれども、私はその時間を全て不便だとは思っていません。 手をかけている間に布の状態に気づくこともありますし、いつもと違うシワが目についたりとか、少し疲れてきてしまった衣の様子に気づくこともあります。 ああ、そろそろメンテナンスの頃かなというふうに気づくわけです。 そして自分の呼吸も少しずつ整っていきます。 時間がかかるからこそ見えることがあるということです。 便利になることはとてもありがたいことですが、早く済ませられるようになった分、失ってしまう時間もあると思います。 だから私は残すべき手間まで急いでなくさないようにしたいと思っています。 手間の多い仕事というよりは、手をかける時間をたくさん持てる仕事だというふうに考えると、この仕事の見え方が少し変わっていきます。 手をかけている時間には、作業を進めることと相手の様子を確かめることが一緒に含まれていますよね。 布を広げながら、傷んでいるところはないかを見る。 納めながら、次に使うときのことを考える。 一つ一つは小さなことですけれども、その積み重ねが所属を大切に扱うことにつながっていきます。 やっぱりこの十二ひとえは特にそうですけれども、一般的な置物と違って、汗かいたからハイクリーニングとか、ちょっとサイズが高だから仕立て直しだとか、 そういうふうにメンテナンスをこまめにできない、本当に貴重な小属、普通の和紗衣とは違って、やっぱり小属士さんが作る特別な縫い方ですから、丁寧にしたいわけです。 そして手を動かしながら、自分の気持ちにも気づいていく。 今日は少しちょっとせかせかしているなとか、いつもより手に力が入ってしまっているなとか、そういうところに気づければ、一呼吸を置いて、呼吸も整えて、向き合い直すということもできます。 手をかける時間には、物を整えながら自分も整えていく働きがあるのかなと思っています。 もちろん限られた時間の中で仕事をするために、工夫できるところは工夫したいと思っています。 その上で、この手間の中で私は何を確認しているのかなということを一度考えてみたいなと思っています。 そこに物を守るための確認だとか、人への心配りがあるなら、その時間は大切に残しておきたい。 この長月という名前から私はそんなことを考えました。 長い夜にも手をかける仕事にも、その時間の中に身を置いて初めて気づくことがあります。 時間をどう過ごすかによって受け取れるものも変わってきますよね。 今日は9月30日。9月も今日で終わりです。 この一月、小読みの言葉を通して季節の移り変わりをたどってきました。 皆様の心にはどのような言葉や景色が残っているでしょうか。ぜひご感想をお寄せください。 今夜は一月を振り返る時間をもう少し持ってみられてはいかがでしょうか。 手をかけてよかったこととか、急がずに向き合えたことがあったかとか、その時間があったから気づけたことが見つかったとか、そんなことを一つ思い出せたらと思います。 明日から10月、かんな月です。神々が出雲に集うという言い伝えでも親しまれている名前ですね。 そのお話はもともと旧暦の10月に結びついたものです。 新しい月も小読みの言葉とともに日々の小さな変化を味わっていきたいと思います。 最後に、この月の終わりにお知らせをさせてください。 この小読みはこの音声の他にもいくつかの場所でお届けしています。 ウェブサイトのコロモト小読み。 毎朝7時に更新しています。 インスタグラムでも毎朝お届けしています。 同じ時刻朝の7時にお届けしています。 アカウントはkbunderbar.heianのアカウントです。 そして、メールでは毎週火曜日の朝に7日分をまとめてお届けしています。 毎日少しずつ読みたい方にも、週に一度まとめて振り返りたい方にも、ご都合に合わせて楽しんでいただけたらと思っています。 そして、ノートではその月から選んだ言葉をまとめてご紹介したり、これは皆さんにこの文章として読んでもらいたいというものは、その都度アップさせていただいております。 ノートには、「まとう平安」、「日々めぐりお読み」、「教える人へ」という3つのマガジンもあります。 読みやすい場所、受け取りやすい形を選んで、ご自身の暮らしの中で楽しんでいただけましたら嬉しく思います。 9月もお聞きくださりありがとうございました。 明日からもその日の小読みを手がかりにお話をしてまいります。 それではまたごきげんよう。 もっと見る #長月 #夜長月 #衣と暦 十二単着付け師の【にちにち気づきだより】さとうみなこ01:071.チャプター 108:402.チャプター 2コメント感想・質問・応援メッセージを書こう
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