TOPハウツー・学習歴史十二単着付け師の【にちにち気づきだより】第651話 神無月〜離れることは見放すことではない09:59 10月2日 78再生 問題を報告する 再生する シェアする AI目次「神無月」の名の由来とその背景「神様のお留守」が教える支えとは教える立場で気づいた師の言葉の重み人の成長を促す「待つ心」の重要性「離れる」がもたらす自立と内なる力AI文字起こし(β版) # 今日はどんな日? 日にち気づきだより、佐藤美奈子です。 今日もお聞きいただきありがとうございます。 このチャンネルでは、毎朝、平安の行事、季節の移ろい、 当時の人の暮らし、そして、少族のこと、その日の暦を一つお届けしています。 千年前の営みが、今の暮らしや仕事にどう繋がっているのか、 毎朝一つお届けしています。 おはようございます。 10月も二日となりました。 昨日は衣替えのお話をしました。 今日は、この10月という月の名前に目を向けてみたいと思います。 10月の和名は、かんな月、神がない月と書きますね。 この名前を聞くと、神々が出雲へ集まるお話を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。 各地の神様が出雲へ出かけ、お留守になる。 そのため、かんな月と呼ぶ、といういい伝えですね。 そして、神々をお迎えする出雲では、神有月。 同じ月に送り出す土地と迎える土地がある。 二つの呼び名から、神々の旅を思い描くことができますよね。 今日は、このお留守という言葉から、人を支えて見守ることについて考えてみたいと思います。 # 神様のお留守 はじめに、小読みのことを少しお伝えしたいと思います。 神々が出雲に集うというお話は、もともと旧暦の10月に結びついたものです。 今の10月とそのまま同じ時期では、もちろんありません。 また、カンナ月という名前の由来には、いくつかの説があります。 その一つが、「神の月」という意味だという説です。 カンナ月の名を、「の」に当たる古い助詞と捉える考え方です。 カンナ月がカンノ月ということですね。 みな月というのがありますね。水がない月、みな月の、「な」にも同じような説明があります。 一方で神々が出雲へ集まるという言い伝えも、平安時代の終わり頃の文献にはすでに記されています。 長い年月人々の間で語り継がれてきたお話なんですね。 土地によっては、留守を守る神様の伝承もあります。 神々の旅を人々がそれぞれの暮らしの中で思い描いてきたのでしょう。 名前の成り立ちを考えることと、その名前に重ねられてきた物語というものを味わってみると、 どちらにも心を向けてみたいなと思わせてくれます。 私がこの言い伝えの中で心に留めておきたいのは、「留守」という言葉です。 神様が留守をしている。 いつもいらっしゃる方がしばらく席を外している。 また、お帰りになるまでこちらで過ごしている。 その間に、普段は気づかなかった支えに気づくことがあります。 すぐに尋ねられる人が今日はそばにいない。 そんな時、以前かけてもらった言葉や、見せてもらった姿を思い出すわけです。 そばを離れて初めてその人から受け取っていたものが、自分の中にあるとわかるわけですね。 神様のお留守の話を聞くと、私は教える仕事を始めた頃のことをちょっと思い出しました。 教わる側から教える側に回ったばかりの頃のこと。 ちょうど26から27歳になった頃でしょうかね。今から30年前のことです。 今でもよく覚えているんですけれども、それまではわからないことがあれば、 例えば私の師匠、先生だったり先輩に聞けばよかったわけです。 迷ったら誰かの手元を見れば答えがあるわけですよね。 けれども自分が前に立つようになると、まあそうはいきません。 受講生の方は私の恩を見ているわけで、私が虚ろな目であちらこちら探すわけにはいかないわけですよね。 その場で起きたことに、誰かが答えてくれるのを待つわけにはいかない。 まあそれはもう最初の頃はそのことがとても心細かったですね。 だから本当に昔は受講生の方の方がキャリアが多かったので、 ちょっと答えられないことはそれは嘘をつきませんので、 調べておきますとか、先生にちょっと聞いておきますとか、 そういうことを言ってうまいことやり過ごしていたこともありますけれども、 これで良いのだろうかと思いながら、それでも自分で判断して手を動かしていました。 不思議なもので、頼れる人がそばにいないということは、 これまで教わってきた言葉が一つずつ自分の中から出てきます。 あの時師匠はこう言ってたなとか、あの表現してたなとか、 あとはこういう時に先輩はこう動いてたんだよなということ、 そばにいないからこそその人から受け取っていたもの、 とってもたくさん受け取ってきたなということに気づくわけです。 そして受講生を見ていると同じことを感じる瞬間があります。 こちらがすぐに手を出せばきれいに整えてあげることはもちろんできますが、 少し待つ、待ってあげるというか、こちらもどっしり構えているというか、 迷っている時間もその方にお渡しする。 私の方が奪ってしまうね。 それはこうこうこうこうやるんですよってやってしまうと、 私がせっかくの時間を奪っていることになるので、 そうではなくてもうその方の受講の時間ですからお渡ししてしまう。 すると自分で考えて自分の手で答えを見つけるという流れになっていきます。 その姿を見ると、ああもうずっとそばにいなくてもこの方は大丈夫なんだなというふうに私も思えるわけです。 離れることは見放すということではなくて、 少し留守にすることでその人の中に残っているものがようやく動き出すということもあるのだなと思っています。 教える側にも待つ心が必要ですよね。 少し迷っている姿を見るとついつい声をかけたくなりますが、 その方は今教わったことを思い出して自分の手で確かめているのかもしれません。 ですから待つわけです。 その時間を急いで埋めずにじっと見守る。 そんな時間も必要です。 そして自分でできた時には一緒に喜ぶわけです。 助けが必要な時にはまた手を差し伸べて差し上げれば良いわけです。 かつて私が受け取った数々の教えというものも、 そうして次の方へ渡っていくわけですし、渡していきたいんですね。 そばにいる時に伝えたことが離れている時にその方の支えになると信じたいからです。 教えるという仕事の中でこれから大切にしていきたいこと、 それがやはり離れている時に支えになることを今伝えておきたい、 伝えていきたいと思うことです。 かんなづきとかみありづき。 神々を送り出してまた戻ってきて迎えて差し上げる。 その言い伝えから今日は人を見守るということをちょっと当てはめてみてお話をしました。 今はそばにいなくてもふとした時に思い出す言葉や姿があります。 皆様の中にはどなたの教えが残っていますでしょうか。 その方を思い浮かべながら今日の一日を始めてみたらいかがでしょうか。 神様がいらっしゃる月、この9月の長月もそうでしたけれども、 毎日のように神頼みしていたが、この10月はかんな月ですからいらっしゃらない。 いらっしゃらないけれども、その月以外の時にいろんな築きがあったり、 いろんなことを学んできたことを今は心に留めながら進んでいくと、 またお戻りになった時に成長した自分を神様に見せて差し上げられるというか、 そんな気持ちの10月を過ごしたいと思います。 それではまた。ごきげんよう。 もっと見る #二十四節気 #七十二候 #出雲 #神在月 #神無月 #衣と暦 十二単着付け師の【にちにち気づきだより】さとうみなこ01:361.今日はどんな日?08:242.神様のお留守コメント感想・質問・応援メッセージを書こう
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