TOPハウツー・学習歴史十二単着付け師の【にちにち気づきだより】第657話 【寒露】見る秋から、触れる秋へ11:34 10月8日 38再生 問題を報告する 再生する シェアする AI目次寒露が示す、視覚から触覚の季節へ二十四節気に見る、緩やかな季節の変化肖族から学ぶ、手で感じる確かな世界「触れる」行為に宿る、より深い関わり人との関わりへも通じる「触れる」意味AI文字起こし(β版) # 今日はどんな日? 一日気付きだより佐藤美奈子です。 今日もお聞きいただきありがとうございます。 このチャンネルでは、毎朝、平安の行事、季節の移ろい、 当時の人の暮らし、そして衣のこと、その日の暦を一つお話ししています。 千年前の営みが、今の暮らしや仕事にどう繋がっているのか、 毎朝一つお届けしています。 はい、今日は10月8日となりました。 今日は24世紀の一つ、寒露です。 寒い梅雨と書きます。寒露。 朝晩の空気がひんやりとして、草の葉に宿る梅雨にも秋の深まりを感じる頃です。 先月、9月には白露、白い梅雨のお話をしました。 覚えていらっしゃるでしょうか。 白露は、草原に降りてきた梅雨が、朝の光を受けて白く見える頃です。 そして、一月ほど経った今日が寒露です。 同じ梅雨なのに、白露では白いと言って、寒露では冷たいと言う。 私はこの違いがとても良いなと思います。 一月前は目でいた露を今日は肌で感じている。 季節が少しこちらへ近づいてきたようにも感じてきます。 今日は、そんな見ることと触れることの違いからお話をしてみます。 # 白露から寒露へ はい、薄露と寒露を並べてみると、季節の捉え方が少し変わっていることに気づきます。 薄露は梅雨が白く見える。 目に映る変化ですよね。 寒露は梅雨が冷たい。 こちらは触れた時の感覚です。 見た目から手触りへ。遠くから眺めていた季節が、いつの間にか自分の体に触れるところまで来ているという感じでしょうか。 そしてこの先には、相交があります。相交というのは霜が降りると書きます。 今年はちょうど10月の23日頃が相交。 霜が降り始める頃です。 9月の薄露、10月の寒露、そしてその先の相交、こうして並べてみると、秋の水が少しずつ表情を変えているように見えますよね。 朝の光の中で白く見えていた梅雨がやがて冷たさを増して、季節がさらに深まると霜の気配へ近づいていく。 二十四節記というのは一つ一つを別々に覚えようとすると、24個の名前が並んでいるだけに見えますけれども、続けて見てみると、前の季節から次の季節へ言葉が受け渡されていることがあります。 例えば、小書から大書へ。小さい暑い小書から大きく暑い大書へ。そして小説から大説へ。 小さい雪と書く小説から大きな雪と書く大説へ。そして小寒から大寒へ。小さい寒いと書く小寒から大きく寒いと書く大寒へ。 そして白露から寒露へ。 もう突然景色が変わるわけではないですね。やっぱりじわりじわりこの言葉が表すように、昨日まで夏だったのに今日から秋になるわけでもなくて、季節は気づかないほどゆっくり進んでいっている。 その小さな変化を見逃さないように人はこういうふうに名前をつけているんですね。 私は21世紀を知るようになってから、季節というものを日付ではなくて途中の変化として見たくなってきました。 今日は何月何日という、まあ今の現代の日付というものがありますけれども、自分の感覚を大事にしたいなと思うようになりましたね。 完成した秋を見るのではなくて、秋になっていく途中を見る。 秋めいてきて、その後どんどん秋深まっていくというのを肌で感じたいし、手触りで感じたいなと思います。 まあだから、ベランダなどで植物を植えている時も、もみじの葉っぱが赤く色づいてきたなとか、そういうことで感じたいんですよね。 そこには私の仕事ととても重なるところがあって、小族を扱う手もある日突然変わるわけではないので、じわりじわり変わっていくのが、なんとなくOKこと同じだなと思っています。 例えば小族を扱っていると、目で見ただけではわからないことが、手に触れた瞬間に伝わってくることがたくさんあります。 同じ絹でも、張りのあるものもあれば、しなやかなものもあります。 乾いた日の布と、少し湿りを含んだ日の布では、指先に返ってくる感触もやはり違います。 見た目にはほとんど変わらないこともありますけれども、手に取るとわかるんですよね。 ですから私は、受講生の方にもよく触れて覚えてくださいとお伝えしています。 これが、この絹の中でもとても繊細な、一本一本がとても細くて美しい絹で使われている、こちらの方は逆に節のあるもので作られている、 同じ絹でもやはり違いますので、触れてくださいとお伝えしています。 稽古を始めた頃というのは、どうしても目が先に働いてしまいます。 例えば、形は合っているかとか、思った通りにできているかとか、ここに帯締め、帯揚げの位置は正しいかとか、お太鼓の位置は体に対してどうかとか、 そういうふうに、私の見本と同じになっているかとか、教科書通りになっているかとか、そういうことを見てしまいがちでしたけれども、 もちろんそれも大事なんですが、稽古を重ねていると、あるところから手の方が先に気づくようになります。 これはいつもより重い帯だなとか、これはおてんばな絹だなとか、少し力が入りすぎてはいけない生地感だなとか、 ここはもう少し緩めた方が良さそうな感じだなというふうに、言葉にはできなくてもなんとなく指先が先に何かを受け取っているという感覚になる時があります。 私はそういう生徒さんたちの姿を見ていると、その方の中に技が少しずつ根を下ろしてきたんだなというふうに思います。 どんどんどんどん蓄積されているからこそ、今多分感じていらっしゃるなというふうに、私自身が感じ取れる時もあります。 とてもそれは嬉しいことです。教わった形を再現するのではなくて、自分の体で確かめて始めているからです。 良いと思いませんか?私がこうしろこうしろと言ったことをやるというのも大事だけれども、それ以上に今日渡されたこの着物、この帯の感触からどのようにしようかと感じているなんて、とても素晴らしい感覚だと思います。 見ることは入り口です。まずよく見る。見るということはとても大事です。同じようにやってみる。これもとても大事です。 ですけれども、その先に自分の手で触れてわかる世界が必ず来ますし、必ずあるんですよね。 布の重さだったり、温度だったり、柔らかさだったり、こう引いた時にどういうふうな反発が返ってくるものなのか。 例えば、触れたら触れただけ素直に来てくれるものもあれば、ちょっと素直さのない衣も実はあるんですよね。 それらは写真でも言葉でも全て伝えることはできませんので、自分の手を近づけて触れてみるしかないんです。 肖族というのは眺めてみるもの、覚えるものではなくて、少しずつ手の中で知っていくものです。そして不思議なことに、触れるほど見る目も変わっていきます。 以前は同じように見えていたものが、今度は目でもわかるようになってきます。 見て、触れて、そしてまた見るというその繰り返しの中で、手も目もこう育っていくわけです。 ハクロからカンロへ。私はこの移り変わりを眺めていると、見ることと触れることの間隔、距離というふうなことにとても気づかされます。 見るだけなら少し離れたところからでもできますが、触れるためには近づかなければなりませんよね。 手を伸ばせるところまで自分が進んでいく必要があります。だから、触れるという行為には見ることよりも少し深い関わりがあるのかもしれません。 遠くから見ているうちは綺麗だと思うだけだったものが、手にとると思いのほか重かったり冷たかったり柔らかかったりする。 遠くで見ているととても軽やかな仕上げに見えるけれども、実際自分がそれを使わせてもらうと、ああ、こんなに重いものだったのか。 これを扱ってた前の人は、本当にこの重さが見た目に軽やかに感じるような置き付けをしてたんだなぁと思うと、本当に尊敬してしまいます。 近づいたからこそ分かることがありますね。これは人との関わりにも少し似ているかなと思います。 遠くから見ていると分かったつもりになることもあるんですけれども、実際にそばに行って言葉を交わして一緒に時間を過ごしてみると、思っていたのとは違うことが見えてきます。 近づけば心地よいことだけが分かるわけではありません。冷たさに気づくことだってあるし、扱いにくさを知ることもある。 それでも遠くから眺めているよりも少し確かなものに触れられる。 博露の頃は光の中で露を見ましたが、観露になるとその冷たさを肌で感じる。そんな季節です。 今日は二十四世紀の観露のお話でした。 博露では白く光る露を見ましたけれども、観露ではその冷たさを感じます。 さあ、秋深まってきました。皆様は指先からでしょうか?目からでしょうか? 秋を感じるのはどちらでしょうか? それではまたごきげんよう。 もっと見る #二十四節気 #七十二候 #寒露 #白露 #秋深まる 十二単着付け師の【にちにち気づきだより】さとうみなこ01:371.今日はどんな日?09:582.白露から寒露へコメント感想・質問・応援メッセージを書こう
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