TOPハウツー・学習歴史【にちにち気づきだより】第660話 鴻雁来(こうがんきたる)去るものと、来るもの10:21 10月11日 57再生 問題を報告する 再生する シェアする AI目次燕と雁が織りなす季節の巡り雁が運ぶ「便り」の古き由来稽古場に映る人の縁の繋がり寂しさを越える「去来」の暦空を見上げ紡ぐ千年の時AI文字起こし(β版) # 今日はどんな日? 日々木月だより佐藤美奈子です。 今日もお聞きいただきありがとうございます。 このチャンネルでは、毎朝、平安の行事、季節の移ろい、当時の人の暮らし、そして衣のこと、その日の暦を一つお話ししています。 千年前の営みが、今の暮らしや仕事にどう繋がっているのか、毎朝一つお届けしています。 はい、皆様今日は10月11日です。 昨日から連休の方もいらっしゃるでしょうか。 私も先週いろいろ行事があったので、ずっと勤務しておりましたが、久しぶりの連休で、しかもお天気が良くて、毎日のように洗濯物を干して、それもまた幸せだなと思う、昨日、今日でございます。 今日は、七十二項のお話をします。 高岸来たる。 高岸の岸は、岸という鳥がいますね。 狩りとも読みます。 その狩りが来る頃、北から渡ってきます。 さて、覚えていらっしゃいますでしょうか。 9月の17日に、蕾去るという項がありましたね。 蕾が去る頃という意味です。 蕾が去って、およそ一月経ちました。 入れ替わるように、今度は岸が来ます。 この岸というのは、訓読みで狩り、音読みで岸と読みます。 同じことです。 カモカの大型の水鳥が岸です。 この岸の和訓というのが狩りです。 この和訓というのは、漢字に日本語を当てて訓読みすること。 ちょっと複雑ですけれども、そういう表現の仕方があります。 今日は、その入れ替わりのお話をします。 # 十月 鴻雁来(こうがんきたる) 72項はツバメとガンの両方をきちんと記録していたということですね。 並べてみます。 3月はツバメ来たる。これはツバメが来る、本当にそのものです。 4月は抗ガン帰る。ガンが北へ帰っていくことです。 そして半年後、9月はツバメ去る。今度はツバメが去っていきます。 10月は逆に抗ガン来たる。今度はガンが来る。 ツバメは去るけどガンが来る。ツバメが来るけどガンが北へ帰る。 そういうふうな対になっているんですね。 ツバメが来てガンが帰る。ツバメが去ってガンが来る。 こういうことになります。 2種類の鳥の往復で一年が閉じるようにできている。 空を2つの鳥が交代で通っていく。そんな感じです。 このお話をこの日に持ってくるときに、 ちょうど洗濯物を取り込んでいるときに、 うちはマンションの4階なんですけれども、 周りに高い建物がないので空がまるまる見えるんですね。 飛行機がどんどん同じ経路をたどって、 左の方から来たと思えば、今度は羽田の方から飛び立っていくという飛行機が、 なんとなく交差している感じが空を眺めればあるんですよね。 それをちょっと思い浮かべてしまいました。 72項というのは四重にもありますから、 一つ一つはバラバラに見えますけれども、 こうして言い比べてみると、設計されているなぁということがわかります。 さて、ガンの話をもう少しいたします。 ガンは列を作って飛びます。 あの並びをガン行、ガンが行くと書いてガン行と言います。 そして面白い言葉がありまして、 狩りの頼り、これは手紙のことです。 ガン書とも言います。 この言葉によって読み方を変えていますけれども、 その由来がありまして、 漢の時代、中国漢の時代、 祖父という人が遠い北の地に緑流されていたんですね。 その祖父さんがガンの足に手紙を結んで送った、 そういう故事があります。 事実かどうかはわかりませんけれども、 この話から、この狩りの頼り、ガンの頼りというのは、 手紙を意味するようになりました。 遠くから届くものの代名詞です。 そして私がお稽古場にいますと、 季節ごとに人の顔ぶれが少しずつ変わっていきます。 たくさんおかげさまで来ていただきますので、 やはり時期だとか、それによってメンバーが変わるんですよね。 もう本当に通例にというか、 一月一回とか一月二回とか、 トントンといらっしゃる方もいれば、 ちょうど観光総裁の時期になると、 必ず訪れていただく受講生さんもいて、 やっぱり季節ごと行事ごとによって、 人の顔ぶれが変わっていきます。 長く通われた方が、 ご事情でしばらくお休みになることだってあります。 卒業してそれぞれの道へ進まれているという方もいらっしゃいます。 寂しくないといえば嘘になりますけれども、 いつもその方がいらっしゃったなという場所を見ると、 手の動きや笑い声を思い出すこともあります。 けれども同じ稽古場に新しく来てくださる方も ありがたいことにいらっしゃいます。 初めて着物に触れる方が、 少し緊張した様子で手を伸ばしているという姿を見ていますと、 以前ここにいた方も、 最初はこうだったなというふうに思い出されるんですね。 そして時折、離れていた方から近況が届くことがあります。 今も着物に触れていることですとか、 またお稽古を始めたいというお気持ちがあるけれども、 けれどもちょっと今はなかなかお忙しい。 それは素晴らしいことです。 遠くにいてもその方の時間は続いているわけですよね。 私もこの東京の渋谷で時間を紡いでいますけれども、 その方はその方の土地で時間を続けている。 お稽古場に来なくなったからといって、 ご縁まで消えたりするわけではありません。 新しい方をお迎えしながら、 離れた方からの頼りも受け取る。 とても幸せなことだなと思います。 同じ場所にいても、 私はいつもいろいろな方の行き来の中で 仕事をさせていただいているんだなと感謝しています。 去る者と来る者、同じ空の道を、 季節ごとに違う鳥が通っていく。 とてもこの情景を考えるととてもいいですね。 日本っていいなと思います。 世界中こういう風な景色はあるんでしょうけれども、 やはり日本大好きですから、 日本人として大好きですから、 日本の空にこのようなツバメとガンが 交差しているということを思えばいいですね。 とても好きです。 ツバメが去った時に空は空っぽになったような感じに見えますけれども、 一月経つとちゃんとガンが来てくれるわけですよね。 空いたままではなくて、 誰かが、何かの鳥がきちんと通ってくれているわけです。 そしてガンがいる冬の間はツバメは南にいます。 どちらかが必ずいてくれる。 これはたまたまですけれども、 鳥の都合であって人のためではありませんが、 それでも良いようにしてくれているなって見えている。 その見えていることに昔の人たちはちゃんと名前を付けたわけです。 9月にツバメが去ると書いて、 10月にガンが来ると書いたわけです。 去ることと来ることと両方きちんとあって、 去ることだけを書いていた暦だったら、 秋はもっと寂しい暦だったかもしれません。 でも去るものもあれば来るものもあるという暦だったら、 とても嬉しいことですよね。 そしてこれは見上げる習慣のあった人たちの暦だなと思います。 空を見上げない暮らしの方でなければ、 例えば土の中を表す暦は出てきたりするかもしれませんね。 でもツバメが去っていてガンが来るというのは、 すっと見上げないとわからないので、 毎日空を見ていた人がいた、 その記録が今残っているということではないでしょうか。 10月11日、今日は光岩来るのお話です。 ガンが来たから渡ってきます。 列を作って飛ぶので見ればわかります。 くの字だったり竿の形に並んでいたら、それはガンです。 今日一度でいいので空を見上げてみたときに、 千年前の人が同じようなことをしていて、 その時にパッとガンが飛んでくるのが見えた。 時代も暦もつながっているんだなということを改めて感じた今日です。 それではまた明日。ごきげんよう。 もっと見る #二十四節気 #七十二候 #日本の暦 #鴻雁来 #玄鳥去 【にちにち気づきだより】さとうみなこ/十二単着付け師02:051.今日はどんな日?08:162.十月 鴻雁来(こうがんきたる)コメント感想・質問・応援メッセージを書こう
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