TOPハウツー・学習歴史【にちにち気づきだより】第683話 文をもって化する【文化の日】16:50 11月3日 89再生 問題を報告する 再生する シェアする AI目次「文化の日」真の意味と「文」の源流平安の教養が語る「力ではない美」の追求着付けに学ぶ「早さ」と「美しさ」の真髄「見えない余白」がプロの技を深める知恵と技を次代へ、文化継承の価値AI文字起こし(β版) # 今日は文化の日 明治天皇の「ご誕辰」 日々気付きだより佐藤美奈子です。今日もお聞きいただきありがとうございます。このチャンネルでは毎朝、平安の行事、季節の移ろい、 当時の人の暮らし、そして衣のこと、その日の暦を一つお話ししています。 千年前の営みが今の暮らしや仕事にどう繋がっているのか、毎朝一つお届けしています。 はい、今日は文化の日です。 この祝日がどのように生まれたのか、ご存知でしょうか。 昭和21年、1946年の11月3日に日本国憲法が公布されました。 そして翌年の5月3日に施行されました。 公布された日が文化の日、 施行された日が憲法記念日というわけです。 実は11月3日はもともと明治天皇のお誕生日でもありました。 このお誕生日ですけれども、 名上の方ですとか後続方など位が高い方のお誕生日のことを 御誕申と言います。 文字を書いておきますので覚えておいてください。御誕申。 明治時代には天朝節として祝われて、後には明治節という祝日になっています。 戦前、いわゆる昭和の23年以前には、 天皇陛下などのお誕生日を祝っていた祭日とか祝日の古い名前を天朝節と呼んでいました。 戦後、昭和23年に文化の日として定められて、今に続いています。 ではなぜ文化の日という名前になったのでしょうか。 今日はこの文化という言葉から、私たちが受け継いできたものについてお話をしてみます。 # 自由と平和を愛し、文化をすすめる日 文化の日は、法律では自由と平和を愛し、文化を進める日と定められています。 芸術や学問に親しむ日として知られていますけれども、そこには平和を大切にするという思いも込められているんですね。 さて、そもそも文化とは、どのような言葉の意味を持っているのでしょうか。 私の職場も国際文化利用専門学校、文化がついている学校ですけれども、 今では音楽や絵画、文学だけではなくて、食べ物や衣服、暮らしの習わしまで様々なものを文化と呼んでいます。 日本文化の文化もそうですね。 この文化という言葉は、実は古い中国の書物にも見られます。 文をもって化する。 これは武力や威圧によるのではなくて、学問や教えによって人を導いていくという考え方です。 近代になると、西洋のいわゆるカルチャーという言葉にも文化が当てられるようになって、現在のような広い意味で使われるようになりました。 ここで私はこの文という字に興味を持って調べてみました。 あやとも呼びますよね。あやこさん、ふみこさん、いろいろそういう名前のお友達もいるので、とても親しみのある文字ですけれども。 例えば織物の模様や、色や線が織りなす美しさを表す言葉でもあります。いわゆるあやというものはですね。 漢字の成り立ちをたどると、もとは人の体に施した模様をかたどった字と説明されています。 そして模様を表す言葉から文字や文章などの意味へと広がっていきました。 織物を扱う私にとっては、この文という字、あやという字が美しく整えられた模様を表すことは、とても身近に感じられました。 さてここで平安時代の宮廷に目を向けてみますが、当時宮廷で大切にされたものの一つが教養でした。 和歌を読むこと、美しい文字を書くこと、音楽を奏でて香りを楽しみ、季節にふさわしい生俗を選ぶこと。 そうしたことが人との交流の中でも大きな意味を持っていました。 十月二十一日には、清少納言が中宮廷子の言葉を受けて、蜜を巻き上げたお話をしましたね。 功労法の行きはいかならん。 その言葉に込められた白驚異の詩を理解して、動作で答えたという場面です。 力の強さでも動きの速さでもなくて、同じ詩を知っていて、その意味をお互いに受け取って、ふさわしい形で答える。 そこにあの時代の教養の美しさが現れているように思います。 ただし、平安の宮廷が誰にとっても公平な世界だったわけではないようです。 家柄や身分による違いが大きくて、誰もが同じように学び、認められたわけではないんですね。 それでも、力や速さでは測れないものを大切にしてきたことには、今の私たちにも通じるものがあると思います。 そして、それは私が日々向き合っている絵問答の技にもつながっています。 # 年齢を重ねて上手くなる きつけの講習合問答のお稽古では、 手順を覚えて決められた操作が、動きができるようになることを目指します。 これはやはり皆さんそれぞれに目標がありますからね。 例えば、試験を受ける人もいるし、現場でもう少し時給を上げたい、 これリアルですけれども、もう少しやれる分野が増えると時給も上がったり、 あとは試験を受けて合格すれば、やはり一つのノルマが上がっていって、 その分、お給金もちょっと高くなるみたいなこともやはり細かくあるんですよね。 ですから目標というものを持っていらっしゃるんですが、 最初は一つの動作を進めるだけでも時間がかかります。 なぜかというと、やはり皆さんそれぞれのところで基礎を学んで、 私のところに来てくださるからです。特に着付けの方はですね。 本当に最初からという方もいます。もちろんうちの卒業生なんかは、 最初から私どもの学校のメソッドで育ってきて、外のサロンに行っていろいろ鍛えていただいて、 そしてまた学び直しに来るというと、もうベースは私どもの学校のメソッドなので、 比較的トントントントンと進みますけれども、 他の着付け教室さんなどのところだと若干変わるんですよね。 仕上がりは同じだとしても考え方が少々変わることもあるので時間がかかります。 どこに手を入れて、どういうふうな添え方で確かめるのかとか、 あとは次の動きを思い出しながら進めていくので、 やがて慣れていると手が早く動くようになっていきます。 これも上達の一つですけれども、私は早くできることに越したことはないにしても、 美しくできることと早くできることって必ずしも同じではない。 どちらもできる方っていらっしゃいますけれども、 早くできたからといって良いわけでもなく、 美しくやるためにゆっくりやるというのもちょっと違うわけですね。 特に十二単位の福上げなんかでは、目の前にお方様という位の高い方がいらっしゃって、 文者が手順を正しく進めることはもちろん大切なんですけれども、 安心していただくというのが一番です。 その後の儀式のために十二単位お召しなので、 私たちの試作の時間でバタバタしてしまっては、 気持ちも気もそぞろになるというか、安心できないわけですね。 それだと、いくら襟元が綺麗にいった、仕上がりがうまくいったとしても、 お役としては成り立たないのかなと私は思っています。 こちらの手が動く準備はできていても、 お方様の姿勢が落ち着くまではほんの少し、 私たちも待ちながらやることも必要ですし、 逆にお客様の意を汲んでやって、 差し上げなきゃいけないことも多くありますから。 衣が自然に落ち着くのを見て、次の詳細に移った方がいい場合もある。 空気が動いているのが見えるんですよね。 よくサーモグラフィックでもない、 ホコリが舞うのが映像で見えるのってありますでしょう。 よくくしゃみをすると飛沫がどれだけ飛ぶのかみたいな映像ってよくありますけど、 そういう感じで、その方の着付け方とか、 十二単位の着付け方を見ると、 私の目はそういう目ではないですけど、ロボコップみたいな目ではないですけど、 ああ、今この空気がすごく乱れているなというのは感じるんですよね。 ですから、そういうもの、わずかな間合いというか、 余白というか、そういうものはなかなか教科書にも載っていませんし、 伝えるのはなかなか難しい、伝えきれない部分もあります。 私はこの受講生の方とかには、手元だけではなくて、 お方様のお姿全体、あとは時間全体、この空間全体を見ていただきたいなと思っています。 どこかに無理はないかとか、美しく落ち着いているかとか、 次の動作に進んでよいかとか、 目の前の方と衣の様子を見ながら進めていく、 自分の心拍数も上がっていないように、深呼吸しながらやる、 これはエモンジャとして必要なことです。 こういうふうなことを経験を重ねる中で少しずつ分かるようになります。 突然、何ヶ月後のためにこれだけうまくなるようになりたいといっていらっしゃった方が、 いや、これは2、3ヶ月では無理だよと思うような方もいらっしゃるんですよね。 ちょっときついことを言いますが、 けれども私は成功受け負い人ではないので、 私がやるべきことはやりますけれども、 なかなか難しい。 紙の手ではないのでね、私も。 よく佐藤先生のところに行ったら合格できるとか、 佐藤先生のところに行ったらいいとかね、 お勧めしてくださって、 本当にご紹介でほとんどの枠が埋まるんですけれども、 私は本当に受け負い人ではありませんが、 皆さんの背中を押すだけなので、 この場を借りて説明をしておきます。 同じ所作でもどういう動きでも、 なんで今日は美しく収まったのかということを、 ちゃんと記憶しながら、自分の中にきちんと蓄積させながら、 そういう考えられる余白というのはとても必要ですね。 私は年齢を重ねても学び続けられる仕事に携わっているということは、 すごく嬉しく思っていますけれども、 体の動きに変化があるかもしれません。 私もそろそろ足腰が本当に弱くなってきましたけれども、 長く見てきたからこそ分かることもあるし、 人に伝えられることも増えてきているので、 体を使わずとも、 こういう風な音声だとか、 皆さんとお会いした時にお話しする言葉だとかで、 伝えていきたいなと思います。 文化の火について考えていると、 何を持って良いとするのかという問いが浮かんできます。 仕事でも日々の暮らしでも、 速さや数というのは分かりやすいものですよね。 何分できたかとか、何回できたかとか、 今日は10回やれただとか、 以前よりどれだけ進んだとか、 そういう目安も必要なんですけれども、 人がやはり身につけていくものには、 数字に表しにくいものがあると思いませんか。 やっぱり所属を扱う手の落ち着きだとか、 触れ方とかですね。 そういうことっていうのは、 本を見て学んでやるということではないんですよね。 そこに教養が出るというか、 これは本当に難しいことですけれども、 日々の暮らし方とか、 意識の持ち方が手に出ますね、こういう時は。 教わったことの意味を理解して、 次の人に伝えられること、 とても私はそれが重要だと思って、 時間をかけて、 自分の中でも育んできているつもりですけれども、 逆に年齢を重ねたからこそ、 深まることもあるんですよね。 なので、年だからとかというよりも、 その年だからという、 その年だからこそ、 伝えていただきたいものは、 たくさん終わりなので、 ぐっと引いてしまわずに、 言葉にしてみたり、 誰かにちょっと声をかけてみたりということに、 つなげていただければいいと思います。 本当に人から人へ渡されていく知恵とか技とか、 そういうものも文化の大切な一部だと思います。 それを受け継ぐ人がいるから、 文化というのは続いていくので、 速さ、上手さ、何か合格した、賞を取ったというから、 その人が一番かと言ったら、 いや、そうじゃないですよ。 やっぱり継続して長く続けている方から、 学ぶべきことはたくさんあります。 そういう方から伺っていくことで、 この文化は続いていくと、 私は信じながら、 私もコツコツとやっているわけです。 # おわりに はい11月3日今日は文化の日のお話でした。 文という字には美しい模様を表す意味があります。 あやという言い方の中にそれが表されていますね。 そして文化には力や速さだけでは測れない人の営みが息づいています。 今日は祝日です。 祝日だからこそお仕事の方もいらっしゃると思います。 これを聞きの方は特にお客様へ技を提供なさる方が多いので 今日は七五三の仕度だったりとか婚礼だったりとか お仕事でお出になっている方もいると思いますけれども 朝この音声を聞いて ご自身のやっていることというのは この日本にとってとても大切なお仕事をするために 行くぞという感じで今日一日過ごしていただきたいなと思います。 お休みの方は本を開くことでもいいし あとは音楽を聞くことでもいいし 身近な伝統に触れてみるのも良いですね。 何か一つ心を豊かにしてくれるものをゆっくりと味わう 一日にしていただけたらと思います。 それではまたごきげんよう。 もっと見る #教養 #二十四節気 #平安時代 #七十二候 #文化の日 #御誕辰 【にちにち気づきだより】さとうみなこ/十二単着付け師02:111.今日は文化の日 明治天皇の「ご誕辰」04:042.自由と平和を愛し、文化をすすめる日09:163.年齢を重ねて上手くなる01:204.おわりにコメント感想・質問・応援メッセージを書こう
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