TOPトーククリエイター編集者ひのなおみの読んで、旅して、恋をして。#574 金原ひとみさん最新刊『YABUNINAKA』衝撃のラストに腰を抜かしました20:40 2025年11月11日 256再生 問題を報告する 再生する シェアする AI目次金原ひとみ最新作の核心とは力関係が生む関係性の危うさ倫理観の変遷と世代間の認識差現代版『藪の中』の真実の多面性抑圧された心の傷と告発の契機AI文字起こし(β版) # 一気に寒くなっている 皆さんこんにちは、編集者日野直美の軽井沢の音、放送を始めます。 この番組は、編集者である私が四季折々の軽井沢の様子や、 編集者の視点を通して日々感じていること、発見したこと、 心を震わされたことを皆さんと共有するVoicyです。 11月11日のお昼にこちらを配信しております。 皆さんいかがお過ごしでしょうか。 この時期になると結構過去の、11月の本当に1日からこの10日ぐらいまでの間って、 SNSに過去に投稿した、私の紅葉のですね、儀式なんていうのがどんどんどんどん上がってきていて、 そういえばこれぐらいの季節に本当に紅葉を真っ只中になるんだったなぁなんていうのをね、 改めて思いました。 意外とね、軽井沢でもこの11月ぐらい、10月いっぱいはまだまだ紅葉といってもみたいな感じだったんですけれども、 ここで一気になるんだなぁなんて改めて感じていますね。 だいぶ寒くはなってきたのと、そろそろタイヤをスタッドレスに変えた方がいいんだろうなぁなんていうのをぼんやり思いながら、 日々を過ごしておりますという感じなんですけれども、皆さんいかがお過ごしでしょうか。 えーとね、更新をしてなかった間に結構話したいことがいろいろあるんですけれども、 今日はですね、その中でも特に最近読み終わってですね、衝撃のラストまですごかったっていう作品についてですね、お話をしたいと思います。 # 性加害をめぐるストーリー これがですね、ヤブの中という金原ひとみさんのですね、作品になるんですよね。 金原さんって、ヘビにピアスかな、で、スバル文学賞を受賞してデビューしたということで、 結構なんかそれぐらいの作品、なんかデビューからすごく注目を集めてた気がするんですよね。 なんか本当に現代の作家というかとして注目を、本当に若い作家というのかな、 確か20歳前半ぐらいで作家デビューしたと思うんですけれども、 意外とですね、なんか私は彼女の作品っていうのはあんまり読んだことがなくて、 たまたま今回ですね、なんで手に取ったのかな、 元々、このVoicyでも一度ご紹介したと思うんですけれども、 塩田武さんのですね、踊り疲れてという作品ですよね。 文芸春秋、週刊文集に連載をされていた、まさにですね、炎上をテーマにした作品なんですけれども、 それを読んでですね、面白かったなというのと、 あとこれもちょっと明日にでもVoicyでご紹介したいなと思うんですけれども、 イン・ザ・メガチャーチっていうのに浅井涼さんの、これは推し活をテーマにしたものなんですけれども、 それを読んでですね、最近のやっぱり、竹田さんが40代半ばで、浅井涼さんが30代半ばぐらいで、 最近のやっぱり作家さんの書くものっていうのかな、ほぼ同世代の作家さんの書くものって、 結構本当に時代性を取り入れたテーマにちゃんと向き合っているなというのが、私は結構感動をしましてですね、 それすごくいいなと思ったんですよね。 そんな流れもあって、金原ひとみさんの、これヤブの中というのがですね、 ヘビにピアス、デビューから22年経って、彼女の集大成にして最高傑作ということで、 20代でデビューしてたと思った金原さんもデビューしてたんですけれども、 もう1983年生まれなんで、今40歳入ったぐらいなのかな、ということでですね、立派な大人なんですよね。 確かにですね、これ集大成にして最高傑作というだけあってですね、 これ原稿がなんと500ページを超えるというかなり分厚い作品になるんですけれども、 それでも手に取ってみようとも言いましたということがありましたと。 ここの帯にはですね、どうしても許せないことがありますっていうので、 SNS、MeToo運動マッチングアプリっていうことが書かれてるんですよね。 世界の急激な変化の中で溺れもがく人間たち、分かり合えないことのその先を描く日本文学の最高到達線というふうな説明文があるんですけれども、 まあね、面白かったんですよね、この作品が。 これテーマがですね、ヤブの中という、テーマが聖火街なんですよね。 で、大体これ登場人物で1、2、3、4、5、6、7、そうね、主に7人の人物が出てくるんですけれども、 まず導入からはですね、文芸師の元編集長の木戸という男。 で、その息子で高校生の慶徳、慶徳君というのかな。 木戸の編集部員の小松だったりだとか、その小松が担当する小説家の永岡由里奈。 その恋人で、別居中の夫とか引きこもり中の娘とか、いろんな木戸を中心にした人々がですね、物語でですね、 7人の視点から構成されているものなんですよね。 ちょっとネタバレにならない程度に言いますとですね、中心にずっとテーマとして横たわっているのは聖火街です。 と言ってもですね、いわゆる本当に事件化されるというか、性暴力、性被害みたいな、全く知らない人から突然レイプされるみたいなものは、 この作品の中ではそんなに、そんなにとか描かれてないんじゃないかな。 そうじゃなくて、いわゆる昨今のMeToo運動なんかでも注目を集めるようなですね、 力を持っている人がその力を持たない女性に対してですね、性的搾取をしていく。 男性が女性にというパターンじゃない、逆もあるんですけれども、 どちらにしても力を持った者が力を持たない者に対してですね、 見方によっては性的搾取なんじゃないかというものもあれば、明らかにこれはNGですというパターンもあるんですけれども、 そういったものがこの作品のですね、根底にずっと流れてるんですよね。 それに先ほど申し上げた7人というのがいろんな形で関わっていくんですよね。 例えば木戸という男であればですね、一番小説の導入に入ってくるのと最後に入ってくるんですけれども、 彼はですね、昔付き合っていた文芸師の編集長をやっていた頃に、 作家に憧れる女子大生とですね、とある方の紹介で知り合うんですよね。 小説を見てあげるなんて言いながらですね、結局はそういった言葉を利用してなのか、 その女性とお付き合いをする。お付き合いをすると本人は真剣に彼女と付き合ったと思っているんだけれども、 彼女の小説家になりたいという彼女のですね、声に応えるように小説を見たりだとか、 アドバイスをしたりしてですね、実際に木戸が編集長を務めていた文芸師のですね、 先行でも受賞させたり、受賞一歩手前までかな、行かせたりするんですよね。 彼は付き合っていると思っていたんだけれども、一方でその相手の女性というのは搾取をされていたんじゃないかということに気づくと。 それも当時から嫌な思い出ではあったけれども、やっぱりこの昨今のMeToo運動なんかで、 自分はこういうふうに搾取をされていたっていうふうな告発が相次ぐ中でですね、 かつて押し殺していた怒りが噴出するというのかな、したことでですね、 そこをSNSだったりだとか、インターネットを通して告発していくみたいな話があったりだとか、 それは木戸にとっては耳に水というかですね、自分としては真摯に向き合ったつもりだったのに、 すごく時間が経った、10年以上経った後でこういうふうに言われたんだみたいなことが起こったりだとか、 一方で小説家の女性というのはですね、ご夫婦だったんですけれども、 結婚している間にですね、旦那さんにセックスはしたくないと言っているにもかかわらず、 強引に性行為を求められて対応していたと。それも性的搾取なんじゃないかと。 で、その彼女自身もそういった旦那さんが本当に嫌になってですね、家を出ていくんですけれども、 その出て行った先ではですね、当時もう19歳だったんですね、大学生ぐらいのですね、 人と恋に落ちて、男性側からの猛烈なアタックではあったんだけれども、恋に落ちて今も同棲をしていると。 とはいえ、その頃30代ぐらいだったのかな、女性がですね、19歳、一応今の法律は成人しているけれども若いですよね、 それだけ年の離れた人と付き合う、それも圧倒的に小説家の彼女の方が力がある中で付き合いをしていくという中でですね、 それも果たして作詞なのかどうなのかみたいなことをですね、本当にこの時代が変わっていく中で、 モラル、倫理とかですね、道徳、道徳はちょっと違うかもしれないですけど、いわゆる倫理というものはどんどん基準が変わっていくんですよね。 そこにもともと昔の価値観で生きていた人がどういうふうに対応していくのか、対応できないのかっていう話もそうだし、 一方で、新しい倫理観ができてから社会に出たとか生まれてきた子たちにとってはですね、それが当たり前なわけですよね。 なんでそれを古い世代はやっちゃうのか、みたいなところだったりだとか、倫理観の食い違いみたいなものもですね、 どんどん浮き彫りになっていくというですね、非常に現代的なテーマだなと思いました。 つまりは本当に、それこそメディアの世界とかっていうのは、こういうのは特に緩いというふうに言われているんですけれども、実際に緩かったんじゃないかなと私も思います。 そういう世界の人たちを中心にですね、中心にというか、そういう世界の人に代表されるようにですね、 でもどんどん価値観が変わっていく中で、やっぱりアップデートしていかなきゃいけないし、倫理観だったりだとか、変わっていかなきゃいけないわけですよね。 そこにどういうふうに人々が取り残されてしまったのか、みたいなこともですね、結構よく描かれているなというふうに思いましたね。 本当に現代的でめちゃくちゃ面白いし、それをあらゆる世代と性別の視点から描いているというのも、私はこの本は本当に読む価値があるなというふうに感じましたね。 これ衝撃的、衝撃的というか、ラストがすごいんですな、こうやって終わっちゃったのね、みたいな感覚はあるんですけれども、そこも含めて面白いなと思いました。 # まさに現代版『藪の中』 このラストというのがですね、ちょっとこれはネタバレになるので言えないんですけど、まあまあ驚きなんですよね。 ただ、ドドッと一気に後半の本当に2章3章で一気にガッと話が進むんですけれども、 そこに至るまでもですね、まさに先ほど申し上げたような、それぞれの視点から見た時にそれぞれの物語というのは全然違っていて、 そこをやっぱり私たちというのは改めて認識する必要があるんだろうなというのはね、とてもとても深く感じたんですよね。 で、まさにそれがですね、この本のタイトルにも現れてますよね。 これ、やぶの中っていう、アルファベットでやぶの中というふうに大文字で書かれていてですね、 カタカナでやぶの中というふうに書かれているカバーの中にも打たれているんですけれども、 これはもう文学というかある程度本を読まれる方であってもなくてもわかると思います。 芥川龍之介の短編小説やぶの中をモチーフとしているわけですよね。 芥川龍之介の短編小説のやぶの中というものを読んでいなかったとしてもですね、 それを題材にした羅生門というね、黒澤明監督のですね、作品というのは見たことのある人もいるんじゃないかなと思います。 いわゆる一人の芥川龍之介の小説のやぶの中というのは、一人のね、この侍が殺害された事件についてですね、 事件の関係者たちにですね、話を聞くわけですよね。 強盗であったりだとか妻であったりだとか、周りの人たち、目撃していた人たちの意見なんかも聞いたりだとか、 最後にはですね、侍の霊を下ろしてきて巫女が語るみたいなパターンもあってですね、面白いんですけれども、 まさにそういった時にですね、それぞれ物語が違うんですよね。 誰が殺したのかというのは全くやぶの中では分からないと。 それぞれは自分の、見てみたと思っている世界というか、自分が見ていた世界ですよね、を語るんだけれども、 全くもってこの証言が食い違っていて、真相なんていうのはやぶの中であるというのは、 まさに今回の金原ひとみさんのやぶの中というアルファベットで書かれた作品に関してもですね、そこを意識して書かれたであろうし、 そういうことなんだよということが伝えたくて、こういうタイトルにしたんじゃないかなとは思うんですけれどもね、 とても通廷するというか、まさに霊話の時代の芥川龍之介のやぶの中みたいな話がですね、 今回の金原ひとみさんのやぶの中なんじゃないかなと思いました。 本当にこの、一個そうだよなと思うのが、告発された女性がですね、 つまり、告発されたじゃない、喜怒という主人公なのかな、物語の中心の一人ですよね、 女性だった男性の喜怒という男をですね、告発した女性がですね、確かきっかけが、 多分彼女だったと思うんですけれども、ごめんなさい、彼女じゃないかもしれない、何かとにかく告発するきっかけになったというのが、 いわゆる昨今のMeToo運動であったりだとか、そういったものも一つのきっかけになったというふうに書かれているんですよね。 やっぱり、それってすごくあるなと思っていて、金原さんもいろんな人の言葉の中でそれを書いているなと思ったんですけれども、 何というのかな、自分が傷つけられたとか、尊厳を奪われたとかということでですね、 その時代時代の中でというか、本当にその当時の傷つけられた瞬間にそれを受け止められる人って意外と少ないと思うんですよね。 結構それは他の、本当に性的被害というのかな、レイプをされましたみたいな人のですね、本なんかを読んでいてもそうなんですけれども、 結構よくあるらしいんですよね。自分をレイプした相手に対してですね、こびるような態度を取ったりすると、 それ何が起こっているかというと、どうやらその人の中でその事実というものをあまりにもひどい事実なので受け止めきれない中で、 そういったいろんな反応が起こってしまうということがあるらしいんですよね。 ただ、やっぱり一定時間経ってきた時にですね、PTSDみたいなものになったりだとか、今回であれば、この小説であれば告発という形になったわけですよね。 本当になんか、それは何かの引き金がトリガーになって何かがきっかけとなってですね、 怒りが10年経っても20年経っても蘇ってくるということは、多分結構人間って往々にしてあるんじゃないかなと思いますし、 そうだなぁと思ったんですよね。私自身もなんか、別に性的被害はないんですけれども、 例えば、すごい親に言われた嫌だったこととか、親にされて本当に腹が立ったことみたいなのを、 今思い出してすごい許せない気持ちになったりだとか、何なんだっていうことを感じたりするんですよね。 それで、ある意味、安全な場所に来たから怒りを抱くことができるというか、 たぶん子供だった頃というのは、とはいえ親の何か援助がなければ生きていけない中で、 嫌な思いとか、本当に傷つけられるようなことを言ったとか、そうじゃないにしても、本人たちの向こう側にそのつもりがないにしても、 受け止めた方としてはですね、すごく嫌だったことっていうのがあるわけですよね。 それに対して、ようやく自分として怒りを発してもここは大丈夫だとか、思える状況になったから、 そして何か心の奥にずっと抑圧してたものがふとした時にですね、バッと出てくるっていうことは、 結構ね、性被害以外、性加害か、以外でもですね、あるんじゃないかなと思っていて、 それについてね、結構書かれているんですよね、この小説の中でも。 森に触れて書いていて、なるほどなぁとは思ったんですよね。 だから、やっぱり周りから見ていると、なんで今さらみたいなことって結構あるし、そんなの終わった話だろうみたいなことをですね、 言いたくなる人もいらっしゃるだろうし、実際にね、そういうことってあると思うんですけれども、 実態としてはですね、受けた心の傷って、すぐに反応できるものであればいいのだろうけれども、 あまりにもそのショックが大きいとか、その時は嫌だというふうに言ったら自分が生きていけなくなるというふうに感じた、 危険を感じていたみたいな時にはですね、抑圧するんだと思うんですよね。 だからそういう人たちの行為というのを、なんで今さらなんだみたいな形でですね、避難するのはちょっとまた違うんだろうなぁみたいなことも感じましたね。 とにかくですね、そういったこともあるんですけれども、細かい描写というか、本当に文章いろんなところに私はページをドッグイヤーといって折ったんですけれども、 それぐらいに本当に現代的な価値観というか、今のなんかそうだよねみたいなことがですね、積み重なって描かれたのがこのエアブドウの中でもあったので、 もしよかったらね、ぜひこれを読んでいただければと思います。決して明るい話というか、読んでワクワクするような冒険エピソードですとか、そんなことでは全然ないんですけれども、 ただ一方で、なんかとても現代的な課題であったり問題であったり、価値観の相違みたいなところをですね、すごくわかりやすく、 そして、象徴的に描いた作品、まさに本当に現代版のエアブドウの中という話になっているなというのを感じたので、今日はそんなお話をさせていただきました。 はい、ということで、そんな感じでございますけれどもね。あと、たぶんこの帽子でまだ言ってなかった、今日チラリと触れたんですけれども、 この金原ひとみさんのものを読み終わる前にですね、浅井涼さんのイン・ザ・メガチャーチというものもですね、読み切ったので、これもまたすごい面白かったので、 明日はその話をできればなと思っております。はい、ということで、まだ火曜日ですね。 11月11日ということでゾロ目の日なんですけれども、今日も楽しんでいきましょう。はい、エイエイオー。 もっと見る #ハラスメント #芥川龍之介 #軽井沢 #性加害 #metoo #軽井沢暮らし #金原ひとみ #羅生門 #藪の中 #YABUNONAKA 編集者ひのなおみの読んで、旅して、恋をして。ひのなおみ|編集者/メディアの世界の研究員/ラジオパーソナリティ01:421.一気に寒くなっている09:572.性加害をめぐるストーリー09:013.まさに現代版『藪の中』コメント感想・質問・応援メッセージを書こう
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