2025年10月
児童精神科医🌈河野ドクター心のビタミン❤️第734回【医師が解説】寝付けない、途中で起きる…「新しい睡眠薬」の賢い使い方 前編
07:07
睡眠とメラトニン、そして新しいタイプの睡眠薬について、その特徴と活用法をお話しします。
1. 睡眠とメラトニンの関係
メラトニンは「睡眠ホルモン」とも呼ばれ、私たちの睡眠と覚醒のリズム(概日リズム、サーカディアン・リズム)を調節する上で中心的な役割を担っています。
• 分泌の仕組み:
• メラトニンは、脳の松果体(しょうかたい)という部分から分泌されます。
• 目から入る光の量が大きく関わっており、朝、強い光を浴びるとその分泌が止まります。
• 光を浴びてから約14〜16時間後、つまり夜になって周囲が暗くなると、再び分泌が始まります。
• 睡眠への作用:
• メラトニンの分泌が増えると、体温がわずかに低下し、体は「休息モード」に入り、自然な眠気が誘発されます。
• 注意点:
• 夜間にスマートフォンやPC、テレビなどの強い光(特にブルーライト)を浴びると、脳が「昼間だ」と誤解し、メラトニンの分泌が抑制されてしまいます。これが、寝付きが悪くなる(入眠困難)一因となります。
2. 新しい睡眠薬の特徴と種類
従来の睡眠薬(ベンゾジアゼピン系など)が、脳の活動を全体的に鎮静させることで強引に眠気を引き起こす(GABA受容体に作用)のに対し、新しい睡眠薬は、より自然な睡眠の仕組みに働きかけるのが特徴です。
現在、主流となっている新しい睡眠薬は、大きく分けて2種類あります。
① メラトニン受容体作動薬
• 主な薬剤: ラメルテオン(商品名:ロゼレム)
メラトニン(商品名 メラトベル)
• 作用メカニズム:
• 体内で分泌されるメラトニンと同じように、脳内のメラトニン受容体を刺激します。
• これにより、体内時計を「夜」の状態にシフトさせ、自然な眠気を促します。
• 特徴と活用法:
• 「眠りにつくまでの時間が長い」(入眠困難)タイプの不眠症に特に有効です。
• 従来の睡眠薬にみられがちな、ふらつき、翌朝への持ち越し(眠気)、依存性や耐性(薬が効きにくくなること)のリスクが極めて低いとされています。
• 効果は比較的穏やかで、自然な入眠をサポートします。
② オレキシン受容体拮抗薬
• 主な薬剤:
• スボレキサント(商品名:ベルソムラ)
• レンボレキサント(商品名:デエビゴ)
• ダリドレキサント(商品名:クービビック)
• 作用メカニズム:
• 「オレキシン」は、脳を覚醒させ、「起きている」状態を維持する神経伝達物質です。
• この薬は、オレキシンが受容体に結合するのをブロック(拮抗)します。
• 覚醒を促すスイッチをオフにすることで、脳を睡眠状態へと移行させます。
• 特徴と活用法:
• **「眠りにつくのが難しい」(入眠困難)だけでなく、「夜中に何度も目が覚める」(中途覚醒)**タイプの不眠症にも有効です。
• 従来の睡眠薬と比べて、依存性や耐性のリスクが低いとされています。
• 脳の覚醒システムを直接抑えるため、効果の実感が比較的早いことが多いです。
3. 新しい睡眠薬の主な活用法(注意点)
これらの新しい睡眠薬は、従来の薬と比べて安全性が高いとされていますが、適切に使用するための重要な注意点があります。特にオレキシン受容体拮抗薬では以下の点が共通して重要です。
1. 服用は「就寝直前」に
• これらの薬(特にオレキシン受容体拮抗薬)は、服用後すぐに効果が現れ始めます。
• 飲んだ後は、すぐにベッドに入り、他の作業(スマホを見る、仕事をするなど)をしないでください。
2. 食事とのタイミング
• 食事と同時、または食直後に服用すると、薬の吸収が遅れ、効果の発現が遅くなる可能性があります。
• 就寝前の食事(特に脂っこいもの)は避けるか、食後から服用まで十分な時間を空けることが望ましいです。
3. 翌朝への持ち越し(翌日への注意)
• 薬の効果が翌朝まで残り、眠気、注意力の低下、ふらつきなどが生じる可能性があります。
• 服用した翌日は、自動車の運転や危険を伴う機械の操作は避けるようにしてください。
4. 夜間に起きる可能性がある時は飲まない
• 服用後に一時的に起床して仕事や活動をする必要がある場合は、服用しないでください。
5. 漫然と続けない
• 不眠の症状が改善してきたら、医師と相談の上、薬の量を減らしたり、休薬したりすることを検討します。
**結論として、**新しい睡眠薬は、従来の薬の欠点であった依存性やふらつきのリスクを軽減し、より自然な睡眠メカニズムに働きかけるものです。
不眠のタイプ(入眠困難か、中途覚醒かなど)に応じて適切な薬が選択されますが、いずれの場合も医師の指導のもと、正しい用法・用量を守ることが極めて重要です。
1. 睡眠とメラトニンの関係
メラトニンは「睡眠ホルモン」とも呼ばれ、私たちの睡眠と覚醒のリズム(概日リズム、サーカディアン・リズム)を調節する上で中心的な役割を担っています。
• 分泌の仕組み:
• メラトニンは、脳の松果体(しょうかたい)という部分から分泌されます。
• 目から入る光の量が大きく関わっており、朝、強い光を浴びるとその分泌が止まります。
• 光を浴びてから約14〜16時間後、つまり夜になって周囲が暗くなると、再び分泌が始まります。
• 睡眠への作用:
• メラトニンの分泌が増えると、体温がわずかに低下し、体は「休息モード」に入り、自然な眠気が誘発されます。
• 注意点:
• 夜間にスマートフォンやPC、テレビなどの強い光(特にブルーライト)を浴びると、脳が「昼間だ」と誤解し、メラトニンの分泌が抑制されてしまいます。これが、寝付きが悪くなる(入眠困難)一因となります。
2. 新しい睡眠薬の特徴と種類
従来の睡眠薬(ベンゾジアゼピン系など)が、脳の活動を全体的に鎮静させることで強引に眠気を引き起こす(GABA受容体に作用)のに対し、新しい睡眠薬は、より自然な睡眠の仕組みに働きかけるのが特徴です。
現在、主流となっている新しい睡眠薬は、大きく分けて2種類あります。
① メラトニン受容体作動薬
• 主な薬剤: ラメルテオン(商品名:ロゼレム)
メラトニン(商品名 メラトベル)
• 作用メカニズム:
• 体内で分泌されるメラトニンと同じように、脳内のメラトニン受容体を刺激します。
• これにより、体内時計を「夜」の状態にシフトさせ、自然な眠気を促します。
• 特徴と活用法:
• 「眠りにつくまでの時間が長い」(入眠困難)タイプの不眠症に特に有効です。
• 従来の睡眠薬にみられがちな、ふらつき、翌朝への持ち越し(眠気)、依存性や耐性(薬が効きにくくなること)のリスクが極めて低いとされています。
• 効果は比較的穏やかで、自然な入眠をサポートします。
② オレキシン受容体拮抗薬
• 主な薬剤:
• スボレキサント(商品名:ベルソムラ)
• レンボレキサント(商品名:デエビゴ)
• ダリドレキサント(商品名:クービビック)
• 作用メカニズム:
• 「オレキシン」は、脳を覚醒させ、「起きている」状態を維持する神経伝達物質です。
• この薬は、オレキシンが受容体に結合するのをブロック(拮抗)します。
• 覚醒を促すスイッチをオフにすることで、脳を睡眠状態へと移行させます。
• 特徴と活用法:
• **「眠りにつくのが難しい」(入眠困難)だけでなく、「夜中に何度も目が覚める」(中途覚醒)**タイプの不眠症にも有効です。
• 従来の睡眠薬と比べて、依存性や耐性のリスクが低いとされています。
• 脳の覚醒システムを直接抑えるため、効果の実感が比較的早いことが多いです。
3. 新しい睡眠薬の主な活用法(注意点)
これらの新しい睡眠薬は、従来の薬と比べて安全性が高いとされていますが、適切に使用するための重要な注意点があります。特にオレキシン受容体拮抗薬では以下の点が共通して重要です。
1. 服用は「就寝直前」に
• これらの薬(特にオレキシン受容体拮抗薬)は、服用後すぐに効果が現れ始めます。
• 飲んだ後は、すぐにベッドに入り、他の作業(スマホを見る、仕事をするなど)をしないでください。
2. 食事とのタイミング
• 食事と同時、または食直後に服用すると、薬の吸収が遅れ、効果の発現が遅くなる可能性があります。
• 就寝前の食事(特に脂っこいもの)は避けるか、食後から服用まで十分な時間を空けることが望ましいです。
3. 翌朝への持ち越し(翌日への注意)
• 薬の効果が翌朝まで残り、眠気、注意力の低下、ふらつきなどが生じる可能性があります。
• 服用した翌日は、自動車の運転や危険を伴う機械の操作は避けるようにしてください。
4. 夜間に起きる可能性がある時は飲まない
• 服用後に一時的に起床して仕事や活動をする必要がある場合は、服用しないでください。
5. 漫然と続けない
• 不眠の症状が改善してきたら、医師と相談の上、薬の量を減らしたり、休薬したりすることを検討します。
**結論として、**新しい睡眠薬は、従来の薬の欠点であった依存性やふらつきのリスクを軽減し、より自然な睡眠メカニズムに働きかけるものです。
不眠のタイプ(入眠困難か、中途覚醒かなど)に応じて適切な薬が選択されますが、いずれの場合も医師の指導のもと、正しい用法・用量を守ることが極めて重要です。
児童精神科医河野ドクター心のビタミン❤️
児童精神科医河野ドクター
- 07:071.
寝付けない、途中で起きる…「新しい睡眠薬」の賢い使い方

コメント
バックナンバーを購入するとコメント欄に参加することができます