#300 「怖いまち」が「希望のまち」へ ~ 北九州・工藤会跡地にNPO抱樸の新拠点が完成
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北九州市小倉北区。かつて特定危険指定暴力団・工藤会の本部事務所があった場所に、複合型社会福祉施設「希望のまち」が生まれました。
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運営するNPO法人抱樸(ほうぼく)は、北九州で長年ホームレス支援を続けてきた団体です。
一般公開を前に、ボランティア部の谷瀬未紀さんに館内を案内していただきました。
まだあちこちで段ボールが積まれている中、スタッフのみなさんが文字どおり走り回っていました。
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◆"ひとりにしない"支援の集大成
解体された工藤会本部事務所の跡地。暴力の象徴だった場所が固定資産税の滞納で市に差し押さえられ、売りに出されることがニュースで流れると、「うちが買う」と抱樸理事長の奥田知志さんがすぐに動きます。
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手元に資金はなく販売価格は一億円を超えていましたが、地元銀行が融資を引き受け、2020年4月、抱樸はこの土地を買い受けた。ちょうどコロナ禍が始まった時期です。
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建設予算は当初10億円でしたが、物価の高騰で最終的に19億円まで膨らみました。四階建ての計画を三階建てに縮めたにもかかわらず、です。それを支えたのは、全国からの寄付とマンスリーサポーターでした。
昼スナも、お客さまの協力をいただきながら、微力ではありますが毎月寄付を続けてきました。
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◆外なのか中なのか曖昧な入口
建物の入口には、大きな軒があります。名前は「であいのおおのき」です。外なのか中なのか曖昧なまま、誰でもするりと入ってこられる場所になっています。
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壁には、北九州在住の87歳の画家・黒田征太郎さんがライブペイントで描いた大きな絵があります。暖簾がかかり、引き戸があって、どこから入ってもどこへでも抜けられます。
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中に入るとすぐ、受付の「SUBACO(巣箱)」があります。建設が始まる前、空き地に建てたプレハブで、地域の人や全国から集まった人たちとワークショップを重ね、この場所を計画していきました。そのときの呼び名を、そのまま引き継いでいます。 ボランティアセンターと地域コーディネーターが常駐し「ボランティアをしてみたい」「この場所を使ってみたい」という人の最初の窓口になります。
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◆ごちゃまぜの1階
最初に目を引くのは「樸のとしょかん」です。黒田征太郎さんや村木厚子さんをはじめ、この場所にゆかりのある方が選んだ本が、棚ごとに並んでいます。奥田さんがどうしても置きたかったという『じゃりン子チエ』の棚もありました。
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1階にはテナントも入っています。フェアトレードショップ「一生もんshop緑々(あおあお)」とレストラン「en by spicecafe」。飲食だけを目当てに来てもらってもOK。救護施設のことを知らない人がふらりと入ってきてくれるのがうれしいといいます。
テーブルや椅子の多くは、リサイクル品や古材でできたものです。
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防音スタジオ「おんがくしつDENDEN」には、立派な機材も用意されていました。バンドの練習をしていたら、通りがかった人や子どもたちが「何やってるの?」と覗いていけるように、外から覗ける窓がついています。ラジオで発信もしていく予定とのこと。
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建物のいちばん奥にあるのは、放課後等デイサービスの「キャノピー」で、子どもたちは別の入口からも出入りできます。外には秘密基地のような小さな庭があり、隣には子どもと家族を支える「こども家族まるごとセンター」があります。
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オープンキッチンの「みんなのキッチン」は、多国籍料理の会や子どもの朝ごはん会、ちょっとしたお菓子作りの会といった使い方を想定しているそうです。ほかにも、作品を飾れる「ちっさなギャラリー」やシェアオフィスがあります。
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驚いたのは、職員さんが働く事務所がとてもオープンだったことです。個人情報を扱うので、こうした施設は閉じた造りにするのが通常ですが、誰が来たかすぐわかるように扉をつくっていません。
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大ホールの「みんなの広間」は貸し出しもしています。ただ、ただの貸し部屋にはしたくないといいます。顔を合わせて知り合ってから「じゃあ一緒にやりましょう」と共催に近い形で使ってほしい。その考え方にも、この場所の性格がよく表れていました。
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◆軒先のバーカウンター
どきっとしたのは、1階の軒先にあるバーカウンター「Barあわい」です。
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抱樸が出会う人のなかには、アルコールの問題を抱えた人も少なくありません。それでも、ここでは完全な禁酒にはしないそうです。お酒をゼロにしてしまうと「じゃあ俺、生きててもしょうがない」となってしまう人がいるからです。
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深酒が危ないのは、一人で飲むから。誰かと一緒に少し飲んで「そろそろそれくらいにしとこうか、家に帰ろうか」と声をかけ合う。そこまでを含めたバーにしたい、という構想でした。
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さらに喫煙ブースもあります。「タバコやめたら、つらいでしょ」とさらりとおっしゃる。
制度のなかでは「ゼロか百か」になりがちな線を、NPOだからこそ少しずらして引ける。さすが胆力のいることをやっていらっしゃるなと、感動しました。
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◆2階と3階は救護施設
2階と3階は救護施設になっています。救護施設とは、経済的に困窮し、孤立状態で日常生活を送ることが困難になった人たちが、生活保護を受給しながら、自立を目指して地域の人たちと交わりを持って暮らす施設です。
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運営は、このために新しく立ち上げられた社会福祉法人抱樸が担っています。社会福祉法人をつくったのには理由がありました。
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NPO法人抱樸が八幡で運営してきた「抱樸館北九州」は満室で、入居者の多くは高齢で身寄りのない方です。ところが、NPOの運営では医療に関わることができません。
要介護や認知症になると、別の施設に移ってもらうしかありませんでした。すると、家族のように付き合ってきた人が亡くなっても連絡が来なかったり、お葬式にも出られなかったりすることがあったそうです。
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最期の看取りまで一緒にいたい。それが出発点でした。
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とはいえ、ここは一度入ったら一生、という場所では決してありません。体を整え、たくさんの人と知り合い、いずれはこのまちのどこかでアパート暮らしができるようになることを目指しています。そのために何より大事なのは、知り合いをつくることです。
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だから2階の住人にも1階に降りてきて、本を読んだり映画を観たりしながら、いろいろな人と顔見知りになってほしい。建物は一つでも、ここを介して人がつながり、暮らしがまちに点在していく。
そのブースターになる場所だから「希望のまち」なんですね。
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◆縁側と鍵
特徴的なのは縁側です。真ん中にある食堂の窓際、そして個室の外側のベランダにも、すべて縁側がついています。会う約束をしていなくても、縁側があればちょっと話すきっかけが生まれますね。
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救護施設としてはおそらく異例なことに、個室にはすべて鍵がついています。普通は管理者が鍵を管理するもの。でもここは「あなたの家」だから、いつか友だちを自分の家に招けるように。そんな願いが込められています。
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3階の浴室「みんなのおふろ」には、銭湯ペンキ絵師の田中みずきさんが描いたオリジナルのペンキ絵がありました。
皿倉山、八幡の高炉、門司港駅、若戸大橋、小倉城、そして市役所前のオブジェ「マカロニ星人」。まさに北九州オールスター。
このお風呂も、いずれは週に一度、地域に開きたいと考えていらっしゃるそうです。
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屋上の「そらのみち」にはソーラーパネルが設置されていて、建物は災害時の避難所にもなります。
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入所の相談は施設で受け付けていますが、申し込みはお住まいの地域を管轄する福祉事務所を通して行います。申し込み後に施設で検討し、正式に入所が決まります。希望のまちで過ごしたあとも近くに住みたいという希望があれば、不動産会社の紹介もしてもらえます。
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◆「ここに行けば大丈夫」と思える場所
実は今回の見学には、夫と娘と一緒に伺いました。
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お金も制度も大事。けれど最終的に人が安心して暮らせるかどうかは「ここに行けば大丈夫」「この人がいるから大丈夫」と思える場所があるかどうかだと思うからです。
そんな場所がまちにたくさんあれば私たちは、もっと安心して生きられるのではないかと。
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20歳の娘は「ここに住みたい」と言いました。
全国で、いろいろな人がいろいろな思いで「こういう場所をつくりたい」と考えていると思います。でも、どうしたらいいのかわからない。
ここに来たら、きっと「そう、私がつくりたかったのはこれなんです」と言うだろうなと思いました。
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「希望のまち」は、地元でもまだ知られていません。「なんか、誰でも行っていいらしいよ」という噂を広げていくことが今いちばんの仕事なんです、と谷瀬さんはおっしゃっていました。
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私もその噂を広げる一人になりたくて、この放送をしています。北九州に行くことがあったら、ぜひ寄ってみてくださいね。
10月31日(土)が1階のプレオープン。2〜3階の救護施設を含むグランドオープンは12月1日の予定です。
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【希望のまち】
北九州市小倉北区神岳1-1-12
西鉄バス「明和町」バス停から徒歩約2分
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◆10月31日(土)地域内覧会
10:00〜14:00、予約は不要です。
スタッフが20分おきに館内を案内する内覧ツアーがあります。1階は自由に見学できますが、2階・3階を見るにはツアーへの参加が必要です。
https://www.houboku.net/news/1031nairankai/
◆10月31日(土)プレオープン記念講演会「〈希望〉とはなにか 〜北九州市のこれからを考える〜」
15:00〜17:00(受付14:30〜)、参加無料、予約不要です。
武内和久・北九州市長の記念講演に続き、村上世彰さん(村上財団創設者)と奥田知志さん(抱樸理事長)が対談します。
※この日は講演会の終了後に閉館します。
https://www.houboku.net/news/1031kouenkai/
◆11月14日(土)・15日(日)希望のまち音楽祭 KIBOU NO MACHI MUSIC FESTIVAL 2026
13:00開演、20:00終演予定。建物まるごとが会場になる2日間です。
チケットは前売1日券5,500円、2日通し券10,000円、U-23・障害者割引3,000円です。中学生以下は無料です。
https://www.houboku.net/news/kiboufespr2/
寄付・マンスリーサポーターも随時募集しています。
公式サイト:https://www.houboku.net/pj/kibou/
寄付:https://www.houboku.net/webdonation
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運営するNPO法人抱樸(ほうぼく)は、北九州で長年ホームレス支援を続けてきた団体です。
一般公開を前に、ボランティア部の谷瀬未紀さんに館内を案内していただきました。
まだあちこちで段ボールが積まれている中、スタッフのみなさんが文字どおり走り回っていました。
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◆"ひとりにしない"支援の集大成
解体された工藤会本部事務所の跡地。暴力の象徴だった場所が固定資産税の滞納で市に差し押さえられ、売りに出されることがニュースで流れると、「うちが買う」と抱樸理事長の奥田知志さんがすぐに動きます。
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手元に資金はなく販売価格は一億円を超えていましたが、地元銀行が融資を引き受け、2020年4月、抱樸はこの土地を買い受けた。ちょうどコロナ禍が始まった時期です。
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建設予算は当初10億円でしたが、物価の高騰で最終的に19億円まで膨らみました。四階建ての計画を三階建てに縮めたにもかかわらず、です。それを支えたのは、全国からの寄付とマンスリーサポーターでした。
昼スナも、お客さまの協力をいただきながら、微力ではありますが毎月寄付を続けてきました。
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◆外なのか中なのか曖昧な入口
建物の入口には、大きな軒があります。名前は「であいのおおのき」です。外なのか中なのか曖昧なまま、誰でもするりと入ってこられる場所になっています。
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壁には、北九州在住の87歳の画家・黒田征太郎さんがライブペイントで描いた大きな絵があります。暖簾がかかり、引き戸があって、どこから入ってもどこへでも抜けられます。
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中に入るとすぐ、受付の「SUBACO(巣箱)」があります。建設が始まる前、空き地に建てたプレハブで、地域の人や全国から集まった人たちとワークショップを重ね、この場所を計画していきました。そのときの呼び名を、そのまま引き継いでいます。 ボランティアセンターと地域コーディネーターが常駐し「ボランティアをしてみたい」「この場所を使ってみたい」という人の最初の窓口になります。
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◆ごちゃまぜの1階
最初に目を引くのは「樸のとしょかん」です。黒田征太郎さんや村木厚子さんをはじめ、この場所にゆかりのある方が選んだ本が、棚ごとに並んでいます。奥田さんがどうしても置きたかったという『じゃりン子チエ』の棚もありました。
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1階にはテナントも入っています。フェアトレードショップ「一生もんshop緑々(あおあお)」とレストラン「en by spicecafe」。飲食だけを目当てに来てもらってもOK。救護施設のことを知らない人がふらりと入ってきてくれるのがうれしいといいます。
テーブルや椅子の多くは、リサイクル品や古材でできたものです。
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防音スタジオ「おんがくしつDENDEN」には、立派な機材も用意されていました。バンドの練習をしていたら、通りがかった人や子どもたちが「何やってるの?」と覗いていけるように、外から覗ける窓がついています。ラジオで発信もしていく予定とのこと。
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建物のいちばん奥にあるのは、放課後等デイサービスの「キャノピー」で、子どもたちは別の入口からも出入りできます。外には秘密基地のような小さな庭があり、隣には子どもと家族を支える「こども家族まるごとセンター」があります。
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オープンキッチンの「みんなのキッチン」は、多国籍料理の会や子どもの朝ごはん会、ちょっとしたお菓子作りの会といった使い方を想定しているそうです。ほかにも、作品を飾れる「ちっさなギャラリー」やシェアオフィスがあります。
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驚いたのは、職員さんが働く事務所がとてもオープンだったことです。個人情報を扱うので、こうした施設は閉じた造りにするのが通常ですが、誰が来たかすぐわかるように扉をつくっていません。
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大ホールの「みんなの広間」は貸し出しもしています。ただ、ただの貸し部屋にはしたくないといいます。顔を合わせて知り合ってから「じゃあ一緒にやりましょう」と共催に近い形で使ってほしい。その考え方にも、この場所の性格がよく表れていました。
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◆軒先のバーカウンター
どきっとしたのは、1階の軒先にあるバーカウンター「Barあわい」です。
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抱樸が出会う人のなかには、アルコールの問題を抱えた人も少なくありません。それでも、ここでは完全な禁酒にはしないそうです。お酒をゼロにしてしまうと「じゃあ俺、生きててもしょうがない」となってしまう人がいるからです。
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深酒が危ないのは、一人で飲むから。誰かと一緒に少し飲んで「そろそろそれくらいにしとこうか、家に帰ろうか」と声をかけ合う。そこまでを含めたバーにしたい、という構想でした。
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さらに喫煙ブースもあります。「タバコやめたら、つらいでしょ」とさらりとおっしゃる。
制度のなかでは「ゼロか百か」になりがちな線を、NPOだからこそ少しずらして引ける。さすが胆力のいることをやっていらっしゃるなと、感動しました。
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◆2階と3階は救護施設
2階と3階は救護施設になっています。救護施設とは、経済的に困窮し、孤立状態で日常生活を送ることが困難になった人たちが、生活保護を受給しながら、自立を目指して地域の人たちと交わりを持って暮らす施設です。
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運営は、このために新しく立ち上げられた社会福祉法人抱樸が担っています。社会福祉法人をつくったのには理由がありました。
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NPO法人抱樸が八幡で運営してきた「抱樸館北九州」は満室で、入居者の多くは高齢で身寄りのない方です。ところが、NPOの運営では医療に関わることができません。
要介護や認知症になると、別の施設に移ってもらうしかありませんでした。すると、家族のように付き合ってきた人が亡くなっても連絡が来なかったり、お葬式にも出られなかったりすることがあったそうです。
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最期の看取りまで一緒にいたい。それが出発点でした。
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とはいえ、ここは一度入ったら一生、という場所では決してありません。体を整え、たくさんの人と知り合い、いずれはこのまちのどこかでアパート暮らしができるようになることを目指しています。そのために何より大事なのは、知り合いをつくることです。
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だから2階の住人にも1階に降りてきて、本を読んだり映画を観たりしながら、いろいろな人と顔見知りになってほしい。建物は一つでも、ここを介して人がつながり、暮らしがまちに点在していく。
そのブースターになる場所だから「希望のまち」なんですね。
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◆縁側と鍵
特徴的なのは縁側です。真ん中にある食堂の窓際、そして個室の外側のベランダにも、すべて縁側がついています。会う約束をしていなくても、縁側があればちょっと話すきっかけが生まれますね。
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救護施設としてはおそらく異例なことに、個室にはすべて鍵がついています。普通は管理者が鍵を管理するもの。でもここは「あなたの家」だから、いつか友だちを自分の家に招けるように。そんな願いが込められています。
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3階の浴室「みんなのおふろ」には、銭湯ペンキ絵師の田中みずきさんが描いたオリジナルのペンキ絵がありました。
皿倉山、八幡の高炉、門司港駅、若戸大橋、小倉城、そして市役所前のオブジェ「マカロニ星人」。まさに北九州オールスター。
このお風呂も、いずれは週に一度、地域に開きたいと考えていらっしゃるそうです。
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屋上の「そらのみち」にはソーラーパネルが設置されていて、建物は災害時の避難所にもなります。
ㅤㅤㅤ
入所の相談は施設で受け付けていますが、申し込みはお住まいの地域を管轄する福祉事務所を通して行います。申し込み後に施設で検討し、正式に入所が決まります。希望のまちで過ごしたあとも近くに住みたいという希望があれば、不動産会社の紹介もしてもらえます。
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◆「ここに行けば大丈夫」と思える場所
実は今回の見学には、夫と娘と一緒に伺いました。
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お金も制度も大事。けれど最終的に人が安心して暮らせるかどうかは「ここに行けば大丈夫」「この人がいるから大丈夫」と思える場所があるかどうかだと思うからです。
そんな場所がまちにたくさんあれば私たちは、もっと安心して生きられるのではないかと。
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20歳の娘は「ここに住みたい」と言いました。
全国で、いろいろな人がいろいろな思いで「こういう場所をつくりたい」と考えていると思います。でも、どうしたらいいのかわからない。
ここに来たら、きっと「そう、私がつくりたかったのはこれなんです」と言うだろうなと思いました。
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「希望のまち」は、地元でもまだ知られていません。「なんか、誰でも行っていいらしいよ」という噂を広げていくことが今いちばんの仕事なんです、と谷瀬さんはおっしゃっていました。
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私もその噂を広げる一人になりたくて、この放送をしています。北九州に行くことがあったら、ぜひ寄ってみてくださいね。
10月31日(土)が1階のプレオープン。2〜3階の救護施設を含むグランドオープンは12月1日の予定です。
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【希望のまち】
北九州市小倉北区神岳1-1-12
西鉄バス「明和町」バス停から徒歩約2分
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◆10月31日(土)地域内覧会
10:00〜14:00、予約は不要です。
スタッフが20分おきに館内を案内する内覧ツアーがあります。1階は自由に見学できますが、2階・3階を見るにはツアーへの参加が必要です。
https://www.houboku.net/news/1031nairankai/
◆10月31日(土)プレオープン記念講演会「〈希望〉とはなにか 〜北九州市のこれからを考える〜」
15:00〜17:00(受付14:30〜)、参加無料、予約不要です。
武内和久・北九州市長の記念講演に続き、村上世彰さん(村上財団創設者)と奥田知志さん(抱樸理事長)が対談します。
※この日は講演会の終了後に閉館します。
https://www.houboku.net/news/1031kouenkai/
◆11月14日(土)・15日(日)希望のまち音楽祭 KIBOU NO MACHI MUSIC FESTIVAL 2026
13:00開演、20:00終演予定。建物まるごとが会場になる2日間です。
チケットは前売1日券5,500円、2日通し券10,000円、U-23・障害者割引3,000円です。中学生以下は無料です。
https://www.houboku.net/news/kiboufespr2/
寄付・マンスリーサポーターも随時募集しています。
公式サイト:https://www.houboku.net/pj/kibou/
寄付:https://www.houboku.net/webdonation
昼スナママ・フィッシュ明子の役にたたなくてもいいラジオ
フィッシュ 明子
- 00:161.
タイトルコール
- 09:342.
"ひとりにしない"支援の集大成
- 01:273.
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生まれた街北九州の誇らしい活動は、所属生協の「支える会」の会報誌で拝読し温かい気持ちをもらえます。会報誌に寄せられた感想「抱樸館のような施設が大切な一方、やはり地域のチカラ、日々の暮らしのコミュニティ単位で支え合っていくチカラが必要不可欠ですね」と。まさにそれにつながる「きぼうのまち」へ機会を作り足を運びたいと思いました。
本当にオープンであたたかな場所でした。人間らしさ、を隅々まで感じます。
たくさんの方が訪れてくださることを願っています。