198.太宰治パンドラの匣。終戦の年発表の結核療養所小説の朗読(抜粋)
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タイトルコール
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本日は三鷹古典サロン裕泉堂で開催している「憧れ本読書会」で取り上げた、太宰治『パンドラの匣』より、抜粋して朗読します。結核療養所での青年たち、看護師たちの交流が描かれた作品。青空文庫のリンクを貼っておくので、よろしければぜひ!
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ひとの行為にいちいち説明をつけるのが既に古い「思想」のあやまりではなかろうか。無理な説明は、しばしばウソのこじつけに終っている事が多い。理論の遊戯はもうたくさんだ。
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僕は決して、絶望の末の虚無みたいなものになっているわけではない。船の出帆は、それはどんな性質な出帆であっても、必ず何かしらの幽かすかな期待を感じさせるものだ/人間は、しばしば希望にあざむかれるが、しかし、また「絶望」という観念にも同様にあざむかれる事がある
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だらし無い自分の生きているという事が、ただ人に迷惑をかけるばかりで、全然無意味だと思うと、なんとも、つらくてかなわなかったのだ。君のような秀才にはわかるまいが、「自分の生きている事が、人に迷惑をかける。僕は余計者だ。」という意識ほどつらい思いは世の中に無い
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人間は死に依って完成せられる。生きているうちは、みんな未完成だ。/人間は、死んでから一ばん人間らしくなる、というパラドックスも成立するようだ。
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死と隣合せに生活している人には、生死の問題よりも、一輪の花の微笑が身に沁みる。
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この人たちには、作者の名なんて、どうでもいいんだ。みんなで力を合せて作ったもののような気がしているのだ。そうして、みんなで一日を楽しみ合う事が出来たら、それでいいのだ/無理に芸術の「勉強」をしやしないのだ。自分の心にふれた作品だけを自分流儀で覚えて置くのだ
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天皇陛下万歳! この叫びだ。昨日までは古かった。しかし、今日に於いては最も新しい自由思想だ。/今日の真の自由思想家は、この叫びのもとに死すべきだ。アメリカは自由の国だと聞いている。必ずや、日本のこの自由の叫びを認めてくれるに違いない。
- 00:4710.
明日はコメントをもとにした吉田ラジオ。日曜午前中までについたコメントをもとにトークします! また、29日(月)21:30-は生配信「私の好きな古典のキャラクター」をお届けします。※リンクは生配信URL。
コメント

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未だ、太宰のこの本を手に入れずにいる愚か者です。
療養所といえば、約20年前に、私自身が入院していたときのこと。
一人の青年が印象に残っています。
ある夜、消灯時間が過ぎた後、喫煙所で私と、彼が二人きりになり、「俺、今まで高校の全日制、定時制、通信制もダメだったんだけど」と切り出されました。
私が「そんなにしてまで高校に行きたいの?」「バイトしているし、必要になったら大検受けて進学すれば?」と言ったら、彼は「そんなことを言ってくれた人、初めて!」と喜んでくださいました。
終戦直後とひばりと言う名前が未来に向かっていく爽やかさで、あれ?太宰治?とちょっと意外でした。
摩擦のくだりでは、昔、近所のおじいちゃんが外で乾布摩擦をしていて、あぁ!ここから来たんだ!と小説と思い出がリンクしました。
仕事がら以下の文が心に残りました。
献身とは、ただ、やたらに絶望的な感傷でわが身を殺す事では決してない。大違いである。献身とは、わが身を、最も華やかに永遠に生かす事である
(いつも私の拙い文章を綺麗に紹介してくださって、、惚れちゃいます❤)