282.太宰治『斜陽』の印象的なことばを朗読(話のネタバレなし)
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タイトルコール
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土曜日はフリーテーマですが、本日は太宰治『斜陽』の印象的なことばを朗読します。ストーリー展開に関わる部分は避けていますので、ネタバレにはならないと思います。
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気取るという事は、上品という事と、ぜんぜん無関係なあさましい虚勢だ。高等御下宿と書いてある看板が本郷あたりによくあったものだけれども、じっさい華族なんてものの大部分は、高等御乞食とでもいったようなものなんだ。……
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昨年は、何も無かった。一昨年は、何も無かった。その前のとしも、何も無かった。そんな面白い詩が、終戦直後の或る新聞に載っていたが、本当に、いま思い出してみても、さまざまの事があったような気がしながら、やはり、何も無かったと同じ様な気もする。
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待つ。ああ、人間の生活には、喜んだり怒ったり悲しんだり憎んだり、いろいろの感情があるけれども、けれどもそれは人間の生活のほんの一パーセントを占めているだけの感情で、あとの九十九パーセントは、ただ待って暮らしているのではないでしょうか。
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敗戦後、私たちは世間のおとなを信頼しなくなって、何でもあのひとたちの言う事の反対のほうに本当の生きる道があるような気がして来て、革命も恋も、実はこの世で最もよくて、おいしい事で、あまりいい事だから、おとなのひとたちは意地わるく私たちに青い葡萄だと嘘ついて…
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ああ、何かこの人たちは、間違っている。しかし、この人たちも、私の恋の場合と同じ様に、こうでもしなければ、生きて行かれないのかも知れない。
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次回の憧れ本読書会は12/17AM人間失格(太宰治)です。※チャプターのリンクから申し込めます。
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