1440.書き出しで味わう近代日本文学③太宰治『走れメロス』
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メロスは激怒した。必ず、かの邪智暴虐の王を除かなければならぬと決意した。メロスには政治がわからぬ。メロスは、村の牧人である。笛を吹き、羊と遊んで暮して来た。けれども邪悪に対しては、人一倍に敏感であった。
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コメント

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視点がここまで顕在化してると、否が応でも著者の存在を認知してしまいますが、昨今では、小説に限らず、漫画やアニメ、ゲームなど、作り手の存在は巧妙に隠蔽されてます
そのせいか、作り手の意図が透けて見えてしまった場合はなんか興ざめしちゃいます
例えば、ツンデレは英語にもなってるぐらい市民権を得てますが、現実にはあんなにわかりやすく本音がだだ漏れしてる人はいないです
テンプレ化しちゃうとリアリティって薄らぐ気がしますね
メロスはホントにただのジコチュー!途中で寝てたりするし、こんな話だった?と首を傾げてしまいました。おそらく子供の私には、正義感と大団円の友情だけがインプットされていたようで、教科書の大切な役割が果たされておりました。そのツッコミどころをなぎ倒す、口述筆記の勢いに圧倒されました。
私は太宰作品では「斜陽」の書き出しのお母様がスウプをひらりと吸う退廃的な緊張感が印象に残っています。
メロスが妙に人間臭いのがリアリティありましたね
お笑い芸人で芥川賞を受賞されてるピース又吉さんが解説してる動画も面白かったです
https://www.youtube.com/watch?v=hrL1wJrenu0
本当に「こんな話だったっけ?」と、頭の中にある「美しい友情物語」が一気に上書きされました。
これで読者感想文を書くというのは、子供には難易度高かったですよね!!