(再放送)261.太宰治の忌日「桜桃忌」の由来でもある短編『桜桃』朗読(一部) ※暗めの内容注意
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タイトルコール
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太宰治が入水間際に発表した短編「桜桃」から、印象的な部分を朗読します。目で読みたい方はチャプターのリンク(青空文庫)から。
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子供より親が大事、と思いたい。子供のために、などと古風な道学者みたいな事を殊勝らしく考えてみても、何、子供よりも、その親のほうが弱いのだ。少くとも、私の家庭においては、そうである。(中略) 父と母は、さながら子供たちの下男下女の趣きを呈しているのである。
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……家庭に在る時ばかりでなく、私は人に接する時でも、心がどんなにつらくても、からだがどんなに苦しくても、ほとんど必死で、楽しい雰囲気を創る事に努力する。そうして、客とわかれた後、私は疲労によろめき、お金の事、道徳の事、自殺の事を考える。……
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……父も母も、この長男について、深く話し合うことを避ける。白痴、唖、……それを一言でも口に出して言って、二人で肯定し合うのは、あまりに悲惨だからである。母は時々、この子を固く抱きしめる。父はしばしば発作的に、この子を抱いて川に飛び込み死んでしまいたく思う。
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単に、発育がおくれているというだけの事であってくれたら!この長男が、いまに急に成長し、父母の心配を憤り嘲笑するようになってくれたら!夫婦は親戚にも友人にも誰にも告げず、ひそかに心でそれを念じながら、表面は何も気にしていないみたいに、長男をからかって笑って…
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……ヤケ酒というのは、自分の思っていることを主張できない、もどっかしさ、いまいましさで飲む酒の事である。いつでも、自分の思っていることをハッキリ主張できるひとは、ヤケ酒なんか飲まない。(女に酒飲みの少いのは、この理由からである)……
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生きるという事は、たいへんな事だ。あちこちから鎖がからまっていて、少しでも動くと、血が噴き出す。
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子供より親が大事、と思いたい。子供よりも、その親のほうが弱いのだ。桜桃が出た。私の家では、子供たちに、ぜいたくなものを食べさせない。 (略) 父が持って帰ったら、よろこぶだろう。(略) しかし、父は、大皿に盛られた桜桃を、極めてまずそうに食べては種を吐き…
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