#298 言語化力は安心できる関係性の中で育まれる~福山暁の星女子中学校・高等学校
09:29
90再生
広島県福山市にある福山暁の星女子中学校・高等学校にお招きいただいたレポートです。
ㅤㅤㅤ
【探究をとことんやりこんでいる学校】
暁の星は、フランスに本部を置く援助マリア会を母体とするカトリックのミッションスクール。福山駅から東へ少し行った、小高い丘の上にあります。
校訓のひとつに「互いに睦み」という言葉があり、互いの個性を認め合い、大切にされていると実感できる学校を目指しているそうです。
ㅤㅤㅤ
実際に伺ってみて、それが看板だけの言葉ではないことがすぐにわかりました。
ㅤㅤㅤ
この機会をくださった「教育と探求社」の福本由美子さんによると、暁の星は探究をとことんやりこんでいる学校なのだそうです。生徒さんはそれぞれ自分の探究テーマを持っていて、あとでいただいた感想カードにも、それが自然とにじみ出ていました。
ㅤㅤㅤ
自分の名字のルーツを調べている人、AIが多くの仕事を担う時代に人間が働く意味を考えている人、推し活を真剣に探究している人。テーマに制限を設けず、一人ひとりの興味関心から本気で学ぶことを実践されている学校です。だからこそ、私の話も自分の探究とつなげて受け止めてくれていました。
ㅤㅤㅤ
印象的だったのが、先生方がとんでもなく軽やかなことです。
先生同士がお互いの個性を認め合っていて、心理的安全性の高い関係があることが、短い滞在でも伝わってきました。
授業のあとには生徒さんと個別にお話しする機会も作ってくださいました。そこで学校のことを聞いてみると「先生はみんなやさしい」とうれしそうに話してくれました。
ㅤㅤㅤ
実は、伺った日はたまたま私の誕生日で、それを知った先生方は、なんと授業後にフィッシュの生誕祭を開いてくれました。
すてきなイタリアンのお店に連れて行っていただき、先生方も10人以上集まってくださって、たくさんお話ができて、本当に楽しい時間でした。講演に呼んでいただいて、お祝いまでしていただける学校は、そうそうありません。
ㅤㅤㅤ
ㅤㅤㅤ
【いちばん関心が高かったのは「言語化」】
授業では、中洲昼スナを始めた経緯からお話ししました。役に立たなければ生きていてはいけないと思っていたころのこと。コロナをきっかけに、誰も傷つかずに来れる場所としてスナックを開いたこと。講談ワークショップやスタンダップコメディなど、お客さんの「やってみたい」から生まれたたくさんのイベントのこと。
ㅤㅤㅤ
あわせて、マジョリティとマイノリティは人数ではなく力関係で決まること。多様性とは、人を区別して箱に入れて分けていくことではなく、自分の中にあるマイノリティ性に気づいていくことだということ。そして、自分が大切にしたいことを言語化して、自分の人生のハンドルを自分で握ることの大切さについて、90分間もりもりでお話をさせていただきました。
ㅤㅤㅤ
終了後、「チェンジメーカー応援メッセージ」という形で感想カードをいただきました。応援・驚き・共感・納得の中からカードを選び、その理由と、私が大切にしていると感じたこと、私に聴いてみたいことを書いてくれています。
ㅤㅤㅤ
ここで最も多く触れられていたのは、なんと「言語化」でした。
ㅤㅤㅤ
ほかの学校や講演では、講談ワークショップのことや、お店の名前の由来、ダイバーシティの定義などに関心が集まることが多いのですが、今回は、2割以上の生徒さんが言語化について書いてくれていました。これは間違いなく、探究をやりこんでいる学校だからだと思います。探究には振り返りや内省、そして言語化が欠かせません。
ㅤㅤㅤ
表現の豊かさにも驚きました。
・言語化することで、自分の中にあった考えを引き出すことができる。
・誰かに言語化して話すことで新しい人間関係ができ、自分の知らない未知の世界をひらくことができる。
・今日聞いたことは、今までになかった価値観というよりも、言語化するのが難しいと感じていたものが言語化されて、新たな選択肢に加わったような気がする。
そんなふうに書いてくれた人もいました。
ㅤㅤㅤ
自分のこれまでを振り返った人もいます。
・誰かに「やってみたら?」と言われたからやる、ということが多かった。これからは自分の意志で動き、やりたいことを言語化できるようにしたい。
・言語化が苦手なことを隠してきた自分に、まず気づくところから始めたい、という人もいました。
ㅤㅤㅤ
そして、私がいちばん好きだったのがこちらです。
ㅤㅤㅤ
「本当はもっとたくさんのことを感じたのですが、まだフワフワと浮いてて上手く言葉に出来ません!(中略)抽象的な事の言語化難しいですね…」
ㅤㅤㅤ
そう、言葉にできない状態を、そのまま正直に言葉にしてくれているのです。これこそが言語化の第一歩なんですよね。
ㅤㅤㅤ
ㅤㅤㅤ
【内省の深さに驚く】
生徒さんたちの内省の深さもハンパないです。
ㅤㅤㅤ
看護師になりたいけれど、なぜなりたいのかが曖昧でモヤモヤしていた。その理由は、人のためとか、専門技術で認められたいとか、自分を軸にして考えられていなかったからだと気づいた、という方。
たくさん勉強して良い職に就き、良い給料をもらうことが正しい人生だと思っていた。けれどそれは他者から見て正しい人生かもしれないだけで、自分が大切にしたいことではないと気づいた、という方。
不満を本人のいないところで話すと、一方的な感情になってしまう。本人に伝えれば対話になる。そんなことを、自分の力で言葉にしてくれた人もいました。
ㅤㅤㅤ
ㅤㅤㅤ
【ユーモアのセンスも抜群】
ある生徒さんは、私とその周りの人たちを「行動力の神」「実践力の神」と命名してくれました。
ㅤㅤㅤ
めちゃくちゃ面白かったのが、「飼っている蜂一匹ずつに名前は付けているのか?」という質問です。我が家の庭には日本ミツバチが住んでいます。野生なので「飼っている」のではなく、「住んでいただいている」のです。そして、一匹ずつに名前を付けているわけがありません。ひと箱に何万匹もいるのですから、見分けがつきません。
ㅤㅤㅤ
ビジネスメールのような丁寧な文面で「拝聴し、大変有益でした」と書いたあと、ひとこと「メイクはかっこいいです」で締めた人もいました。
ㅤㅤㅤ
うちのイベントのほとんどをお客さんが企画していると聞いて、それを実現している私のことを「少し尊敬します」と書いてくれた人もいます。この「少し」が、たまらなく面白い。
ㅤㅤㅤ
ㅤㅤㅤ
【言語化力は安心できる関係性の中で育まれる】
授業のあと、教室にもお邪魔しました。個別に質問をもらったり、「ハグしてください」とリクエストしてくれた人とガシッと抱き合ったり。社会福祉士を目指しているという生徒さんもいました。間違った印象を持たれていないといいのですが…。
ㅤㅤㅤ
感想カードは、先生が「実物のほうが雰囲気が伝わると思う」と、わざわざコピーして準備してくださったものです。それをずっと読みながら、どうしてこの生徒さんたちは、こんなにも自分の内側を正直に書けるのだろうと考えていました。
ㅤㅤㅤ
答えは、間違いなく学校にあると思います。
先生方が軽やかで、互いの個性を認め合っている。生徒さんが「先生はみんなやさしい」とうれしそうに言える。
そういう場所だからこそ、自分の弱さや迷いを言葉にしても大丈夫だと思えるのでしょう。
言語化は、ひとりで頑張って身につける技術ではなく、安心できる関係性の中で育まれるものなのだと、あらためて教えていただきました。
ㅤㅤㅤ
ちなみに当日は「バチバチで来てください」とリクエストをいただいたので、昼スナの正装で伺いました。なかなかこれを許してくれる学校はないと思います。しかも、大喜びしてくれましたwそれだけでも、いかに心がひらかれた学校か、想像していただけるのではないでしょうか。
ㅤㅤㅤ
生徒の皆さん、そして先生方、本当にすてきな時間をありがとうございました。次は中洲で皆さんをお迎えできるのを楽しみにしています。
ㅤㅤㅤ
【探究をとことんやりこんでいる学校】
暁の星は、フランスに本部を置く援助マリア会を母体とするカトリックのミッションスクール。福山駅から東へ少し行った、小高い丘の上にあります。
校訓のひとつに「互いに睦み」という言葉があり、互いの個性を認め合い、大切にされていると実感できる学校を目指しているそうです。
ㅤㅤㅤ
実際に伺ってみて、それが看板だけの言葉ではないことがすぐにわかりました。
ㅤㅤㅤ
この機会をくださった「教育と探求社」の福本由美子さんによると、暁の星は探究をとことんやりこんでいる学校なのだそうです。生徒さんはそれぞれ自分の探究テーマを持っていて、あとでいただいた感想カードにも、それが自然とにじみ出ていました。
ㅤㅤㅤ
自分の名字のルーツを調べている人、AIが多くの仕事を担う時代に人間が働く意味を考えている人、推し活を真剣に探究している人。テーマに制限を設けず、一人ひとりの興味関心から本気で学ぶことを実践されている学校です。だからこそ、私の話も自分の探究とつなげて受け止めてくれていました。
ㅤㅤㅤ
印象的だったのが、先生方がとんでもなく軽やかなことです。
先生同士がお互いの個性を認め合っていて、心理的安全性の高い関係があることが、短い滞在でも伝わってきました。
授業のあとには生徒さんと個別にお話しする機会も作ってくださいました。そこで学校のことを聞いてみると「先生はみんなやさしい」とうれしそうに話してくれました。
ㅤㅤㅤ
実は、伺った日はたまたま私の誕生日で、それを知った先生方は、なんと授業後にフィッシュの生誕祭を開いてくれました。
すてきなイタリアンのお店に連れて行っていただき、先生方も10人以上集まってくださって、たくさんお話ができて、本当に楽しい時間でした。講演に呼んでいただいて、お祝いまでしていただける学校は、そうそうありません。
ㅤㅤㅤ
ㅤㅤㅤ
【いちばん関心が高かったのは「言語化」】
授業では、中洲昼スナを始めた経緯からお話ししました。役に立たなければ生きていてはいけないと思っていたころのこと。コロナをきっかけに、誰も傷つかずに来れる場所としてスナックを開いたこと。講談ワークショップやスタンダップコメディなど、お客さんの「やってみたい」から生まれたたくさんのイベントのこと。
ㅤㅤㅤ
あわせて、マジョリティとマイノリティは人数ではなく力関係で決まること。多様性とは、人を区別して箱に入れて分けていくことではなく、自分の中にあるマイノリティ性に気づいていくことだということ。そして、自分が大切にしたいことを言語化して、自分の人生のハンドルを自分で握ることの大切さについて、90分間もりもりでお話をさせていただきました。
ㅤㅤㅤ
終了後、「チェンジメーカー応援メッセージ」という形で感想カードをいただきました。応援・驚き・共感・納得の中からカードを選び、その理由と、私が大切にしていると感じたこと、私に聴いてみたいことを書いてくれています。
ㅤㅤㅤ
ここで最も多く触れられていたのは、なんと「言語化」でした。
ㅤㅤㅤ
ほかの学校や講演では、講談ワークショップのことや、お店の名前の由来、ダイバーシティの定義などに関心が集まることが多いのですが、今回は、2割以上の生徒さんが言語化について書いてくれていました。これは間違いなく、探究をやりこんでいる学校だからだと思います。探究には振り返りや内省、そして言語化が欠かせません。
ㅤㅤㅤ
表現の豊かさにも驚きました。
・言語化することで、自分の中にあった考えを引き出すことができる。
・誰かに言語化して話すことで新しい人間関係ができ、自分の知らない未知の世界をひらくことができる。
・今日聞いたことは、今までになかった価値観というよりも、言語化するのが難しいと感じていたものが言語化されて、新たな選択肢に加わったような気がする。
そんなふうに書いてくれた人もいました。
ㅤㅤㅤ
自分のこれまでを振り返った人もいます。
・誰かに「やってみたら?」と言われたからやる、ということが多かった。これからは自分の意志で動き、やりたいことを言語化できるようにしたい。
・言語化が苦手なことを隠してきた自分に、まず気づくところから始めたい、という人もいました。
ㅤㅤㅤ
そして、私がいちばん好きだったのがこちらです。
ㅤㅤㅤ
「本当はもっとたくさんのことを感じたのですが、まだフワフワと浮いてて上手く言葉に出来ません!(中略)抽象的な事の言語化難しいですね…」
ㅤㅤㅤ
そう、言葉にできない状態を、そのまま正直に言葉にしてくれているのです。これこそが言語化の第一歩なんですよね。
ㅤㅤㅤ
ㅤㅤㅤ
【内省の深さに驚く】
生徒さんたちの内省の深さもハンパないです。
ㅤㅤㅤ
看護師になりたいけれど、なぜなりたいのかが曖昧でモヤモヤしていた。その理由は、人のためとか、専門技術で認められたいとか、自分を軸にして考えられていなかったからだと気づいた、という方。
たくさん勉強して良い職に就き、良い給料をもらうことが正しい人生だと思っていた。けれどそれは他者から見て正しい人生かもしれないだけで、自分が大切にしたいことではないと気づいた、という方。
不満を本人のいないところで話すと、一方的な感情になってしまう。本人に伝えれば対話になる。そんなことを、自分の力で言葉にしてくれた人もいました。
ㅤㅤㅤ
ㅤㅤㅤ
【ユーモアのセンスも抜群】
ある生徒さんは、私とその周りの人たちを「行動力の神」「実践力の神」と命名してくれました。
ㅤㅤㅤ
めちゃくちゃ面白かったのが、「飼っている蜂一匹ずつに名前は付けているのか?」という質問です。我が家の庭には日本ミツバチが住んでいます。野生なので「飼っている」のではなく、「住んでいただいている」のです。そして、一匹ずつに名前を付けているわけがありません。ひと箱に何万匹もいるのですから、見分けがつきません。
ㅤㅤㅤ
ビジネスメールのような丁寧な文面で「拝聴し、大変有益でした」と書いたあと、ひとこと「メイクはかっこいいです」で締めた人もいました。
ㅤㅤㅤ
うちのイベントのほとんどをお客さんが企画していると聞いて、それを実現している私のことを「少し尊敬します」と書いてくれた人もいます。この「少し」が、たまらなく面白い。
ㅤㅤㅤ
ㅤㅤㅤ
【言語化力は安心できる関係性の中で育まれる】
授業のあと、教室にもお邪魔しました。個別に質問をもらったり、「ハグしてください」とリクエストしてくれた人とガシッと抱き合ったり。社会福祉士を目指しているという生徒さんもいました。間違った印象を持たれていないといいのですが…。
ㅤㅤㅤ
感想カードは、先生が「実物のほうが雰囲気が伝わると思う」と、わざわざコピーして準備してくださったものです。それをずっと読みながら、どうしてこの生徒さんたちは、こんなにも自分の内側を正直に書けるのだろうと考えていました。
ㅤㅤㅤ
答えは、間違いなく学校にあると思います。
先生方が軽やかで、互いの個性を認め合っている。生徒さんが「先生はみんなやさしい」とうれしそうに言える。
そういう場所だからこそ、自分の弱さや迷いを言葉にしても大丈夫だと思えるのでしょう。
言語化は、ひとりで頑張って身につける技術ではなく、安心できる関係性の中で育まれるものなのだと、あらためて教えていただきました。
ㅤㅤㅤ
ちなみに当日は「バチバチで来てください」とリクエストをいただいたので、昼スナの正装で伺いました。なかなかこれを許してくれる学校はないと思います。しかも、大喜びしてくれましたwそれだけでも、いかに心がひらかれた学校か、想像していただけるのではないでしょうか。
ㅤㅤㅤ
生徒の皆さん、そして先生方、本当にすてきな時間をありがとうございました。次は中洲で皆さんをお迎えできるのを楽しみにしています。
昼スナママ・フィッシュ明子の役にたたなくてもいいラジオ
フィッシュ 明子
- 00:161.
タイトルコール
- 09:132.
探究をとことんやりこんでいる学校
コメント

感想・質問・応援メッセージを書こう
言語化が難しい気持ちに向き合って素直に表わすことを怖がらない
相手に伝わる言葉選びや伝え方を大切にする
それが身につく場、心理的安全性がある空間が学校にあるなんて…なんて素敵なんでしょう❣️
できる範囲でこころもからだも内観していきたい
と思いました。