TOPトーク専門家[弁護士×歯科医師]歯科専門弁護士小畑真の法律クリニック引き抜き行為は契約では止められない!?歯科医院が本当にすべきたった1つのこと18:15 2025年6月11日 199再生 問題を報告する 再生する シェアする AI目次歯科医院の引き抜き問題とは?違法?合法?そのグレーゾーンを解説効果的な予防策3つのポイント損害賠償請求の可能性と限界最強の対策は?信頼関係の構築AI文字起こし(β版) # オープニング みなさんこんにちは。 弁護士法人岡田法律事務所代表弁護士、 弁護士と司会者のダブルライセンスを持つ 歯科専門弁護士の岡田誠でございます。 現在、日本唯一の歯科専門弁護士として 専門活動で培った知識と経験を生かして、 歯科医が安心して診療できる環境づくりをサポートしております。 さて、今日も多くの委員長から寄せられる 本当に頭の痛いご相談についてお話しいたします。 どんなお話かと言いますと、 信頼していた勤務員が退職して開業するのはいいんだけれども、 うちのスタッフまで一緒に連れて行こうとしているという 引き抜きの問題ですね。 実は先日もある委員長から緊急ご相談をいただいたところでしたけれども、 こういった退職予定者による引き抜き問題、 こういったところにはかなり頭を悩ませている先生もいると思います。 もちろん円盤に連れて行っていいよというところであればいいんですけれども、 やっぱり揉めるケースというのは委員長と勤務員との間で 人間関係がギクシャクして、 その勤務員がスタッフだったり患者さんだったりと引っ張っていく そういったようなケースはよくある話ではありますよね。 そこで今回はこの退職予定者による引き抜き問題についてお話ししたいと思います。 # タイトルコール 歯科専門弁護士おばたまことの歯科医院のための法律クリニック 実例を通じて問題解決方法やトラブル予防のポイント 健全な委員経営の基礎知識を実践的にお届けするチャンネルです。 # 引き抜き行為は違法?合法? まず最初に、最も重要なことをお伝えいたします。 それは何かというと、引き抜き行為は原則として違法ではないということなんですね。 え?そうなの?と驚かれた先生もいらっしゃるかもしれません。 でもこれが法律の大原則なんですよね。 日本の憲法で、職業選択の自由という権利が保障されているわけですよね。 これは誰もが自由に職場を選べる権利ですし、 また誰かを自分の職場に誘う権利ももちろんありますので、 そういう意味では退職する勤務員が、例えば一緒に新しい家で働かないとかね、 こういったお話をスタッフに声をかけること自体は、 基本的には全く問題ない正当な行為になるんですよね。 ただ、そうは言っても、その誘い方が社会的相当性を逸脱した場合、 違法となる可能性があります。 つまり原則は適法、例外的に違法になる場合があるという構造になっているんですね。 ちなみに今お話しした社会的相当性、 何の中で分かるような分かんないような言葉ですけれども、 簡単に言うと普通の人が見て、 それはやりすぎでしょうと感じるレベルかどうかということになります。 ここで実際の裁判例をご紹介したいと思います。 司官委員の例ではないんですけれども、 従業員の引き抜きが違法とされた有名な裁判例がありますのでご紹介いたします。 落損事件というふうに言いまして、東京地裁平成3年2月25日の判決です。 この事件では退職した元管理職の方が在職中から計画的に部下たちに転職を勧誘して、 一斉に退職させて強豪他社に移籍させました。 裁判所はこの行為について、 単なる転職の勧誘を超えて会社に打撃を与えることを目的とした 背信的行為であるというふうに判断して、 不法行為による損害賠償責任を認めたんですね。 ポイントは3つです。 1つ目、在職中から計画的に行われていた。 2つ目、複数の従業員を一斉に引き抜いた。 3つ目、会社の業務に重大な支障を生じさせた。 この3つがポイントになりました。 この裁判例から学べることは、引き抜きが違法となるかどうかというのはその対応、 つまりやり方次第ということなんですね。 司会員でも同じ理屈が適用されます。 例えば、退職する勤務員が診療時間中に勧誘を繰り返したり、 患者情報を持ち出して患者も連れていくという形で情報を取ったり、 あとは複数のスタッフと示し合わせて一斉退職を計画したり、 こういったような行為があると、落損事件と同様に 違法な引き抜きと判断される可能性は高いんですね。 # 引き抜き行為に対する大きな誤解と本当にすべきたった1つのこと それではどう対処していけばいいのか? 引き抜きへの対処方法を3つの観点からお話ししたいと思います。 まず1つ目、引き抜き行為があったときに処分が可能かどうかですね。 仮に修行規則に引き抜き行為は懲戒・解雇だと書いてあったとしても、 書いてあれば解雇できると思う先生も結構いらっしゃるんですけれども、 それでも解雇はできないんですね。 もちろん何らかの処分をするためには、修行規則に書いてあることが必須なんですけれども、 懲戒・解雇がOKかどうかは裁判所は客観的に合理的な理由と、 社会通年上の相当性というこの2つの厳しい判断基準に判断するわけです。 そして現実的には単純な引き抜き行為だけで懲戒・解雇は認められることはほぼありません。 引き抜きに加えて、例えば診療放棄、診療しないとか診療放棄したりとか、 情報の不正持ち出しだったりとか、虚偽による勧誘とか、 いろんなその悪質な行為がある場合にその可能性はあります。 ただこれも可能性の話であって、一発レッドカードとか一発で懲戒・解雇は許されるかというと、 これもなかなか難しいんですよね。 ではどうしたらいいと思いますか。 答えは段階的処分を行うということですね。 先ほど話したように就業規則があってそこに記載されているということが前提になりますけれども、 就業規則に記載した通りに軽い処分から懲戒処分を段階的に踏んだり、 そういった指導を繰り返すことによって処分を積み重ねていくということが重要になるわけですよね。 いきなり懲戒・解雇では裁判ではなかなか難しくて結構無効になる可能性がすごく高いんですし、 反対に解雇無効になってしまうと多額の賠償金を支払うリスクがありますので、 この辺は非常に注意深くご慎重に事を運んでいただく必要があります。 2つ目は懲戒・解雇が難しいのであれば損害賠償請求はどうかなという声も聞こえてきますけれども、 こちらに関しては社会的相当性を逸脱した引き抜きであれば損害賠償請求が認められる可能性はあります。 それこそ先ほどの落損事件のような悪質なケースですよね。 請求できる可能性がある損害というのは主に3つ。 1つ目としてはスタッフの再募集にかかった求人広告費。 最近では人材紹介会社を使うケースも多くて採用コストというのは結構かかりますよね。 2つ目は新人スタッフの教育コスト。 ベテランスタッフが抜けた後、新人を1人前まで育てるまでの指導時間というのはなかなか大変ですので、 これを時給換算して考えるとこれも相当な金額になります。 3つ目としては引き抜きによる診療への影響。 この3つがありますけれども、なかなかこれを証明するというのは難しいところもありますよね。 実際に損害賠償請求する場合には、引き抜かれた人数や人材の重要性や 引き抜き行為の悪質性によっても、もちろん不法行為として認められるかというところも変わってきますし、 どれだけ損害を被ったかというところについては、 こちら側で証拠を持って証明しないといけないわけなんですよね。 そのため、こういった損害を裏付ける証拠というのはしっかりと残しておく必要というのはあります。 証拠があって、しっかりと因果関係がある。 それでいて、その引き抜きがかなり悪質。 こういったものが揃わないと、損害賠償請求も現実的にはなかなか難しいかなというところではあります。 そこで3つ目という観点からすると、どういうふうに予防するかというところですよね。 やはり何事もそうですけれども、起きてからの対処よりも予防が9割。 ではどんな予防策があるかちょっと考えていきましょう。 まず一つ思いつくのは、就業規則とか制約書による法的な予防策ですよね。 これはもちろん有効な策ではあるんですけれども、ただ万能ではないんですね。 例えば就業規則に引き抜き禁止と書けば安心というわけではありません。 やはりそこは職業選択の自由との兼ね合いで、過度な制限というのは無効とされる可能性が高いんですよね。 有効な規定にするためには、例えばあるのは立場に応じた差をつけるという、それも一つのポイントになります。 一般のスタッフには在職中の引き抜き禁止という、その程度に留めて、 例えば役員とか、そういった重要なポストの人は退職後、例えば半年とか1年とかその間は引き抜き禁止というふうにすると。 そういうような規定というのは考えられます。 そして禁止行為というのを具体的に書くというのも重要ですよね。抽象的ではなくて。 例えば診療時間中の勧誘禁止とか、患者情報を利用した勧誘禁止とか、何かダメだということを明確にするということが必要です。 あと制約書ですね。制約書もすごく有効なんですけれども、 これ結構多いのが、退職するときに制約書を取ろうとする委員が結構多いんですよね。 もちろん取っていただくことはすごく有効的ではあるんですけれども、 ただ退職のときって、結構揉めて退職するケースだとサインしないというケースってよくあるんですよね。 よくありますし、サインしなくても別にサインする義務はありませんからね。 そういう意味ではサインしませんと言われたら、それまでなわけですよ。 ですので制約書を取る場合は、これは必ず入社時に取ること。これは鉄則ですよね。 入社時の制約書の中に、例えばその引き抜き行為についての事項を書くと。 退職中及び退職後の引き抜き行為を禁止するとかですね。 秘密保持もちろんね。これは秘密保持はもうすごく大事な規定ですから、引き抜きに限らずですけれども、秘密保持義務を記載したりとか。 あとはこの制約書に違反した時の損害賠償責任を明記したりとか、こういったようなことを書くわけですよ。 ただ例えばその今の引き抜き行為にしてみても、やっぱりこう、死ぬまでね、引き抜き行為はダメっていう。 そういうような無制限の制約っていうのはね、これはやはりなかなか難しいですので、 一定期間で合理的な範囲に留めるっていう必要があります。 ただですね、先ほどもお話ししましたけれども、収益規則とか制約書だけでもやっぱりなかなか不十分なんですよね。 いろんな制約がありますから。 制約もそうですし、現実問題としてどんなに完璧な書面を作っても、やっぱり決定的な抑止力にはならないですよね。 契約では感情というのは縛れませんし、実際にしたとしても立証も難しいですし、 そうなると損害賠償請求として認められるかどうかというのもなかなか難しい。 感情がかかってね、書いてるけど別に守らなくていいよねっていう、そういったスタッフだっているわけですよ。 じゃあどうしたらいいかっていうことですけれども、結局のところはですね、引き抜かれない職場作りっていうところになるわけですよね。 ある委員長の言葉が非常に印象的な言葉があったんですけれども、 うちはスタッフが引き抜き行為の誘いがあっても、スタッフから、委員長実は昨日他の委員から誘われたんですけれども、もちろん断りましたみたいなね、そんな報告が来るんですよって。 そういった話を伺ったことがあります。 なんでそんな関係が築けているのかですけれども、やはりそれは日頃からのコミュニケーションに加えて定期的な個人面談でキャリアプランを一緒に考えたり、 頑張りを正当に評価して、何よりも困った時に相談できる風通しの良い環境があるからに他ならないわけですよね。 結局規則とか制約書ってすごく大事で重要なんですけれども、保険に過ぎません。 本当の要望というのはスタッフがここで働き続けたい、他に行く理由がないと思える職場を作ること。 これこそが最強の引き抜き対策なんですね。 # 本日のまとめ 本日のまとめになります。 退職予定者による引き抜き問題について 重要なポイントをお話しいたしました。 引き抜き行為は原則として違法ではないということ。 職業選択の自由がある以上、転職勧誘自体を禁止することはできないです。 違法となるのは社会的相当性を逸脱した極めて悪質なケースに限られてしまいます。 法的対処には大きな限界があります。 懲戒外行はほぼなかなか不可能なところがあって、せいぜい軽い懲戒処分程度ですね。 損害賠償請求もよほど悪くしてないとなかなか認められないですね。 つまり起きてしまってからの法的対処というのは現実的にはかなり厳しいんです。 だからこそ予防が最重要。 就業規則や制約書も有効ですけれども、限界があるので最も効果的なのは スタッフが引き抜かれたくないと思える職場環境を作ることです。 法律とか契約で縛るのではなく、信頼関係で結ばれた組織作りこそが最強の引き抜き対策になります。 # エンディング 今日も最後まで聞いていただきましてありがとうございました。 退職予定者の引き抜き問題についてお話しいたしましたけれども、いかがでしたでしょうか。 今日お伝えした中で最も重要なことは、引き抜き行為は原則として違法ではなくて、法的な対処には大きな限界があるということです。 懲戒解雇もほぼ不可能。損害賠償請求もなかなか難しい。これが現実なんですよね。 ただ、契約とかで縛れないからこそ、人間関係や職場環境の大切さが見えてきます。 私も臨床医として働いていましたので、両方の立場の気持ちがよくわかります。 ちなみに、分院長などの役員の立場にある人が引き抜き行為を行う場合というのは、単なる従業員が行う場合とちょっと違ってですね、 重い責任を問われる可能性というのはあります。 役員というのは法人への忠実義務というのは、医療法人法上の義務がありますので、役員になっている先生が引き抜き行為をすると、その忠実義務に違反して、 委員の利益を下げる行為ということになりますから、そういう意味では普通の勤務員の先生よりも責任を負う可能性が高いですので、 そういった先生については、本当に注意していただければなというふうに思います。 結局のところ、最強の引き抜き対策というのは、スタッフがここで働きたいと思える委員作りですよね。 もし今、うちの職場環境大丈夫かなと思われた先生は、この機会に見直してみてはいかがでしょうか。 さて、このチャンネルでは皆さんからのいいね、フォロー、シェアを励みに発信しております。 ご質問やコメント、こんなテーマについて聞きたいというリクエストもお待ちしております。 ちなみに、具体的なご相談とか、もっとトラブル予防について身につけたいと考えている先生方につきましては、 DLCという社員限定のメンバーシップがありますので、こちらをご活用ください。 それではまた次回の音声でお待ちしております。地下専門弁護士の尾端誠でした。 もっと見る #弁護士 #トラブル #法律 #予防 #違法 #コミニケーション #就業規則 #歯科 #引き抜き #誓約書 [弁護士×歯科医師]歯科専門弁護士小畑真の法律クリニック歯科専門弁護士小畑真01:301.オープニング00:152.タイトルコール03:313.引き抜き行為は違法?合法?09:344.引き抜き行為に対する大きな誤解と本当にすべきたった1つのこと01:155.本日のまとめ02:126.エンディングコメント感想・質問・応援メッセージを書こう
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