第2102回「開山忌終える」2026/10/9
12:35
175再生
■管長日記「開山忌終える」
https://www.engakuji.or.jp/blog/40846/
■YouTube
https://youtu.be/t7uScCRmjJE
■note
https://note.com/engakuji/n/n5a39e7386868
最後に一日のはじまりを整える、呼吸瞑想がございます。
-------------------------------------------------
十月三日は開山忌でありました。
円覚寺の開山仏光国師のご命日の法要であります。
ご命日は、九月三日でありますが、いつの頃からか一月遅れで行っています。
円覚寺では、一年でもっとも大きな行事であります。
九月に入った頃から、修行道場の修行僧たちが、境内の清掃にかかります。
草を取ったり刈り込みをしたり整えてゆきます。
同時に出入りの植木屋さんが、樹木の剪定などを行ってくださいます。
松の手入れなども丹念に行ってくれます。
九月の末頃には、開山さまにお供えするための松を用意します。
佛殿や舎利殿に大きな松をお供えします。
またその頃には、私は法衣を蔵から出します。
開山忌で着る衣装は、道具衣、九條袈裟で、円覚寺では開山忌の時にしか使わないものです。
代々の老師方の九條袈裟が蔵に納められています。
それらを虫干しをかねて蔵から出します。
ところが、今年は例年と違って、開山忌に至るまで連日の雨でありました。
なかなか蔵から袈裟を出せずにいたのでした。
しかも九月のお彼岸中には、開山堂の裏の崖が崩れるということも起こりました。
開山忌の前にも台風が近づきました。
開山さまのお像は、避難させてもらいました。
そんなことを気にしながら開山忌を迎えました。
結果的には、とても穏やかな気候に恵まれて無事に終えることができました。
今年は久しぶりに四ッ頭の茶礼も復活しました。
実に七年ぶりとなります。
修行僧さんたちには連日稽古をしてもらいました。
私も稽古の最終日には参加して拝見しました。
十月の二日から行事が始まります。
午後三時からは、佛殿で法要を営みます。
まず私は道具衣、九條袈裟を身につけます。
これは一人では着られないのです。
法衣店の方に着付けをしてもらいます。
そして修行道場である正続院の一撃亭に控えます。
国宝の大鐘が鳴り響きます。
その中を方丈まで行列を組んで移動します。
先導の方々がいて、私には赤い大きな傘をさしてもらい、そのあとには五人の侍者がつくのです。
行列の間は、「帽子」という変わったかぶり物を頭に載せています。
その行列が通る間、参道は車も通行止めになります。
私が年に一度参道の中央を歩く時なのです。
そして佛殿に入ります。
佛殿に入るとまず向かって左側の祖師堂にお祀りしている開山さまのお像を須弥壇の上にお移しします。
お移しする前に、私が香を焚いて三拝します。
そうして役に当たっている僧が、開山像を担いで須弥壇にお祀りするのです。
そして九回の礼拝を繰り返しながら、開山さまにお茶とお湯とをお供えします。
楞厳呪を皆で行道といって歩きながらお唱えするのです。
それから行列を組んで舎利殿に向かいます。
舎利殿でも楞厳呪をお唱えしますが、これは真の楞厳呪といって開山忌のときだけの特別な節回しでお唱えします。
これも連日にわたって稽古するものです。
かれこれ二時間ほどの法要となります。
そして皆でおうどんをいただきます。
二日のお昼頃、霧雨のような雨がありましたが、法要のときにはあがってくれていたのでたすかりました。
三日は朝涼しい気候でした。
午前六時に佛殿で開山さまにお粥をお供えして楞厳呪をお唱えします。
さらに舎利殿に移って楞厳呪を唱えます。
そのあと例年ならば、開山さまのお墓に上がってお参りするのですが、今年は土砂崩れの為に上がれませんでした。
そして午前十時から半齋という最も大事な法要が始まります。
その前には、お手伝いに来てくださる和尚さまや、法要に参列してくださる和尚さま方が挨拶に来てくださいます。
そして九時半頃から法衣を着るようにします。
半齋は、一撃亭に控えてまず舎利殿に向かい、入堂してすぐに開山堂に上がります。
開山さまの真前でお香を焚いて三拝します。
そして舎利殿で真の楞厳呪をゆっくり唱えながら行道します。
それから行列を組んで、佛殿に向かいます。
私は方丈で一時控えています。
そして佛殿の支度が整ったら行列を組んで佛殿にゆきます。
お香を焚いて三拝、ご飯と白湯をお供えして三拝、そしてお茶をお供えして三拝します。
三日の日は、合計二十一回の礼拝を繰り返すのです。
法要のあとに、幼稚園の子供たちがお歌を歌ってくださいます。
二時間の法要を終えて大方丈に移って四ッ頭の茶礼であります。
私たちは袈裟を着けたまま食事をいただきます。
作法に則った給仕がなされます。
食事のあとに、抹茶とお菓子をいただきます。
これが一時間ほどかかります。
合計三時間の法要であります。
重たい袈裟や道具衣を着けての儀式で、はじめの頃は苦労したものですが、もうこの頃はすっかり慣れてしまいました。
それでも年に一度この重たい道具衣に九條袈裟を身につけると、自分の立場の重さ、伝統を背負っている重さを身をもって感じるのであります。
九月は雨が続き、台風による土砂崩れもあって、どうなるかと心配した開山忌でありましたが、無事に終えることができました。
とても涼しく爽やかな気候で、管長に就任してからというもの、こんなに心地よい気候に恵まれたのは初めてでありました。
開山忌はお手伝いの和尚さまたちも何十人も集まってくれます。
そして大勢の和尚さまが参列してくださいます。
円覚寺の総代さんはじめ三宝会の方々も大勢お参りくださいました。
無事に終えるとホッと一息できるのであります。
横田南嶺
https://www.engakuji.or.jp/blog/40846/
■YouTube
https://youtu.be/t7uScCRmjJE
■note
https://note.com/engakuji/n/n5a39e7386868
最後に一日のはじまりを整える、呼吸瞑想がございます。
-------------------------------------------------
十月三日は開山忌でありました。
円覚寺の開山仏光国師のご命日の法要であります。
ご命日は、九月三日でありますが、いつの頃からか一月遅れで行っています。
円覚寺では、一年でもっとも大きな行事であります。
九月に入った頃から、修行道場の修行僧たちが、境内の清掃にかかります。
草を取ったり刈り込みをしたり整えてゆきます。
同時に出入りの植木屋さんが、樹木の剪定などを行ってくださいます。
松の手入れなども丹念に行ってくれます。
九月の末頃には、開山さまにお供えするための松を用意します。
佛殿や舎利殿に大きな松をお供えします。
またその頃には、私は法衣を蔵から出します。
開山忌で着る衣装は、道具衣、九條袈裟で、円覚寺では開山忌の時にしか使わないものです。
代々の老師方の九條袈裟が蔵に納められています。
それらを虫干しをかねて蔵から出します。
ところが、今年は例年と違って、開山忌に至るまで連日の雨でありました。
なかなか蔵から袈裟を出せずにいたのでした。
しかも九月のお彼岸中には、開山堂の裏の崖が崩れるということも起こりました。
開山忌の前にも台風が近づきました。
開山さまのお像は、避難させてもらいました。
そんなことを気にしながら開山忌を迎えました。
結果的には、とても穏やかな気候に恵まれて無事に終えることができました。
今年は久しぶりに四ッ頭の茶礼も復活しました。
実に七年ぶりとなります。
修行僧さんたちには連日稽古をしてもらいました。
私も稽古の最終日には参加して拝見しました。
十月の二日から行事が始まります。
午後三時からは、佛殿で法要を営みます。
まず私は道具衣、九條袈裟を身につけます。
これは一人では着られないのです。
法衣店の方に着付けをしてもらいます。
そして修行道場である正続院の一撃亭に控えます。
国宝の大鐘が鳴り響きます。
その中を方丈まで行列を組んで移動します。
先導の方々がいて、私には赤い大きな傘をさしてもらい、そのあとには五人の侍者がつくのです。
行列の間は、「帽子」という変わったかぶり物を頭に載せています。
その行列が通る間、参道は車も通行止めになります。
私が年に一度参道の中央を歩く時なのです。
そして佛殿に入ります。
佛殿に入るとまず向かって左側の祖師堂にお祀りしている開山さまのお像を須弥壇の上にお移しします。
お移しする前に、私が香を焚いて三拝します。
そうして役に当たっている僧が、開山像を担いで須弥壇にお祀りするのです。
そして九回の礼拝を繰り返しながら、開山さまにお茶とお湯とをお供えします。
楞厳呪を皆で行道といって歩きながらお唱えするのです。
それから行列を組んで舎利殿に向かいます。
舎利殿でも楞厳呪をお唱えしますが、これは真の楞厳呪といって開山忌のときだけの特別な節回しでお唱えします。
これも連日にわたって稽古するものです。
かれこれ二時間ほどの法要となります。
そして皆でおうどんをいただきます。
二日のお昼頃、霧雨のような雨がありましたが、法要のときにはあがってくれていたのでたすかりました。
三日は朝涼しい気候でした。
午前六時に佛殿で開山さまにお粥をお供えして楞厳呪をお唱えします。
さらに舎利殿に移って楞厳呪を唱えます。
そのあと例年ならば、開山さまのお墓に上がってお参りするのですが、今年は土砂崩れの為に上がれませんでした。
そして午前十時から半齋という最も大事な法要が始まります。
その前には、お手伝いに来てくださる和尚さまや、法要に参列してくださる和尚さま方が挨拶に来てくださいます。
そして九時半頃から法衣を着るようにします。
半齋は、一撃亭に控えてまず舎利殿に向かい、入堂してすぐに開山堂に上がります。
開山さまの真前でお香を焚いて三拝します。
そして舎利殿で真の楞厳呪をゆっくり唱えながら行道します。
それから行列を組んで、佛殿に向かいます。
私は方丈で一時控えています。
そして佛殿の支度が整ったら行列を組んで佛殿にゆきます。
お香を焚いて三拝、ご飯と白湯をお供えして三拝、そしてお茶をお供えして三拝します。
三日の日は、合計二十一回の礼拝を繰り返すのです。
法要のあとに、幼稚園の子供たちがお歌を歌ってくださいます。
二時間の法要を終えて大方丈に移って四ッ頭の茶礼であります。
私たちは袈裟を着けたまま食事をいただきます。
作法に則った給仕がなされます。
食事のあとに、抹茶とお菓子をいただきます。
これが一時間ほどかかります。
合計三時間の法要であります。
重たい袈裟や道具衣を着けての儀式で、はじめの頃は苦労したものですが、もうこの頃はすっかり慣れてしまいました。
それでも年に一度この重たい道具衣に九條袈裟を身につけると、自分の立場の重さ、伝統を背負っている重さを身をもって感じるのであります。
九月は雨が続き、台風による土砂崩れもあって、どうなるかと心配した開山忌でありましたが、無事に終えることができました。
とても涼しく爽やかな気候で、管長に就任してからというもの、こんなに心地よい気候に恵まれたのは初めてでありました。
開山忌はお手伝いの和尚さまたちも何十人も集まってくれます。
そして大勢の和尚さまが参列してくださいます。
円覚寺の総代さんはじめ三宝会の方々も大勢お参りくださいました。
無事に終えるとホッと一息できるのであります。
横田南嶺
【鎌倉円覚寺】毎日の管長日記と呼吸瞑想
臨済宗大本山円覚寺
- 12:351.
開山忌終える
コメント

感想・質問・応援メッセージを書こう
余談ですが、被り物とお履き物が独特なのと、毎年違うお衣装なんだなーと思いながら拝見しました。
いつもの茶色の袈裟が一番落ち着きますがw 開山忌の特別感を感じました。
9月からいろいろなお支度があるのですね。
こうやって連綿と続くこと、素晴らしいなと思います。
インスタなどで拝見するいつもにこにこお優しいご老師と別の方かと思う厳しいお顔、(失礼お許しください)身が引き締まりました。
ありがとうございました。
自分も三宝会員でご案内を頂いていたのですが、当日は今年8月から始めた秩父札所巡りを続けていたのでした。しかし、紹介記事を読んで来年こそは参加したいと思いました。
老師が通常の衣ではなく、和尚様達も行列して歴史絵巻を見ているようです。帽子が珍しい形のものです。「もうす」と読むのですね。現代の中国語(北京語)で帽子をmaozi(マオズ)と発音するのと似ているなと思いました。四頭茶会も興味深いです。🙏大切な行事を終え、お疲れ様です。