TOPトーク専門家毎朝の思考だれも「自分はアイスクリームに寛容である」と胸を張る人はいない08:16 2023年8月22日 7,775再生 問題を報告する 再生する シェアする AI目次橘隆氏への評価が招いた波紋『不快な存在』を受け入れる多様性森本安里氏が説く『寛容』の真意中世教会思想に見る『悪の許容』SNS時代に求められる『寛容』の距離AI文字起こし(β版) # だれも「自分はアイスクリームに寛容である」と胸を張る人はいない おはようございます。佐々木敏直です。 橘隆さんっていらっしゃいますよね。 もともとNHKから国民を守る党でしたっけ。その当時だったの。 今名前が、政党もいろいろ変わって、 ちょっとあんまり浮かべてないんでよくわからないんですけど、 4年ぐらい前かな、橘さんとアベマプライムでね、一緒になったことがあって、 そんなにたくさん喋ったわけじゃなくて、15本ぐらい議論をした。 で、へーってなにかって言うと、すごい頭の切れる人だなと思ったんですよ。 おっしゃってることに同意することは全くなかったんだけど、 やっぱり分析論句とかね、喋ることの論理性とか、 なかなかこの人、才能ある人だなというふうに感心したので、 翌日だか何かにツイッターでね、言ってることには同意しませんでしたが、 大変頭の切れる人だと思いました、みたいなことを投稿したら、 すごい激しく怒ってくる人がいっぱいいて、 お前は橘隆の味方なのかとかね、N国を支持するのかとかね、 いやいやだから支持しないけど、頭の切れる人だと思ったっていう、 それはなんか支持する支持って話じゃなくて、単なる評価でしょうと思うんだけど、 なんかやっぱり、世の中すべてを敵と味方に分けなきゃ気が済まない人たちってのはたくさんいて、 お前は橘の敵なのか味方なのか、みたいに詰み寄ってくるわけですよ。 中にはすごいですよ。当時僕ちょうどNHKのEテレの英語番組になぜかレギュラーで時々出ていて、 NHKに電話がかかってきて、N国を支援している佐々木としなをテレビに出すのは何事だ、みたいなことを言ってきたってプロデューサーから聞かされて、 いやそんなこと言われても誰も別にN国支援してないし、 単に橘さんは頭の切れる人だなと思ったっていう、それを書いただけなのにそこまで言うんですかってものすごく驚いて、 まあそれは笑い話で済んだんですけれど、そういう人がいるんだよね。 これってこういう何でも敵味方に分ける二元論で考えないといけないっていうのは、ある意味多様性の議論とかにつながってくる。 なんか多様性って言うと、分かりやすい例で言うと、LGBTの人たちはみんな仲良くしましょう、みたいなね。 みんな仲良くする多様性みたいなことをすぐ言いたがるんだけど、 仲の良い人の多様性なんて別に守る必要はないんですよ。だってもともと守られてるんだから。 そうじゃなくて不快な存在、みんなから嫌われる存在、 そういうものを守るかどうかっていうのが多分多様性にとって一番大事なんじゃないかな。 最近だとそれこそ生産業、AVとか風俗とかに従事している人たちがすごい批判されている。 そんな仕事やめちまえみたいなことを言う人までいる。 でも多様性の本質から言えば、どんな仕事の人たちだってもちゃんと守らなきゃいけないし、 彼ら彼女たちが自分たちの仕事に誇りを持っているんだったら、それを尊重すべきである。 仮にその仕事が自分から見て不快であったり嫌悪感を生み出すものであっても、 多様性という観点で考えればそれは守られるべきだというふうに思うんですよね。 これって他人に対して寛容になるということにもつながってくるなと思って。 しばらく前に不寛容論という本を読んで、寛容じゃない不寛容ですね。 これを書いたのは森本安里さんという、ホフスタッターという思想家のアメリカの反知性主義という話があって、 反知性主義って別に頭の悪い人を指して言う無別語ではなくて、日本ではそうやって誤解されているけど、 どっちかというとアメリカとかでインテリとかが政治を主導することに対する ある種の反発みたいなのが国民の中で生まれてきて、 それを反知性主義って言ったんだっていうところにきちんと説明された大変素晴らしい本だったんだけど、 それを書いた森本安里さんが書いたもう一つの本で不寛容論ってね、 これもとっても素晴らしい本で僕は熟読したんですけれど、 この中にこういうことが書いてある。 寛容とはあくまで悪に対する態度のことである。 悪ね、そうですよね。 寛容であるためには相手を嫌いでなければならない。 なぜなら寛容とは嫌いなものや悪しきものに対してのみ可能だからである。 そうですよね。 誰も自分はアイスクリームに寛容であるとか、 お年玉もらうのに寛容であるなどと言って威張る人はいないだろう。 いやまあそうですよね本当にね。 僕は酒が好きなので私は酒に対して寛容であるって言いたいけどね。 まあ何言ったら何たで終わりですよね、そんなこと言ってもね。 人は好きなものや嬉しいものに対して寛容になることはできない。 なぜなら初めから善人してしまっているからである。そうですよね。 そこからこの森本安里さんのほうは ヨーロッパ中世における寛容って何なのかっていう話に展開していって これはすごくスリリングで面白いんでご興味あるなら読んで欲しいんですけれど Kindleも出てますね。 その中世のカトリック教会の考え方としては 悪、例えばキリスト教に入信しない人たちを 善人はしないが許容はするんだと。 アプルーブはしないけどパーミットするっていうね。 そういう英語を使ってたんですよね。 寛容の対象になるものは悪であり続け その悪が善人されたり割り引かれたりすることはない。 ただ罰せられずにいるだけであると。 なるほどね。 だから存在すること自体を認めましょうと。 ただしそれを善人にして受け入れるわけではないですよっていう その中途半端な全面的に受け入れるのでもなく かといってそれを断罪して倒そうとするのでもない。 ある意味距離を置くみたいなことが 当時の寛容の本質してあったんだっていう話も書かれている。 確かにそうですよね。 今みたいにSNSが普及して見たくないものまでどんどん目に入ってくる。 前だったら付き合わなくて済んでたような 全く考え方とか価値観の違う人まで そういう人たちの不愉快な発言とかが目に入ってくる。 インターネットを普及することによって 人と人の距離が無理やり近くなっちゃった部分ってすごくあるわけで だからこそ寛容になれない人たちは大量に増えていて 敵と味方を分ける。 敵を倒して味方を自分の周りに固めておけば 多分この距離が近すぎて不安定な社会構図の中で 我々に居心地よくいられるというか 安心していられるという気持ちは多分あるんだろうなと。 でもそうやって敵味方に負けて敵を倒せとかやってても いい結論は何も生まれないわけで ひたすら宗教戦争に向かって突き進むだけですよね。 だったらこの寛容の考え方、なるべく距離を置く。 認めないけれども存在することはとりあえず許容する そのぐらいの距離感が今や大事なんじゃないかなというふうに思いました。 というわけで今日は寛容と多様性の話でした。 ではまた明日。 もっと見る毎朝の思考佐々木俊尚08:161.だれも「自分はアイスクリームに寛容である」と胸を張る人はいないコメント感想・質問・応援メッセージを書こう 武井義勇(たけいきゆう)2023年8月23日おはようございます。今日のお話も、なるほど〜と思いました。寛容とは、自分の嫌いなものを是認することだと思っていました。でも受け入れる必要はなく、存在することを認めるだけでよいのですね。澤円さんがよく苦手な人に対して、「存在することは認めるけれど、僕は関わり合いたくはない」といった趣旨のことをおっしゃいますが、寛容の姿勢だったということですね。2返信 俊尚 佐々木2023年8月29日嫌いなものとは距離を置くことが大事だと思います。1 azukami2023年8月23日入院して4人部屋で 深夜聴いております。初めてお聞きしましたが すごく新鮮な感じです。 後追いしながら、聴かせていただきます。1返信 俊尚 佐々木2023年8月29日ありがとうございます。嬉しく存じます。1 こんぺい2023年8月23日興味深いお話でした!この社会を眺めていると「理解できない・受け入れがたい=共生できない」と捉えている人が多いような気がするので、そこは切り離して考えたいなと個人的には思っています。私も思わず暴走してしまってることがあるかもしれないので、自戒を込めてですが。3返信 俊尚 佐々木2023年8月29日ありがとうございます。1 おぐラー2023年8月22日多様性について違和感を覚えていましたが、今回の話でスッキリしました。不快なものを守ることですね。2返信 俊尚 佐々木2023年8月29日おっしゃる通りだと思います。1 乙生2023年8月22日今日のお話しは心に沁みました。森本あんり氏の本、おもしろそうですね。2返信 もっと見る
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今日のお話も、なるほど〜と思いました。
寛容とは、自分の嫌いなものを是認することだと思っていました。でも受け入れる必要はなく、存在することを認めるだけでよいのですね。
澤円さんがよく苦手な人に対して、「存在することは認めるけれど、僕は関わり合いたくはない」といった趣旨のことをおっしゃいますが、寛容の姿勢だったということですね。
この社会を眺めていると「理解できない・受け入れがたい=共生できない」と捉えている人が多いような気がするので、そこは切り離して考えたいなと個人的には思っています。
私も思わず暴走してしまってることがあるかもしれないので、自戒を込めてですが。