TOPトーク専門家毎朝の思考「ガス人間」におもう昭和期の甘美と乱暴08:12 7月9日 7,413再生 問題を報告する 再生する シェアする AI目次Netflix版「ガス人間」の多角的魅力「愛しのエリー」選曲の深い意味昭和期SFと身体変容への恐怖高度経済成長期の社会不安と影暴力とロマンから優しい時代への変遷AI文字起こし(β版) # 「ガス人間」におもう昭和期の甘美と乱暴 おはようございます。佐々木敏夫です。 ネットフリックスの新しいドラマガス人間がめちゃくちゃ話題になってますよね。 今日も早速見ました。あんまりドラマの話ってこのVoicyでしてないんだけど Voicyの事務局から コラボトークでガス人間話しませんかってお誘いいただいてちょっと喋ってみようかなと。 いかにもネットフリックスのドラマで素晴らしい点はたくさんあって、例えばキャストが実労家派の俳優の人たちがたくさん出てる。 小栗氏の青い夕日をすず、当然なんだけど林健人さんとか竹内拓さんが元気をとどめない演技。 あといつものPL拓さんとかね。 あと何よりガス人間を演じている宇多さん。 本木雅広さんの息子さんですごい189センチも張るというバスケットボールの選手だったらしい。 今回の映画で俳優に初挑戦。でも初挑戦の割にはめちゃくちゃいい演技していて 人間だった頃とガス人間になってからのギャップだったりとか笑顔の素晴らしさとか ガス人間としてのなんとも言えない不気味さと切なさが両立している感じとかね。 すごいなと思いました。 もう一つすごく印象だったのは音楽ですよね。 愛しのエリーという1979年のサザンオールスターズの名曲が フィーチャーされていて、あの曲が流れるとガス人間が立ち上がる。 あのシーンを何度も繰り返し見ていて思い出したのは クリスターノーラのインセプションという夢の中に入っていく有名な映画がありますけど あの映画でも夢から覚める時のカギとしてエディトピアフの水に流してという 昔のシャンソンの名曲が流れる。 あの曲が流れるとみんながハッとなって 夢から現実に戻ってくるんだけど なんかその演出と今回のガス人間における愛しのエリーがすごい似てるなぁ。 なぜ愛しのエリーなのか。 1979年だからもう半世紀近く前の音楽なんですよね。 このガス人間を全体に見ててすごく思ったのは 悲劇の恐怖みたいなものが色濃く表現されているなって感じがしたんですよ。 元々の作品がガス人間第1号が1960年。 だから同じようなモチーフが流れているのは当然なのかもしれないけど 物語の設定自体、プロットは相当急変えられていて全然違う話になっている。 だから制作側としては意図的にあの時代の恐怖とか危機感みたいなものを 描こうとしたんじゃないのかなというのはちょっと思ったんですよね。 というのはあのガス人間第1号の時代の前後って 似たような 人間の体が別のものに変化して 機械なものに変わって自分自身を失っていくという作品がやたらとSF映画で多かった。 タンゴとかキノコになるやつ。 あと吸血鬼ゴゲミドロという吸血鬼になるやつだったりとか 美女と液体人間というのもありましたよね。 1950年代後半から60年代、ギリギリ70年頃までというのは高度経済成長期で 1970年大阪万博、人類の進歩と調和みたいなテクノロジーと科学によって我々の社会は 力強く動き経済も成長していくんだっていう明るい未来をみんなが語っている一方で 同時に今でいう環境問題、当時の言葉で言うと郊外問題みたいなが浸出して すごい世の中が荒れてたわけですよね。 その中でみんな未来に希望を抱きながらも いつこの郊外によってこの自然やこの世界が終わるかもしれないと。 同時に当時はレーソンの冷戦が非常に激しい時代だった。 1963年には急爆危機があって、もうミサイル発射するんじゃないか、一歩手前まで行った。 だからいつ核爆弾が落ちてくるかわからないというある種の恐怖に満ちてたんですよね。 子供の頃なんとなく記憶にあって、僕は1961年生まれなんで そういう核の時代にはすごい子供だったんだけど 雨が降ってきたりするとね、子供たちみんなで これは黒い雨だ、放射能の雨だってね、大騒ぎしたりでました。 全然放射性のことは理解してなかったんだけど 多分ニュースとかテレビとかで盛んにその 放射能の恐怖みたいなものは報じられてたので、それに煽られて 何でもかんでも雨というと黒い雨に結びつけるみたいなのが 子供の頃に遊び的にあったんでしょうね。 そういう陽気な小和元禄なんだけど 一方でその底に何か不安を抱えている 根本的に自分たちが崩壊してしまうんじゃないか、溶けてしまうんじゃないかみたいな 恐怖、不安みたいなのがうっすらと当時の昭和の日本にはあって それがまさにガス人間第一号とかに描かれた モチーフだったと思うんですよね。 今回のネットウェスのガス人間というのは そこの恐怖みたいなものを実は綿密に描き出しているっていう 感じはするんですよ。 それが今の時代に通じる感覚があるというのは不思議な感じだなぁというね 別に2020年代の現代にそうやって身体が変化して別の妖怪に変わっていくというのは そうそうあるわけじゃないんだけど なんとなくそうなのか、そういう恐怖ってあるよねっていうふうに思わせるところがある。 そう考えるとこの愛しの襟っていう1979年の名曲っていうのはすごくマッチしてるところがあるな。 50年代60年代の音楽ではないんだけど、79年というのは高度経済成長が 石油食庫とともにだんだん終わり、軟着陸地ですね。 77、78年ぐらいには大衆社会の到来って言われて 総中流社会、つまりみんなが中流である社会が完成されたって言われた時期だったんですよね。 そしてまだバブルは来ていない。80年代末の。 そういう割に穏やかで平和な時代がそろそろやってくるよ。 高度経済成長が完成したよという時期の名曲として愛しの襟っていうのがあったわけで その愛しの襟がこの昭和の恐怖のキープのトリガーとして置かれているっていうのは なんとも象徴的な感じはしますよね。 ある種の昭和の暴力とロマン。 暴力とロマンが終わって70年代末の優しい時代に変化していく。 その曲が流れるとガス人間が目覚める。 そしてそのガス人間を演じる歌さんの演技が とても 凶暴であり不安をかるものであり、同時に何か切なさとか甘さみたいなのを秘めている感じっていうのが なんだろうなぁ。昭和へのノスタルジーじゃないんだけど 昭和っていう時代のね 乱暴だけど甘美だった時代みたいなちょっと思い出せるところが あるなぁというふうに思います。 ぜひネットリクス入っている人はガス人間見てください。 結構レビューたくさん出ていて 一気にしましたみたいなことを書いている投稿も結構目につく感じですよね。 ではまた。 もっと見る #ガス人間で見えたもの 毎朝の思考佐々木俊尚08:121.「ガス人間」におもう昭和期の甘美と乱暴コメント感想・質問・応援メッセージを書こう やまたか7月12日佐々木さんが言われた「昭和の恐怖」いう言葉に、共感と自分の気づきがありました。この作品、実は令和の恐怖にもつながるのでは?と思えたのです。ガス人間だったUTAさんがAIに見えたのがキッカケですが、(演技が素晴らしい!)この作品ではガス人間として命令を遂行する役割ですが、現代のAIはまさにそうなのでは?と思ってしまいました。AIは既になくてはならない存在で、人間の未来はどうなって行くのだろう?と恐怖も感じました。2返信 俊尚 佐々木7月16日AIとガス人間!たいへん興味深い視点をありがとうございます。 M7月10日いつもありがとうございます!Voicyを拝聴して気になり、寝る前に少しのつもりが、面白くて全話一気に観てしまいました(笑)皆さん素晴らしく、特にUTAさんの演技には感動しました。竹野内豊さんも狂気の中に可笑しみがあり、怖さとユーモアが紙一重に感じられる役柄が印象的でした。今回は特に攻めていましたね(笑)私自身、肉体的な暴力を日常で目にすることはほとんどなく、今では侍や武士のように、物語の中で見る存在なのかもしれないと感じます。作品を観る前に佐々木さんのお話を聞けて、よかったです。1返信 俊尚 佐々木7月16日ありがとうございます、嬉しいです。1 YTR-334S7月10日ガス人間。昔の本多円谷作品のリメイクなんなですね。🤔2返信 に こ🔖7月9日私も1961年11月生まれです。東京都下で生まれ育ちましたが、黒い雨で逃げた記憶はありませんでした。呑気だったのでしょうか。小学生の頃は、頻繁に光化学スモッグ注意報が発令されて、屋外での体育の授業が無くなりました。1返信 俊尚 佐々木7月16日光化学スモッグ注意報もありましたねえ。懐かしい。 とむ7月9日私もガス人間観ました!イッキ見でした👀私は平成生まれですが、昭和って色んな匂い香りがするカオスで重層的な時代だなぁと魅力を感じます。平成の方が、ポップで平らな感じがします。6返信 俊尚 佐々木7月16日平成はポップで平って、たしかに! もっと見る
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ガス人間だったUTAさんがAIに見えたのがキッカケですが、(演技が素晴らしい!)この作品ではガス人間として命令を遂行する役割ですが、現代のAIはまさにそうなのでは?と思ってしまいました。AIは既になくてはならない存在で、人間の未来はどうなって行くのだろう?と恐怖も感じました。
Voicyを拝聴して気になり、寝る前に少しのつもりが、面白くて全話一気に観てしまいました(笑)
皆さん素晴らしく、特にUTAさんの演技には感動しました。竹野内豊さんも狂気の中に可笑しみがあり、怖さとユーモアが紙一重に感じられる役柄が印象的でした。今回は特に攻めていましたね(笑)
私自身、肉体的な暴力を日常で目にすることはほとんどなく、今では侍や武士のように、物語の中で見る存在なのかもしれないと感じます。
作品を観る前に佐々木さんのお話を聞けて、よかったです。
東京都下で生まれ育ちましたが、
黒い雨で逃げた記憶はありませんでした。
呑気だったのでしょうか。
小学生の頃は、頻繁に
光化学スモッグ注意報が発令されて、
屋外での体育の授業が無くなりました。
私は平成生まれですが、昭和って色んな匂い香りがするカオスで重層的な時代だなぁと魅力を感じます。平成の方が、ポップで平らな感じがします。