TOPトーク専門家毎朝の思考風雨の霧ヶ峰とナフサ危機の共通点とは07:31 8月1日 5,316再生 問題を報告する 再生する シェアする AI目次悪天候の山で見える「余裕」の正体登山家・加藤文太郎が説いた「冗長性」情報システムから学ぶ人生設計の「余裕」効率化の追求が招くグローバル危機の罠風雨の霧ヶ峰とナフサ危機を結ぶものAI文字起こし(β版) # 風雨の霧ヶ峰とナフサ危機の共通点とは おはようございます。佐々木としなおです。 7月は長野の山をてんてんと歩くことが多くて、 そのフィニッシュで桐上根高原に行ってきたんですけれど、 運悪く着いた時にはガスが出ていて、結構霧の中になって、 それはそれで気持ちいいなと思ったんだけど、 山のリフトノリドからずっと高原の中に入ってくると、 どんどん風雨が強くなって、すごい叩きつけるような雨と強い風。 一緒に歩いている人が大丈夫かなと思うぐらいだった。 でもね、まあ、個人的には全然不安感は何もなくて、 このぐらいの雨なら、2000メートル、3000メートル級の夏山だとよくあることだよね。 山で遭難するというのは、道迷いとか滑落とか落石は別にして、 疲労で動けなくなるというのは、体力がないとか、 あとレインウェアとかそういう雨対策がしっかりしていないから、 雨が体に染み込んで低体温症になるとか、 あとはやっぱり最終的には体力ですよね。 登山は1に体力、2に体力。 3死がなくて5が足さばきぐらいな感じで。 体力があって、ちゃんと防水対策もしていて、 食べるものもちゃんと持っている。 いざとなれば、火をつけてお湯を沸かして、あったかいものを食べれば大丈夫。 おまけに霧雷に関して言うと、もう4回か5回ぐらい行っているので、 道も全部熟知していて、 途中でね、本当はずっと車山から町長宮間を越えて、 ものみ屋を越えて八島湿原まで行きたかったんだけど、 あまりにも風雨がひどいので、 ものみ屋の手前から左にエスケープして、 沢渡りという山陰があるタイミングに逃げて、 そこから戻ってきたんですよね。 そういうエスケープルートも知っているとなると、 そんなに全然心配感、不安感はない。 結局これってある種の冗長性だと思うんですよね、登山における。 昔、昭和の初期に加藤文太郎という登山家、 丹東高で有名な登山家がいて、ほとんどの山を一人で行っていた。 当時は装備も本当に大したことない時代なので、 雪の中で寝るときも、それこそコモみたいなのをかぶって雪の中で寝て、 人が通りかかると雪の中でむくりと起き上がる。 登山者はこの人死んでいるかと思ったら全然元気だったりとかして、 そんなんで大丈夫なんですかと聞かれると加藤文太郎は、 いやいや雪が積もっていようがなんでいようが、 ちゃんと食べるものを食べて体力があれば体があったかい。 体があったまっているうちはそうなることはないんだということを言っていた。 という話が加藤文太郎をモデルにして書かれた三角小説有名な 加藤文太郎さんの単独行という小説に出てくるんですけれど、 やっぱりこれも冗長性なんですよね。 ギリギリの限界で歩いているんじゃなくて、 ある程度遊びの部分、余裕の部分があって、 その範囲内であれば大丈夫であると見極めがつく。 だから霧雷の風雨の中でももう体力限界ギリギリという状況だと 遭難する心配があるんだけど、全然体力まだ余裕がある。 防水対策もしっかりしている。 あと冗長性がしっかりとられているので、 遭難する心配は全然ないよ。 冗長性という言葉はもともと情報通信テクノロジーの世界で使われる言葉で、 ある程度コンプレッターパワーとかに余裕があれば、 何か起きた時に対処できる。 ギリギリまで使い切ってしまうと、 何か起きた時に一瞬にしてシステム全体が停止してしまう。 だから冗長性を持たせるのは大事だよ。 例えばバックアップを取っておくというのも冗長性なわけですよね。 データが一箇所にしかなければ、その一箇所のデータが破壊されてしまうと、 もう全てが終わってしまう。 でもバックアップが取ってあれば、 バックアップから復旧することによって、 システムは止まることなく動き続けることができる。 だからこういう冗長性を持たせるのはコンピューターの世界だけじゃなくて、 登山の世界でも大事だし、 何なら人生全てにおいてある程度の冗長性を持たせるのは大事なんじゃないかな。 いつも一杯一杯にしているじゃないですか。 一杯一杯って一生懸命やっているように見えて、 なんとなくやっている感はあるんだけど、 ある意味冗長性がなさすぎるから、 何か起きた時に対応できなくなっちゃう。 ただでさえ一杯一杯なのに、 その一杯一杯がトラブルによってコップから水が溢れてしまうように、 一気に崩壊してしまう可能性がある。 そういうことを考えると、 この冗長性を持たせた人生っていう捉え方も僕は結構大事なんじゃないかな。 ただ冗長性も程があるというか、 あんまりにも冗長性をたくさん持たせすぎると、 無駄が増えすぎるわけなので、 ある程度少なめの冗長性にして、 でも何か起きた時にちゃんと対応できるぐらいの余裕を持つという、 その冗長性の幅の取り方っていうのが多分、 仕事においても人生においても、あるいは登山においても、 大事なバランス感覚なんじゃないかなというふうには思います。 最近のテクノロジーの社会ってあまりも効率とかを求めすぎて、 その余裕を持たせない方がいい。 ギチギチの方がいいってなってきてるんだけど、 これがまさに冗長性の無さなわけですよね。 それこそ、新型コロナでグローバルサプライチェーンが壊れたりとか、 あるいはコロムズ海峡危機で原油がストップしたりとか、 そうすると、例えば日本では原油に関しては備蓄があったので、 これが冗長性となって供給を途絶えなくて済んだんだけど、 ナフサとかは、あれは確か90年代くらいに ナフサの備蓄はやめちゃったんだよね。業界からの要請で。 要するにナフサっていうのは、揮発しやすいので備蓄が難しいって話。 結局的にナフサの備蓄がないことによって、今回ナフサが途中で ボトルネックとなって止まってしまうケースが多く、 いろんな商品に影響が出たりした。 だからナフサを備蓄しましょうというふうに、 政府は備蓄再開を呼びかけている状況であって、 こういう冗長性を持たせることの無駄、あるいはコストみたいなものと、 それを持っていることによる安心感とか、何か起きた時の防御みたいなものを どうバランスとるかっていうのがとても大事なことなので、 そう考えると、登山で風の中を歩くということと、 オルズ海峡危機でナフサが足りなくなるということは、 どこかで一直線につながっている話だなという感じもしました。 というわけで今日は冗長性の話でした。 ではまた明日。 もっと見る毎朝の思考佐々木俊尚07:311.風雨の霧ヶ峰とナフサ危機の共通点とはコメント感想・質問・応援メッセージを書こう めだまやき8月2日夏休みのウェイたちの声が聞こえてきてすっかり"盛夏"だなと思わされる今日この頃です冗長性を削ぎ落としタイパコスパを追求しまくった先の落とし穴について身に覚えがあり深くききいるなどしました。エスケープルート、バックアップ可能性、人生において意識してより小さくより多く、配備していきたいですよね2返信 俊尚 佐々木8月6日夏の公園で収録してたら、後ろで騒いでました笑。おっしゃる通りだと思います。1
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