TOPトーク専門家毎朝の思考モンゴルの草原で感じた「風のように流れる帝国」の世界08:08 2022年1月17日 5,196再生 問題を報告する 再生する シェアする AI目次モンゴルの大草原を旅する体験移動への抵抗感が低い遊牧民の精神蓄積しない富と遊牧民の生き方モンゴル帝国が文明の中心だった時代風のように流れる帝国の興亡とはAI文字起こし(β版) # チャプター 1 おはようございます。 佐々木敏直です。 もう15年以上も前になるんだけど、 モンゴルに出張に行ったことがあって、 当時まだフリーになって間もない頃で、 編集の下請けの仕事を頼まれたんですね。 先頃亡くなられた作家の坂井太一さんが、 当時日経新聞でチンギスハーンの電気小説みたいなのが連載されていたんですね。 それに合わせてムックを作ると。 モンゴルを歩く坂井太一みたいな本を作りたいから、 佐々木さんにちょっと手伝ってくれないって言われて、 1週間くらい坂井さんとかその他の編集スタッフと一緒にモンゴルを旅したんですよ。 すごいよね。 首都からカラコルムという古いモンゴル帝国時代の首都があったところまで車で移動したんだけど、 8時間くらいかかったのかな。 その間ずっと景色が変わらない。 ひたすら草原。 しかもモンゴルの夏の草原ってハーブみたいな草が生えてすごくいい匂いがするんですね。 あとは遠くに同じようななだらかな山がいっぱい見えているだけで、 あとは青空で、もうそれ以外は何もないんです。 家もない、建物もない、森もない、丘もない、岩もない。 だからトイレなんかめちゃくちゃ困って、 男はその辺ですりゃいいんだけど、女性はどうするかっていうのをその時だけ、 一緒にいた男全員がある一定方向を見てじっと立って待ってるみたいなね。 そんなことまでして。 モンゴル人って面白いなと思ったのは、 移動に対する抵抗感が異常に低い人たちなんですよね。 海外にもいっぱい出て行っているんですよ。 海外というか国外ですよね。モンゴルは陸の国だから。 日本に来ている人もいっぱいいる。日本で生まれたモンゴル人もいる。 でもそういう人たちがずっと日本にいるかどうかはそうでもなくて、 アメリカにそのまま向かったりする。 なぜ日本を辞めてアメリカに行くのか、日本嫌いなのかと聞くと、 そうじゃない、もう日本はだいたいわかった。だから違うところに行くんだと。 アメリカに行くわけですよ。 アメリカはゴールなのかなと思ったら、そんなこともない。 そこから先はまだある。 当時、在米モンゴル人の人たちが、 当時紙ですけど、コミュニティーペーパーみたいなのを出していて、 フリーペーパーみたいなやつですね。 そのタイトルが、オンザロード。旅の途中。 いつまで経っても移動し続ける。 車を買いに行くのも、モンゴル、ウランバートルの人にはそんなに、 当時立派なカーディーラーとかはなかったので、 ドバイあたりにみんなで車で買いに行くんですよ。 一台のトラックだかバスだかに乗って、 みんなで何千キロものドバイまで平原を車で走らせて旅をして、 ドバイに着いたらベンツとか買うんだよね。 買ったらまたそれに乗ってみんなで帰ってくるっていうね。 どんだけ移動のハードル低いんだろうっていう感じで、すごい人たちだなと。 基本物を持たない人たち。 今はそうでもないけど、かつて本当に最近までゲルで住んでいるテントですよね。 住んでいる人がいっぱいいて。 モンゴルの首都自体もカラコルも遺跡も何も残ってない。 だってテントだったから。 何にもないんですよ、遺跡がね。すごいですよね。 物に対する感覚が違っていて、 それは羊だろうが馬だろうが何だろうが、 とにかく天からの授かり物でしかない。 雨が降って、草が生えて、草を食って、羊が育えて、羊が子供を産んでっていうね。 そういう循環があるだけで、 せっかく羊を大事にしたいな、たくさん集めて羊餅になるんだってやっても、 冬の厳しい雪が降って雪害がひどくなったら一瞬にして羊が死んじゃったりとかして、 富が消えてしまうと。 羊が10頭持っていようが1万頭持っていようが、消えるときは一瞬にして消えるんだ、リセットされるんだっていうね。 そういう感覚なんですよ。 だから富を蓄積するということを考えない。 ある意味すごくフラットで平等な社会だったというふうに言われるんですよね。 そういう遊牧民的な生活って、近代の欧米の文明から見ると、 野生的で、非中央集権的で、みたいなね。 ノマドロジーなんて言いますけど、遊牧民の生き方について考える哲学みたいな意味で。 それは中央集権化された欧米の世界、フランスとかイギリスとかから見ると 完全にアウトサイダーとして扱っているわけですよ。 ノマドってのは外側の人たちであると。 我々のしっかりした社会文明の外側にいる自由な人たちっていう そういうイメージでノマドってのを考えてたんだけど でも、12、3世紀頃のモンゴル帝国が世界を制覇した時代で そっちが世界の中心だったんですよね。文明の中心だったんですよ。 あの草原から生まれた文明が、瞬く間に中国を石鹸神、元という国にしてしまい 西にどんどん向かっていって、ロシアとかを支配し さらにはハンガリーあたりまで支配して ハンガリーってフンガリーですからね、もともとフン族の国みたいな 要するにユーロ国民に支配された国っていう、そういう確か名前ですよね。 でもそのまま放っておくと、ヨーロッパ全土を飲み込むんじゃないかと思われてた時に フビライでしたっけ。ジンギサワンの孫ですよね。 が亡くなったというので、モンゴルの戦闘的な軍勢は厳しい状況で 全員草原に帰って行っちゃった。 だからそれでヨーロッパの人たちは助かったみたいな。 中国の元もそうですよね。すごい大きな国になって 日本にまで鎌倉時代に攻めてきたんだけど 結果的に元も崩壊してしまう。 崩壊した瞬間、元帝国の中心にいたモンゴル人たちは何をしたかというと そうか分かったというので、みんな馬乗ってそのままモンゴル草原に帰って行っちゃった。 もう全然、富とか文明に対する執着とかが何もないという風のような人たちですよね。 そういう風のような世界の遊牧民が12、3世紀頃文明の中心だったと。 モンゴルの作った文明は、例えば西のイスラムと東の中国を結びつけたみたいな有名な話があり 世界の東西を初めてブリッジした帝国だったわけです。 それだけ文明が非常に高かった。 そういう高い文明を作った国が一瞬にして風のように消えていってしまうという 何とも言えないかっこよさがありますよね。 反中心としてのノマドとかモンゴルじゃなくて そういうものが中心になる世界というのをこれから僕はイメージしてみたいなと思います。 ではまた明日。 もっと見る毎朝の思考佐々木俊尚08:081.チャプター 1コメント感想・質問・応援メッセージを書こう デイトレ上手なオタクおバーちゃま2022年1月17日本当に凄い視点と思います。モンゴル帝国の台頭(と言って良いのかわかりませんが)と滅亡をカッコイイ と思った事なかったです。返信 佐々木俊尚2022年1月17日ありがとうございます😊 ゆうゆう2022年1月17日おはようございます。風のように流れる…先日の黒川紀章さんの著作とは少し違うノマドを意味するのでしょうか?神から授かるって良いなあと大きく息をしたくなります。今日も有難うございます。返信 佐々木俊尚2022年1月17日そうですね。黒川さんとはまた少し違うイメージかも
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風のように流れる…先日の黒川紀章さんの著作とは少し違うノマドを意味するのでしょうか?
神から授かるって良いなあと大きく息をしたくなります。
今日も有難うございます。