TOPトーク専門家毎朝の思考日本の森を題材に「概念と世界観」のつくりかたを学ぶ08:02 2022年4月16日 5,890再生 問題を報告する 再生する シェアする AI目次「読む力」が示す世界観構築の要諦江戸時代に進行した森林破壊の現実今の日本の森が抱える緑の歴史放置される杉林が語る林業の課題断片的な知識から世界観を紡ぐ秘訣AI文字起こし(β版) # 日本の森を題材に「概念と世界観」のつくりかたを学ぶ おはようございます。佐々木敏夫です。 先々週ぐらいかな、大阪に行って、関西大学の梅田キャンパスというところで 新しい本、今出ている「読む力」についてちょっとお話をしてきたんですけど その時に、その読む力の一番中心になっている本から概念を抽出して そこから世界観を自分なりに構築しましょうって話の説明をしたんですね。 その時に日本の森について、それを題材にして話したので その話をもう一回してみようかなと。 山登りをするので、森とか山とかにはすごく興味があって いろんな本を読んできました。 そういう本をたくさん読んでいると、それぞれの本の細かい内容とか 本のタイトルとか意外に忘れたりするんだけど 書いたことだけはそれぞれ断片的に覚えているんですね。 例えば これはNHKブックスから出ている江戸日本の転換点という 水谷の激増は何をもたらしたかという本があって 江戸時代ってよくエコだとか、サステノビティがあったとか 循環社会だとかってよく褒められるんだけど でも意外に水田いっぱい作って人口も増えて 農業ギリギリだったっていう話。 おまけに当時燃料って石油とかガスとかないですから主に炭ですよね。 そして山からどんどん木を切り出して ほぼほぼハゲ山になっちゃってたっていうね。 山の木を切りすぎて。 今は山へ行くとそこら中に東北があったりとか 枝とか葉っぱとか山ほどあるんだけど 江戸時代の人が今もし見たら凶器乱舞してみんな集めるだろうな そんなのみんな集めて全部使い尽くしてたんですよね。 だから東海道五十三次とか当時の浮世絵を見ると 背景の山の絵ってだいたいハゲてて木がポツンポツンしか生えてないですよね。 実は江戸時代って自然破壊が激しかったんだよねっていう話なんですよね。 他に森林法案っていう、やっぱりこれもNHKブックスの本があって これも面白かったんだけど よく自然破壊が進んでいるとか日本の森を守れとか言うけど その本を読むと今ほど激しく緑が復活している時代はないっていう話が書いてあるんですよね。 確かに言われてみると山へ行くと里山とかがどんどん自然に帰っていっている 限界集落の家がなくなり、山に入る人も減ってきていて 日本って結構暖かいから、寒いところの山と違って すごい蔓が多いしげってびっしりと緑に覆われている。 確かに今の緑ってすごいなぁと思うわけですよ。 それ以外にも、これは前に読んだ本なのでうっすらしか覚えてないんだけど 日本の美林っていう美しい林っていう岩波新書の名著があって これ見たら絶版になっているみたいで残念なんですけれど その本には過去に日本が本当に萩山になっちゃった時代って何度かあったっていう 例えば戦国時代とか、あとは江戸時代の末期とか そうだったんだと。 近代になる以前はずっと日本の山って自然林で美しいのかと思ったら 案外そうでもなかったんだねっていう驚きがあったりとかね。 あとこれ本じゃないんだけど 日本の山に行くと奥多摩辺りなんかそうですけど杉林だらけなんですよね。 杉林って歩いているとあまり楽しくないの。 下草生えなくて薄暗くてですね。 ちょっとひんやりしてて柔らかさがない。 何で杉林が増えたのかというと これも何かの記事で読んだんですけどね。 何とかよくそういう話を聞く。 戦後の日本で重宅難、やけやとで重宅難だった時に 政府は本当はそこで公共住宅をたくさん建てればよかったんだけど そんなお金の余裕がない財政難だったので 下草生産方式っていって重工業ですよね。 製鉄とかね。そっち方面にも予算をバンバン投下して そっちに傾けてしまうと。 代わりに重宅とかは自分で買ってくださいっていうね。 氷投げたわけです。 戦前はみんな借家に住んでたんだけど 戦後それで一気にみんな持ち居を持つようになった。 持ち居を建てるには当時マンションとかまだあまりないですから 家を建てなきゃいけない。そのためには木が必要だ。 だからよし、日本中の山に杉を植えよう。 それで補助金出すんだ。 大号令が出て杉林だらけになった。 ところが今になっては 輸入材の方が全然質が良くて安くなってきているので 国内の杉とか全然使い道がなくなった。 しかも林業やる人減っているので だから放置されて今のような荒れ果てた杉林がそこら中に広がるっていうね。 まあそういうひどい状況になっているわけです。 今の日本の山でいうと田中敦夫さんっていうね 多分日本で唯一森林ジャーナリストって 肩書きをつけてらっしゃる方がいて その人の本も僕何冊か読んで やっぱり今の日本の林業の問題とか 外在に全然勝てない状況だったりとかね もうこのまま放置しておくと 日本の山はただ自然に戻るのを待つしかないみたいなね。 そういう状況になっている話とか書かれている。 そうやっていろんな本を読んでいると 正確な細かいところは覚えてなくても なんとなく断片的なその本に書かれていた概念みたいなのを 頭の片隅に残っているわけですよ。 そういうのが蓄積されていると やがて僕自身の頭の中にですね 日本の山とか緑とか森林というものに対する 全体的なイメージというのが徐々に形作られてくる。 それはそれこそ本当に戦国時代明治時代 現在に至るそういう長い歴史のパースペクティブもあり あるいはなんでこんなに杉林が多くて苔むして 蔦だらけの中みたいなそういうことの理由もあり 全体のイメージとそのイメージの細かいディテールとかを含めた 一種大きな写生した風景画みたいなのが描かれていく。 それがつまりは世界観なんですよ。 だからたくさんの本たくさんの記事を読むと それぞれの小さな概念が思い出されていく。 思い出されていくというか頭の中に記憶されていく。 それを集めていくと やがてそのジャンルについての大きな絵が描けていく。 これが世界観である。 もちろん細かいことは覚えてないので 実際にそれを例えば原稿に書くとかになると もう一回記憶になるから 確かこういうタイトルの本だったよなとか言うんで 検索したりとか本棚探したりとかして その元の本を見つけるっていうね。 今もこのボイッシー喋るために さっき言った江戸日本の転換点と森林法和って本を 本棚から見つけて手元に出してきたりしてるんですけどね。 これが概念と世界観の作り方です。 詳しくは読むうちから読んでみてください。 ではまた明日。 もっと見る毎朝の思考佐々木俊尚08:021.日本の森を題材に「概念と世界観」のつくりかたを学ぶコメント感想・質問・応援メッセージを書こう
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