TOPトーク専門家毎朝の思考 「他者からのまなざし」は時に残酷。でも無視よりは人間的だ07:14 2022年4月20日 6,336再生 問題を報告する 再生する シェアする AI目次他者の「まなざし」承認欲求の多様性60年代「まなざしの地獄」が招いた悲劇90年代「透明な存在」からの脱出願望時代で変わる「まなざし」と人間の心理SNSが示す承認欲求の倒錯的な深層AI文字起こし(β版) # 「他者からのまなざし」は時に残酷。でも無視よりは人間的だ おはようございます。佐々木敏郎です。 ツイッターでよく本当にどうしようもない ひどい抽象とか怒鳴り声とか罵声とかを浴びせられることがあるんだけど なるべくブロックはしないようにしているんです。よほどタッチの悪いのじゃなければ。 ミュートで終わらせてるんですね。ミュートだと相手に気づかれない。 ただブロックすると通知は行かないんだけど あなたはブロックされています。ブロックされていることがわかってしまう。 そうするとブロックされたことに反応する人がいるんですよね。 前には詐欺としなおにブロックされた。これは俺の勲章とかって言っている人を見つけたりしたこともあるし はいブロックされました。自分の聞きたくない厳しい批判には耳を貸さないんだねとか 厳しい批判じゃなくて単なるクソリプでしょ毎日とか思うんだけど そういう人が多いので反応するのは良くないなと よく昔からストーカー被害とかよほど実害のない場合にはなるべく無視するのがいいと そこで反応した瞬間に相手が反応されたって 自分の存在が認識されたことをある意味喜んでしまう。 喜ぶというか存在が認識されたんだってことでますます加害が酷くなるっていうことを言われてますよね。 見られるってことは他人から見られていること 自分の存在がその相手から認識されていることっていうのは ある意味承認欲求の一種なんだよね。それが厳しい眼差しだったとしても。 昔、1960年代に長山の利代っていう連続射殺犯で 逮捕されて死刑判決を受けた人がいて 極中で無知の涙っていう本を書いてそれがベストセラーになり その後も小説をずっと極中から発表し続けて 作家としてすごく知名度を上げた人がいました。 この人が作家の教会である日本文芸家協会に 加入申請したら認められなくて それがきっかけで筒井康隆さんが文芸家協会を脱退するっていう事件があったりとか いろんな波紋を巻き起こした人です。 最終的には死刑判決を受けちゃうんだけど 長山の利代が引き起こした事件、60年代末の連続射殺事件について この前亡くなった社会学者の三田宗介さんが まなざしの地獄って本を書いてるんですよね。 非常に素晴らしい本なんだけど 結局長山の利代は田舎から東北から都会に出てきて 田舎者だというふうに見られること、まなざしを向けられること自体が耐えられなかったと それが事件の引き金の一つになっていたんだという。 まなざしはそれほど厳しいものなんだという話なんですけれど 一方でこのまなざしを求める犯罪というのもあったりする。 1990年代に坂木原事件がありましたよね。 神戸の児童連続殺傷事件。 坂木原少年は有名な犯行声明文を書いてますよね。 その中でこういう下りがある。 僕がわざわざ世間の注目を集めたのは 今までもそしてこれからも透明な存在であり続ける僕を せめてあなたたちの空想の中だけでも実在の人間としていただきたいのである。 要するに自分は透明な存在である。 まなざしを向けられていない。誰も僕のことを見ていない。 だからせめてこの事件という世界の中だけでも 自分を実在の人間として認めて欲しいという そういうすごく倒作したことを犯行声明で書いてるんですよね。 これについて大沢正智さんは社会学者で有名な人ですが これも不可能性の時代という名書があって その中でこう書いてるんですよね。 坂木バラのこの犯行声明について。 透明な存在とは他者の視線が及んでないものという意味である。 坂木バラ少年は透明な存在から脱しようと欲している。 たとえそれが彼を犯罪者として追求する否定的なまなざしであったとしても まなざしに捉えられている方が透明な存在でいるよりは つまり無視されているよりはマシなのである。 60年代の長山の湯は過剰なお前は田舎者だろうという まなざしから逃れようとした事件を起こしたんだけど 90年代の坂木バラ少年は逆にまなざしがないことに耐えられなくなって 自分をまなざして欲しいという思いからあの事件を起こした。 60年代の日本はもうちょっと息苦しい、抑圧の高い社会だった。 だから人からのまなざしがイコール辛かったというのがあるんですよね。 それが90年代、バブル崩壊後の社会というのは 自由に我々は解き放たれたんだけど 逆に自由の中に置いてけぼれにされている 誰からも見られなくなっている、その不安の方が強くなったという そういう転換点が多分高度経済成長からバブルに至る日本 古い日本とバブル崩壊以降のこの30年ぐらいの日本との違いとして 一つあるのかなと思いますね。 だからツイッターで自分を見て欲しいと思う人が出てくるのかもしれない。 そのためにひどい抽象バスを送って それでもブロックされることによって自分の存在が確認されている 自分は見られているんだということをブロックによって感じるという それって全然レベルは違うし次元も違うんだけど 坂木原事件で少年が感じた透明な存在からの脱出というのと ちょっと似てる感じがしますよね。 なかなか承認欲求って単純に人から褒められたいだけじゃなくて ただ見て欲しいというそういう倒作したものもあるんだなぁと だから他者からの眼差しって残酷でもあるんだけど 同時に無視されるよりは人間的なのかなというふうにも思ったりしました。 ではまた明日。 もっと見る毎朝の思考佐々木俊尚07:141. 「他者からのまなざし」は時に残酷。でも無視よりは人間的だコメント感想・質問・応援メッセージを書こう ねこぐるま2022年4月21日すごい内容でした!私自身の親からの虐待経験から来る犯罪心理へ向かう 水脈のように 心の底に静かにずっとあるものが少しほどけました。ありがとうございます。1返信
鳥取・米子という街の立ち位置を学ぶ 10分・11時間前・ 1,785再生AI目次朝日と城跡に見た日本海の歴史AI進化の光と影、技術制御の課題街の立ち位置:開かれた米子論鳥取・島根・岡山、それぞれの関係性意外な東京、米子との地理的・文化的距離
GDP世界6位への転落をどう考えるか 9分・昨日・ 4,079再生AI目次GDP世界6位転落の真実労働人口減少と生産性の動向大企業の海外戦略が国内にもたらすもの内部留保蓄積が引き起こすデフレ政府主導投資が示す日本の未来
AI時代に「知」と「知識」を分けて考える 8分・一昨日・ 4,716再生AI目次AIが与える「わかった気」の落とし穴情報としての「知識」価値低下の時代「知識」と異なる「知」が指すもの身体感覚に響く「腹落ち」の正体AI時代に磨くべき人間の「知」の形
2026年の今は1870年代と似ている 10分・10月22日・ 5,871再生AI目次AI時代を読み解く歴史の因19世紀末、驚異の発明集中期近代生活を形作った大変革AIは「馬の代わり」なのかこれから20年で世界はどう変わる?
急登もぬかるみも登山はすべてが快感 8分・10月21日・ 4,646再生AI目次登山道の「想定外」がもたらす試練滑る岩や泥道での転倒と苦労困難を「楽しみ」に変える心境の極意安全登山に不可欠な体力とスキルの追求逆境を笑い飛ばすマゾヒスティックな愉しみ
浜松のホルモン店・岩田屋さんを応援したい 9分・10月20日・ 4,986再生AI目次岩田屋の当て逃げ、店主が取った異例の行動とはSNSで容易に逆転する被害者と加害者熱海の無人駅で起きた世論の反転劇加害者は本当に悪なのか?見落とされがちな真実岩田屋が示す「救い」の社会を築くヒント
リニアとノンリニアを結ぶ触媒としての手書きメモ 7分・10月19日・ 5,318再生AI目次線形でバラバラな情報の課題とは?iPad手書きメモが導く思考の触媒富山茂彦が提唱「触媒としての私」曖昧な思考を立体化するメモの力3Dの「山」のように知識を結ぶ思考
人間への信頼とAIへの信頼の違いについて 9分・10月18日・ 6,061再生AI目次AI進化が問い直す人間の「努力」の価値AIが超えた分野で光る「人間」の物語なぜAIではなく人間の文章が心に響くのか「機械の信頼」と「人の信頼」根本的な違いAI時代に書き手が「人生」を綴る意味とは
図書館に人生を助けられた少年期の話 9分・10月17日・ 5,773再生AI目次少年期の苦境、唯一の逃げ場父に禁じられた読書と秘密『赤毛のアン』に見た希望とは書籍は唯一の親友、心の友AIと書籍、心の拠り所の変遷
農水大臣辞任と美人投票の共通点 9分・10月16日・ 6,342再生AI目次柳野農水大臣辞任 発言の真意は?昭和の利益誘導政治と現代の変容政治家の「力」と美人投票の共通点株式市場と新聞に潜む「幻想の力」美人投票が示す「時代の残滓」と未来
私自身の親からの虐待経験から来る犯罪心理へ向かう 水脈のように 心の底に静かにずっとあるものが少しほどけました。
ありがとうございます。