TOPトーク専門家毎朝の思考「わらしべ長者」より「かさ地蔵」のほうが好き08:20 2022年8月2日 6,157再生 問題を報告する 再生する シェアする AI目次「わらしべ長者」:富を生む交換の物語貨幣経済以前の経済システムとは?人間関係を深める「雑魚経済」の力見返りを求めない行為の連鎖「かさ地蔵」に見る贈与の哲学AI文字起こし(β版) # 「わらしべ長者」より「かさ地蔵」のほうが好き おはようございます。佐々木敏直です。 バラシベ長蛇っておとぎ話がありますよね。有名なやつ。 貧乏の男がいて、もう暮らしがつらくてつらくてたまらないので ある日観音様に何とかなりませんかってお参りに行ったら じゃあここを出たら最初に触ったものを大事に持ち歩けって言われ 観音様から出てきたらケツまずいて 転んでうっかりその辺に落ちている藁ですよね。バラシベをつかんでしまった。 じゃあこれしかないかって言うので持って歩くと。 そしたらアブが飛んできて、すごいうざいのでそのアブをつかまえて 藁の先っちょに結びつけて持ってたら 泣いている子供がいてその藁を欲しいと言って そしたらお母さんがその藁と私の持っているみかんを交換してもらえませんかって言うのでみかんになる。 だんだん持っているものが豪華になっていって 最後はなんと家屋敷を持つに至るっていう まるで夢物語のような素晴らしいおとぎ話なんですけれど なんかこの交換っていう話になるといつも僕が思い出すのは このボイッシーでも紹介したことがあるかもしれませんけれど デビッド・グレーバーっていう人類学の先生が書いた負債論という 負債っていうのはお金を借りる貸し借りの負債なんですけれど そういうすごい分厚い本がある。 その中で書いたと面白いなと思うのは 何か貨幣経済が始まる前ってどういう経済だったんですかと なんとなくうっすらとした記憶で子供の頃 お金が広まる前はブツブツ交換でしたって学んだような気がするんですが でもグレーバー先生曰くそんなにうまくブツブツ交換なくいくはずがないでしょう。 だって例えば手元に白菜が1キロあったと これを何かと交換しなきゃっていうので 偶然その白菜1キロとほぼ10日の同じ価値の 例えば魚とかが誰かを持っているとは限らない。 だから10日で交換するって結構難しいんじゃない。 実際にはブツブツ交換じゃなくて雑魚経済ですよね。 とにかくあげちゃう。 実際今でも田舎とか行くと野菜持ってけよとか野菜もらったりとかしますよね。 野菜もらっておいてそれがとりあえず一旦借りになる。もらった方から見れば。 いずれそれを返すんだけど必ず10日で返すわけじゃない。 そういえばこの前あいつに白菜1キロもらったから 今日は魚たくさん取れたんで返すかって魚をあげに行くんだけど イコールにはしないですね。 余計に魚をあげたりあるいは少なめにあげたりする。 そうするとその貸し借りが生産されないんですね。ゼロにならない。 生産されないというのは現代の日本人から見るとちょっと気持ち悪い 何かちゃんと生産した方がいいじゃん。 飲み会に行くと割り勘にしましょうって最近ぺいぺいとかでもできるので 一円帯で割り勘にしたりしますけれど 昔の人はそういう風には考えなかった。 どういうことかというと生産しちゃうとそこで次に会う理由がなくなっちゃうよね。 だから貸し借りをなくさない方が人間関係が続くっていう考え方だったんですね。 そうやって人間関係は昔は実は持続してたんだ。 雑用経済こそが実は関係性のベースになるものだったんだというのがグレーバー先生の論なんですね。 言われてみればなるほどな。 確かに福井とかに行くといろんな人に会って みんな全員でいろんな事をやってくれる。無償でね。 やってくれるんだけどやってくれるとあの時借りがあるなってこっちが思うので それがまた次に何か返さなきゃっていうね。 人間関係の石杖になっている感じは確かにあるので 今でも地方の共同体とか行くと そういう生産しない貸し借りが続くことによる人間関係って確かにあるなと思うんですよね。 これって要するに貸す方から見ると別に見返りは求めないわけですよ。 じゃあ今魚10匹あるから何かと交換してくれるとは言わない。 必ずそれは全員でいずれ返してくれればいいよねっていう感じなんだよね。 いずれ返してくれればいいよねともさえ言わない。 言わないんだけど行為は示しておきましたよってことを常に口にしておく。 行動で示しておくですね。口にはしない。 っていうのが結構大事だなと思うんですよね。 この前も福井のお家で会いたいと言ってきた近くの早瀬っていう 海沿いのすごく綺麗な町の集落に住んでいる若者がいて 他の人も連れて会いに来てくれてちょっと1時間ぐらいいろんなことを喋ったんだけど 帰りにそういえばうち海沿いなのでよくいろんなものが風で壊れたりするんだけど 窓のサッシがちょっと壊れて破損してて直さなきゃなと思ってた。 ちょうど彼はサッシ屋さんをやってる人だったんですね。 これ治るかなって聞いてみたら その場ですぐ道具を持ってきてちゃちゃっと直してくれる。 30分ぐらいかな。 すごい良い人だったよねって行為がある。 もちろんそれでお代はいくらですとかいう話にもならない。 でもあんなに善意でやってくれたんだから いずれ彼が何か頼み事してきたらそれを答えてあげなきゃなっていう気持ちにもやっぱりなるわけです。 こういうのは人間関係として脈々と続いていくって感じなんだよね。 これってまさにさっきのわらしべ長者の流れで言えば おとぎ話にもう一個有名な傘地蔵だよね。 傘地蔵って雪深い国で暮らしてた老夫婦が おじいさんが毎日作った傘を売ろうと出かけるんだけど全然売れなかった。 しょうがないから傘を売るのを諦めて帰って 吹雪の中、ちょうどそこにお地蔵さんが6体並んでいるのを見つけて これは何か寒そうでかわいそうだなっていうので 売れ残った傘6個を差し上げようというので お地蔵様の頭に1個ずつ傘をかぶせて そしたら1個足りなかった。5個しか余ってなかった。 なので自分がかぶってた傘をお地蔵様にかぶせて 自分は傘無しで家に帰りました。 そしたらその後、お地蔵さんたちがこっそり夜の道をやってきて いろんな食料とか財宝をこの老夫婦に届けてくれたという話。 まさに自分は、おじいさんは別に地蔵に対して何の見返りも期待してないんだけど お地蔵さんたちはちゃんとそれに返してくれるという ある意味不細論で言ってた、雑魚経済による関係性みたいなところを感じる。 だからわらしべ長者、ハッピーでいい話なんだけど そういう形で十日交換で金持ちになっていくということよりも 何か違う形で人間環境を作っていって そこでどこかの誰かが突然、ある日思いも得らないプレゼントを返してくれるみたいなことが行われる方が 僕は人生面白いし楽しいかなというふうに思います。 今日はわらしべ長者と笠地蔵の話でした。 ではまた明日。 もっと見る毎朝の思考佐々木俊尚08:201.「わらしべ長者」より「かさ地蔵」のほうが好きコメント感想・質問・応援メッセージを書こう ターボー2022年8月2日初めてコメントさせて頂きます。正に現代の地域コミュニティに求められてる人間関係の一つのあり方ですよね。参考になります。楽しいお話の中から現代社会に役立つ生活の知恵が聴けそうで楽しみにしてます。有難うございます。返信 回鍋肉2022年8月2日最近は少々おかしい意味合いに「宗教」がなってしまったのは、無理に「わらしべ長者」になろうとしたからなのかもしれないですねお寺や神社参り、パワースポット巡りも「まあ、なんか幸せこと起きたら良いね」って感じで参る側、参られる側、双方Win-Winなのでしょうね返信 楽描人カエルン2022年8月2日わらしべ長者は商売の話。笠地蔵は贈与経済の話。なるほどです。返信 ゼン2022年8月2日いいお話ありがとうございます。それと似たようなことで、親が子どもに人に迷惑をかけるな、という教育をするけど、人間社会は自分の気づかないところでお互いに迷惑をかけ合いながらお互い様で生きていると思うので、ありがとう、とか、ごめんなさいを素直に言えるほうがいいと思う。常に貸し借りしている人間社会ということを、自覚できるという教えの方がいいのかな、と思いました。返信
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正に現代の地域コミュニティに求められてる人間関係の一つのあり方ですよね。参考になります。
楽しいお話の中から現代社会に役立つ生活の知恵が聴けそうで楽しみにしてます。
有難うございます。
お寺や神社参り、パワースポット巡りも「まあ、なんか幸せこと起きたら良いね」って感じで参る側、参られる側、双方Win-Winなのでしょうね