TOPトーク専門家毎朝の思考ゴジラとおはぎとグリンピース08:46 2023年3月18日 6,509再生 問題を報告する 再生する シェアする AI目次1954年の日本 戦後と日常の狭間初代ゴジラに秘められた戦後日本の記憶ゴジラの姿に重なる戦没兵士の思い戦後の豊かさと犠牲への複雑な感情真の平和教育に繋がる時代の空気感AI文字起こし(β版) # ゴジラとおはぎとグリンピース おはようございます。佐々木敏直です。 「戦争とオハギとグリーンピース」っていう本があって この本ね、僕はとても好きなんですよ。 西日本新聞社っていうね。 九州の新聞社が戦争終わって間もない1954年 終戦から9年ですよね。 その年に新聞で女性だけの投稿欄を作って そこにいろんな女性たちが投稿した。 それを21世紀になってから西日本新聞の記者が発掘というか 昔を振り返って見つけてすごくいい記事が多いというので それをまとめて一冊の本にしてるんですね。 出たのが2016年。 残念ながらKindle版は出てないんだけど、文庫化されているみたいです。 戦争が終わって9年、どんな感覚だったのかな。 やっぱり戦争が終わった頃は本当に焼け野原になり 食べ物もなく、着る服もなく 本当にみんな命がガラガラで 満州から引き上げてくる人もいれば 南方から戻ってくる人もいる 空襲で焼け出された人もいる 本当に終戦の年とかその翌年なんかガシする人たちもたくさんいて でもやっと10年経ってちょっと人行き着いたかなっていう感じだったみたいですね 当時の空域感というのは。 ある女性はこんな風に書いている。 空襲で家と子供一人を失い 杖とも頼む主人は南の島で帰らぬ人となった。 子供3人を抱えてその後10年というものは本当にやっと生きてきた思いでした。 それでも最近はどうやら人間らしい生活ができるようになったのです。 まあそういう感覚だったのね1954年。 この後から実は日本は本当に高度経済成長が始まって 経済大国の道を邁進していってみんな豊かになっていく。 ちょうどその戦後と高度成長の境目ぐらいの時代だったんだろうなと思う。 ちょうどこの同じ1954年にゴジラが作られてるんですよね。最初のゴジラ。 今ゴジラって言うとみんなシンゴジラをイメージすると思うんだけど あの最初のゴジラは全く今のゴジラ、シンゴジラのイメージとは違う映画で ゴジラというモンスターのモチーフだけ同じなんだけど 多分描いているものは全く違う。 当時ゴジラって放射能で生まれた怪物みたいな説明がされていて 割に反戦映画的なことが言われることが多かったんだけど 実はそんな単純な話じゃないんじゃないかっていうのは 90年代に映画評論家の河本三郎さんという方が指摘していて 映画の中に戦争のモチーフっていっぱい出てくるんですよ。 別に戦争そのものを描いているわけじゃないのに。 例えばゴジラが上陸してくる。 みんなまた利やかに火材道具を担いで逃げるみたいなシーンがあって その中で通勤電車の中で会社員たちが また疎開するのか嫌になっちゃうなぁみたいなシーンがある。 また疎開っていうね。 要するに10年前にあえて疎開して田舎に行っていたのに また田舎に疎開しなきゃいけないのか。 あるいはゴジラが上陸して東京の街を踏みにじみる、踏みにじる。 その時に逃げ遅れた子供とお母さんがいて お母さんが子供を抱きかかえながら お父様のそばに行くなよっていうふうにつぶやいたりする。 まあおそらくはお父さん、夫が戦争で亡くなったってことが 多分ほのめかされてるんだろうな。 あるいは焼け跡のゴジラが進んでいった後の 焼け跡の青空の下で女子高生たちが鎮魂の歌を合唱するっていう なんかこれもまさに広島とか長崎の被災地での鎮魂みたいなイメージが そこに重なってきてる。 だからゴジラって本当に戦災を思い出させるという意味では 確かに戦争映画だった。 河本サブロさんはこれ一体何を指摘しているのかというと ゴジラって実は別に米軍の爆撃機とかそんなのでもなくて 第二次大戦で死んでいった死者 特に南方で海に沈んでいった様々な 戦艦とか輸送艦に乗っていた兵士たち そのもののイメージなんじゃないかってことを 94年の本ですね 今ひとたびの戦後日本映画って イアナミから出てる本があるんだけどそこで書いてる。 つまり死んで母国に帰れなくなった日本軍の兵士たちが ゴジラの姿を借りてね日本に戻ってきてるんじゃないか。 映画の最後にはゴジラが オキシジデンデストロイヤーでしたっけ そういう武器で倒されて海の中に奥深く沈んでいく その沈んでいくっていうのはまさにね 戦艦大和が沈んでいくイメージに重なってるんじゃないか みたいなこともおっしゃっていて なるほどなぁと じゃあなんで日本軍兵士はね ゴジラの姿を借りて日本に戻ってきて それを映画の中の日本人たちは激しく恐れたのか 結局それは戦争から10年経って さっきの本にあったようにみんなようやく命からがらの時代を終えて ほっと一息の生活を取り戻し そして今から高度経済成長に邁進していこうみたいな そういう時代の空気の中で 自分たちのために死んでいった膨大な数 200万人上るような日本軍兵士の死みたいなものを 置き去りにしてきたんじゃないかっていうね そこに対するすごい戦後の日本人が後ろめたさがあったんじゃないか っていうことなんですよね その後ろめたさがゴジラへの恐怖になっている 単純に戦争に対する恐怖とかじゃなくて 戦後の豊かさを享受する自分たちが あの犠牲になった膨大な数の兵士たちを忘れ去っていくことに対する ある種の裏切り感というか後ろめたさみたいなものがあったんじゃないかなって話なんですね こういうのはまさに僕は同時代性というか その時代の人たちならではの空気感だと思うんだよね そういうのをリアルに知ることは僕は歴史を学ぶ上ですごく大事だなと思ってて その後の戦争経験者がほとんどいなくなった日本で たまに戦争映画が作られて なんかねご主人公が俺は昔から戦争に反対だったんだみたいなことをのんきに言う なんかそのリアリティのなさとか僕はとても好きじゃなくてですね 内心戦争についてどう思ってたかどうかわからないでもそれでもやっぱり 故郷の家族を守るため自分の妻や子供を守るために戦地に赴かなきゃいけなかったっていう 膨大な数の兵士たちがいてその兵士たちが亡くなって それでも戦後自分たちの生活を取り戻して 豊かさに向かって歩むしかなかった戦後の日本人たちがいて そこにいろんな葛藤がありジレンマがありっていうところで 日本の1950年代60年代ってのは作られていったってことなんですね そういうなんか当時の空気感時代の空気みたいなものやっぱり我々忘れちゃいけないし 本当の平和教育ってそういうところを学ぶところにあるんじゃないかなというふうには思うんですよね というわけで今日はちょっと重いゴジラと戦争の話でした ではまた明日 もっと見る毎朝の思考佐々木俊尚08:461.ゴジラとおはぎとグリンピースhttps://amzn.to/3JpSMAZ コメント感想・質問・応援メッセージを書こう
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