TOPトーク専門家毎朝の思考AIに転写できない「思い」とはどのようなものか07:54 2024年7月30日 6,963再生 問題を報告する 再生する シェアする AI目次AI時代における人間の"思い"の価値とはAIでは再現できない人間の生きた証ベストセラーと心に刺さる作品との違い『豆腐屋の四季』が問いかける人間の深層AI時代にこそ問われる人間の真価とはAI文字起こし(β版) # AIに転写できない「思い」とはどのようなものか おはようございます。 佐々木としなおです。 生成AIがすごい勢いで進化していて、本でも小説でも漫画でも書けるようになってきている。 そうするともう人間の書き手の仕事なんてなくなるんじゃないかっていう議論が起きてますよね。 でも本当にそうなのかどうか。 結構、もう人間が書く必要なくて全てAIになりますよって断言する人は割に多いんだけど いろんな人に聞いて回っているとその質問を やっぱりマスマーキ寄りの人はそういうことを言いたがるなっていう感触はあるんですよね。 つまりベストシラーになるような自己啓発本を書いたりとか あとは誰でも楽しめるような漫画を書いているような人はそういうことを言いたがる。 確かに昔からあるコンビニで売っているような漫画とかあるじゃないですか。 嫁姑物とかね。ああいうのは別にAIが書いてもいいだろうと思う。 あとはありがちな、それこそ転生物のアニメとか漫画なんて もちろんすごい作品もあるんだけど一方で似たような同種の作品がたくさん出ていて それがまあそこそこ売れたりしているのを見ると まあそんなものをAIが作ればいいじゃんっていうね。 自己啓発本とかビジネス書も大抵AIが書けるだろうなっていうのは確かにそうなんですよね。 でも本とかコンテンツって本当にそれだけなのかとは思うんですよ。 マスマーケティングではないところにすごく読者は少ないけれど ただ一人の心に刺さるもの、そういう作品ってやっぱりあるんじゃないのかな。 これは時に折に触れて読み返す本ですごい昔の本なんだけど 1969年。もう半世紀以上前なんだけど 松下隆一さんって方が書かれた豆腐屋の四季。 豆腐屋の4シーズンですね。四季っていう本があって これは当時ベストセガにはなったんだけど 多分今覚えてる人あんまりいないんじゃないのかな。 松下さんというのは大分の生まれでね。 大学に進学したいと思ってたんだけど お母さんが亡くなったりとかでいろんな所条件があって進学を断念して お父さんが豆腐屋を手伝い始めると。 その豆腐屋で厳しい労働しながら いろんな自分の生活の思いみたいなものを単価にして それを朝日新聞に投稿してた。 その中で豆腐屋の四季という歌集を出して それが注目されて当時ベストセガになったんですよね。 その後豆腐屋を辞めて 本当に専業の作家になっていって その後は素晴らしい様々なノンフィクションとかを出されてるんだけど このデビュー作の豆腐屋の四季って今読んでも本当に心を迫るものがあって好きな本なんですよ。 例えばその豆腐が 朝早く起きて真っ暗の中で一生懸命豆腐を作る でもその豆腐がうまくできなくて苦りが効かなくて固まらないという そのなんかどうしようもない怒りみたいな歌があって 泥のごと出来損ないし豆腐投げ イカれる夜のまだ明けざらん 泥のごと出来損ないし豆腐投げ イカれる夜のまだ明けざらん とか胸に迫るものがあるんですよ。 働く人の哀歓みたいなのが本当にこもっている。 こういう本も反省記事を前の本を文庫本の古本屋で手に入れたやつを読んだりしていると なんとなくしみじみと心に刺さってくるものがあって 決してもはやマスマーケティングの世界でも何でもない 自己啓発でもないしビジネス書でもない 多分多くの人には何の興味もたれないと思うんだけど でも僕にはこの本はとても大事だなって思う。 これがじゃあ先生愛に欠けるかというと 似たようなものは欠けるかもしれないけれども やっぱり松下隆一という人が生きてきたその道筋 戦前に大分で生まれ 学校に行きたかったけど行けずに豆腐屋を手伝いという そういう思いみたいなものが そこにまざまざと記されていて そういう身体性みたいなものがこの本にはこもっているんですよ。 先生愛ってやっぱりそういう身体性とかがないし あるいはそこに何か思いみたいなものがないんだよね。 この前もある対談をしていて AIによってある個人のパーソナリティをそのままコピーするということが可能になってきている。 そういう話をよく聞きますよね。 その人が発信したブログとかSNSとかの投稿や 書いたメッセージみたいなのを全部放り込めば その人らしい文章とか発言みたいなものを再現できる。 そうするとその人はもういないんだけれど その人とまるで会話できるような そういうボットを作ったりもできるようになってきている。 じゃあ人間の全体像がそのままAIにコピーできる時代がやってくるんだろうか というのがその対談のテーマだったんだけど ちなみにこの対談はもうすぐ東京フェムの特番で AIが人間の孤独を癒すかみたいなテーマで1時間やると思うので また近づいてきたら放送は告知したいと思いますけど その時に言われてなるほどなと思ったのは どんなにその人のキャラクターとかパーソナリティとかコピーできたとしても その人の思いみたいなものはコピーできないですよね。 思いというのは何かというと どういう道でその人が人生を歩んできて なぜ今その発言をしているのか。 その発言そのものはコピーできるにしても その発言に至るまでの様々な人生の思いみたいなものは やっぱりその発言の中身そのものではなくてその外側にあるんだよね。 それはAIにコピーできないというかAIの感知しない世界だよね っていう話をしたんですよね。 確かにそうかもしれない。 僕は松下隆一さんの本をいまだにこうやって手に取って読むというのも 松下隆一というも、亡くなって20年経つんだけど この人の思いみたいなものを辿ってみたいからだなという気持ちはやっぱりあるんですよね。 だからますますAIの時代になってくると この思いみたいなものが逆に重要になってくるんだろうなというのは思います。 そしてその思いみたいなものは決してマスマーケティングでもないし 誰にでもコピーできるものでもないよね。 ということは我々は改めてこのAIの時代に 考えなきゃいけないんじゃないかなということも思いました。 というわけで今日はAIと思いの話。 ではまた明日 もっと見る毎朝の思考佐々木俊尚07:541.AIに転写できない「思い」とはどのようなものかコメント感想・質問・応援メッセージを書こう もろ2024年8月3日ベテラン漫画家さんがYouTubeで面白い漫画は作者の脳みそを紙に染み込ませたような作品というようなことを仰っていたのですが、本日のお話と同じように共感しました。その方は、最近は複数の方が関わるプロジェクト形式の漫画や作品も多い、という文脈で話されていましたが、AI作品も似たような微妙なツギハギ感が拭えないのかもしれません。もちろん面白いものもありますが、数十年後に取り出してよむ何かは、やはりその人だけの思いであるようです。返信 俊尚 佐々木2024年8月8日脳みそを紙にしみ込ませた、って素晴らしい表現ですね。ありがというございます。 ✨🕊⚜️showka⚜️🕊✨2024年7月31日AIの時代にこそ、人の手触り感が求められるようになると思いますね。より情緒的なものに対する憧れが、増すのではないでしょうか。 返信 俊尚 佐々木2024年8月8日わたしもそう思います。 青紅葉2024年7月30日今日のお話、共感することばかりです。そして今日もまた、素晴らしい本のご紹介をありがとうございます。佐々木さんのお話にでてこなかったら、御縁がなかった本だったと思います。家の近所の豆腐屋さんも、朝3時から頑張ってます。個人的にお豆腐が好きで毎日いただいていますので、本、探して読んでみます。そしてAIには手作業から生じる思いとか、表現しても絵空事にしか描けないのでは?と思いました。逆にAIのほうが、人間の出すコマンドで苛ついたこととか、話し出したらすごいですよね。返信 俊尚 佐々木2024年8月8日豆腐屋の四季、素晴らしい本なのでぜひお読みください。 ジュリエッタ オータニ2024年7月30日AIの台頭は大歓迎。ただ、それっぽいものしかつくれない時もあるだろうと思います。でもAIだから仕方ない。でも、孤独を癒やすことに繋げてはくれる存在だとも思います。今、ここ。その瞬間の思いを転写することって難しい事だと改めて気づかされ、その尊さを感じました🙏返信 俊尚 佐々木2024年8月8日AIはどこまで行っても「コピー」でしかないのか、それともその先があるのかは、これからの課題ですね。1 回鍋肉2024年7月30日FODで配信されている『彩香ちゃんは弘子先輩に恋してる』ってガールズラブもののドラマ、原作コミックも全巻読んだのですが、ガールズラブとレズはイコールかと言われると違和感を覚えますが、その違和感をAIは捉えられるかとは思いますどれだけリアルを著そうが、佐々木さんの言葉を借りるなら「神話」の域を出ないといいますか別のジャンルだとプリキュアは子供を対象としているからこそ、ある種の「綺麗事」は描いても「絵空事」ではないフィクションの中の「リアル」を感じますが、AIにその機微を著せるかは疑問です返信 俊尚 佐々木2024年8月8日なるほどねえ。確かにそうかもしれません。 もっと見る
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その方は、最近は複数の方が関わるプロジェクト形式の漫画や作品も多い、という文脈で話されていましたが、AI作品も似たような微妙なツギハギ感が拭えないのかもしれません。もちろん面白いものもありますが、数十年後に取り出してよむ何かは、やはりその人だけの思いであるようです。
より情緒的なものに対する憧れが、増すのではないでしょうか。
今、ここ。その瞬間の思いを転写することって難しい事だと改めて気づかされ、その尊さを感じました🙏
どれだけリアルを著そうが、佐々木さんの言葉を借りるなら「神話」の域を出ないといいますか
別のジャンルだとプリキュアは子供を対象としているからこそ、ある種の「綺麗事」は描いても「絵空事」ではないフィクションの中の「リアル」を感じますが、AIにその機微を著せるかは疑問です