TOPトーク専門家毎朝の思考「空気感」という身体感覚をどこまで写真・映像に映し出せるか08:51 2025年3月25日 8,083再生 問題を報告する 再生する シェアする 映画「光る川」https://www.culture-pub.jp/hikarukawa/「被写体の時代からルックの時代へ」https://www.kitamura.jp/shasha/article/what-is-a-look-20250320/もっと読むAI目次写真・映像に「空気感」を映し出す難しさ岐阜の長良川が教えてくれたもの「ルック」が伝える、五感を越えた世界自然がもたらす、言葉では伝えきれない感覚カセットテープが持つ、時代の空気感AI文字起こし(β版) # 「空気感」という身体感覚をどこまで写真・映像に映し出せるか おはようございます。佐々木敏直です。 光る川っていう日本映画が今公開中、渋谷のユーロスペースとかでやってると思うんだけど 僕は視写で見てね、この映画すごい気になった。 物語自体は、古い時代の木地市って言われる山の民ですよね。 そこの若者と、里の少女のですね、非憐物語なんだけど その物語以上に僕はすごくこの映画が気になったのは、映像なんですね。 山の中、雨が降っていて、その雨が上がると 水の湿気みたいなものがね、わーっと山を包んでいる感じだったりとか あるいはそこら辺の葉っぱや木から水が滴落ちている感じだったりとか そういうのがね、ただ美しいだけじゃなくて すごくリアルに、山登りしている人に分かってもらえるような ああ、山の中にいる空気感ってこんな感じだよねっていうのが 写実的に映像化されていて、そこにすごく感動したんですよ。 この映画、岐阜の長良川の流域で撮影されたっていうのを聞いて なるほどなぁと思ったんだけど、僕は新聞記者になった最初の2年半 80年代の終わりですけれど、岐阜で過ごしたんですね。 前にチームの岐阜市局というところにいて 本当にあの頃、ブラック労働って言葉はなかったんだけど むちゃくちゃ長時間労働、しかも上司からむちゃくちゃひどい言葉を言われ 抑圧的な仕事をしててつらかったんだけど 休む日になると車を走らせて長良川の上流に向かう 有名なのは愚上八幡とかなんだけど、愚上に行かなくても その長良川の支流とかで美しい川とかたくさんあったんですよ 今までに覚えているのは岐阜島川 カメのオッポの島の川って書く 名前だけ聞くとすごくひょうきんなんだけど 小さな川というよりも沢に近いぐらいの細い小さな川です 信じられないぐらい透明で美しい 橋の上から見下ろすと多分深さ1メートル2メートルあるような 川の底まで全部見えて泳いでる魚も見えるっていうね そんな川があって あの時に感じた辛い新聞記者、新人記者の日々から逃れるようにして 週末になるとあの岐阜島川のほとりに行って じっと橋の上から川を眺めてた あの空気感とか皮膚感覚とかリアリティみたいなのが 写真じゃ多分あるいは映像でもねやっぱり映しとるのは難しいなっていう なんか我々が表現ってものに求めるのは 単にその表現が説明しているコンテンツそのもの あるいは被写体、対象だけではなくて その対象が持っているある種の空気感みたいなものを 求めているところもあるんじゃないかな ちょうど数日前に読んでシェアした写真の記事があって 被写体からルックへっていうね ルックっていうのはその写真が持っている被写体そのものじゃなくて 例えば色合いだったりとかねコントラストだとか明るさだったらとか そういうものが持つ何かが何とも言えない空気感とか印象みたいなものを ルックって呼んでるんだけど まさにそのルックだよなっていう その記事のね冒頭にどっかのヨーロッパかアメリカなんかの街のですね 夕方の風景街路の風景を映し出されていて それはとてもいい写真なんですよね 写真そのものの対象は 街並みとそこに止まっている車や人の姿っていうだけなんだけど そこに映し出されているその色とかね光の加減によって なんかこう夕暮れのね しっとりとした街の感じっていうその印象がじわじわと伝わってくる まさに普通の表現では伝えられないようなある種の空気感 身体感覚みたいなものなんじゃないかな そういうのが伝えられる表現ってやっぱり素晴らしいなと思うんですよ なかなか難しいよね 山登りしていて何時間も歩いて すごく気持ちのいい景色のところにたどり着く 森の中を抜けて歩いていくと 突然バーンと視界が広げて 視界が開けて広大な出現が広がったりする 周りに誰も人がいない その時にああっていう なんとも言えない気持ちよさがあって そこに一陣の風がつむじのように 体の横を通り抜けていく感じとか こうやって言葉で説明しても通じないし じゃあそこでスマホを取り出して写真を撮ったら それで伝わるかというとやっぱりそうでもない まあでもきっと写真家、フォトグラファーとかでね 素晴らしい才能の持ち主の人たちっていうのは そういう僕らが感じている身体感覚とか空気感みたいなものを 写真っていう表現で固定させることが可能なんだろうなと だからやっぱり素晴らしい写真素晴らしい映像ってのは 単に綺麗なだけでもない あるいは被写体を こんな絶好のカメラチャンスがあったんだ シャッターチャンスがあったんだっていうだけでもない やっぱりそこにある ある種の空気感みたいなものをね 映し出すことができるかどうかってのは 結構大事な要素なんだろうなとは思いました それが前に出した もう5年ぐらい前かな 時間とテクノロジーっていう分厚い本があって その中で書いたことがあるんだけど カセットテープが結構前から流行ってるじゃないですか こんだけデジタルの素晴らしい音で いくらでもスポティファイとかで 音楽が聴ける時代になぜカセットテープなのか っていうことについて そのカセットの持つ魅力をあるミュージシャンが語っていて それはその音楽が持ってた 例えばじゃあ1990年代の音楽とすれば それがカセットテープに納められることによって その90年代の時代が持ってた なんかこうザワザワとした空気感とかね ノイズみたいなものも一緒に 音と一緒に閉じ込められている だからピュアな音だけじゃなくて そこに含まれているノイズこそが 実は俺らにとっては大事な 時代の感覚とか空気なんだよね 確かにピュアな音 スポティファイで聴く音楽っていうのは そういうノイズが完全に排除されているので だからこそどんな時代の音楽でも 本当にフラットに行くことができるようになったんだけど 一方で20年前のあの時とかね そういう時代の感覚とか あの時そういえば海辺で聴いたよねっていう 自分の記憶の中にある 自分の身体みたいなものとかね そういうのが起きわせられているっていうのは 確かにあるだろうなとは思います 今日も軽井沢の高原の都市で 流れる水の音を聞きつつ いい天気なので小鳥も飛んでたりして 鳴いてますけども その空気感が気持ちいいんだよね ボイシーだとなんとなくそういう なんだろうピュアな音ではない つまりこのiPhone1台でね 適当に撮ってる 収録してるが故にそこに含まれる 僕が今この立っている場所の空気感みたいなのが ちょっと伝ったりするんじゃないかなとも 思ったりしますよ というわけで今日はその表現が持っている 空気感みたいなものの大切さについての話でした ではまた明日 もっと見る毎朝の思考佐々木俊尚08:511.「空気感」という身体感覚をどこまで写真・映像に映し出せるかコメント感想・質問・応援メッセージを書こう たけ2025年3月27日映像・写真・音楽・文学いずれにおいても、そのメディアでメインとなる以外の五感を刺激するものが優れた作品となる条件なのかもしれないですね。写真や映像だと、視覚以外の聴覚・触覚・嗅覚・触覚・味覚を呼び起こすと、身体感覚の伴う作品になる。返信 はるパパ2025年3月25日写真家の森山大道さんの言葉「過去はいつも新しく、未来はつねに懐かしい」を連想しました。森山さんは「アレ・ブレ・ボケ」で時代の空気感を記録する人です。P.Sブルーノ・マーズとレディ・ガガ「Die with a smile」のギターの響きが妙に懐かしいのは昔のレコーディングを踏襲しているせいでしょうか?4返信 俊尚 佐々木2025年3月27日森山大道さん良いですねえ。 ルーチ2025年3月25日デジタルが出てきた時は、鮮明さ解像度の高さに驚いたし凄いと感じました。アナログより隅々まで小さな音も表現できているし、より表現の幅が広がったのも事実かと思います。一方で行き過ぎかどうかは分かりませんが、音が「綺麗になり過ぎていないか」と感じることがあります。15-20年前のCDを聴くと、バックの音は人が演奏している感じを受けます。同じ曲を最近になり再録した場合、打ち込みでは?と感じることがよくあります。間違いなく音は綺麗ですが、何か味が薄くなった感じを受けることがあり、人間の感性は不思議だなと4返信 俊尚 佐々木2025年3月27日ピュアだから良いってわけじゃないってのがデジタル時代の私たちの学びですね。 0827alen2025年3月25日佐々木さんの、言葉と、言葉と言葉の間(ま)と、声が重なりあって、それらによって、独自の空気感、身体感覚が、離れていても、聴く人に伝わって来る感じが、とても魅力的ですね…☺️8返信 俊尚 佐々木2025年3月27日ありがとうございます、そう言っていただけると嬉しいです。1
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写真や映像だと、視覚以外の聴覚・触覚・嗅覚・触覚・味覚を呼び起こすと、身体感覚の伴う作品になる。
「過去はいつも新しく、未来はつねに懐かしい」を連想しました。
森山さんは「アレ・ブレ・ボケ」で時代の空気感を記録する人です。
P.S
ブルーノ・マーズとレディ・ガガ「Die with a smile」のギターの響きが妙に懐かしいのは昔のレコーディングを踏襲しているせいでしょうか?
一方で行き過ぎかどうかは分かりませんが、音が「綺麗になり過ぎていないか」と感じることがあります。15-20年前のCDを聴くと、バックの音は人が演奏している感じを受けます。同じ曲を最近になり再録した場合、打ち込みでは?と感じることがよくあります。間違いなく音は綺麗ですが、何か味が薄くなった感じを受けることがあり、人間の感性は不思議だなと