TOPトーク専門家毎朝の思考「ホスぐるい」問題に見るポスト近代の普遍的悩み09:18 2023年11月15日 8,256再生 問題を報告する 再生する シェアする AI目次「ホスぐるい」問題の背景にある本質ホストが指摘する「居場所のなさ」とは近代の自由がなぜ「抑圧」に変わったかポスト近代の「目標喪失」が招く現象閉鎖的な共同体を開くための突破口AI文字起こし(β版) # 「ホスぐるい」問題に見るポスト近代の普遍的悩み おはようございます。 佐々木敏直です。 ホストクラブにはまってしまった女性が多額の売りかけ金、いわゆる付ですよね。 それを払わなきゃいけないという風俗業にだんだん手を染めてしまうという問題が 最近盛んに報道されていて 確かに売りかけ金の問題はあまりにも金額が多額何百万とかね。 それはさすがに状況を知っているから 上限を設けるとか制限した方がいいんじゃないかなと思うんですよね。 付そのものは否定されるべきではない。 それで保っている居酒屋とかスナックみたいなお店もたくさんあるわけだから 付そのものをなくそうとやってしまうと 小さな飲食店の営業を圧迫してしまう可能性があるから良くないと思うんだけど 一方で何百万円とかの売りかけ金はやる過ぎだろう。 でも一方でホストクラブにはまるということ自体が それをやめさせるというのは僕はなかなか難しいんじゃないのかなと思うんですよ。 数日前に紹介した現代ビジネスの記事で 現役のホストの男性が ホストがすべて悪というわけではないという 釣りっぽい見出しの記事になってたんだけど その中でそのホストの方が言っていて、なるほどなと思ったのは 問題の根源というのはこのホストクラブについての 彼女たちが歌舞伎町の外へ足を踏み出して一般社会に戻った時に そこに彼女たちの求める幸せがないということだと そう指摘されてるんですよ。 ホストクラブに行かないと寂しさを埋められない。 ここではない。楽しいことがない。居場所がない。 そういう日本社会に問題があるんじゃないでしょうかってことを言っている。 これは確かにそうなんだけど では日本社会を改善して そのホストクラブにハマる女性たちにも居場所を見つけられるようにできるかというと これはなかなか難しい。なぜなら時代状況がそういうふうに指している。 これは日本だけじゃないんですよね。 かつて封建的な全近代的な社会があり それが近代へと移り変わって 今は近代以降のポスト近代と言われるような時代に来ている。 封建的な社会は例えば日本だと太平洋戦争より以前とかですよね。 例えば結婚する相手は親が決めるとか 女性の人権がないとかそういうような封建的な社会だった。 それが太平洋戦争の終戦とともに終わりを告げて 戦後、社会は自由になり開かれるようになった。 だから当時は自由になることはとても喜ばしい素晴らしいことだったんですよね。 僕はこれ何度もいろんな本とかで書いたり喋ったりしてるんだけど 戦争が終わった直後ぐらいに 青い山脈っていう素晴らしい小説が出てきて 青春小説、ある学校を舞台にして 生徒たちと先生たちの交流を描いている。 そこでは男女の自由意志に基づいた契約による恋愛と結婚みたいなことが語られていて それは当時、戦争が終わったばかりでまだ暗かった日本の中で なんて自由って素晴らしいんだろうっていうね まさに青い山脈ですよね。 キラキラと光っている夏の山脈のように青く見えていたんだろうなと思う。 自由恋愛なんて素晴らしいんだろうってみんな思ったわけですよ。 でもあれからもう80年近くが経って21世紀に入ると 逆に自由がだんだん抑圧に変わってきている。 自由恋愛って言うと聞こえはいいんだけど結局 恋愛強者である美女やイケメン君がモテるだけで 結婚できないモテない男や女はどうすればいいんだみたいな 恋愛弱者に対する包摂の問題が改めて浮かび上がってきているわけじゃないですか。 それがまさにポスト近代なんだよね。 近代というのが前近代の封建的な社会からの脱出だったとすれば その脱出し終えた後に一体どうして次は何を目標にすればいいのかわからない。 法系性から脱出しようという目標だけを抱えておけば なんとなく気持ちよく前に進むことができたのが近代だとすれば その目標が喪失してしまったのがポスト近代という時代で この四半世紀が過ぎようとしている21世紀がまさにそうなんだろうなと思うんですよ。 何を目的に生きていけばいいのかもう誰もわからない。 ある人はお金儲けに走り一生懸命ね 投資で儲けたりとかしようとするんだけど じゃあ莫大な金があったらそれで幸せになれるかというと お金というのは必要条件としては大事かもしれないけど 幸せの十分条件には決してならないわけですよ。 だからそこに新宗教とかも入ってきているわけですよね。 宗教というのはここですごく大事な面がある。 宗教に入れば自分がなぜ生きているのか 何を生きがいにしていけばいいのかわからないということを支えてくれる。 だから統一教会の問題はそこのポスト近代の普遍的悩みが背景にあるんだろうなと。 同様にそれは統一教会だけじゃなくて、最近流行りのスピリチュアル、スピですよね。 あそこにも凄い巨額のお金が流れ込んでるって言われてたりとか あとは過剰なアイドルへの押し勝ちとかもそうですよね。 宗教もホストクラブも押し勝ちもすごく良いことだと思うんですよ。 自分の居場所を見つけられる。 このポスト近代の居場所がない時代に居場所を見つけられるという意味では 悪いことでは決してないと思う。 でも統一教会にしろスピリチュアルにしろ、押し勝ちにしろホストクラブにしろ やっぱりすごく共同体的である上に閉鎖的になりがちだと思う。 閉鎖的な空間になってしまうと、やっぱりそれが過度に行われると マイナスの現象がどうしても生じてしまうんですよね。 それは宗教の中でも統一教会がまさにそうだったわけだし スピリチュアルが一部の熱狂的な信者からお金をむしり取るみたいなビジネスになっているのもそうだし ホストクラブもまさにそうだし アイドルの押し勝ちだって過剰なファンクラブの問題とかが起きてきているわけですよね。 ちょっと前に聞いた話だと、あるアイドルのライブコンサートのチケット争奪戦がすごいことになっていて 転売屋を防ぐためにアカウントで顔写真を登録しておいて コンサート会場の入り口で顔認証してるみたいな話を聞いて、そこまでやるんだと。 顔認証してて中に入ってから自分の席を見たら、そこが押してるアイドルの前じゃないって言うんで 自分が押してるアイドルの近くの席にいる人との間で席の売買が会場内で行われて 何十万円の金が飛び交ってるみたいな話もあるらしい。 やっぱりそれはそれでやりすぎだよね。 だからここは、そういう共同体的なものをやっぱり開いていく必要があるんじゃないかな。 開かれたお仕方、開かれた宗教、そういう方向に進めば その共同体が過剰に閉鎖的になってしまい、そこに多額の金が動いてしまう問題も 避けられる突破口があるんじゃないかなという気もするんですよ。 ポスト近代の普遍的な悩みを乗り越えるためには所属する場所 何かに熱中できる場所を探すのはとても大事なこと。 でもその所属できる場所が閉鎖的にならないように開いていくことっていうのは 多分求められるし、それがうまくできるようになれば 我々はこのポスト近代という苦しい時代を乗り切ることができるんじゃないかなというふうにも思います。 ではまた明日 もっと見る毎朝の思考佐々木俊尚09:181.「ホスぐるい」問題に見るポスト近代の普遍的悩みコメント感想・質問・応援メッセージを書こう hisamatsu toru3月21日😂返信 daigo2023年11月16日酒や煙草やギャンブルと同じで一時の快感とその依存性が問題なんでしょうね。個人的にはこういう系の接客スタイルの店はお金払っても良いから行きたくないくらい苦手ですが、耳障りの良い嘘でも聞いていたい人で溢れる程度には世の中病んでいるのでしょうか。1返信 高橋 悠輔2023年11月16日自由からの逃走が起きているのでしょうか?このままだと技術的にアップデートされた新しい封建制に向かうような気がします。2返信 回鍋肉2023年11月15日推し活について言えば、そのレベルのライブのアイドルだと、私の推しグループのファンは寧ろ開放的というか、推しを泣かせてはいけない精神で動いていると思いますが畢竟ファンによりけりになってしまうのでしょうか2返信 fujimoto_takasi2023年11月15日3年くらい前のアベプラでこの問題取り上げて、その時に若新さんが、空虚と空虚が惹かれ合って、その真空の引力は引き剥がせない、ホストとホスぐるいの結びつきは強固なもの、ホスぐるいの心の隙間を埋めることができるのはホストだけ、他の人や物じゃ埋めれないからこうなってる。と言ってて、とても納得したのを今でも覚えてるし、その回を録画してるので時々見返します。それも一つの答えだと思います!ちなみに、その回は佐々木さんも出てました!たぶん覚えてるんじゃないでしょうか?1返信 俊尚 佐々木2023年11月15日たしかにアベプラでもやりましたねえ。先日もまた取りあげたばかりです。2 もっと見る
AI時代に「知」と「知識」を分けて考える 8分・昨日・ 4,097再生AI目次AIが与える「わかった気」の落とし穴情報としての「知識」価値低下の時代「知識」と異なる「知」が指すもの身体感覚に響く「腹落ち」の正体AI時代に磨くべき人間の「知」の形
2026年の今は1870年代と似ている 10分・一昨日・ 5,460再生AI目次AI時代を読み解く歴史の因19世紀末、驚異の発明集中期近代生活を形作った大変革AIは「馬の代わり」なのかこれから20年で世界はどう変わる?
急登もぬかるみも登山はすべてが快感 8分・10月21日・ 4,458再生AI目次登山道の「想定外」がもたらす試練滑る岩や泥道での転倒と苦労困難を「楽しみ」に変える心境の極意安全登山に不可欠な体力とスキルの追求逆境を笑い飛ばすマゾヒスティックな愉しみ
浜松のホルモン店・岩田屋さんを応援したい 9分・10月20日・ 4,876再生AI目次岩田屋の当て逃げ、店主が取った異例の行動とはSNSで容易に逆転する被害者と加害者熱海の無人駅で起きた世論の反転劇加害者は本当に悪なのか?見落とされがちな真実岩田屋が示す「救い」の社会を築くヒント
リニアとノンリニアを結ぶ触媒としての手書きメモ 7分・10月19日・ 5,233再生AI目次線形でバラバラな情報の課題とは?iPad手書きメモが導く思考の触媒富山茂彦が提唱「触媒としての私」曖昧な思考を立体化するメモの力3Dの「山」のように知識を結ぶ思考
人間への信頼とAIへの信頼の違いについて 9分・10月18日・ 5,983再生AI目次AI進化が問い直す人間の「努力」の価値AIが超えた分野で光る「人間」の物語なぜAIではなく人間の文章が心に響くのか「機械の信頼」と「人の信頼」根本的な違いAI時代に書き手が「人生」を綴る意味とは
図書館に人生を助けられた少年期の話 9分・10月17日・ 5,714再生AI目次少年期の苦境、唯一の逃げ場父に禁じられた読書と秘密『赤毛のアン』に見た希望とは書籍は唯一の親友、心の友AIと書籍、心の拠り所の変遷
農水大臣辞任と美人投票の共通点 9分・10月16日・ 6,293再生AI目次柳野農水大臣辞任 発言の真意は?昭和の利益誘導政治と現代の変容政治家の「力」と美人投票の共通点株式市場と新聞に潜む「幻想の力」美人投票が示す「時代の残滓」と未来
地方では「酒飲まない運転免許ある」が最強の属性 10分・10月15日・ 6,401再生AI目次地方生活の必需品、車の価値とは公共交通機関衰退と移動のラスト1マイル問題地方での移動手段、カーシェア活用術未来の移動、自動運転普及までの道のり地方で最強の属性、まさかのあのスキル
個人的にはこういう系の接客スタイルの店はお金払っても良いから行きたくないくらい苦手ですが、耳障りの良い嘘でも聞いていたい人で溢れる程度には世の中病んでいるのでしょうか。
このままだと技術的にアップデートされた新しい封建制に向かうような気がします。
畢竟ファンによりけりになってしまうのでしょうか
と言ってて、とても納得したのを今でも覚えてるし、その回を録画してるので時々見返します。
それも一つの答えだと思います!
ちなみに、その回は佐々木さんも出てました!たぶん覚えてるんじゃないでしょうか?