TOPトーク専門家毎朝の思考わたしが旅に求めるのは再現不可能な「一回性」09:05 2025年8月3日 6,807再生 問題を報告する 再生する シェアする AI目次再現不可能な旅の醍醐味とは?観光以前の旅のスタイルとは?旅の「一回性」への期待感期待を裏切る白神岳の夕景あなたにとっての「一回性」とは?AI文字起こし(β版) # わたしが旅に求めるのは再現不可能な「一回性」 おはようございます。佐々木敏直です。 相変わらずカルイザーに滞在していて、 もう8月に入ったので、かなり車も人も増えてきている。 中心部の旧カルギンザだったりとか、 あるいは駅前の大きなカルイザーショッピングプラザっていうアートレッドモールだったりとか、 あるいはほしの屋のハルニーテラスとか行くと、 人だらけで、 人を見に来たのか、車の渋滞を見に来たのか、 それとも高原に気持ち良さを求めに来たのか、よくわからないという状況になっている。 旅行に何を求めるのかというのは、結構難しいテーマだなと思っていて、 そもそも観光旅行というスタイルのものが始まったのは、 19世紀にイギリスが発祥だったというのは、 これ何度もご指示で喋っているかもしれないんだけど、 それまでの旅行は全く観光という要素はなかったわけなんですよね。 例えば、中世から近代にかけてヨーロッパで旅をするというのは非常に危険な行為だった。 クマとか、そういう危険な動物もいるし、盗賊もばっこしている。 そこを頑張って旅をすることで、貴族の若者たちは自分の心身を鍛え、 一人前の大人として認められるということをやるための一つの通貨切れでしかなかったんですよね。 そうでなければ後は交易のためだったりとか、 物を運ぶという純粋な商業的な目的による旅であった。 ただ観光じゃなかった時代の旅というのは、 受け入れる側、例えばどこかの村に泊まるとすると、 その村には観光客向けの施設や観光客向けのコンテンツなんか何もないから、 地元の人が食べるものを提供し、 地元の人が楽しんでいるものをその旅人にも提供し、ということだったんですよ。 つまり観光とその町の暮らしというものが別に分離されてなかったということなんですよね。 だいぶ前に、90年代の終わりくらいかな、 女性の友人がエストニアに旅をすると言い出して、 当時まだエストニアって本当にソ連崩壊したばかりであまり情報も何もない。 どんなところかもみんなよく知らない。 でもそういう面白そうなところだから行ってみたいと。 しかも泊まるのがホテルじゃなくて、農村の体験施設みたいなところに泊まるんだ。 で彼女は行ってきて、無事に帰ってきて、旅どうだったって聞いてみたら、 いやもう大変だったと。 何にしようこの農村の体験施設って言ってみたら別に何の準備もされてなくて、 ただただその農村の家の一個に泊まれるだけであると。 食事はあんのかって聞いたら、ここにこれがあるからこれを何とかしろって言って、 自分でパンをこねろって話だったみたいなね。 これこそがまさに観光以前の旅行のスタイルですよね。 でも今我々はどこかに食べに行くって言うと、そこに完全に観光のための施設が用意されていて、 そこで観光のためのコンテンツを消費し、観光のための食事を食べる。 そして帰っていく。 これがまあ今の当たり前の旅行になってしまってるんだけど、 なんかそれってどうなんだろうなっていつも思うんですよね。 もちろん別にそれを楽しんでいる人は僕は決して否定するわけじゃないんだけど、 自分自身の好みとして、旅への一回生みたいなものを期待したいなっていうところはある。 一回生って何かというと、この瞬間のこの体験でしか味わえない、二度と繰り返せないもの。 でも観光コンテンツって同じものが繰り返されるんですよ。 なぜならそのために作られているわけだから。 だから誰が来ても何度行っても同じようなサービスのホテルに泊まることができて、 同じようなメニューの料理を食べる。 もちろん式それぞれの工夫はされているけれども、 基本的には標準化されておいしい料理を食べることができる。 テーマパークとか観光施設みたいなところに行けば、 同じイベントやショーみたいなものが繰り返し演じられ、 それを毎回同じようにみんなが楽しむことができる。 言ってみればそれは映画を見に行ったりとか、舞台芸術を見に行ったりとかね、 あるいはVRのヘッドマウントディスプレイをつけて、 メタバスの空間を楽しんだりとか、そういうことと多分同じなんじゃないかなと思う。 でも一方で僕がやっている、例えばフラット登山のような山登りの世界というと、 全くそういう普通の人が歩かないようなところを歩くので、 何もそこに旅人向けのちゃんとした施設とかないんですよね。 食事も別に観光客向けのおしゃれなカフェなんかがあるわけじゃなく、 時に食堂に入ったりするんだけどそれは地元の人しか行かないような、 本当に街場のやたらと量だけ多い大衆食堂だったりする。 でもそういうところを歩いて、 全く観光客向けではないところで、 その街、その村の住民になったからの気分でブラブラ歩いているというところに、 繰り返しのない一回性の楽しさみたいなことを感じることが多いんですよね。 そういうものをやっぱり僕はどちらかというと好きで求めてしまっている。 最近沖縄でジャングリアっていう新しい体験型のテーマパークができて結構話題になっていて、 がっかりしたって話もあれば、すごい素晴らしいって話もあって、 どっちなのかよくわからないんだけど、 あんまりテーマパークとかに興味がないのもやっぱりそこなんですよね、個人的には。 観光客向けに提供された観光施設みたいなところに行っても、 そこには一回性がないんじゃないかということを最初にまず考えてしまったりする。 もうだいぶ昔なんだけど、秋田の白神山地に白神岳っていう最高峰の山があって、 白神山地は観光客が行ける場所が公園化されていて、 ここが白神山地のブナ林ですよっていうところをある種観光として歩くことができるんだけど、 あそこの山って実はあまり歩かれてない。 白神岳ってのは日本海側の本当に殺風景で何もない、 日本海の北の方特有の、なんか呆然とするぐらい荒れ果てたところに登山口があって、 そこに車を止めて、そこからずっと登山道を上の方へ上がっていく。 そんなに大変な登山じゃなくて、確か3時間か4時間ぐらいで頂上あたりまで行けたような気がするんですよね。 ちょっともうだいぶ前なんで記憶が薄らなんだけど。 頂上直下に小さな避難小屋があって、そこに泊まることにして、 ちょうど夕方の時間になり、そうすると日本海側だから目の前を大海原が広がっていて、 山頂近くの避難小屋のところから、そこに大きな夕日がずっと沈んでいく。 それを見ながら、何も期待していなかったけど、この瞬間この場所にいたせいでこんな夕日が見れたんだ。 なんか、ただ山を歩いてここに来ただけなのに、何かものすごく貴重で豊かな今この瞬間を味わっている気がする。 っていう風に思った。 なんかそういう一回性がいいなと思うんですよ。 別に夕日を期待して登ったわけじゃない。夕日の名所っていう風に知られているわけでもない。 実際その避難小屋、他に誰も泊まってなかったし、登山道でもそもそも誰一人会わなかった。 全く誰もいない大きな自然の中で、自分一人だけがそこにいるっていう、そういう感じだったんですよね。 そういう一回性の旅をこれからも続けていきたいなという風に、いつもしみじみと思うわけです。 ではまた明日。 もっと見る毎朝の思考佐々木俊尚09:051.わたしが旅に求めるのは再現不可能な「一回性」コメント感想・質問・応援メッセージを書こう たけ2025年8月3日一回性の説明を聞いていて、「孤独のグルメってこれでは…?」と感じました。人気の理由のひとつに、外食の楽しさのうち再現不可能な一回性もあるのかもしれないですね。返信 俊尚 佐々木2025年8月6日孤独のグルメ!たしかにそうかもしれないです。 Ryokonbu2025年8月3日旅の本質の話、本日も面白かったです。私も観光は好きですが、享受するだけではなく生き方に活かせればいいな、と思っていたので、ヒントになりました。ジャングリアは、沖縄県民による運営で、地域経済の活性化、雇用の創出というこれでの外資系や基地依存からの脱却という裏コンセプトもあるようなので、注目しています。返信 俊尚 佐々木2025年8月6日なるほど、ジャングリアにそういう視点が。わたしも注視していきたいと思います。 Juri Tomaru2025年8月3日“1回性”って貴重な瞬間に出会えているから、私も好きです。3返信 俊尚 佐々木2025年8月3日都丸さん、ありがとう。 北斎2025年8月3日日曜日の朝、良い思考をいただきました。ありがとうございます🌈6返信
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ジャングリアは、沖縄県民による運営で、地域経済の活性化、雇用の創出というこれでの外資系や基地依存からの脱却という裏コンセプトもあるようなので、注目しています。
ありがとうございます🌈