TOPトーク専門家毎朝の思考モグラと野良犬と地図製作者08:29 2025年8月31日 6,800再生 問題を報告する 再生する シェアする AI目次3つの研究アプローチとは?もぐら型研究の限界とは?野良犬型研究の危険性とは?地図製作者型研究の着眼点とは?論理破綻を防ぐ秘訣とは?AI文字起こし(β版) # モグラと野良犬と地図製作者 おはようございます。佐々木敏直です。 3週間ぶりぐらいに長野の軽井沢の拠点に移動してきているのですが、 さすがに東京猛暑で37度、38度ぐらいになると、 軽井沢も暑いですね。5度か6度ぐらい低いだけなので、どうしても30度を超えてしまう。 昼間日中はちょっとエアコンがないと厳しいかな。 とはいえ、東京ほど湿度があるわけではないので、日陰で風が吹いてくると、 やっぱり高原だなという感じでとても気持ちいいです。 虫の声もすごいし、セミも鳴いているし。 東京は暑すぎるのか、最近セミさえ鳴いていないし、蚊もいないというぐらいの暑さですよね。 こっちに来たらもうそろそろツクツクボウしか鳴き始めるかなと思ったら、そうでもなくて、 相変わらずジージーと真夏のセミたちが鳴いている感じがします。 新聞記者時代に取材のやり方として、いろんな聞き込みとか関係者取材とかで話を集めてきて、 それをどう結びつけるかというのを考えて物語を作っていく、物語というか筋書きですよね。 その時に先輩に何度か言われたことがあるのは、 佐々木、正座を書きすぎるなよ。正座を書く。 正座って大熊座とか、伊手座とかあるじゃないですか。 あの星の位置からああいう熊の形とか、そういうものを思いついた人はすごいなって思うんだけど、 でもあんまり知識が、僕みたいに星に詳しくない人間を空を見上げると、 よくあんな点でわらわらで星が散らばっているだけのところから、 それらを結びつけて絵を描いたなって感心するんだけど、 逆に言うと、その点でわらわらの星を無理に絵にしているという感じもしなくはないですよね。 ギリシャの人には失礼だけど。 その新聞社の方に言われた正座を書きすぎるなというのは、 一見脈絡のない点でしかない様々な情報を無理やり結びつけて一つの物語にしちゃう。 やりすぎると全く根拠のない星座になっちゃうよという意味なんですよね。 だから星座を描きすぎるなということを言った。 これは未だに思い出す言葉で、僕なんかの仕事は様々な情報をずっと積み上げていって、 ある一定の位置を超えたところではこれは一冊の本になるかなというところから本を書き始めるみたいなやり方をするんだけど、 その集まってきたデータ、情報、あるいは取材の内容、人と喋った内容みたいなものを無理やり結びつけて、 自分しか納得できないようないびつな物語にしちゃうという可能性、危険性が常にあるんですよね。 そうならないように心がけなきゃいけない。 最近読んだ本で、宇宙物理学の本があるんですけど、 その中に20世紀に活躍したジョン・ホイーラーという大変有名な物理学者の話が出てきて、 この宇宙物理学の本の本筋とは全然関係ないんですけど、 ジョン・ホイーラーの言葉が紹介されていた。 科学を進めるための方法には3つあるというふうにホイーラーは言ったというんですね。 その3つって何かというと、もぐらの方法、野良犬の方法、地図製作者の方法。 もぐらと野良犬と地図製作者。 どういうことかというと、もぐらは地面の中に潜っていて、ある地点から出発して、 体型に沿って前へ少しずつ進んでいく。 非常に体型的な進み方をする。 野良犬は匂いを嗅ぎ回ってうろうろして、手掛かりから手掛かりへと辿っていく。 地図製作者は全体図をまず最初に思い描いて、 そこに物事がどう噛み合うかというのを直感的に把握して、全体像を作るということをやるんだ。 この3つは非常にわかりやすいなと思う。 一般的な物事の進め方とか研究の仕方みたいなのは、たぶんもぐら的なんですよね。 体型的に少しずつ前に進めていく。 これは非常に王道ではあるんだけど、一方でなかなか前に進まない。 やっぱり新しい世界観だったり、新しい哲学みたいなものを考えるときには、 どこかでバーンと飛び越えなければいけないところがあるなと、 僕は自分の仕事指定で常々思うんですよ。 ただ、もぐら的な体型的なやり方だと、なかなか最後の一歩の飛び越えができなくて、 すごいじわじわとやっていくしかない。 もちろん逆に言うと間違えにくいというのもあるだろうけれども、 先へ進むのは時間がかかるというのもあるんですよね。 これは一般的な研究というものの進め方じゃないかなと思います。 野良犬が手がかりから手がかりをたどっていくというのは、 これはまさにさっきの星座を描くというのと似ていて、 確かに面白い手がかりがたくさん転がっているから、それを拾い集めていくのはいいんだけど、 その手がかりを拾い集めているうちに、 誤った物語を描いてしまう危険性が常に潜んでいる。 そうすると、僕はやはり自分がやるべきだと、この本を読んで思ったのは、 地図製作者の考え方だなと。 全体像をまず思い浮かべて、そこからスタートして、 そこに既に自分が集めてきた様々なデータが、 か不足なのかハマるかどうか、ちゃんと噛み合っているかどうか、 噛み合っていないのに無理やりガギガギと組み合わせると、 さっきの野良犬の方法になってしまうので、そうならない。 きちんとそれぞれのデータが滑らかに噛み合っているかを 常に考えるということなんですよね。 これはもう少し文章を書くとか、論理的思考という文脈の中で言い方を変えると、 ずっとこの論理構成を読んでいった時に、 途中で引っかかるか引っかからないかということなんですよ。 歯車同士がうまく噛み合っている時には滑らかに回っている。 なので決して金属と金属がカチャカチャと当たるような音はしないわけですよね。 でもうまく噛み合っていないところには、そこに金属同士がガリガリと摩擦を起こす音がしてしまう。 そういう摩擦を起こす音が聞こえてくるかどうかというのを常に考える。 つまりエビデンスやファクトを集めて、そこから積み上げて一つの物語を書いていく。 一旦一通りの流れを作り終えたら、そこでもう一度自分がやってきた足跡を見つめ直して読んでみて、 そこにガキガキという音がするかどうかというのを自分の心の中に耳を澄まして聞くというやり方をするんですよね。 いかにエビデンスやファクトを基に論理を積み上げて、その積み上げ方に論理破綻がないかどうかということを常に考えることが大事なんじゃないかなと思います。 というわけで今日は野良犬とモグラと地図製作者の話でした。 ではまた明日。 もっと見る毎朝の思考佐々木俊尚08:291.モグラと野良犬と地図製作者コメント感想・質問・応援メッセージを書こう K Kach2025年9月1日警察、検察の冤罪事件ですね1返信 タイツさん2025年8月31日お盆期間に長野に帰りましたが、確かに、湿度が低い分同じくらいの気温でも涼しく感じました〜1返信 俊尚 佐々木2025年9月4日湿度は大事な要素ですねえ。1 抹茶のかき氷2025年8月31日20年以上前、直接関係してはいないものの、身近で事件がありました。事件そのものもですが、全く関係のないものが事件を示唆するアイテムとしてTV報道に使われており、自分が見聞きしていない限り、全てを信じるのは危険と知りました。最近ではワークマン女子の話題。アパレル勤務の私には腑に落ちないポストでした。きっかけとなったポストもリプライも星座を描いていたのではないかと思っています。1返信 俊尚 佐々木2025年9月4日なるほど。ありがとうございます。 310MA2025年8月31日人によって見えている世界が違う。藪の中という言葉もあるくらい。他人との見え方のずれに最近改めて驚くとこも。失望さえ感じることもあります。陰謀論や思い込みによる誤解、どれも星座の見過ぎですね。レンズが曇らないよう磨き続けることを心がけたい。難しいですが。3返信 俊尚 佐々木2025年9月4日そうですね。
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確かに、湿度が低い分同じくらいの気温でも涼しく感じました〜
最近ではワークマン女子の話題。アパレル勤務の私には腑に落ちないポストでした。きっかけとなったポストもリプライも星座を描いていたのではないかと思っています。