TOPトーク専門家毎朝の思考国立近代美術館で今やってる戦争画展が震える凄さ09:25 2025年9月24日 7,480再生 問題を報告する 再生する シェアする AI目次国立近代美術館の戦争画展、その衝撃とは?想像を絶する戦争画の現実、その凄まじさ反戦?戦意高揚?意外な真実藤田嗣治『アッツ島玉砕』、そこに潜むもの戦争と人間の向き合い方、新たな視点AI文字起こし(β版) # 国立近代美術館で今やってる戦争画展が震える凄さ おはようございます。佐々木としなおです。 東京竹橋の国立近代美術館で 今、戦争画を集めた展覧会、企画展をやってるんですよね。 これ、ごく一部の美術会ですごくめちゃくちゃ話題になっているんだけど あんまり一般的には知られていない。 これはとてもとても見る価値があります。圧倒的。 戦争画って何なのかというと、いろんな定義があるんだけれども もっともわかりやすく言えば、戦争中に 戦争を記録するため、あるいは戦意を 鼓舞するために描かれた、様々な軍事作戦の絵画 ということなんですよね。 そういうものの代表的な作品がたくさん集められて 国立近代美術館で企画展になっている。 戦後初めてということはないんだけど 多分こういう戦争画だけを集めた企画展は非常に 稀なんじゃないかなと思うんですよね。 ただこれを開催するには相当神経を使ったみたいで いろんな関係の記事を読んでみると そもそも企画展はお金がかかる。 たくさんの作品を集めなきゃいけないし カタログを作ったりとか、ポスターを貼ったりしなきゃいけないので だいたいは新聞社とかテレビ局みたいなメディアと一緒に組んでやるんだけど 今回の件に関して言うと 一切メディアとの共済はしなかったというね。 東京アートビートというウェブのアート系のメディアの記事には その美術館のスタッフの回答が書かれている。 共済展は監局動員を図る様々な広報作を講じる必要があるが 本展をセンセーショナルなものにすることは美術館の本人ではないことや 学術的研究に基づきデリケートなメッセージを観賞者に伝えることを企画したため 途中段階でメディアとの共済を取りやめ 本美術館のみの実装展に切り替えたと明かした。 この結果、チラシもなければカタログもない。 大失敗だったのでカタログを普通に売っているだろうと思って 実際に観賞していろんな解説があって でも観賞に集中しようと思って 解説をメモしたりしなかったんですね。後でカタログを見ればいいやと思って。 ところが終わって出て ミュージアムショップでカタログを買おうと思って係の人に聞いたら すみません今回は作ってませんと言われて、えーという感じです。 もう一回観に行って 国名にメモを取ってくるか、あるいは写真を撮れるなら写真を撮ってくるか と考えているところではあります。 10月26日までやっているんですよね。 さらにこのタイトルも 戦争語で見たタイトルで全然していなくて コレクションを中心とした特集 記録を開く記憶を紡ぐというタイトルなんですよ。 そしておまけにサムゼルに使われている作品が 松本俊介という非常に有名な画家ですけれども 松本俊介の並木道という 戦争時に描かれた絵ではあるんだけども 単純にこの街の並木道を一人の人物が歩いている後ろ姿を描いているだけと ある意味その戦争画を描かないでね こういうものを描くことによって反する意志を表したというような話だと思うんですが このサムネイルの写真とこのタイトル記録を開く記憶を紡ぐを見るだけだと 戦争画の展覧会とは誰もわからないというね。 おそらく様々なハレーションが起きて 例えばそんな戦争画を国立近代美術館が企画展をやって 開催するなんて何事だとかに怒る人も多分出てくるだろうなと そういうのを危惧した部分も多分あるんでしょうね。 じゃあ実際にこの作戦の記録を描いた戦争画の数々を見てみて 一体どういう感想を僕がいただけたかというと 確かに中には繊維を鼓舞するような勇ましい絵もあります。 それは間違いない事実。 でも一方で大半の絵は 正直なストレートな感想を言えば むちゃくちゃ陰鬱で暗くて苦しそうなんですよね。 多分一番有名な作品は藤田すぐはる。 乳白色の肌の色で有名な画家ですけども この人はずっと戦争画を描いていた。 それによって戦後日本のガダンを追われて 結果的にフランスに移住せざるを得なくなり フランスで没したという数奇な人生を生んだ人なんだけど この人の戦争画の代表作はアッツ島玉砕。 アッツ島というのはアリューシャン列島、アラスカの方にある すごい北の方の寒い島で 日本がここを占領し、その防衛隊が 米軍と戦い最後は玉砕するというところを描いている。 もちろんその玉砕の瞬間に藤田が行っているわけでもなくて あくまで戦争の記録とかを見ながら想像で描いたという絵なんですけども これは陰鬱で暗くて見てるだけで気が見える。 見てるだけで気が見えるんだけど実はそこに 説明された解説がそんな話があるのか驚いたんだけども 戦争中にこの戦争画の巡回展みたいなのが行われて 藤田本人がこう書いてるんですよね。 青森で巡回展をしてこの厚斗玉砕の絵を展示した。 会場に一人で行ってみたら、その厚斗玉砕の絵の前に 跪いて両手を合わせて祈りを願っている人たちがたくさんいた。 結構高齢者が多い。つまり親世代だった。 しかも高齢者の中にはお祭銭を厚斗玉砕に投げている人もいた。 つまり神社にモデル化のように厚斗玉砕を見てたって言うんですよね。 藤田はこう書いている。生まれて初めて自分の絵が これほどまでに感銘を与え拝まれたということは まだかつてないことだった。 だから決してそれが戦意を鼓舞するというようなことじゃなくて もっと戦争とかそこで死ぬことに対する人間の根源的な 恐れとか悲しみとかが込められた絵がすごく多い。 これが結果的に戦意を鼓舞したのかというと、そんなことはないと思うんだけど 戦うということに対する大きな感銘を与えたのは間違いないんでしょうね。 それは果たして当時の軍あるいは政府の意向だったのかどうか というのはよくわからないんだけど ただこの絵を見ていて思い出したのは 映画で陸軍という、名称は木下圭介監督の戦争中の映画なんですけれど 田中紀夫さんという当時の人気女優が主演していて 自分の息子は出世していくと。 出世していく息子が行進しながら 小倉の街をずっと歩いていくのを お母さんの田中紀夫がひたすら追い続けるという なんとも言えないお母さんの内面が 全くセリフとしては表現されないんだけれども その苦悩とか何かが描かれている作品だった。 この絵は国策として戦異行為のために作られた映画ではあるんだけど 結果としてこの映画が公開されたことで 軍の情報局から木下圭介監督が睨まれて 戦争が終わるまで仕事ができなかったみたいなご実感があるらしいですね。 いずれにしろこの陸軍という映画にしても 藤田の厚党玉山にしても やはり単純な反戦とかではない あるいは単純な戦異行為とかでもない ある種の生々しい人間の戦争というものに対する向き合い方とか リアリティみたいなものがすごく感じられる。 そういう作品が今回すごく多かったのは 僕にとって非常に新しい発見だったです。 戦争があってそんな単純なものじゃないんだっていうね。 皆さん良かったらぜひ近代美術館を見に行ってみてください。 10月26日まで。 URLを貼っておきます。 ではまた明日。 もっと見る毎朝の思考佐々木俊尚09:251.国立近代美術館で今やってる戦争画展が震える凄さhttps://www.momat.go.jp/exhibitions/563コメント感想・質問・応援メッセージを書こう musiker212025年9月28日Voicyを拝聴し猛烈に気になったため今日行ってきました。「すごいものを観させてもらった!」としか言いようがありません。展示されている絵画がグイグイと私達に問うてくるものに圧倒されました。PR無し、チラシ無し、パンフレット販売もない。パンフレットはわずかながら収益になるはずなのに作らない潔さ、というか頑固さに共感しました。佐々木さんの放送で紹介されなければ決して出会えなかった絵画の数々。感無量です。本当にありがとうございました。これからも聴かせていただきますので、どうぞよろしくお願いします1返信 さかな2025年9月24日NHK日曜美術館でその戦争画展を放送していました。胸を締め付けられるような絵と、絵や画展の関係者や画家の方々の解説があり、戦争当事者でない私にも、涙ぐんでしまうような、深い悲しみが降り注ぐような感覚になりました。ただ佐々木さんが今回おっしゃっていた事はその放送では触れていなかったような気がしたので、今回こちらの放送を聞いて、また新たな事を知ることができて、更にあの戦争画展の深さを感じる事ができました。ありがとうございました。4返信 俊尚 佐々木2025年9月26日こちらこそありがとうございます。1 にゃんモナイト2025年9月24日全く知らなかったので、こうして紹介してくださると大変有難いです。行ってみます!3返信 俊尚 佐々木2025年9月26日ぜひ!1 Bob YAMADA2025年9月24日8月に見に行きましたが、戦争を一方的に賛美しているわけでも非難してるわけでもなく当時の記録を冷静に現代に繋げようとしている企画意図が感じられました。満州開拓の勇ましいポスターがある一方で、現地の子供や街並みのどこか物寂しい冷たい印象を与える絵が並んでいたり… 今後も継続してこうした企画ができるよう、図録購入がわりに寄付箱に些少ながら投入させていただきました。9返信 俊尚 佐々木2025年9月26日寄付されたのが素晴らしいです!1 侑2025年9月24日八月に訪れましたが、マスメディアとの共催がないことは見落としていました…!今は反戦を訴える新聞社も当時は国民を煽り立てていたことが展示でリアルに分かりましたが、新聞社が共催だとそういったメディア側の加害性も含めてフラットに展示するのがやりにくくなるという面もあっての単独開催だったのかな?と思いました。総じて政府だけが悪者・戦犯なのではなく、メディアの扇動、国民自身の熱狂などが絡まり合って戦争に突き進んでいった当時の空気感が伝わってくる優れた展示だと感じました。12返信 俊尚 佐々木2025年9月26日たしかにそういうメディア側の事情もあったのかも……。1 もっと見る
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今は反戦を訴える新聞社も当時は国民を煽り立てていたことが展示でリアルに分かりましたが、新聞社が共催だとそういったメディア側の加害性も含めてフラットに展示するのがやりにくくなるという面もあっての単独開催だったのかな?と思いました。
総じて政府だけが悪者・戦犯なのではなく、メディアの扇動、国民自身の熱狂などが絡まり合って戦争に突き進んでいった当時の空気感が伝わってくる優れた展示だと感じました。