TOPトーク専門家毎朝の思考フランスの「団地もの映画」が今ものすごく昏く熱い09:54 2024年3月25日 7,513再生 問題を報告する 再生する シェアする AI目次フランス郊外の団地を舞台にした映画とは?移民や難民、多様な人々が織りなす世界貧富の格差、社会問題を鋭く描くリアリティ絶望と希望が交錯する、昏く熱い物語フランス社会の未来を示唆する問題作とは?AI文字起こし(β版) # フランスの「団地もの映画」が今ものすごく昏く熱い おはようございます。佐々木敏直です。 雑誌で日頃ジャポンというのがあって バブルの頃に創刊された老舗の雑誌なんだけど この雑誌は本当に2回に1遍、大げさかもしれませんが フランス特集、パリ特集をしていて 最近の方でも保存版、あの人が愛するパリ案内とか 世界が恋する街、パリ最新ガイドとか パリ人の白書とか とにかくパリが大好きっていう。 そういえば新型コロナが猛威を振るっていた頃 海外にみんな行けなくなって 取材も回らないし、パリ特集をやっても みんな行けないのにどうするんだろうと思って 思わず日頃何をやっているのかなと思って見てみたら 東京で見つけたパリみたいな、そんな特集をしていて いろいろ頭をひねって考えるなぁと感心した記憶があるんですけれど フランスとかパリとかっていうのは 昭和の頃からバブルの頃にかけて 一貫して日本人の憧れの都市であった。 90年代、自分探しなんてのが流行った頃には パリに語学留学します、なんて女性がたくさん出てきて その頃読んだ本で 自分探しの落とし穴、ちょっとタイトル違ったかもしれないけど そんな感じの精神科医の先生かなんか書いた本で 自分は本当の自分じゃない、東京で働いている地味な自分は 本当の自分は西野川のあの空の下にあるんだと思って みんなパリを目指すんだけど 本当の自分なんてそんなものはないですよと もし本当の自分があるんだとしたら それは自分と自分を取り巻く人間関係の中にしかないんです っていう身も蓋もないことが書いてあって その通りだなぁと思いつつ パリの空の下に本当の自分なんかそれはあるわけないよな でもやっぱりそこに憧れていっちゃうんだよね 今ではすっかり目立たないけれど 昭和の頃にはフランス映画っていうのが ハリウッド映画並みに人気のあった時代もありました 俳優でいうとアランドロンとか ポール・ウェルボンドとかジャン・ルイ・トランティニアンとか いろんな俳優がいたんだけど オシャレなスーツを着て ちょっとダークな裏社会を描くフィルム・ノワールって言われるような 暗黒街の映画みたいなのがとても流行り 有名なのでは勝手に仕上がれとか太陽がいっぱいとか あるいはジャン・ギャバンが出てくる暴挙とかいろんな映画がありました 一貫してやっぱりフランスはオシャレなイメージっていうのはついてました でもあれからフランス映画のブームからもう半世紀以上が経って それこそバブルの頃のパリに憧れてみんながシャンゼリーに 高級ブランド品を買いに行くみたいな 日本人の円高の世界で金を使いまくるみたいな あのバブルの時代からももはや40年30年が経って だいぶフランスそのもののイメージも変わりつつある それを最近すごく感じるのが映画なんですよね ダンチモノって日本語で呼んでしまうと なんだか違う日活ロマンポルノの怪しい昔の映画を思い出してる人もいるかもしれないけど もう少し向こうの用語を使えば万流映画という 万流というのはフランス語で郊外って意味らしいんだけども 今フランスのパリ中心地の旧市街はともかく 郊外にはたくさん公営住宅ができて そういう公営住宅ってのは所得制限で非常に家賃が安くて 収入の低い人が住んでいる どうしたのかというと基本的には移民難民ですよね フランスはもともと中東アフリカに広大な植民地を持っていたので 第二次世界大戦が終わってからその植民地の人たちが 仕事を求めてフランスに流入するようになってきた 加えて近年のシリア難民の流入とかいろいろなことがあって フランスもかなり多国籍化しているわけです 実際90年代は本当に多文化共生といって もう中東の人もアフリカ人も あるいはもともとのフランスの白人も 互いの文化を大切にして共有しようという 多文化共生という方向に何とか進めようとしたんだけど 結果的にあまりうまくいかなかったというのは言われているんですね 現実のフランス社会ではそういう移民や難民が住む 低所得者層の住む蛮流の団地と それから高級なアッパーミドルの白人の世界というのは完全に分断している だから最近のフランス映画でも ライトなコメディーものとか見ると本当に白人しか出てこなくて もうありがちなカトリックの国らしい 大家族もので郊外の高級な別荘みたいなところに おじいちゃんおばあちゃんが住んでて そこに白人の一家全員が集まって そこで相続をめぐったりとか 家族のトラブルをめぐったりあるいは離婚再婚みたいなのがあって わさわさといろんなことが起きる でも最後はハッピーエンドで終わるよねっていう 割に伝統的なフレンチコメディーみたいな映画もあるんだけど 一方で蛮流の低所得者団地を舞台にした すごくダークで暗い鋭く現代を切り裂くような映画もたくさん登場してきてるんですよ 最初に僕はそれをすごい意識したのはガガーリンっていうね ガガーリンと言っても宇宙飛行士のガガーリンじゃなくて その名前から撮ったんだけど パリの郊外にあるガガーリンという実在の団地 そこを舞台にしてそこで暮らしている若者たちを描いた映画2020年でしたかね 日本で公開したのはおととしぐらい2022年かな 今年に入ってこの春に立て続けにやっぱりまた蛮流映画が登場してきてる 一つはザッタワーっていうこれはもうある種のSFなんだけれども 突然蛮流の低所得者向け団地の一棟が闇に包まれて外に出れなくなる 手を差し出したらその外側で手首がちょん切れちゃったりとかで 全く生きていけない世界になっている その団地の中で派閥があるわけですね フランス系、白人系とかアラブ系とかアフリカ系とか その彼らが血で血を争うっていうそういう話です ジェイジ・バラーとテスヘガーのSF作家のハイライズって小説があって 映画化もされてるんだけど あれも似たようにターマンで低層階の貧困層と高層階の金持ちが争うっていう 階級闘争を物理的に描いたような不思議な作品だったんだけど あれとは全く違っていて全体が貧しい薄汚い世界の中で 本当に血で血を争う先行きのない絶望的な映画だった さらにもう一作、バティモン5っていう映画ももうすぐ公開されるんですよね これも本当にある団地が市庁の一層で住人たちが全員追い出されるっていう そういう絶望的な話で出て行っても行く先もないし家具も置いたままなので みんなしょうがないから窓から自分の家具を投げ落として それを拾い集めたりとかっていう何とも言えない展開の映画なんだけれど ザ・タワーとかガガーリンとかあるいはバティモン5とか見てると フランスの多文化共生の末路のこの先どうしていいのかわからない アイロンにはまり込んだフランス社会っていうのがすごい鋭く描かれていて それは暗くて絶望的なんだけど でも映画の作品としては超一流に素晴らしいんですよ もう白人大家族もののフレンチコミュニティとは全く違う世界がそこに広げている だから皆さん今フランス団地もの 本当に注目した方がいい映画の新しいジャンルだと思います ではまた明日 もっと見る毎朝の思考佐々木俊尚09:541.フランスの「団地もの映画」が今ものすごく昏く熱いコメント感想・質問・応援メッセージを書こう そっぶー2024年4月14日フランス団地映画「ガガーリン」観ました。私の知るフランス映画とは異なる世界観で、フランス社会の陰の面、そこで暮らす人々とその気持ちを垣間見ることができ、とても興味深かったです。新しい世界を紹介していただき、ありがとうございます!1返信
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私の知るフランス映画とは異なる世界観で、フランス社会の陰の面、そこで暮らす人々とその気持ちを垣間見ることができ、とても興味深かったです。
新しい世界を紹介していただき、ありがとうございます!