TOPトーク専門家毎朝の思考AIの収穫逓減という問題を解説08:33 10月2日 7,140再生 問題を報告する 再生する シェアする AI目次収穫逓減とは何か?具体的な例で解説IT業界の「収穫逓増」との決定的な違い膨大なAI投資と現状の生産性ギャップ経済学者も指摘するAI投資の課題とはAI投資回収への鍵「フィジカルAI」の可能性AI文字起こし(β版) # AIの収穫逓減という問題を解説 おはようございます。 須貝利信直です。 今、AIの企業が収穫低減じゃないかって話が話題になっていて 今日はこの収穫低減とAIって話を少し解説してみようかなと思います。 収穫低減って何かっていうと 物を生産するときに 原材料とかリソースを増やせば増やすほど 出来上がる生産量が増えるかというとそんなことなくて コストだけが増えて逆に 出来上がる生産量が減っていくというのが収穫低減なんですよね。 農業が一番わかりやすくて 例えば 100個の種をある面積に作付けすると じゃあ100キロの 作物ができるとする。 じゃあこの100個の種を200個にしたら 200キロの作物になるかというとそんな風にはならないですよね。 ある限界を超えると密食になってしまって 生産量が増えなくなってしまう。 だからどんなに投入するリソースを増やしたとしてもこれ以上増えなくなる。 逆に減ってしまう可能性があるというのが収穫低減なんです。 もっと身近な例で言うと勉強量と試験の成績。 全然勉強してない人が一生懸命勉強していくと試験の成績が上がるよね。 今まで1日30分しか勉強してなかった高校生が 1時間勉強するようになれば点数は50点から70点ぐらいまで上がるかもしれない。 でもそれを再現なく勉強量を増やして3時間も4時間も5時間勉強したからといって ますます90点100点になるかというとそんなことはないわけですよね。 やっぱり脳の限界があってその人の才能もあるだろうしね。 ある程度のレベルまで行ってしまうとそれ以上勉強量を増やしても 全然成績が上がらなくなってしまうということが起きる。 これに対して90年代末ぐらいから言われるようになったのは収穫提増という 逆の出来事が 情報通信テクノロジーの世界で起きている。 例えばアプリケーションみたいなものを作る時に 1個作るのに費やすリソースは結構大きいよね。 でも一旦作ってしまうとそれは再現なくコピーできるので どんどん生産量を増やすことができる。 つまり投入するリソースの数は一定なのに 生産量だけがどんどん増えていくというのがデジタルコピーの世界だから これはすごくコスパが良いよね。これを収穫提増と言ったんですよね。 だから少人数の本当に10人ぐらいのスタートアップがアプリケーションを開発します。 そのアプリケーションをバーンとアップストアで爆発的に売れたりすると すごい勢いでお金が入ってくる。 全然使っている人員とか増やしてないのに 一人当たりの売り上げが10億とか100億とかになってしまうことがある。 これが収穫提増なわけです。 基本的にこの効率の良さが ITの世界の特徴だってずっと言われてきていて だから少人数のチームですごい大儲けできるのが良いことなんだと 収穫提増なんだというふうに言われてきた。 ところが今のAIって アプリケーションとは全然違う。 なぜかというとアプリケーションの場合は一回作ってしまえば あとはそれを改良していくだけです。 そんなに大量のリソースは よほどのメジャーアップデートをしない限り必要ないわけですよね。 ところがAIっていうのは とにかく進化させようと思うと ものすごい莫大なコンピュータパワーと電力を必要とするので 進化すればするほどものすごくお金がかかっていくわけですよ。 これが今AI企業の足を引っ張っていて ほとんど農業と同じじゃないか。 要するにAIを今の能力を1.5倍にしようとすると そのために何かかかる投資金額が10倍になるくらい 完全農業と同じ収穫提供モデルじゃないかということがやっている。 先日MITテクノロジーレビューに載ってた記事で AI投資1兆ドルの長尻は生産性2.7倍が必要と経済学者たちは悲惨する という見出しがあって これはどういう内容なのかというと AIデータセンターの投資が 今後来年2027年までに1.1兆ドルぐらいになる。 すごいですよね。170兆円ぐらいですかね。 ところが今年のAI関連の総収益は 1500億ドルから2000億ドル、つまり 20兆円から30兆円ぐらいしかない。 そうすると 3分の1ぐらいに留まるわけですよね。投資額のね。 だから投資の元を取るには生産性を2.7倍にする必要があると 一山もあるみたいなことが書いてあって ただ実際経済統計を見ると AIによる生産性向上はまだ見られないよね。 だからAIはすごい勢いで進化してるんだけど それをまだユーザー企業が十分に使いこなせていない。 単に事務処理にしか使ってなかったりする計算、日本でもよく言われていて もう少しAIによる予測機能みたいなものをもっと大胆に 経営戦略とかに取り入れなきゃいけない。 あるいはビジネスプロジェクトそのものをAIによって変えるみたいなことをしなきゃいけないんだけど そこまで進んでないので 結局AI投資による生産性向上はまだそんなに大きくないよね。 だからこのAI投資160兆円ぐらいってなかなか 見合う生産性向上が現れないっていうのが世界的に言われているわけですよ。 一方で資金調達はしなきゃいけないのでオープンエアにしろアンソロピックにしろ だから上場してガッとお金かき集めるかみたいな話になったりとか あるいはソフトバンクあたりがもう追加で支えをドカンと発行するみたいな話になったりとか 一生懸命やってるんだけど 果たしてこれがいつまで持つのだろうかと。 いずれはAIの巨額投資に見合うだけの経済成長が起きるというふうには僕は思うんですよね。 ただそれが反転してドカンと実質 経済成長率が上がってくるのがいつになるかというとまだタイミングがよくわかんない。 それまで4年も5年もかかるんだったらその間の投資額は一体誰が負担するのか。 投資機関もそこまで持ちこたえられないよねという話になってくるわけで そういう意味では今AI企業というのは非常な軌道に立たされているのは間違いないだろうなという感じがします。 突破口としてはフィジカルAI、つまり自動運転だったりロボティクスだったりとか あるいは日本の製造現場へのAI導入だったりとかというところで ホワイトカラー業務の支援としてのAIではなくて 物理空間、製造業とか車の運転とかそこでのAIの活用によって 収益がドカンと上がるということが期待できれば AIへの投資も見合うことになる可能性もあるだろうなと。 ここも今どこまで普及するのかわからない。 日本でもようやく来年になって完全無人タクシーが走り始めるというレベルですからね。 だから収穫が少ないという収穫低減、だからどんどんどんどん投資が出落するんだけど そこまで収穫が増えてこないというこのAIの収穫低減問題というのは 今後中期的には非常に大きな問題になるだろうなと。 来年ぐらいはこの問題どうクリアするのかというのが大きな議論になってくるんじゃないかなというふうに考えております。 ではまた明日。 もっと見る毎朝の思考佐々木俊尚08:331.AIの収穫逓減という問題を解説コメント感想・質問・応援メッセージを書こう
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