TOPエンタメ映画・本荒木博行のbook cafe真山仁さんに伺う「正しさ」の疑い方 その337:48 2022年11月30日 9,123再生 問題を報告する 再生する シェアする AI目次小説がもたらす他者の人生経験ミステリーで磨く「嘘」を見抜く力アガサ・クリスティを「2度」読む秘訣ビジネスにおける「正しさ」の欺瞞チャップリンに学ぶ「揺るぎない信念」AI文字起こし(β版) # タイトルコール あらきひろゆきのブックカフェ。この番組は、自分の頭で考える読書の執筆者であり、 書籍予約サービスフライヤーのアドバイザーを務めるあらきひろゆきがマスターとなり、 本からの学びを楽しむカフェです。 # 初めのあいさつ みなさん、おはようございます。11月30日、水曜日の朝になりました。 さて、3日連続の真山さんの対談、最終日になりました。 今日はですね、ミステリー、アガサ・クリスティー、この辺の魅力であり、読み方についてちょっと伺っております。 みなさん、クリスティー読んだことはありますか? 僕も中学時代に結構ハマったかなという記憶がうる覚えにあるんですけれども、 いやー、最近読んでないなと思って改めて買い直しました。 いいですよね。やっぱりね、なんだろうな。 やっぱり読み方があるっていう話もね、とても勉強になりましたし、 ちょっと収録の後にね、真山さんに具体的に読書会にお誘いいただきまして、 ちょっとね、参加してこようかなって思います。 どんな感じなんだろう。 ということで、最終日になりますが、いきましょう。本編スタートです。 # 4周年記念オンラインオフ会のご案内 本編に行く前に一つだけご案内です。 昨日もご案内しましたが、 明日になりましたね。 12月1日木曜日夜7時から ブックカフェ4周年記念オフ会があります。 ということでリンク貼っておきますので、 もし来られる方はご気軽に参加ください。 では本編スタートです。 # クリスティ作品は2度読め はい、それでは対談の最終日になります。 マヤマ・ジンさん、ゲストでございます。どうぞよろしくお願いします。 よろしくお願いします。 昨日はね、正しさとは何かとか疑うとは何かみたいな、そんな話をちょっと中心に聞かせていただきましたけれども、 最終日、ぜひそのマヤマさんのこの小説という、そこがね、面白いソリューションですね、本当に。 初日でも申し上げましたけれども、あ、小説っていいんだとかね、ミステリーってそんな紅葉があるんだみたいな話を改めて再発見した感じなんですけれども、 ぜひその辺のマヤマさんなりのミステリーとの付き合い方だとか、小説ってこんな面白いんだぜみたいな話をぜひ聞いてみたいなと思っております。 はい。 じゃあ、ぜひ、どの辺でもいいんですけれども。 あの、いろんなところ、例えば講演会とかで皆さん小説を読みましょうってよく言うんですけど、 小説の魅力って1回目の時も言いましたけど、やっぱり文字を能動的に読むことで、 頭の中で場面が、人は想像していく中で物語が動くっていうのは、脳にはものすごい刺激になる。 これがまずすごい重要なんですね。 さらに小説は大抵感情移入ができるように作ってあるので、主人公や登場人物の人の気持ちになって一緒に、 その中で読んでる人もアトラクションのように冒険やいろんな経験をしていくんですね。 もう少し、何ていうの、概論的に言うと、結局小説の中で他人の人生を生きてるんですよ。 他人の人生を生きるっていうのは、結局何かというと、若い人はみんな、 自分には人生経験が少ないからこういうことが分かりませんって誰でも言うんですけど、 小説をたくさん読んでると、いろんな人の経験を小説の中ですけど知ってるんです。 例えば恋愛小説の好きな人は、失恋してたくさん彼氏や彼女ができてるんですよ。 それを人生でちゃんと活かせばいいんですよね。 なかなか恋愛小説読んでるから、いつもいつも恋愛の達人になれないところが人間の面白いところなんですけど。 これが一つ重要な点であります。 もう一つは、日本の小説は比較的主人公というか、視点を持った登場人物が一人の場合が多いんですけど、 私は主人公のことを視点登場人物って呼ぶんですけど、 それはどういうことかというと、登場人物のすぐ後ろにカメラがあるんですね。 このカメラがあることによって、読者は登場人物と一緒にいろんなところに行くことができる。 もう一個重要なのは、このカメラは内面を映すんですよ。 例えば、自分の登場人物が一人がいろんな会話をしてるけど、 今日の会話はつまんないけど、早く二次会、別のとこ行こうと思いながら、 ははははって笑いながら、ナイフを動かしてるのも全部撮れる。 例えば、議論をする。 例えば、戦争と平和の話をしているときに、 この人の言っている平和は絶対違うと思うわ、みたいなことをやると、 読んでいる人は、その登場人物の考えている発想をそうだと思う人がいれば、 私は違うなって思うこともあるんですね。 これを複数の視点登場人物を作ることが、いくらでも小説ができて、 私の場合でも多分3人から7、8人の視点登場人物が出てくると、 一つの問題を別の価値観の人たちと議論させるときに、 カメラが何台かあると、同じ現象を全然違う価値観の人たちで読むことによって、 その人はみんな経験しちゃうんですよ。 昔、目視という小説で、農薬の問題を扱ったときに、 農薬を開発した研究者と、農薬のせいで蜜蜂がたくさん死んでしまった 養蜂家を対決させたんですね。 最初の場面は、農薬の開発者の視点でずっと攻撃されているのを、 彼は淡々と自分は研究者として、農薬は安全ですと言い続けている。 なぜ安全であり、なぜ農薬が必要かというと、延々と言うわけですけど、 その一方で、蜜蜂に対する配慮が足りなかったんじゃないかとか、 いろんな説明をされると、そこはそこでうなずけるものがある。 今度、それが、場面が変わって、逆に今度は蜜蜂の、 養蜂家の人の視点の側に移ると、 今度は最初のうちずっと回帰的だった農薬研究者の言うことが、 だんだん分かるようになっていたりするんですね。 つまり、この違う価値観の人たちが理解し合う過程みたいなものも、 視点登場人物を上手に使うと分かるようになるという意味でも、 一人の主人公だけではない、いろんな人の登場人物の経験が、 読んでいくだけで身につくんです。 これはすごい重要に大きい。 さらにそこで、今回のテーマは正しい疑いなんで、 正しい疑うというのに一番分かりやすいのがミステリーなんですね。 なぜなら、ミステリーというのは、被害者と加害者がいて、 加害者はできるだけ捕まりたくないから、 一生懸命いろんな仕掛けをする、トリックを使う、嘘をつくっていう場面をたくさん用意して、 そこの中で一生懸命探偵、刑事が逃げようとするわけですけど、 読者はそれを追いかけながら、誰が犯人か、 どうやって犯行に至ったかを探すわけですけど、 そこの中にたくさんいろんなシチュエーションや発言によって嘘や虚構が出てくる。 そこを読んでいる人がどうやって見抜くかによって答えに行きつくんですよ。 そうすると、なかなか普通の生活では、 このまま嘘かどうかとか、違和感が持てなかったとかっていう経験も、 ミセルを読んでいると、おそらく最初のうちは大抵の読者は騙されていくので、 悔しいんでなんで騙されたのかと思うと、 あの時の発言は嘘だったのかってわかるようになることで、 自分たちの疑うことや違和感みたいなものを身につくようになる。 それは自分が感情移入をして経験できるから身につくんじゃないかって思っています。 本当にそうですね。 疑似体験みたいな話がありましたけれども、 それぞれ自分の正しさを持っているみたいな。 登場人物それぞれが。 だから絶対的な正しさみたいなことって幻想で、 それぞれの正しさがあり、 そういう世界だよね、ここみたいなことって。 だから自分の正しさっていうのもその中のワンオブゼムに過ぎないみたいな。 そんなことですね。 人の数だけ正しさはあって、 逆に言うと絶対的正しさも絶対的誤りもない。 だからわかりやすいのは宗教で、 キリスト教徒とイスラム教徒の人にですね、 どっちの宗教が正しいかって質問ってこれは疑問なんですよ。 宗教に正しいとか悪とかない。 信じてる人が自分がその宗教を信じることによって心に平安があれば、 それはその人が必要な宗教なんです。 正しいか誤りかっていう判断ではなく、 必要か必要じゃないかってことですよね。 あるいはよくM&Aとかで、 ワン州で負けた側が人としてダメとか、あんなの正しくないよって言います。 あれ負け犬の遠吠えみたいなもんで、 勝ち負けしかない中に正しさを持ち込んでくるんですよね。 だからそういう意味では、 自分が正しいことを真に思ってやることはすごい良いことです。 でも押し付けてはいけない。 だって相手の正しさはいつもあなたと同じではない。 それを感じてもらうには小説がすごく、 自分の正しさがうまくいかないかどうかしたらその人を殺したわけですよ。 もしミステリーならね。 でもやっぱり殺したことによって本音を苦しみながら、 自分の正しさにだんだん怪奇的になるから、 人って面白くて、 それがその場合によっては、 誰が殺したかよりも、 罪の重さにどんどん自分が潰されていくようなタイプの犯罪小説を見せる中にあるんで、 それによって正しいってものになってわかることもできる。 はい。 その中で真山さんがアガサ・クリスティを絶賛されておりまして、 私も最初に読んだの、そして誰もいなくなったかな。 そこから中学生ぐらいだったと思うんですけれども、 クリスティはまりましたけれども、 真山さんにとってクリスティというのはどういう存在なんですか。 私はまさにアガサさんと同じで、 私はオリエント急行の殺人が最初だったんですけど、 映画やってたから、 映画に見れるチャンスを意識したので、 先に小説を読んだのが実は幸運の始まりなんですけど、 そこはもう中学、中高生時代ずっとクリスティを読んでましたけど、 なんで私がクリスティを推薦するかというと、 クリスティの登場人物って大半が嘘つきなんですよ。 ものすごい嘘つきオンパレードなんです。 本当に上手に嘘をつく人ばっかりで、 店には当たり前ですけど、嘘つきが何人かいるんですけど、 大抵の人は嘘をつかない人のパターンが多いんですけど、 なんでそんなに嘘をつくかというと、 ここがまず嘘をつく理由を多くの人は勘違いしていて、 犯人だけは嘘をつくのではなく、 例えばその犯行時間に自分のアリバイがなければ、 アリバイが欲しいから嘘をつく人もいるし、 誰かを守ってあげたいと嘘をつく人もいるし、 自分で嘘をついているつもりがないんですけど、 勘違いだったこともあるし、 結局いろんなですね、 読者には嘘に聞こえる要素がたくさんあるんですね。 それをモザイクのように散りばめていって、 最終的にはその嘘が一つずつ解きほぐされていくと、 必然的に犯人と、もう一つなぜというのが、 はっきり出てくるように作るのの達人なんですよ。 店でみんなそういうもんだろうっておっしゃるし、 中には正しい疑いでクリスティを取り上げたときに、 例えば日本の店でダメなんですかと聞かれるんですけど、 ダメとは言わないんですけど、 確率の問題で、 クリスティは傑作の確率がむちゃくちゃ高い。 多分7、8割は、 日本人の作家がタバになってもかかっても、 超えられないレベルの水準をまず持っているってことは、 例えばどういう本がいいですかってお勧めしますけど、 最初の挨拶からは言われたものを読むでしょうけど、 面白ければどんどん読んでいくときに、 途中で急に面白くなくなったり、 これってミスでしょ、ダメじゃないのって思い始めると、 せっかく学んだことが全部ダメになっちゃったりするんですよ。 読者の生理として。 どこまで読んでもクリスティは嘘つき集大成をやりながら、 必ず最終的にそれを解き明かすと答えが出てくるっていうのを 作り続けることができる。 さらに読みやすいんで、 読みやすさってすごい大事で、 読みやすいとスルスル読んでいくんで、 嘘が見抜けなくなるんです。 これは社会と一緒です。 お話の上手な人、あるいはメディアやSNSで、 自分がこの人のことを信頼している人の情報をスルスル読むんですよ。 共感しているから。 難しかったり、抵抗感のある書き方や登場人物が山のように出てくる人って、 結構読み手がちゃんと、 この人の言ってることおかしいよねって気づいちゃうんですけど、 読みやすいページターナーの小説って、 実は読みやすさこそ最大の嘘なんですよ。 なるほど。 だから、つまり、 私が言いたいのは、日本人は何でも人の話を信じやすいんです。 メディアの話も信じやすいし、 SNSの話も信じやすいんです。 それで不幸になっていくんで、 だから、その信じやすいってのは読みやすさと同じなので、 だから、これに騙されてはダメですよって。 読みやすい話はみんな、そこにはいろんな罠があって、 その罠を気づかなきゃいけませんよって。 で、最終的に見事に騙されて、 またやられちゃったって思って、 あそことあそが嘘だったんだなって思うことが、 やっぱり、さっき言った違和感とかですね。 あるいは、嘘って決して悪じゃないんだっていうのは、 嘘はつくの良くないんですけど、 殺人犯だけがついている嘘ではない、 いろんなシチュエーションがあるんだってことを考えると、 世の中はたくさんの嘘があって、 その嘘は悪意だけではないんだっていうのは 分かるようになることで、 肩の荷が下りるんですよ。 嘘は悪い人だと相手を決めつけると思ってるんですけど、 そんなもんではない。 だから、それが分かるようになると、 違和感を持ちましょう、 いろんなことを自分の中で自分事に考えましょうっていうのを 訓練にもなる。 だから、ミステリーを読みましょうっていうのを、 私はミステリーオタクだから、 オタクを増やしたいからではない。 これはあくまでも、 あなたは正しいを疑いたい、 違和感を持ちたいんですよね、 だったらクリスを読んでみませんか? ちょっとだから趣旨が、 結果的には同じかもしれないけど、 そこは違うんです。 嘘っていう話、 今お話いただきましたけれども、 ビジネスの世界でも、 嘘とは言わないまでも、 ある意味ポジショントークみたいなことって、 あります。 あるじゃないですか。 この企業でこういう立ち位置であるから、 こういう発言をせざるを得ないみたいな。 それも一つの嘘と言えるかもしれないですよね。 そうですね。 それを鵜呑みにしちゃう、 聞き手だとか読者がいるかもしれない。 でもそこはちゃんと、 そういう構造なんだっていうのを疑わなきゃいけないっていうのは、 ありますね。 ポジショントークなんかも典型なんですけど、 嘘ではないんですよ。 重要なのは隠すっていうことですよね。 つまり、よくメディアを増すゴミっていう人がいたりしますけど、 少なくとも主要メディアの記事の事実関係は、 そんな嘘はないです。 ただ発信者に思惑があるんで、 発信者のことの発信の情報が100%起きてることを正しく伝わっているかというと、 発信者は自分たちをいいように思われたいのに、 2割か3割は隠してるんですよね。 今の記者がダメなのは、 隠してるものを探す努力をしなくなったからなんですよ。 だから嘘を書いてるのではなく、 なんとなく向こうのいいように発言されたものを書いてしまってるから、 やっぱりなんとなく騙されてるんじゃないかってみんなが思ってるってことは、 ミスでもあるんですけど、 そこは尋ねられなかったから答えませんでしたって、 よくミスで出てくるんですけど、 つまり何かを喋ってる時に、 本当かなって思った人の次のステップがあって、 それはなんでこんなにここを強調するんだろうか、 つまりこの人はここを強調しなきゃいけない、 隠してることがあるんだなって気づくようになるんですよ。 それが結果的にはすごい重要なことであり、 もしかするとミスで謎を解く鍵になるんですよ。 だからやっぱりポジショントークをしてる人の場合は、 あなたの意見はわかるけど、 でも現実にはこういうことが起きてるけど、 じゃあそれはどうしたらいいんですかっていう、 人の話を聞きながら、 これはこの人の意見である、 私は全てを受け入れるわけではないんだっていう、 少し距離を置いてうんうんって頷かない自分がここにいて、 じゃあここを聞いてみようっていう、 準備をするような目を持つようになるためにも、 前の目で人の話を信じちゃダメなんです。 僕も大学生に教える立場でもいるんですけれども、 今のメッセージは本当に聞かせてあげたいなと思ったんですけど、 やっぱりリサーチとかして、 このビジネスの将来性ってむちゃくちゃでかくなりますって、 そういう図を貼って、 だからこういうあれでこういう勝負しますっていうのはあるんですけど、 そのでかくなりますって、 どこが出してるデータ?みたいな。 そうそう、すごい大事ですそれ。 まさにポジショントークまみれの、 語るべきことを語ってない、 でも嘘ではない、 そういうデータとかを信じちゃうみたいなことってありますよね。 データは要素と視点が変われば正反対になるじゃないですか。 すべてはプラスもマイナスも含めてリスクですよね。 リスク計算するわけですよね。 リスクって起きるかもしれないけど起きないかもしれないことを言うんですけど、 ポジショントークする人は自分たちの都合のいいところを切り取って言うかもしれない、 あるいはそういう要素だけで調査をしてもらった経済効果が一番わかりやすいんですけど、 オリンピックをやると50兆円の経済効果があるって、 結果的に誰も検証しないんですよ。 どこに50兆円儲かったか説明してくれよって。 そしたらあれは効果があると見られるって発表しただけだって言うんですよね。 でもわーって言うじゃないですか、事前には。 だからデータがあればエビデンスがあって、データがあればそれは説得力があるっていうこと自体がまやかしなんです。 そのデータ予想でしょって。 だから結局自分たちの都合のいいものをちゃんとまとめて発表できるプレゼンテーションっていうのが、 本来いいプレゼンテーションなんで、 だからそれはあなたの都合だよねって。 あなたは今私に物を売りつけようとしていて、 私は財布を開くためにいっぱいいろんな情報をくれてるけど、 それ開きたくない人の情報も聞いてみたいなっていうのが大事なんですよね。 でも上手に喋られちゃうと、それはチャンスだねって。 今しかないって言われちゃうと。 だからやっぱりそういう時に、 特に若い人に言わなきゃいけないのは、選択肢をくださいっていう言葉を覚えましょうと。 その一つの答えが絶対に正しいって100%ないんで。 それはあなたの提案はその一つの将来像でありますよねって。 じゃあ最悪の将来像はどうなるんですかって。 それは言えないって言ったら、 じゃあそれを言ってから来てくださいって頼むか、 じゃあ我々が調べるから待ってくださいって。 それを見た時のバランスを見て、この人の話を信用できるかって考えなきゃいけないんですけど、 多くの人はゼロかイチ、つまりイエスかノンしかない一人の提案だけを見て判断するから、 だからついつい巻き込まれちゃうんですよ。 なるほど。 最後になりますけれども、今語られてきたことを踏まえてですね、 もう一つ真山さんの作品のプレスっていうね、 これの僕第一章目にあるチャプリンの話がすごい大好きで、 ある意味ブレない自分を持って、一方でユーモアを持った、地に足のついた人物として書かれてると思うんですけれども、 だから今真山さんがお話しされていたことが、僕の中でのこのチャプリン像とちょっと重なってきたことも。 わかりました。ありがとうございます。 このメッセージも僕はすごく大事に受け取ってます。 揺るぎないこと、変わらないことって大事だと思っていて、 これ断固であるってことじゃなくて柔軟性は大事なんですよ。 変わらなきゃいけないことと変わってはいけないことがあって、 例えばチャプリンの例にすると、チャプリンはいわゆる喜劇俳優、コメディアンなわけですよね。 つまり彼は社会を批判するのも、時代に対して警鐘を鳴らすのも、恐怖を感じるのも、 コメディアンとしてのスタンスを守るってことで、彼は僕は政治家じゃないって何回も言ってると思うんですけど、 つまり自分の役割はその役割の中でちゃんと完結しなきゃいけないっていうところから揺るぎがない。 そこがやっぱり素晴らしいと思うんですよね。 だからその意味では、彼を見ていて、私は小説家であるって立ちは絶対変えたくない。 ノンクションのロッキードを書いても、あれは小説家が書いたノンクションでありたいって思って、 諸懸命小説家的なものを漫行文化するときに考えたんですけど、 つまり小説家は何かっていうと、小説ってどうやって人が生きるかっていうことを考えるためのもんだと思ってるんですね。 もちろんエンターテイメントであることは大事ですけど、だからそこの中で私は常に、 私たちの社会はこんな一つのテーマだけを白か黒かっていう社会でいいの?ってそうじゃなく、 もっといろんな価値観があって、多様性とかいうなら一生懸命多様性を考えようよっていうのを小説に込めるっていう、 その基本スタンスはチャプリンなんかを私も自分で調べてみて、あれを冒頭に出したのもまさにそれが理由ですけど、 こうやってやることこそが信用につながるんじゃないかって思うんですよね。 だからその清寺って時に、例えばアメリカ頑張れ、時にロシア頑張れっていう何の根拠もなく、 それを言うのではなく、それはずっと自分が貫いてきた立ち位置からするとこれはこうだっていうことが言えるからこそ、 もしかすると自分の作品や自分の発言に信用を持ってもらえるのかもしれないっていうのはチャプリンなんかを見てると、 彼だけじゃないですけど、ああいう突き抜けて自分の哲学を貫いた人たちに共通するところ。 それはやっぱり揺るぎない信念みたいな。 さっき1回目のお話の時に過剰に情報を出すのではなく、一番必要なことだけを最小限削ぎ落とすっていうことが 多分チャプリンの佇まいとしてあると思うんですよ。 だから自分は悲劇の中で自分が言いたいことを端的に言うと、 だからそこをはみ出してそれを超えてしまうようなことを極力言わないっていうことこそが人に伝わるもんだって彼は多分信じてたと思うんですよね。 そこはやっぱりすごく大事だし、自分も見習っていかなきゃいけない。 だから本当はずっとデビューした直後はですね、私は小説以外で発言しないで決めてたんですよ。 でもなんかその後でいつまで経っても私の言うことは伝わらないなってだんだん思ってきたので、 でその尋ねてくだされば、実はこれにはこういう思いがあってとか、こういうことをすべきじゃないんですかということを言うようになりましたけど、 でも絶対聞いて聞いてって言いたくない。 だからそこは、だからやっぱりチャップにすごいなって思ったんですよ。 あんまりチャップに好きじゃなかったんですけど、過剰な演技が好きじゃなかったんですけど、 でも彼がやっぱり貫いてきたことにやる彼のスタンスはやっぱりすごいことだし、 あれだけ有名だからこそ、しかも彼はユダヤ人ですから、そういう意味での大変さもものすごいあったと思うんですけど、 そこを彼ができたことっていうのはやっぱりすごいと思います。 いやぁ、ありがとうございます。ちょっと馬山さんのチャップリン論が聞けて。 いやいやいやいや。 ちょっとすいません、最後にもう一つだけこの新しいクリスティの話でちょっと一つだけ付け足したいことがあって、 クリスティを読んでみんなが嘘を見抜くようになりましょうって書いてるんですけど、大事なのはですね、二回読むことなんです。 つまり、一回目読んで騙されたクソか犯人これかあそこかポイントって思うんですけど、 全ての嘘を思い出せないんですね。 みんなミステリーは二回目なんて犯人分かってるしトリック分かってるから面白くない。 これミステリーの楽しみ方からするとそうかもしれないんですけど、 私が今回進めてるのは嘘の見抜き方なんですよ。 つまり、二回目読んで初めて自分がどれだけこういう類の嘘に騙されてきたかが検証できるんです。 それをやることによって初めて、なぜ私がクリスティを読みましょうかっていうのが分かっていただけるんですよね。 だから、違和感ってそうか、こういうところで場面が変わり、こういうところで突然この人がこういう風に強調するときは疑わなきゃいけないんだっていうことを 繰り返して一冊読んでまたその本をできたら一ヶ月以内に読み直すとそこがはっきり見えてくるんですよね。 そうすると、ただ一回のまた騙されたら次行ってみようっていう読み方ではない身につく違和感や正しい疑い目ができるようになるので、 ここは騙されたと思ってぜひ二回読んでほしいと思います。 分かりました。ちょっと久しぶりなんですけどまた僕も。 ぜひ読んでみてください。 よかったら今度読書会やりましょう、クリスティの。 ぜひぜひ。 はい、ぜひ。 よろしくお願いします。 よろしくお願いします。 はい、ということで三日にわたる対談でした。 小説家の前山陣さん、お越しいただきましてどうもありがとうございました。 ありがとうございました。 # 『2度目の会話が続きません』 それでは今日のフライヤーのコーナーです。 今日はですね、二度目の会話が続きませんという本になります。 著者ですが野口聡さんですね。 グッドコミュニケーション代表取締役でいらっしゃいます。 こちらの本ですが、サンクチュアリー出版からですね、2022年4月に出た本になります。 二度目の会話が続きませんということですけれども、 初対面であればね、挨拶だとか、相手のパーソナルデータ、聞くような会話というのができるかもしれないと。 どちらにお勤めなんですか。 ああそうですか、こういう知り合いいますよね、とかね、そんな話。 一方二度目となると、パーソナルデータに関する質問もネタ切れだと。 しかもまだお互いのことがよくわかってないのに、その会話が今後の関係性を決めるのだということですね。 じゃあどうしたらいいのかということで、相手の生活や気持ちに目を向ける。 質問ではなく自分語りをする。 小さな幸せと小さな不幸を話題にする。 こういったちょっとしたティップスなんですね。 まあね、今ワールドカップやってますけど、見ました?みたいな。 いや、見てません。 チーンみたいなね、そういう話もあったりしますけれど。 まあでもね、見てないんだったら見てないなりに話は膨らみますよね。 え、見ないんですか?って。 いや、私ああいうの苦手なんですよね。 え、なるほど。面白いですね。どういうことですか?みたいなね。 まあそういう話の展開もあると思うんですけど、なかなかね、難しかったりもする。 相手の生活や気持ちに焦点を当てるという人。 山登りを始めましたと言われたら、 初めは足痛かったんじゃないか?とかね。 トレーニングしたのか?とかね。 まあそういう相手のやったこととか気持ちだとか、そういうことを想像して質問してみる。 いや、結構大変だったんですよ。働きながら山登りのトレーニングをするって。 そうっすよね。どんなトレーニングをするんですか?みたいなね。 ね。まあそういうの楽しいっすよね。 自分語りをする。ちょっとだけね。ちょっとだけね。 相手が話しやすい。だから自分も、相手もね、自分が自己開示しようかなと思えるような。 最近ついてなくて本当にあった良いことと言ったら、会社のエレベーターで20階からノンストップまで、ノンストップで1階まで降りられたことなんですよ。 何々さんは最近良いことありましたか?ってね。 急に最近良いことありましたか?って聞かれるよりグッと話しやすくなる。 確かに急にね、最近良いことありましたって。なかなかハードルの高い質問ですよね。 自分のことをちょっと話す。結構大事だったりするんですけれども。 まあ、些細なこと。相手が親しみを持てたり共感する内容。 ランチはコンビニ弁当が多いんですが、人気のビーフハンバーグ弁当が残っていた日は天国です。 グループラインにみんな書き込みをして自分も続きたいのですが、いつもそのスピードに乗れないのです。 なるほどね。こんな些細な話が実はいいんじゃないかということで。 会話術。雑談術かな。 二度目の会話が続きません。今日のフライヤーの予約でした。 # 頂いたコメントへのお返し はい、コメント返します。今日はDHBR対談2日目ですね。 ぐるぐる鈴木さんです。 対立構造の形成、中央集権と分散は過去から続く対立概念と感じました。 例えば、国と地方、本社と死者とか、類似構造が僕らの世界にもいくつか見つけられます。 ブロックチェーン技術に色はなくWeb3との言葉で、 Web2とは対立をあえて作って分散と集中という概念を当てはめ、 違いを助長しているのかもと感じました。 加えて、1と2とか歴史を作ることで進化の印象を与えているのかもしれません。 人間が考えていることは結局似てしまうのかなと思いました。 とはいえ、まだ読んでいないので危険なコメントです。 まあ、そうですね。 集中の危険性というのはマジであったりするので、 それのアンチ提示として分散というのは良いと思います。 でもそれが本当に分散たり得るのかというのが、 本当に一つの着眼点だったりするのですが、 僕も実はこの辺何かでビジネスをやっているわけではないので、 ちょっと耳を澄ましたいなというふうに思っています。 余談なくね。 イタルさん、Web3に限らずこの先何が起こるかわからない状況の中で、 次を見越した人が時代を作るのかとか考えていますが、 個人のアイデアが優れていても他の人がついていけなくては、 支流にならず立ち消えていくみたいになりそうですね。 潮流みたいなものは、マスターもおっしゃるように、 後になって見えてくるので、最中にいるときは荒波に乗る覚悟が良いのでしょうね。 ほとんどの人は荒波をぼーっと見ているから、 無謀に飛び込んで溺れ死ぬかになってしまいそうに思います。 来月のDHBRも本市イベント放送で3度おいしく楽しみたいと思います。 いやこれいいですね。本市イベント放送。 これでもう確実にキャッチアップできるんじゃないですかね。 僕も結構鍛えられているんです。 このDHBR対談が毎月一回あるというだけでね、 やっぱりビジネスイッシュに対して感度が高くなりますしね。 泉龍太郎さん、脱中央集圏は可能か? ドラえもんの秘密道具独裁スイッチを連想します。 スイッチをポチってジャイアンを消したとしても、 目に見えぬ構造がスネオネや静かちゃんをして、 ジャイアンライクに振る舞わせるのでは?と。 例えばネット空間に悪意不正が忍び込んだ場合、 場の治安を守ろうとすると、 リアルの世界で警察機能が民営化できていないのと同様、 中央集圏的な監視・統制役がおのずと求められるのではないか。 その役割を担う者がネクストガーファーになり得ないか。 と、支援したりしますということですね。 まあ、そうですね。 中央集圏的な監視・統制役。 まあ、これがアルゴリズムになっていくみたいなことっていうのが、 だからスマートコントラクトとかそういう感じなのかな。 これを中央集圏と言っていいのかどうなのかちょっと分かんないんですけど、 なんかこの辺の概念はちょっと整理が必要なのかもしれません。 確かに何かが、分散っていうのはやっぱり中央があっての分散なのか、 それとも本当の分散なのか。 この辺がね、ちょっと自分の中でも整理が必要なのかなっていう気がしています。 松田和志さん、好奇心と謙虚さ。 いや、お二人の話を聞き頷きながら自分も気を付けなきゃいけないなと思いました。 私も好奇心が強い方だと自覚していますが、 その結果知った際の感動をシェアしたくなることがあります。 こんなことを知ってこんな感動がありましたという感じに。 言葉にする際に心のどこかにこんなことを知っていてすごいだろうという承認欲求のようなものがあるとします。 そこに謙虚さがなくなってしまう。 謙虚さを忘れずに、せいだく合わせのみ悩んでいきたいと思います。 ここまで書いて、ブックカフェおなじみの知らんけどは、 好奇心と謙虚さをバランスを整えるパワーワーズなのかもしれない。 そんなことを思いました。 好奇心を発揮しつつ、最後に知らんけどを付けることで、 謙虚さを表現している感じでしょうか。 知らんけど。 どうなんでしょう。 でもいい言葉ですよね。 確かに余白を残すという意味でね。 知らんけど。 そんなことがあるかなと思います。 ぜひ楽しんで使っていただければと思います。 ということでコメント返し以上になります。 いつも皆さんありがとうございます。 # 終わりのあいさつ はい、ということで3日にわたる前もさんとの対談だったですが、いかがだったでしょうか。 ね、いろいろお話が聞くことができてとても楽しかったです。 また、機会を見つけてお呼びしちゃおうかなというふうに思ってますので、 ぜひ皆さんも楽しみにお待ちいただければというふうに思います。 はい、ということで今日はここまで。また明日。 もっと見る #嘘 #チャップリン #リサーチ #クリスティ #ミステリー小説 荒木博行のbook cafeプレミアム放送配信中!00:111.タイトルコール01:152.初めのあいさつ00:243.4周年記念オンラインオフ会のご案内https://us02web.zoom.us/j/83897656920?pwd=RU90S1lUVnduYnNkemNuSVZJM1I5UT09&fbclid=IwAR3SzGaWTUC9Agwb8Pw6wGtFkcbg7Z42-vZu5lx5QtSSe6h-oUL8Y4QPtRY26:364.クリスティ作品は2度読め04:045.『2度目の会話が続きません』04:586.頂いたコメントへのお返し00:247.終わりのあいさつコメント感想・質問・応援メッセージを書こう すっすー2022年12月4日視点登場人物視点登場人物を補助線として、小説を読み進めていくと、より面白くて、深い読書ができますね。そんな切り口があるんだを何回も膝を叩きました。真山さんの「黙示」、僕も拝読しました。養蜂家と農薬の開発責任者が別々の主人公として書かれ、最初は別々の立場で主義主張していたものがあるきっかけで、交わり、相互理解を進める。視点登場人物をうまく活用した、面白い小説でした。次回の真山さんの登場を楽しみにしてます。返信 町田和敏(変な髪型をしたポンコツ薬剤師)2022年12月1日真山さんの作品は読んだことがないので、これを機に購入いたしました。物書きの方は皆そうなのかもしれませんが、マスターとの対談で、言葉に向き合い続けている真山さんの語りが身に染みます。私の場合、患者さんとの会話の中で、わかりやすい言葉を使うよう心掛けており、その過程で専門用語を噛み砕いて話すようにしております。しかし、そうすることで、かえって本質を見失うこともあるなぁと思うことがあります。返信 町田和敏(変な髪型をしたポンコツ薬剤師)2022年12月1日わかりやすくすると、因果の境に横たわる壁を、ヒョイっと超えてしまう。それは因果なのか?解釈によっては嘘とも言えるのではないだろうか?そんなことを自問自答しつつ、言葉の難しさを感じています。book cafeに出会えたことで、多くの視点を得ることができています。毎度毎度ではございますが、あらためて感謝です。 Gen2022年11月30日真山さんのお話、とても興味深かったです✨いろんな要素が絡み合う内容でしたが、特に面白かったのは、アメリカという大国の持つフィクショナルな物語性の部分についてです。思いがけす、我々の世代が騙され続けている「トイ・ストーリー」の世界観や、pixr、Disnyに補助線が伸びました。些細な問いや違和感を大事にしていきたいです喜劇王チャップリンについても、信念を貫く稀有な人物のスタンスなど学びが多く、正しさを疑う柔軟性の中で、物語を脱色するイメージを持ちました。それでも最後に何かが残るのかな😌1返信 泉 龍太郎2022年11月30日真山仁さん対談3明快な因果の語りにご用心ミステリー小説だと、序盤に一見あからさまな犯行動機を抱えた人物が疑われて追われるけれども、その人物自身が凶弾に倒れる等して、物語が起承転結の転を迎える。なんて展開が結構ありますよね。入り組んだ真実は覆い隠されがち。真実をつまびらかにしようとすると、自ずと語り口も入り組みがち。すると受け手からソッポを向かれがち。こっちを向いてもらえるよう、語る言葉を磨いて削る。風通しの良い言葉、というday1の話と繋がりました。1返信 いたる2022年11月30日ふと考えたのは、「嘘/虚飾と正義」。嘘を見抜くかどうかよりも、嘘をつくことや虚飾で隠すことで守っている正義が誰しもありそうだと言うことでした。また「視点登場人物」なる考え方も新鮮でした。小説の中だけでなく現実の世界でも視点登場人物は何人も、と言うか人類の数だけいるわけで、全ての嘘や虚飾を疑うと精神が参ってしまうので、自分自身を守るための何かが必要なのでしょうし、それが仮面やペルソナ、あるいは虚飾であり嘘になるのかもしれないとも思えてきます。真山仁さんの小説愛が炸裂し楽しめた神回でした。1返信 もっと見る
仕事が自然とできるようになる仕組みがあるんです/G-POPマネジメント実践講座 中尾隆一郎さん対談1 34分・23時間前・ 2,182再生AI目次仕事が自然と進むG-POPの正体GPOP:日報を越える自己成長ツール目標達成を促す振り返り術の真価心理的安全性を育むGPOP会議の力急増する導入企業が語る成功体験
感情を爆発させた後に何が残る?/絵本カフェ『なきむしなきこちゃん』 『ほげちゃん』絵本ナビ編集長 磯崎園子さん対談2 35分・9月8日・ 2,987再生AI目次大泣き体験から紐解く感情爆発の意義ホゲちゃんが暴れる!怒りの感情を解放する感情爆発後に残る「空白」その正体とはTLCが彩る90年代R&B、栄光と悲劇アート作品に投影される主観と客観の対話
やりたいことあるなら全部やっちゃえ!/絵本カフェ『ぜんぶやりたいまにちゃん』絵本ナビ編集長 磯崎園子さん対談1 31分・9月7日・ 3,070再生AI目次「ぜんぶやりたいまにちゃん」が問う大人社会の規範マルチな才能を肯定するキャリア思考マニちゃんに学ぶ「楽しむ」ことを最優先する生き方Radwimps「セプテンバーさん」に込められた想いPaul Smith展から探るアートの新たな価値
視点登場人物を補助線として、
小説を読み進めていくと、より面白くて、深い読書ができますね。
そんな切り口があるんだを何回も膝を叩きました。
真山さんの「黙示」、僕も拝読しました。養蜂家と農薬の開発責任者が別々の主人公として書かれ、最初は別々の立場で主義主張していたものがあるきっかけで、交わり、相互理解を進める。
視点登場人物をうまく活用した、面白い小説でした。
次回の真山さんの登場を楽しみにしてます。
いろんな要素が絡み合う内容でしたが、特に面白かったのは、アメリカという大国の持つフィクショナルな物語性の部分についてです。
思いがけす、我々の世代が騙され続けている「トイ・ストーリー」の世界観や、pixr、Disnyに補助線が伸びました。些細な問いや違和感を大事にしていきたいです
喜劇王チャップリンについても、信念を貫く稀有な人物のスタンスなど学びが多く、正しさを疑う柔軟性の中で、物語を脱色するイメージを持ちました。それでも最後に何かが残るのかな😌
明快な
因果の語りに
ご用心
ミステリー小説だと、
序盤に一見あからさまな犯行動機を抱えた人物が疑われて追われるけれども、
その人物自身が凶弾に倒れる等して、
物語が起承転結の転を迎える。
なんて展開が結構ありますよね。
入り組んだ真実は覆い隠されがち。
真実をつまびらかにしようとすると、
自ずと語り口も入り組みがち。
すると受け手からソッポを向かれがち。
こっちを向いてもらえるよう、
語る言葉を磨いて削る。
風通しの良い言葉、というday1の話と繋がりました。
嘘を見抜くかどうかよりも、嘘をつくことや虚飾で隠すことで守っている正義が誰しもありそうだと言うことでした。
また「視点登場人物」なる考え方も新鮮でした。小説の中だけでなく現実の世界でも視点登場人物は何人も、と言うか人類の数だけいるわけで、全ての嘘や虚飾を疑うと精神が参ってしまうので、自分自身を守るための何かが必要なのでしょうし、それが仮面やペルソナ、あるいは虚飾であり嘘になるのかもしれないとも思えてきます。
真山仁さんの小説愛が炸裂し楽しめた神回でした。