
Voicy公式パーソナリティとして、「毎日新聞ニュース」金曜日を担当している小薗和叶(こぞの わかな)さん。
落ち着いたトーンの中にも、聴く人に寄り添う温かさを感じる小薗さんの声ですが、この春、「アナウンサー」としての内定が決まりました!
ひとつの夢を叶えるまで、彼女はどんな壁に立ち向かい、どんな想いを胸に活動を続けてきたのでしょうか。
今回のインタビューでは、小薗さんが夢に向かって「頑張ってきたこと」、そして活動の原動力となったことについて、じっくりとお話を伺いました。
▶︎プロフィール
小薗 和叶 | Wakana Kozono
東京音楽大学 声楽専攻4年在学中。2024 JAPAN AMBASSADOR 審査員特別賞 / 第26回新橋こいち祭ゆかた美人コンテスト 準グランプリ / テレビ朝日『ワカコさんとマサルくんのお宅は買わないの⁇』学生MC / 第103回全国高校サッカー選手権大会では場内アナウンスを担当
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「感謝の就活」70枚のエントリーシートと涙
――アナウンサー内定、おめでとうございます。今のお気持ちはいかがですか?
小薗さん: 嬉しい、ほっとしているという気持ちもあるんですけど、本当に「感謝の就活」だなって思っています。とにかく内定をもらうまでが大変で。エントリーシートを70枚以上書いたり、北海道から沖縄まで全国行脚の旅みたいになったり(笑)。そこまでやっても、やっぱり「最後の1人」になれないっていうのがずっと続いたんです。
――それは、心が折れそうになりますね…。
小薗さん: 内定が出るまでは、自分を見失った時もありましたし、試験ではないんですけど「あなたの声、アナウンサー向きじゃないよね」と言われてしまったこともあります。
それでも、自分以上に私の可能性を信じてご指導してくださった方、恩師や先輩、共に闘った仲間、見守ってくれた家族、そしてVoicyのように学生ながらも挑戦する機会をくださった皆さん…たくさんの人に支えられて内定をいただけたと思うので、本当に「感謝」の気持ちでいっぱいです。

カーラジオの「力強い声」が命綱に
――そもそも、小薗さんがアナウンサーを目指した「原体験」は何だったのでしょうか?
小薗さん: きっかけはたくさんあるんですが、中でも心に残っているのが、小学校6年生の夏の忘れられない体験です。
父の実家が鹿児島なんですけど、家族で東京から鹿児島まで車で旅行していた途中、三重県津市で台風に遭遇してしまって。川なのか道なのか分からない道路にポツンと取り残されて、命の危険を感じました。
――それは壮絶な経験ですね…。
小薗さん: はい。初めて行った場所で情報も集められず、すごく怖かった時に、カーラジオからアナウンサーが「大雨特別警報発令」と、力強く、そして落ち着いた声で情報を発信してくださったんです。
そのおかげで、無事に避難所にたどり着くことができました。アナウンサーの肉声が、自分たちの「命綱」になった。この経験から、私も自分の声で誰かの命を救ったり、心を動かすようなお仕事がしたいと思って、アナウンサーを目指し始めました。
「誰かの居場所」を作れる伝え手になりたい
――小薗さんはVoicyの毎日新聞ニュースの公式パーソナリティとして活動されていましたが、そもそも応募のきっかけは何だったのですか?
小薗さん: きっかけは2つあります。1つは、大学1年生の時にアナウンススクールの先輩がVoicyでニュースパーソナリティをされているのを見て、「学生がニュースを読めるチャンスがあるんだ! 私も挑戦したい!」と思ったことです。
もう1つは、私自身が音声メディアに救われた経験があったからです。音大受験で浪人した時、本当に周りが見えなくなって真っ暗だったんですが、そこに光を当ててくれたのが音声メディアでした。
――音声メディアに救われた経験、というのは?
小薗さん: ミュージカル『レ・ミゼラブル』を観劇して、俳優の濱田めぐみさんの演技に感動して、思わずご本人のラジオにメールを送ったんです。そしたら、メールを読んでくださって、「舞台に立ったらどんなに辛いことがあっても、気持ちを切り替えてリアルな役を演じること!これが大事」だと教えてくださったんです。
その一言に救われて1年間受験に励むこともできましたし、音声メディアが更に大好きになった瞬間でした。音声メディアは「今聞いているあなた」に伝えるパーソナルなメディア。私もいつか「誰かの居場所」を作れるような伝え手になりたいと思い、Voicyの公式ニュースオーディションに応募しました。1年生、2年生、3年生と応募させていただいて、3度目の正直で合格をいただきました。

「日常の中の、自分なりの発見」を伝える
――Voicyでの活動で、特に心がけていたことはありますか?
小薗さん: エンディングのフリートークのテーマは本当に毎回悩んだのですが、大事にしていたのは「日常の中の、自分なりの発見」です。
例えば、友達に紅茶をプレゼントしてもらって「どんな成分があるんだろう」と調べて抗菌作用を知ったり。些細な日常で気づいたことをメモしてストックしておいて、さらに「どういう切り口で話したらリスナーの方に共感してもらえるかな」と考えるようにしていました。
――毎週ネタを探すのはプレッシャーになりませんでしたか?
小薗さん: 逆に、Voicyを始めたことで毎日が楽しくなりました。普段だったら見過ごしてしまうことも、切り取れるようになって。夏休みに海に行って「人が少ないな」と思ったら、すぐに調べて、今「海離れ」が進んでいるというニュースを知ったり。そういう発見が楽しかったです。
――その経験は、就職活動にも役立ちましたか?
小薗さん: はい。実際にリスナーの皆さんに声で伝える活動をさせていただいて、「どういう話が人に届くのかな、届かないのかな」というのをチャレンジできたのは、面接や試験の中でも役に立ったなと思います。
特にエンディングトークの内容しだいで、コメントが多い時とつかない時があって(笑)。やっぱりコメントがつく時って「新しい気づき」や「共感」を話した時で、逆に背伸びをして難しいことを話すと届かない。自分の体験に基づきつつ、リスナー目線を大事にすることが重要なんだと日々実感していました。
――就活で辛かった時期に、Voicyに救われたこともあったそうですね。
小薗さん: 本当にそうなんです。エントリーシートが通らなかったり、厳しいアドバイスをもらったりして、苦しい時にVoicyで話すことで救われたんです。毎週同じ時間に誰かにニュースを届けるという機会をいただいて、リスナーさんから「今日のフリートークが良かった」とコメントをいただくと、自分がアナウンサーを目指した時の気持ちを毎週思い出せる。とても励みになりました。

「上手い下手」より「伝えたい」情熱
――最後に、小薗さんのように「声」で伝える仕事を目指す人たちへ、メッセージをお願いします。
小薗さん: 自分がアナウンサーを目指してきてすごく思うのは、もちろん声の技術を磨くことも大事なんですけど、それ以上に「何かを伝えたい」という情熱が大事だと思いました。
Voicyの公式パーソナリティの方でも、温泉やサウナが好きな方、リケジョの方、バイリンガルの方がいたり、私は音楽が好きだったり。一人ひとりが「伝えたい」ものがあることで、多分リスナーの方の心が動くんだと思うんです。
――「上手い下手」よりも「伝えたい」という思いが大事、ということですね。
小薗さん: はい。私もまだ学生で、人前で歌うのが恥ずかしかったんですけど、高齢者施設でボランティアで歌った時に、おばあちゃんが駆け寄ってきて「一生の思い出になったわ」って握手してくれたんです。
その時に、やっぱり上手い下手じゃない。いち学生でも「伝えたい」という思いが伝わったら、誰かの心を動かせるんだなって思いました。
だから、これからアナウンサーを目指す人には、アナウンスの上手い下手とかじゃなくて、「自分の極めたい何か」を大切にしてほしいですし、その「何か伝えたいものがある人」に是非、挑戦していただきたいなって思います。

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