TOPトーク専門家毎朝の思考奇跡は起こさない。ただ私のために泣いて、寄り添ってくれる神07:17 2021年10月30日 5,137再生 問題を報告する 再生する シェアする AI目次遠藤周作『沈黙』の神とは奇跡を起こさず寄り添う神カトリックが批判した神の姿日本人が神に願わない理由神と人との共生関係を考えるAI文字起こし(β版) # チャプター 1 おはようございます。 佐々木敏夫です。 今日は遠藤周作という作家の話をしようかなと思います。 だいぶ前の人で昭和の頃に活躍して平成の初めぐらいに亡くなりました。 一番有名な作品は沈黙。 これ4、5年前にアメリカでハリウッドで映画化されて 日本舞台にして結構話題になったと思うので みなさん見た人も多いかと思います。今でもネットフリックスで見れますね。 amazon primeを調べたらなぜか今見られなくなってました。 どういう話かというと 江戸時代の初め頃、キリスタン弾圧の時代に 日本に来てたポルトガル人の神父様が その弾圧で大変な苦難を引き受けるという、そういう話なんですよね。 目の前で信者は凄い拷問受け、殺され それに耐えきれなくなって、ついに踏み絵を踏むという その何とも言えない心の苦難を描いた非常に素晴らしい作品です。 原作の小説はkindleで読めますのでぜひ読んでみてください。 この小説というか、江戸主作はカトリックの信者だったんですけど 彼は凄いカトリックから批判されてたんですよ。 なぜかというと、神様像が本当のカトリックとは違うと言われたんです。 例えばこの沈黙では なんでこんなひどい目に遭ったように神様は助けてくれないんだと どうしたらいいんだと その時に踏み絵をその神父様が見るんです。目の前に置いてある。 そこにはイエスの絵が描いてあると思うんだけど 神様は喋る。踏むがいい。踏むがいい。 お前たちに踏まれるために私は存在しているのだ。 何もしないけど、ただ私はあなた方の苦難は知っているよ というそういうことだけは言ってくれるということなんですよ。 私はお前たちに踏まれるためにこの世に生まれ お前たちの痛さを分かつために十字架を背負ったのだとイエスが言う。 このイエス像は遠藤修作の本には一貫していて 他にイエスの生涯というイエスキリストの一生を描いた電気小説みたいなのもあるんだけど それも凄いイエスがある意味情けないというか よく聖書などの一説に出てくるのは イエスが高野を十二神社と一緒に悟り あちこちで人々に囲まれる。 目が見えない病気の子供がやってきて お母さんに連れられて治してくださいと言って イエスが奇跡を起こして目を治す、病気を治すみたいな事をやるんだけど この遠藤修作の本で出てくるイエスは治せないんです。 奇跡を起こさない。ただ寄り添って涙を流しているだけ。 神は全知全能であり 時に人間に奇跡を起こし 良い方向に導く事もあれば ユダヤ教みたいに怒って報いを起こして バブルの塔をぶち壊すみたいな事もあるという 一神教のヨーロッパ的な神と違って 遠藤修作の神はすごい日本的というか 何もしてくれない。ただ寄り添って泣いているだけという。 同じようなモチーフで書かれた遠藤修作の悲しみの歌という。 これは昭和ですが現代にしてすごく読みやすいので これもkindleで出ているから機会があったら読んでみて欲しいなと思うんですけど やっぱりこの中にもガストンというフランス人の若者が出てきて もうすごいねっかいのお人柱で本当にもう何というか 善人なんですよ。ただ彼は何もしない。ただ本当に泣いているだけ。 辛い人のところに行ってただ寄り添っているだけっていうね。 ある意味彼はイエスの化身のように描かれるんですけど なんかこういう宗教観って僕はすごい日本的だなと思うんですよ。 我々は神社に行ったりとかして 神様に向かって手を合わせるわけですね。 でもその神様って実体にないものですよね。 神社によってはもはや本殿とか何もなくて 鳥居の向こうは山になっているみたいなところもありますけど 山がご神体みたいな。ただそこにいるだけである。 ただいるだけで何もしてくれないんだけど 我々の生きているこの日々をじっと見守ってくれていると。 そういうのが日本人の宗教感覚なのかなと思うんですよ。 だから遠藤主作の描くイエスってのはカトリックのイエスじゃなくて 日本人にとっての神様っていう感じなのかなと思うんですよね。 昔写真家の藤原信也さんが 何も願わない手を合わせるっていう本を書いていて エッセイ集なんですよ。 これ僕すごい好きで時々見返しているんですけど よく田舎道を歩いていると道祖神やお地蔵様が道端にあるじゃないですか。 我々はふとそういうのに手を合わせたりします。 ロングトレイルを歩いているとそういうお地蔵様がよく見えます。 立ち止まって軽くお礼したりお辞儀したりとか手を合わせることがある。 でもそれって道端のお地蔵様に果たしてご利益とか求めているのかというと 求めてないですよね。そもそもそんな力なさそうだし。 藤原信也さん曰くそれはご利益を求めたり神に何かを期待しているのではなくて そのお地蔵様に対して我々が私たちがお守りしますよって手を合わせるんじゃないかってことを言われているんです。 これを読んだ時、僕はなるほどなぁと思いました。 神様が全てをやってくれるんじゃなくて、我々は神を守り 神も我々に寄り添いという、そういう共生関係みたいなのが 日本の古来の伝統的な心なんじゃないかなという感じをいたします。 遠藤書作の本、今読んでもすごく現代性があるというか 心にグサグサ突き刺さるものが多いので、よかったらぜひ読んでみてください。 沈黙も悲しみの歌も両方ともとってもいいです。両方ともKindleで読めます。 ではまた明日。 もっと見る毎朝の思考佐々木俊尚07:171.チャプター 1コメント感想・質問・応援メッセージを書こう 小神野建一郎2025年2月27日ら返信 Yukobom2021年11月2日イエスやブッタは神の化身であるとともに人間の代表でもあってその間の立場として苦悩をする描写があるのかなと思っていました お話を聞いてとても興味を持ったので2つの作品読んでみます返信 佐々木俊尚2021年11月4日ぜひ!宗教に興味ある方には強くオススメできます。 aorin2021年11月2日私も全く同じ感想を持ちました。沈黙はかなり衝撃を受けました。初めて宗教と神に一定の理解が出来たと思っています。 それ以来遠藤周作を乱読しています。佐々木さんの発表される意見に何時も触発されます。返信
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それ以来遠藤周作を乱読しています。佐々木さんの発表される意見に何時も触発されます。