TOPトーク専門家毎朝の思考20年前の「お遍路さん」はたとえようもない体験だった07:40 2022年1月31日 5,578再生 問題を報告する 再生する シェアする AI目次脳腫瘍手術後の「お遍路さん」決意競争心旺盛な同行者との葛藤宿帳や吉野川で深まる気づき東京での不思議な再会体験とは20年後の人生の岐路と再遍路の誓いAI文字起こし(β版) # チャプター 1 おはようございます。 佐々木敏生です。 20年ちょっと前、あれは1999年の夏だったと思うんですけど ちょうど僕は新聞記者やってて その前の年に脳腫瘤になって手術して もうちょっと事件記者は辛いよねって言うんで わりに暇な部署に外してもらって、のんびり取材してた。 だけど1年近く経って夏に これからどうしようか、俺はみたいなことを考えてですね ふと思い立って夏休み1週間いただいて 四国のお辺路さんに行ったんですね。歩きに行ったんです。 その頃は歩き辺路って全然ブームにも何もなってなくて 年間3000人ぐらい歩いてるって言われてたのかな。 だから1日10人前後ですかね。 だから歩いてると実際前後6,7人ぐらい歩いてるなっていう認識だった。 徳島まで飛行機で行って一番札所まで出かけて そこで金剛杖とか農協帳 お寺で筆で書いて反抗してもらうスタンプラリーみたいなものを買って歩き始めて ガイドブックは地元のお辺路道保存会が当時紙のガイドブックを出していて それを事前に入手してそれを見ながら歩いたんです。 昼ぐらいまで歩いて、この辺まで行けそうかなというところのあたりの お寺の宿房とか民宿に電話すると 今どの辺ですかとか聞かれて、今この辺歩いてますって言われて 何時頃着きますねって言われて、それで予約終了ですよね。 夕方3時ぐらいまで歩いて止まってまた翌朝から歩くというのを1週間続けた。 全体歩くと1ヶ月以上かかるので 本当にわずか22番までしか歩いてなかったんだけど すごい不思議な体験でした。 夏だしすごく暑かったんだけど 歩き始めたから夏に来るもんじゃないやと思ったんだけど そんなに暑かったんですが 国道もあれば田んぼのあぜ道もあり 森の中の山道もあり、いろんなところを歩いて まさにロングトレイルなんだけど 混合杖をついて歩いていると いろんなものが自分の中で消えていくんですよね。 ただ前後して歩いているのに多分 あの人はいくつだったんだろうな 多分60代か70ぐらいの人だと思うんだけど、おじさんがいて あれはもう20年前にその上の年だから 多分昭和一桁ぐらいの世代の人だったと思うんだけど すごく競争心が強いんですよ。あの世代特有でね。 だからなんか昼の3時ぐらいに民宿に着いて ぼんやり休憩しているとそのおじさんが来て あんた何時に着いたんだ? 30分ぐらい前ですけど 俺ら1時にはもう着いてたよってすぐ競争したから めんどくせえな、なんでこの人毎日毎日汚れの前後歩いてるんだよ もう嫌だなとか思ったんだけど 3日目ぐらいからだんだんそれが気にならなくなって そういう人がいるというのは自分に課せられた試練なんじゃないのかと そんな人に心を惑わせたらお辺路さん歩く意味ないだろうと そういうのを気にしないで歩けというふうに 使わされた神の使いなんじゃないかと 大げさに言うとそんなことを考えてそれからだんだん気にならなくなった。 民宿とか宿泊に泊まると、当時まだSNSもない時代ですけど 連絡ノートみたいなのが部屋の中にぶら下がって そこに泊まった人たちがいろんなことを書いている。 その中に奥さんを亡くした中年の男性の方が書いているのがあって 亡くなった妻の写真をパスケースに入れて それを首からぶら下げて毎日歩いています。 こうやって妻のことを思い出しながら文字を書いていると 涙でパスケースが埋もりますとか書かれていて じわんと悲しい気持ちになったりとか 途中前後して歩いていたのでもう一人大学生の女の子がいて 別にそれで仲良くなったわけじゃないんだけど ある時、吉野川の川の端の上でぼんやり休憩していたら やっぱりその女の子がやってきて 一緒に吉野川を眺めながら 佐々木さん、なんでこんな吉野川って青いんでしょう 空の色と同じじゃないですか 言われてみたら確かに同じ色だなぁ なんかその青い色を呆然と眺めていると 人生それだけでいいよね、こんな気持ちいい時に とか思ったりとかね なんか今でいうマインドフルネス的な感覚ですよね で、そうやって一週間歩いて 本当にほうけたようにして東京に戻ってきたんですよ なんだろうこの一週間、なんとなったんだろうと思いながらね 当時神楽坂に住んでたので 神楽坂の坂を登ったところにある 古いマンションの一室に住んでたんですけど そこに荷物を置いてお昼過ぎだったんで お昼ご飯でも食べるかと思って 神楽坂の裏道を歩いてたら 向かいからおばあさんがやってきた 会ったことない、どこの誰かも知らない 何気なしにこっちが小さく喋りたくしたら おばあさんがなんとね 手を合わせて挨拶してすれ違ってきた おばあさんから手を合わせられる経験って 今までしたことなかったんで なんなんだろう、後ろに空海さんでもいたのか とか思ったりとかね なんか不思議な宗教的体験でした で、やっぱあの時はね 新宿舎辞めようかなって気持ちも若干あって悩んでたんですよね その悩みで自分のアイデンティティを確かめるために 歩きに行ったんだろうなと後から思ったりしました で結局その後ね20、24年、20数年 お辺野さん全然行ってないんだけど ひょっとしたらまた次に悩む時が来るかもしれないと もし悩んだらもう一回歩きに行かなきゃと思ってるんですよね 未だに思ってる だから木の混合材と農協調はすっかり古びてるけど まだ僕のこの仕事部屋の中にあります ではまた明日 もっと見る毎朝の思考佐々木俊尚07:401.チャプター 1コメント感想・質問・応援メッセージを書こう 加地 慶子2022年2月6日むかしはお遍路さんが玄関で鈴を鳴らすとその家ではどんなに貧しくても、お金や米、いりこなどを渡した。決して手ぶらで帰らしてはいけないと子供に教えた。返信 rie2022年1月31日人生の帰路に立たれた際の深いお話、有難う御座います。この道のりを歩まれたからこそ、今の佐々木さんがあるのですね。返信 nokkko2022年1月31日とってもいいお話でした。ありがとうございます。返信
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