TOPトーク専門家毎朝の思考労働補完型技術と労動置換型技術という視点09:18 2024年9月7日 7,317再生 問題を報告する 再生する シェアする AI目次労働補完と置換、技術革新の歴史を紐解く産業革命期の技術は雇用を奪ったか?生成AIは労働を補完するのか、置換するのか?生成AI進化の二つの可能性とは?未来の雇用と生成AI、その行方とは?AI文字起こし(β版) # 労働補完型技術と労動置換型技術という視点 おはようございます。佐々木敏直です。 最近読んだ本で、テクノロジーの世界経済史っていう、結構分厚いんですけど翻訳本で テクノロジーと経済がどう関係し、それと雇用がどう関係したのかってことを 長い歴史に渡って解き明かした本で非常に面白かったです。 その中で提出されている概念が 労働置換型技術と労働補完型技術。 置換というのは置き換えるですよね。代替するってこと。 つまり労働を機械で置き換えてしまう技術と 労働を助けてくれる技術、補完する技術って2つがあるよね。 例えば最初の産業革命、イギリスで起きた18世紀ですよね。 蒸気機関が入ってきて、紡織機械とか今まで人間の手でやってた糸を紡ぐものが機械化されていく。 この時有名な話だけど、ラッダイト運動という機械打ち交わし運動が起きた。 これは明らかにその紡織機械みたいなものが労働置換型 つまり置き換える側の技術だったからっていうことなんじゃないかと。 つまり労働置換型の技術に多くの人が抵抗し 実際当時イギリス以外の国ではそういうものを禁ずる法律が出てきたりするケースもあったみたいなんですね。 だからラッダイト運動って今更技術後戻りするわけないのに 馬鹿な人たちだなというふうに、我々のあざけりの対象で見られてるけど 案外そういうことではなくて、やっぱり労働が置き換わってしまうことへの強化というのは もう少し真面目に考えた方がいいんじゃないかという話も出てくる。 一方で19世紀の終わりから20世紀にかけて第二次産業革命と言われる 我々の今の近代的な生活のベースになっている様々な技術革新があったわけですよ。 例えば、電力の活用だったりとか、ガソリンエンジンで動く自動車だったりとか あるいは上下水道とか、映画とかテレビとかラジオとか ありとあらゆる現代の生活の基盤なる技術が19世紀の終わりぐらいに出現してきて これはどうだったのかというと、意外にそこで18世紀イギリスみたいなラッダイト運動は起きてないんですよね。 つまり我々多くの人間が、労働者が第二次産業革命の技術をちゃんと受け入れていた。 なぜこれが受け入れられたかというと、労働補完型の技術だったからじゃないかということなんですよね。 どういうことなのかというと、例えば蒸気機関が18世紀から19世紀にかけて普及してきました。 最初はとてもシンプルな機械であって、それが人間の労働を控えてしまったから反発を食らったんだけど だんだん機械は進化して大型化する。 さらに蒸気機関だけじゃなくて19世紀の終わりになると今度は電気で動くようになるみたいなことが起きるわけですよね。 そうすると扱う技術がどんどん複雑になってくる。 だから機械が単体で勝手に動いてくれて、それで人間の仕事をうがむんじゃなくて その機械を制御する、コントロールするという人間の仕事がどんどん増えていくということなんですね。 つまりはそこで20世紀の機械は機械と人間の共同作業によって その巨大な工場を動かして方向に進んだ。 だから仕事は実は無くならなかった。 この本ではこう書いてます。 蒸気機関が1830年代以降に急速に普及し、様々な機械を大型化し、 作業員により高いスキルが求められるようになった。 また機械は大型化とともに複雑化し、機械と人間が互いに補い合う関係が出現した。 ということなんですよね。つまりは労働補完型の技術であったという。 実際に労働者の実質賃金が1840年ぐらい つまり19世紀の半ばぐらいからだんだん減ってたのが増えてきている。 ということを見ると、この増えた時期に多分技術の進歩が 労働地管型から労働補完型に転じたんじゃないかということが この本では分析されているんですよ。 なるほどね。 機械が出てきて進化すると どんなものも労働を奪って、人間の雇用を奪っていくというふうに 我々は勝手になんとなく思い込んでたんだけど 必ずしもそうではない。 労働を奪えば人間の労働と補完し合う関係になることもある。 そこをちゃんと別々に区分して見極めることが大事である というのがこの本の主題の一つなんですよね。 そう考えると じゃあ今、すごい勢いで進化している生成AIはどっちなんだという話ですよね。 今のところ、マイクロソフトが例えばwindowsとかオフィスに コーパイロットという生成AIの機能をつけている。 今までだったら文字起こししなきゃいけなかったのが AIにやらせれば文字起こししてくれる。 パワーポイントを一生懸命一個一個手作業で画像をつけたりとかしたのが A4のワード文書から自動的にパワーポイントのファイルを作ってくれる。 これらは使いこなし方が以前と変わるわけですよね。 一個一個文字を埋めたりとか画像を拾ってくって作業はなくなる代わりに そのコーパイロットを生成AIに命じてこういうふうに作りましょうというふうに 仕事のやり方を変えていく必要がある。 でもこの段階では少なくともこのコーパイロットみたいなものというのは 決して労働痴漢型ではなくて どっちかというと労働補完型だよねということは言えるんじゃないかなと思うんですよ。 もちろん今までパワーポイントの画像を拾ってきてそれを埋めるみたいな ちまちました仕事をずっとしてきた人がその仕事を奪われるという可能性はあるんだけど 一方でそういうコーパイロットとかをうまく使いこなすことによって よりたくさんのファイルを作ったりという 生産性の上がる仕事をできる人がたくさん増えていくということを考えれば 20世紀初頭の電力とか内燃機関とかが出てきた時代と同じように 労働者は最終的に生成愛の果実を受け取るんじゃないか ということは言えるんじゃないかなと思うんですよ。 ただ一方で生成愛の進化ってそれで終わらないよね。 生成愛の方向性っていくつもあるというのは僕は何度か論じていて 一個は人間の手伝いをして雑務をやってくれるって方向なんだけど それは第一段階に過ぎない。 最終段階で最も大きな生成愛の可能性っていうのは 二つあって一つは人間の話し相手になってくれるってこと もう一個はあらゆるものを最適化するっていう ある種システムのコントロールタワー的な役割をするっていう方向性があるわけですよね。 例えば自動運転で無人タクシーが大量に走るようになったら その無人タクシーを制御してうまくお客さんのところに持っていくようなコントロールをするとかね そういう仕事である。 その最適化の仕事っていうのはこれはひょっとしたら人間の仕事を奪う可能性がある。 つまりコーパイロットのような雑用をやってくれるAIと違って 人間の上に君臨するわけですよ。 人間の手伝いじゃなくて。 人間の上に君臨してコントロールタワーになるってことは これまさしく労働置換型の技術になっている可能性があるんじゃないのか。 この辺はまだ進化の途上なので もう少しどういうふうに進んでいくかってことを見極めなきゃいけないんだけど 少なくとも我々今後、生成AIと我々の仕事の関係を考える上では それが労働置換型になっていくのか、労働補完型になっていくのか っていう視点を常に持っていく必要があるってことなんですよね。 これがこのテクノロジーの世界経済史を読んだ上で非常に学べる内容でした。 なかなか素晴らしい本でした。 というわけで今日はテクノロジーと雇用についての話でした。 ではまた明日。 もっと見る毎朝の思考佐々木俊尚09:181.労働補完型技術と労動置換型技術という視点https://amzn.to/4cTiI4Lコメント感想・質問・応援メッセージを書こう oshityo2024年9月10日😍1返信 しゅうめい2024年9月8日SEでChat GPTを使っていますが、補完型として使うのが正しいかも。生成されるコードが100%正しいわけでなく、AIに叩き台を作ってもらって最後の仕上げや調整を人間をやるのが、良いのかなと今は実感しています。1返信 俊尚 佐々木2024年9月12日現在地点のAIはその程度で良いと思います。 Kiyomichi2024年9月8日半導体業界で長く働きましたが、労働置換技術の進歩によりこれだけのビッグビジネスになってきたと言えます。でも現在でもこれらの巨大な自動機械の操作やメンテナンスは人間が行っており、人間の出番がなくなることはありません。最近日本でまた半導体工場が立ち上がりつつありますが、立ち上げ時に相当なマンパワーをかけていますし、定期的なメンテナンスをしないと上手く稼働しません。人間にも相当なスキルは要求されますが、出番がなくなることはないと思います。返信 俊尚 佐々木2024年9月12日なるほど。貴重な情報をありがとうございます。 あつひと2024年9月7日AIが人間の上にたち、仕事が奪われる。怖い気もするがそんな未来も現実味を帯びているのかも知れない。万が一の責任を取れる人が高い収入になるのだろうか。しかしこの2つの視点を知っていると、これからの未来が少しだけ見える気がします。返信 俊尚 佐々木2024年9月12日私は面白い未来だと思います。AIが世界を支配する社会をみてみたいと思ったり。 通りすがりのひとみ2024年9月7日とは言え、それで新しくできる仕事や「補完する」仕事がブルシットジョブな可能性は高いですよね。まぁ、それでお金稼げるなら良い?としているわけですが。返信 俊尚 佐々木2024年9月12日そこは重要な視点ですね。1 もっと見る
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怖い気もするがそんな未来も現実味を帯びているのかも知れない。万が一の責任を取れる人が高い収入になるのだろうか。
しかしこの2つの視点を知っていると、これからの未来が少しだけ見える気がします。