TOPトーク専門家毎朝の思考中学生のころ、自分の心の中だけに大事にしていたささやかな世界07:01 2023年12月17日 7,693再生 問題を報告する 再生する シェアする AI目次「赤毛のアン」との出会い:少年時代の救い家庭と学校で直面した過酷な現実善意の世界がもたらした心の安寧なぜ少年は少女小説を隠し読んだか誰にも言えない「自分だけの物語」AI文字起こし(β版) # 中学生のころ、自分の心の中だけに大事にしていたささやかな世界 おはようございます。 佐々木敏直です。 よく聞かれる質問に、 人生を変えた本はありますか? 人生の支えになった書籍はありますか? よく聞かれるんですよね。 まあいろんな本を読んできたんで、その時々で感銘を受けたり 転機になった本ってのはたくさんあるんだけど 今でも何十年も前なのに忘れられないのは、中学の時に読んだ小説なんだよね。 何なのかというと、皆さん知っていると思うんだけど 赤毛の庵っていう少女文学ですよね。 田舎の中学生の男の子が何で赤毛の庵を読んだのか。 赤毛の庵というのは20世紀の初頭ぐらいに発表されたカナダの小説で 孤児院で暮らしてきた11歳の女の子が カナダのプリンセードワード島の田舎の家に引き取られてきて そこで育っていくという、そういう話なんですよ。 ものすごく最初は寂しい孤独な少女時代、不遇な子供時代を過ごしてたんだけど そこから本当に素晴らしい 里親の夫婦や周囲の人たち、近所の人たち、友人たちに出会って どんどん愛情豊かな賢い女性に育っていくっていう そういう話なんです。 中学生の頃って結構人生厳しくてですね 家では本当に父親が実の親ではなかったのもあって 母親の連れ子だったんだけど、僕はかなり毎日殴られたりとかしていて 実の父親は警察に捕まったりとかしていたと思ってね あんな山猿の息子だお前はみたいなことを言われて お前はあいつの血を引いてるからろくでもないんだみたいなこと言われてね 殴って叩いて接管しないとその少年の悪さは治らないだろうみたいなことを 散々毎日言われ続けていたんだけど 一方で学校に行ったら行ったで中学でも相当いじめられてですね 家でのそういう仕打ちが結構やっぱり歪んだ性格の子供になるというか 歪んだ性格の中学生になって そういうのが同級生にもなんとなく見えてきちゃうんだろうね そうするともう本当に 子供の子供の子供の子供の子供の子供の子供の子供の子供が どんどんどんどん周りからいじめられていくってことが起きるわけで 非常に卑屈な少年時代だったわけですよ そういう時に何気に 図書館でその赤毛のアンテ本をふと手に取って読み始めたら なんだろうこう 深い静かな感動があったっていうか こんなにいい人だけの世界ってあるんだっていうね 善人しか出てこない世界ってあるんだ もちろんそれは小説の中でしかないわけなんだけど でもそういう世界がどっかにあってね周りの人たちがみんな 好意を持って接してくれるみんなが善意を持って接してくれる みんなが善意を持って接してくれる そういう世界がどっかにあってね周りの人たちがみんな 好意を持って接してくれるみんなが善意を持って 悪意を持っている人なんかいないって世界を想像できるってだけでもね 当時僕にとってはとても救いになったんですよね でもまあ当時まだ1970年代半ばぐらい ジェンダーフリーとかそんなことはかけらもない時代でね 男の子はちゃんと男らしい大人になれみたいなこと言われてたわけだから 赤毛の庵なんて少女説を読んでるのさえもちょっとはばかれる感じってのがあって だから公立の図書館に毎日行ってねそこで 本当に学習室の片隅でね本の表紙を隠すようにしてずっとこっそり このシリーズの本を読んでたのを思い出します なんか本を読むって行為は単なる暇つぶしでもなく そうでなければその物語に没入して楽しむだけでもなく やっぱり今自分が生きてるね 時にそれは厳しい世界だったり苦しい世界だったりするんだけど そこに風穴をあげて別の世界を見せてくれるものなんだな っていうのは本当にあの当時の自分を思い出すと 今になってしみじみとそう思います あの図書館の片隅でこの赤毛の案という小説を読んだおかげで どんだけ自分が救われたことかっていうね こういう世界はどこかに存在するかもしれないって思うだけでね なんだか気が楽になった感じがするんだよね 赤毛の案を読んでましたなんて正直 大人になってもほとんど誰にも言ったことがなくて このボイシーで喋ってのはひょっとしたら初めてかもぐらいな感じです まあ今の時代に別にね小説を読もうが何を読もうが そんなの個人の自由だから 人にとにかく言われる話でもないし 好きにすればいいんじゃないかなと思うんだけど でもまあそうやってね人に言わないでこっそり読んでたってことも なんか自分だけのねささやかな小さな世界 このプリンスエドワード島の村の生活みたいなのが 自分だけのものみたいな感じがしてね それがそれで本当に何だろう宝のように 小さな盆栽のような世界をね楽しむっていうか そういう気持ちも当時はあったかなっていう これを喋ってしまったらなんか 誰かにそれを怪我されてしまいそうなそういう不安もあったりしてね 不思議なもんだよね小説の世界ってのはね あれからまあ何十年も経って今あんまり小説とか読まれなくなって でも一方でアニメとかね漫画とかもたくさん読まれるようになって そういうところで様々な世界が見えてくる その世界を見ることによって今でもやっぱり救われている 子どもたちや少年少女がいるんだろうなと思うと 形は変われでもやっぱりそういう物語の世界って 本当に大事なんだなっていうのは思います だから皆さん自分だけの大事な物語っていうのをね やっぱり心の中に持ってくっていいんじゃないかなと思いますよ ではまた明日 もっと見る毎朝の思考佐々木俊尚07:011.中学生のころ、自分の心の中だけに大事にしていたささやかな世界コメント感想・質問・応援メッセージを書こう K.F2023年12月28日深い静かな感動を受けました。佐々木さんのVoicyとTwitterでの奉仕的で知的で穏やかな配信と、時折りお話になる生い立ちにギャップを感じていました。今回のお話で過去の佐々木さんと今の佐々木さんの連続性にとても納得がいきました。私自身も佐々木さんほどではないですが、周囲と比較して恵まれない環境にあり、貪欲に生きてきましたが、なぜだか人や社会の役に立ちたいという気持ちが強くあり自分の中にギャップがありました。このお話を聴いて、そのギャップが埋まった感覚があり感動しています。返信 みっちゃん2023年12月18日心が震えました。 佐々木さんの中立な立場は、幼少の頃からの体験が根底にあるのですね。私は佐々木さんの書籍を買うことでしか感謝の意を表すことができません。いつもありがとうございます。返信 俊尚 佐々木2023年12月21日こちらこそありがとうございます。 白うさぎ2023年12月18日いつも放送をありがとうございます。中学時代の佐々木さんは、ちゃんとアンの世界を肯定するセンスをお持ちだったのですね。中学時代って、「目の前の現実が全て」になりがちな時期だと思うので、思春期のひねくれた感じも相まって、私が佐々木さんの立場だったら、本の中の世界はいいよなって不貞腐れてしまいそうです。佐々木さんの中にある前向きで優しい価値観の片鱗を垣間見た回でした。毎日の放送からそれが伝わってきて、いつも励まされたり明るい気持ちにして頂いたりしています。1返信 俊尚 佐々木2023年12月21日ありがとうございます。嬉しいです。1 Nick大西2023年12月17日いい話でした人生を支える小説佐々木さんの声や言葉からどこか滲み出る優しさはそんな厳しい経験から生まれたものなのかもですね。痛みを知る人が他者の痛みに想いを馳せられるのでしょうね。四半世紀前アメリカに住んでいた時に妻が赤毛のアンの大ファンであったのでプリンスエドワード島を訪れ小説の舞台を歩いたことを鮮やかに思い出しました。アンが今そこを歩いている気がする、ような場所だったと彼女は言ってました。2返信 俊尚 佐々木2023年12月21日ありがとうございます。 もか2023年12月17日赤毛のアンは私にとっても人生を拓いてくれた恩人なので、今日のお話を感慨深く拝聴しました。初めて読んだのは小学4年生で、人生の何もわかっていない頃でしたが、アンが救われていく物語というよりはむしろアンが、現代では社会不適合者として人生を終えたかもしれない二人の風変わりな老齢兄妹を、その周囲の人々を救っていく話なんだなと、彼女の底知れぬ強さと愛情にすごく感動したことを思い出しました。優しさとは強さとは何かを考える今、もう一度読んでみようと思いました。ありがとうございました。3返信 俊尚 佐々木2023年12月21日赤毛のアンは多くの人に影響を与えている本なのですねえ。ありがとうございます。 もっと見る
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佐々木さんの中にある前向きで優しい価値観の片鱗を垣間見た回でした。毎日の放送からそれが伝わってきて、いつも励まされたり明るい気持ちにして頂いたりしています。
人生を支える小説
佐々木さんの声や言葉からどこか滲み出る優しさはそんな厳しい経験から生まれたものなのかもですね。痛みを知る人が他者の痛みに想いを馳せられるのでしょうね。
四半世紀前アメリカに住んでいた時に妻が赤毛のアンの大ファンであったのでプリンスエドワード島を訪れ小説の舞台を歩いたことを鮮やかに思い出しました。アンが今そこを歩いている気がする、ような場所だったと彼女は言ってました。
初めて読んだのは小学4年生で、人生の何もわかっていない頃でしたが、アンが救われていく物語というよりはむしろアンが、現代では社会不適合者として人生を終えたかもしれない二人の風変わりな老齢兄妹を、その周囲の人々を救っていく話なんだなと、彼女の底知れぬ強さと愛情にすごく感動したことを思い出しました。
優しさとは強さとは何かを考える今、もう一度読んでみようと思いました。ありがとうございました。