TOPトーク専門家毎朝の思考賃金が上がらないのは生産性が低いからではない07:57 2025年11月9日 8,877再生 問題を報告する 再生する シェアする AI目次賃金低迷は生産性低下が原因ではない?企業利益が社員へ分配されない構造金融危機とコストカットがもたらした弊害初任給が20年変わらない日本の実態人手不足が変える賃金上昇の展望とはAI文字起こし(β版) # 賃金が上がらないのは生産性が低いからではない おはようございます。佐々木敏直です。 高市政権がスタートして、 経済を成長させて賃金をどうやってあげるのか、みたいな議論が始まっているんだけど、 ずっと気になっているのが、日本はこの20年、 生産性が上がらなかったから給料が上がらなかったんだ、というような言説がいまだに多い。 でもね、僕は経済の専門家ではないんだけど、いろんなアナリストとか経済学者の話とかを横断的にずっと見ていると、 生産性が上がっていないということ自体が間違いなんじゃないかと指摘している人が結構多いんですよね。 この20年ぐらいで、アメリカとかは生産性がむちゃくちゃ爆上がりしていて50%ぐらい上がっているんだけど、 日本も実は30%ぐらい生産性が上がっている。 この30%ぐらいの生産性向上というのは、実はドイツとかフランスとかのヨーロッパ諸国とあまり変わりがないという話なんですよ。 じゃあなんで日本は給料が上がらないのかって話なんだけど、これも結構共有認識されているところがあって、 僕の調べた範囲で言ってみると、企業は一貫して結構儲かってきているんですよね。 だって生産性が上がっているんだからそれはそうだろうなと。 ところがこの企業が日本の場合儲かっているんだけど、そのお金が蓄積されちゃっている。 つまり分配されていないところに問題があるんじゃないか。 なんで分配されていないのかというと、それは経営者が心配だから。 何に心配なのかというと、90年代割に金融危機があって銀行が結構潰れたりして、 その頃にメインバンク制みたいなのが崩壊したんですよね。 メインバンク制って何かというと、 例えば僕がいた毎日新聞だと、3羽銀行、今で言うとUFJですかね。 3羽銀行がメインバンクになっていて、 単にお金を融資してくれるだけではなく、経営についての助言をしたりとか、 いろんなサポートをしてくれる。 いよいよ経営危機になった時にはメインバンクが乗り出してきて、破綻しないようにお金を出してくれる。 実際毎日新聞も70年代後半に一度破綻しかけて、 新旧分離とかひどい目になったことがあるんだけど、 その時も3羽銀行が支えてくれたっていうのがあるらしい。 このメインバンク制度が金融が傷んだことによって崩壊してしまって、 企業の側はもう銀行を頼らなくなった。 これが一つの要因としてある。 そうすると、もう内部でお金をきちんと貯め込んでおかないと、 何か経営危機に陥った時に対応できなくなるっていう心配を経営者の人たちがしたっていうことがあるようなんですよね。 もう一個の要素として、 そうは言っても給料をもうちょっと上げればよかったんじゃないのって話なんだけど、 2000年頃にとにかくすごい勢いでコストカットしなきゃいけなかった。 つまりバブルの頃の反省として経費をもう使いすぎた。 わけにグローバリゼーションでグローバル企業と戦わなきゃいけないという状況の中には、 日本も企業はコストカットしなきゃいけない。 その大号令が下ったわけですよ。 その時の大号令で何をしたかというと、 もちろん接待費使わないとかそういうのもあるんだけど、 それ以上にやっぱり人件費の問題があった。 一つの方法としては、 非正規雇用をどんどん増やして、 正社員をあまり取らない。 その煽りを受けたのが、 段階ジュニアを中心とした就職不学生代の今、 40代後半から50代の人たちなわけですよね。 その非正規雇用に回してしまったっていうそれだけじゃなくて、 同時に正社員も給料を抑えるってことをやった。 これからはコストカットが大事なので、 君たちも給料を我慢してくださいと。 実際労働組合は2000年代に入ると、 ベースアップゼロってベアゼロっていう、 要するに給料を上げないことを許容するって風に 労働組合が舵を切ってしまったので、 給料が上がらなくなっちゃったんですよね。 もちろん定期昇給はしているので、 個人個人でいくと少しずつ給料が上がっていく。 平社員から課長になり、課長から部長になると給料が上がっていくんだけど、 ベースアップがないってどういうことなのかというと、 定期昇給が上がってても、 新入社員の所任給そのものはずっと変わらないみたいな、 そういうことなわけですよ。 新人が入って、それが例えば所任給20万円でした。 これが課長になったら30万円になり、 部長になったら40万円になりって増えていくんだけど、 その20万円っていう所任給そのものが、 20年くらい変わらなかったっていうね。 そういうことなんですよね。 そうすると個人としては給料上がってるからいいじゃんみたいな感じなんだけど、 社会全体としては、 いや全然給料実は上がってないよねって話になってしまう。 そこの何か意識のずれみたいなものが起きていたんじゃないかっていう指摘は結構多いんですよね。 おまけに日本の場合、メンバーシップ型の雇用なので、 転職しない。 転職を繰り返せば給料上がるっていう期待も持てたのかもしれないんだけど、 そういうのが当たり前じゃなかった時代が長く続いたから、 結局同じ会社に居続ける。 そうすると、その同じ会社の中で、 定期昇給で給料上がってるから、自分上がってるからいいよねってみんなが思ってしまって、 小さく満足しちゃったっていうところが多分あるんじゃないかと思います。 もちろんね、転職を振りにあったら給料上がるって保証はないわけで、 一部の優秀な人は上がるかもしれないけど、 大半の人は給料下がって危険性もあるからね。 一概に雇用流動化して開戸規制をすればいいって話ではないと思うんですけれど、 そういう様々な要素があって、 結局あまりお金が企業に溜まり続けたんだけど、 分配に回されなかったっていうのが、この20年起きてきたことであると。 って考えれば、今やるべきことは、 その企業が貯め込んでいるお金をいかに投資に回すか、 そして同時に給料に回すか。 で、給料に回すかどうかって観点で言うと、 今初任企業が爆上がりしてるじゃないですか。 20万から30万とかになってきてる。 で、今これから人手不足になってくる。 つまりもう働ける人は全員働いてるんで、これ以上働ける人は増やせないよね。 そうなったらもう給料上げていい人材を集めるしかないっていう方向に、 だんだん企業も切り替わっていくので、 人手不足に転じた段階で給料の向上っていうのは、 まあ期待できる方向に行くよねっていうことだと思います。 だから投資を増やし、人手不足で給料を上げ、 っていうこの好循環で企業が儲かるようになり、 給料も上がっていけば今のような、 日本安い、みたいなね。 そういう状況から脱出することができて、 ヨーロッパ並みの物価になってくる。 それをちゃんと我々が変えるっていう時代になっていくことが、 あり得るんじゃないかなと思います。 というわけで今日は生産性の話でした。 ではまた明日。 もっと見る毎朝の思考佐々木俊尚07:571.賃金が上がらないのは生産性が低いからではないコメント感想・質問・応援メッセージを書こう daremightythings2025年11月13日リーマンショック後の十年間の労働生産年齢に限定した一人当たりGDP成長率は、日本が米国さえも抜いて世界一位であったという事実もあります。日本の特に非経営層の現役世代は実は非常に優秀で、生産性は着実に伸びていますが、それが円安などの外部要因も手伝いつつ、佐々木さんの述べられた要因で賃金に繋がっていない現実があります。また一人当たりGDPの伸び悩みも指摘されますが、非生産年齢人口も分母に入れて計算すれば、この少子高齢化の日本が伸び悩むのは当然で、本来は高齢者も含めた一人当たり資産額中間値が重要です。返信 佐々木俊尚2025年11月13日情報ありがとうございます。日本人は頑張ってますよね。1 尚子 内藤2025年11月9日😍1返信 0827alen2025年11月9日佐々木さんの、とても興味深いお話から、逆に、企業が賃金を抑え、何よりも、投資を抑え、内部留保に徹すると、企業は人生でいうところの「老後生活のような安定」が可能になる一方で笑😅、社会全体は一挙に、ここまで衰退してしまうという、ある種の国家レベルでの壮大な経済実験が、先進国だった日本の30年間の衰退な感じがしてきました笑。守るか攻めるかで、ここまで社会も大きく変わってしまった感じですね…笑。政治も企業側に寄せてしまい、機能しなかった感じがします…笑😅2返信 0827alen2025年11月9日やはり企業と政治、資本と国家の癒着は、日本の衰退の例を見ていてもそこで暮らす多くの普通の人々にとっては非常に危うく、一方で現在のアメリカを見ていても、多くの普通の人々にはダメージが非常に大きいですね…。富の、一箇所への集中と、再分配の機能不全が共通点ですよね…。 俊尚 佐々木2025年11月13日そうですよね。おっしゃる通りだと思います。1 W. E.B2025年11月9日バブル期に経費を使い過ぎて氷河期世代が生まれ、その世代が子供を産めなくなった事でこれだけ少子化が進行しているなら、現在の国家的危機を招いたのは、この頃の経営者達の経営方針にある。企業の内部留保は若い人達に使われるのは良いが、氷河期世代はここでも切り捨てられる運命。いつか社会は彼らを切り捨てた手痛い代償を支払うことになるのではないか?8返信 俊尚 佐々木2025年11月13日氷河期世代をどう扱うのかはもはや手遅れとはいえ、これからも重要な問題であり続けると思います。
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