TOPトーク専門家毎朝の思考書く行為に「惑い」があるかどうか08:10 8月27日 6,288再生 問題を報告する 再生する シェアする AI目次AIが書く文章と人間の文章の違いAIの完璧な文章に潜む「迷いのなさ」筆者の著作に滲み出る「書く苦悩」答えなき問いへの結論の「丸投げ」葛藤を曝け出す人間らしい文章の価値AI文字起こし(β版) # 書く行為に「惑い」があるかどうか おはようございます。佐々木敏南です。 AIの時代に人間の書く文章は生き残るのか、それともどうなのか、 というのが最近の結構重要な議論として、 特に僕みたいに文章を書くので生きている人間にとっては、 かなり重要な議論として巻き起こっているなという感じが最近しているんですよね。 AVEXの創業者の松浦さんがノートでいくつかの文章を発表して、 それが実はAIが書いていました。 あんな高度な面白い文章をAIが書けるんだ。 あれは背後には松浦さん自体の面白い人生経験があるからこそ、 あの面白い文章になっているわけで、 だったらその人生経験のすごさとAIの文章力があればそれでいいじゃないか、 という話にもちょっとなりかけているかなと思うんだけど、 でもその人生経験と文章というのを完全に分業にできるのかどうかというのは、 もうちょっと留歩していいかなということじゃないかなと個人的には思っているんですよね。 AIも書く文章は、松浦さんの文章を読んでもそうなんだけど、 すごく巧みで面白いし、ちゃんと起承転結があって、 出来がすごくいい、完璧なんだけど、逆に言うと完璧すぎるという感じがするんですよ。 AIと日常的にいろんな議論をしていて思うのは、 AIはわりに難しい問題を投げても、あるいは答えのない問題を投げても、 あんまり迷うことはない。 まあAIだからね。迷わないで、 わりにこうこうこうなんじゃないですかと明快ロジカルにきっぱりと答えを出してくるというところがあるの。 もちろん正解がない問題に関しては、これは正解はありませんがと言いながら、 正解はないと言いながらも、なんとなく自信満々な感じはするんですよ。 その辺の自信満々感みたいなのがAIの文章の特徴じゃないかなと思っていて、 これってやっぱり膨大なデータの中から平均値中央値に近い答えを生成する。 そうしないと評価されないっていうね。 AIを持っている評価関数の問題でもあるんだけど、 その迷うってこと自体が評価関数にそごってないというか、 やっぱり多くの人は正解を求めたがるってなるんですよ、今の社会においては。 そうすると正解に近いような答えを出すことがAIにとって高い評価になるから、 どうしてもそういう答えを出したがるっていう傾向があるんじゃないかな。 逆に言うと、いや、すいません、その問題わかりません、でも答えはないよねみたいなことを言ったら、 それがAIに評価されなくなってしまうので、なるべくそういう答えは出力しないっていうようなね、 流れがあるんじゃないかなと個人的には思ってるんですよね。 自分自身で書いてきた文章で言うと、僕の方も結構たくさん愛読されている方から言われたことがあって、 佐々木さんが過去の本で好きなのは、当事者の時代と時間とテクノロジーです。 えっ、その2冊なんだ、確かにあの2冊はめちゃくちゃ僕は苦労して書いて、 かなり悩みながらに時間をかけて書いた本なんだけど、 それをどういう受け止め方だったんですかって聞いてみたら、 なんかすごいこう、書いてる側の辛さが伝わってきて、読んでる方も辛いっていう、 なんか苦悩が滲み出てる感じがしてるって言われて、 ああ、なんかそこまで読み取ってくれたのかっていうね、 なんかちょっと恥ずかしいような、嬉しいような不思議な気持ちになったんだけど、 確かに時間とテクノロジーと当事者の時代っていうのはね、相当苦労して書いて、 で、なおかつその結論もですね、割に読者に丸々してるってとこあるんだよね。 問題を突き詰めて突き詰めて考えれば考えるほど、答えは出せないなっていう方向に自分が追いやられていって、 そこで、なんだろうな、答えを出しちゃいけないっていうとこに決着せざるを得ないっていうね、 非常なこう、悩みがあった。 だから例えば当事者の時代って本に関して言うと、当事者を勝手に名乗るのは良くないよねと、 それはマイノリティ評議ってことを使って当事者を勝手に代弁する人みたいなね、そういう批判をしたわけだ。 でも一方で当事者の性のない人間が、じゃあ何を語れるのかと。 例えば震災、あの本で東日本大震災を一つのテーマにしてるんだけど、 現地、気仙沼とか陸前高田に行って、自分が全くその被災前の、地震の前のあの町の様子を知らないで何かを語ることはできないよねと。 それは、あの現場の当事者である、あそこに住んでいた人たちが、自分たちの経験として、 震災前の気仙沼と震災後の気仙沼を比べて語るっていう、その当事者性に自分は全然勝つことはできないよねっていう話を書いて、 そうすると、当事者でない人間は何も語れないよねと。 当事者であるからこそしか語れない問題がある。 それはある種の突き当たりというかアイロンみたいなところで、じゃあ自分はどうすればいいんだと。 結果としてあの本で書いたのは、ラストの結論は、ここから先の道は途絶えているっていう書き方をしたんですよね。 もうそれしか書き終わらなかった。 その先の当事者性をどうやって取り戻すのか、あるいは獲得するのかっていうのは、 もうあなたがた一人一人の個人の問題でしかないっていうようなことを書いたんですよね。 それはね、やっぱり普通の本から比べれば、答えが書いてない、正解も書いてない、読者に丸投げしている。 これは悪い本だよねっていう話になるんだろうなと。 だからあの本はものすごい時間をかけて全エネルギーを集中して書いたわりには、 売れなくはなかったんだけど多くの人に届いた実感はあまりなかったかな。 でも今の時代、そういう正解とかわかりやすい答えっていうのもAIが生成してくれてしまうから、 そこにもはや僕は、実は15年前に書いた当事者の時代の頃から比べると、 その正解のことが書いてある本って人間が書く本としてには無くなってきてるんじゃないかなっていうのは個人的にはちょっと思うんですよ。 だから今の時代だからこそ、書き手が悩んで苦しんで、でも答えがないってことに突き当たって、 苦悩しながらその答えのないことと向き合ってるっていうある種の惑いとか混乱みたいなものを、 そのまま抜き出しのまま読者に提示してるっていうことの方が誠実だし、実は人間らしい本じゃないかなっていうね。 そういう混乱した壁にぶつかった自分をありのままに出すってのは多分AIはやらないこと。 それはなぜかというと評価関数があるからなんだけど。 だからそこにね、人間の書く文章の価値があるんじゃないか。 だからその先にもしもう一個の壁があるとしたらそういう壁にぶつかって悩んでる自分を書くってことが どこまで多くの読者に受け入れられるのか。 もしくは多くはなくてもいいんだけど、届けたい読者にちゃんと届けられるかどうかっていうのが 今後の書き手としての自分の重要な問題になってきてるかなっていう感じは今しています。 なかなか難しくてね。これも答えがない。 このボイシーも正解がない、答えがないことを語ってるっていう感じなので AIじゃないってことですよね。 ではまた明日。 もっと見る毎朝の思考佐々木俊尚08:101.書く行為に「惑い」があるかどうかコメント感想・質問・応援メッセージを書こう DAISUKE YAMAMURO9月1日😂わ.さはさ(返信 ゆこゆこ8月31日AIに人生相談するときは、後押ししてほしいときが多いです。つまりは自分の中にある答えを自信満々に肯定してほしいのだと気が付きました。1返信 俊尚 佐々木9月3日たしかにそういう面があるかも。1 ルーチ8月27日書く側の全て自分で書いているという自己満足感は、自力だからこそ得られるものと思います。作家のような商売となると自己満足だけでは食べていけないため、読み手がどう感じるか?次第になると思います。現時点のAIで、既に多くの人が面白いと感じて他人へ教えたいと思わせる作品を作れているのが現実です。自己啓発やHow to系のような本では、既にそれなりの割合でAIが入り込んでいるでしょう。5年後は?人間味を味わえる文学系でも、一定数は入り込んでいる気がします。作家側はもどかしい時代の到来かもしれません。返信 さむそん8月27日文章に迷いや戸惑いを入れることそのものは、プロンプトである程度は可能です。現在のAIに「迷っているように書け」と指示すると、変な迷い方を入れてくる。さらにそれは、迷っているフリをしているだけ。今のAIは迷いや戸惑いが推論過程で存在したとしても、それを表現するルートを持たない。Transformerの(比較的)軽微な弱点ですね。返信 俊尚 佐々木9月3日なるほど〜。 ララミ8月27日最初に読んだ本は『「当事者」の時代』で一番好きな本は「時間とテクノロジー」です!!返信 俊尚 佐々木9月3日ありがとうございます。嬉しいです。 もっと見る
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自己啓発やHow to系のような本では、既にそれなりの割合でAIが入り込んでいるでしょう。5年後は?人間味を味わえる文学系でも、一定数は入り込んでいる気がします。作家側はもどかしい時代の到来かもしれません。
一番好きな本は「時間とテクノロジー」です!!