TOPエンタメ映画・本鳥井弘文の旅と読書とコミュニティAIは役に立つ、でも僕らはAIの役に立つことはできない。09:59 7月17日 260再生 問題を報告する 再生する シェアする AI目次「赤毛のアン」に学ぶ関係性の問いAIが暴く「役に立つ」関係の限界人間関係における「役に立つ」の逆説関係性を深める「矢印の反転」思考AI時代に必要な「欠点」を活かす場AI文字起こし(β版) # チャプター 1 こんにちは。鳥居 博文です。 働くをテーマにした対話型オンラインコミュニティ 和製サロンを運営しています。 さて、本日のお題は AIは役に立つ。でも僕らはAIの役に立つことはできない。 というテーマでお話ししてみたいと思います。 今日も昨日ブログに書いた内容です。 それでは早速本題に入っていきますね。 先日、和製サロンの中で赤毛の庵の読書会を開催しました。 今原作をちゃんと読んだのは今回が初めてです。 その読書会の中で僕が一番好きな場面だと皆さんにお話ししたシーンがあります。 それが物語の冒頭、手違いで本当に欲しかった男の子ではなくて女の子がやってきてしまい マリラは庵を孤人へと送り返そうとするシーンです。 その時マリラが口にするのが あの子が一体私たちの何の役に立つというの?という厳しい問いなんです。 それに対して兄のマシューがボソッと答えるんですよね。 いや、私らがあの子の役に立てるかもしれないよというふうにです。 これというのは翻訳によって言い回しが少しずつ変わるというふうに思うんですが この一言の反転にこの物語の全てが詰まっているなというふうに読み終えた今 僕は心からそう思ってしまいます。 この辺りから今日の本題に入ってくるんですが 役に立つかどうかで相手を選ぶこの論理を徹底していくと 人権関係はどんどん契約の束みたいなものに近づいていくなというふうに思います。 そしてその論理の行き着く先というのは 外資系企業のような雇用の姿であり その感性系として今現れているのがAIだというふうに思うんですよね。 文句を言わず疲れもせずに24時間こちらの求めに応じ続けてくれるような存在です。 役に立つ限りは居場所を与えてもらえるんだけれども そうではなければすぐに解雇もしくは乗り換えられてしまうんだと。 ここで誤解しないでいただきたいんですが 僕は外資系企業やAI自体を批判したいわけではありません。 むしろその逆なんです。 僕は毎日外資系企業のサービスを使っていますし AIも使い倒しています。 AIは本当に人間の役に立つなというふうに思うんですよね。 それってのはもう疑いようのない事実です。 だからこそ今日のボイシーのタイトルの後半部分が大事だなというふうに思うんです。 AIは僕らの役に立つ。 でも僕らはAIの役に立つことができないんだと。 この部分を今の時代には絶対に見落としてはいけないよなというふうに思います。 これは読書会の中でもお話ししたんですが 役に立つ相手を必死で探そうとするという営みには 奇妙な逆説があるなというふうに最近ずっと思っています。 相手が自分にとって役に立つかどうかという基準で相手を選んだ瞬間に その相手が役に立たなくなることが絶対に確定してしまうんですよね。 仕事でも結婚のような家族関係でもコミュニティでも何でもそうだというふうに思います。 なぜなら人間は時の経過とともに必ず変容するからですよね。 稼いでいた人間が突然稼げなくなったりとか 元気だった人が病み始めたりとか そしてこちらの欲しいものだって 自分のライフステージの変化とともにどんどんと移り変わっていくわけです。 そのような万物が露天する世界の中で 自分にとって役に立つ人間を探そうとすればするほど 世界は役に立たない人間だらけの集合体に見えてくるんです。 例えばその一瞬は本当に役に立つことがあったとしても 数年が経過をしそれぞれが変化をすれば 相手は次第に役に立たない存在になり下がってしまう。 今のAIの登場で外資系企業が大量に人材を解雇しているのは 皮肉にもそれを見事に象徴していますよね。 ただこれまでの世の中でこの探し方の破綻そのものが 教師になってきてくれたんだというふうに思います。 役に立つかどうかで相手を選んだ関係性というのは 必ずどこかで壊れるので 壊れた時に人は問い直すこともできたわけですよね。 私にとって役に立つかどうかという基準で 私は求める相手を探してもいいのかというふうにです。 文学というのはそんな人間の愚かさを 必死で描いてくれているなというふうに思います。 でもAIの場合は破綻しないわけですよね。 ずっと役に立ち続けてしまう。 一生役に立ち続けてくれる相手というものが 人類史上初めて登場してしまったのかもしれません。 これというのはさっき語った逆説みたいなものが 解決されたということではなくて その逆説自体が見えなくなってしまった ということなんだというふうに思います。 役に立つでは救われないという真実だけが 純粋な形のままにしかも 気づかれずに残り続けてしまうということです。 僕はちょうど5年ぐらい前に 助けているようで助けられているのが ECNというブログ記事を書いたことがあります。 NPO法人の放牧の代表であり 神父さんでもある奥田智志さんが 批評家若松恵介さんとの対談の中で 語っていたような言葉です。 あのブログ記事内で僕は 助ける、助けられるという矢印は 本来一つのものであって 僕らが言葉によって勝手にそれを分析しているだけなんじゃないか というような話を書きました。 赤毛のアの中に出てくる 魔臭の、わしらがあの子の役に立てるかもしれないよ という言葉はまさにこの矢印の反転を 示しているわけです。 相手が役に立つかどうかを問う側から 自分が相手の役に立てるかどうかを問われる側へと 自ら回ろうとすることですから そしてこちら側の問い方には 素晴らしい魔法のような性質があるな というふうに思っています。 自分がこの人にどう役に立てるのか という問いっていうのは 相手が変わればこちらも変わることを 常に強いられるような関係性になるからです。 つまりお互いにどのように成長をするか 成熟し合っていくかという話に 一気に変わってくるわけですよね。 だからこそ一生お互いに 相手の役に立ち続けようという関係性を 続けることができるんだというふうに思います。 この点、AIに対して僕らは この問いを持つことができないわけですよね。 AIにはユーザー側に差し出せるような 欠点みたいなものがないからです。 どれだけユーザーが乱暴に扱っても潰れないし これから何点使い込んだとしても 実はあいつに支えられていたのは 俺の方だったんだなみたいな そういう事後の反転が AIの側から訪れることは 原理的には絶対にありえないんです。 5年前に書いた記事の言葉を用いるんだったら 人間との間では矢印は本当は一つなのに 言葉の分析によって2本に見えているだけだった みたいなふうに言えたわけなんですが でもAIとの間では 矢印は本当に文字通り1本しかないんです。 錯覚ではなくて構造として1本であり 完全に一方通行なんですよね。 ただただ私にとって AIが役に立つというそういう話なんです。 ただしこんなふうに話していると 反論なんかも聞こえてきそうです。 フィードバックを送れば AIの学習に対しては 自分たちも貢献しているのではとか 最近のAIはメモリ機能によって あなたとの対話を覚えて 帰ってくるんじゃないかみたいな話です。 それっていうのはきっとその通りです。 でもそれは経済の役に立つというのと 同じような種類の話であって そこには他者としての顔は存在しないわけですよね。 僕らのAIに与えた言葉っていうのは データとしてどこかの改善に 貢献するかもしれないけれども 目の前のこの相手に必要とされて この相手の欠けたところを埋めたみたいな そういう事実にはならないわけです。 記録っていうのは残っても それはお互いの成熟までには 繋がっていかないということですよね。 永遠にこちらを甘えさせてくれるだけの相手とは お互い様みたいなことが 原理的には成立しないんだって話を 僕はここにしたいんです。 この記事の中でも引用した 奥田さんと宗教学者尺徹秀さんの対談の中に 苦労のたらい回しという表現もありました。 苦労をぐるぐると回していくからこそ 誰か一人が全部を背負って潰れることなく みんなで生き残っていけるんだ みたいなそんなお話です。 これっていうのは 今日のこのボイシュの中でも語ってきたように 苦労のたらい回しによって いやをなくお互いが成長をし 成熟をするから結果的に 全員一緒に生き残ることができるわけですよね。 そしてこの輪の中に入るための資格っていうのは たった一つであって 変な表現に聞こえてしまうかもしれないんですが 有限な存在の人間として潰れうること そこに明確な欠点があることなわけですよね。 AIは潰れないし原理的に無限なので この輪の中には入れないわけです。 AIに誰かの苦労を流すと 苦労はそこでその瞬間せき止められてしまいます。 だから使っている側はとても楽なんです。 楽なんですが みんながAIに流すようになれば その分だけ苦労のたらい回しの その輪そのものが 痩せ細ってしまうジレンマみたいなものが ここには明確にあるよなっていうふうに思うんです。 赤毛のアンが外の世界に向かって 与え始めたのは マシューが先に無条件に アンのことを受け取ったから 受け止めたからなんですよね。 わしらがあの子の役に立てるかもしれないよ というマシューのその言葉が先であって アンの造詣はその後なんですよね。 だとすれば本当に必要なのは 役に立つかどうかでは 説明のつかない者同士が お互いの欠点や端緒なんかを抱えたまま それでも一緒にいること。 そして気づいたら お互いに支え合ってしまっていた というふうに気づける場所 そんなふうに自然とお互いに成熟していくことが できる場を作り出すことのほうが めぐりめぐって全体で見たときには 全員の人生に役立つはずなんです。 それがきっとこれからの世の中において 求められている場だなというふうに思いますし 僕はそんな場こそを作っていきたいんですよね。 そしてその場にいる人たちの 役に立つためにこそ 道具としてそれぞれにAIを用いるのが きっとこれからの最適化のような というふうに思っています。 繰り返しになってしまうんですが 自分のためではなくて 誰かのために それがめぐりめぐって 自分に返ってくる まさに情けは人のためならずなんですよね。 ただし返ってくることを目的にした瞬間に この循環なんかも 煙のようにふっと消えてしまうわけなんです。 見返りはいつも 事後的にしか発見できないということは 肝に留めておきたいなというふうに思っています。 さて、今日のお話は以上となります。 いつもこのボイスを聞いてくださっている皆さんにとっても 今日のお話が何かしらの 考えるきっかけとなっていたら幸いです。 それでは今日はこの辺で。また明日。 もっと見る鳥井弘文の旅と読書とコミュニティプレミアム放送配信中!09:591.チャプター 1コメントプレミアムリスナーになるとコメント欄に参加することができます プレミアムリスナーに参加する
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