TOPトーク専門家ChaChat Update 〜現役教師・成田潤也の思考録 | 外国語学習×ICT×働き方#259 今騒がれている問題なんてとっくの昔に議論され尽くしていたりするので、落ち着きましょう10:23 2月9日 97再生 問題を報告する 再生する シェアする AI目次25年前の衝撃予測とAI翻訳翻訳ソフトに潜む政治と経済の力学インターネットが拓く多言語コミュニティ「言語のマクドナルド化」への異論共存するファストフードと高級な文章AI文字起こし(β版) # ChaChatタイトルコール NARITA JUNIOR PRESENTS チャチャットアップデート 教育現場で日々奮闘する先生方、そしてこれから教育に関わろうとする方々へ、 外国語教育、AIやICTの活用、働き方改革、中年教師のマインドセットなどなど、 NARITAのごく個人的な興味のあるテーマで、ちょっとした価値観のアップデートを、 真面目に、でもどこか緩く、気ままにチャチャッとお届けします。 # 西垣・Lewis 著『インターネットで日本語はどうなるか』(2001年 岩波書店)が予測してた未来 先週の金曜日の放送、第256回AIによる文章のマクドナルド化の是非というところで、 とある本を引用させていただきました。 それが2001年の西垣東武さんという方が書かれた、 インターネットで日本語はどうなるかという、岩波書店の本なんですけど、 これ結構ハードカバーの厚い本で、 25年前の本なんですよね。 私がこれを読んだのは、2019年の3月のことです。 私がとある学会に登壇する直前の話で、 その時に私が発表した内容というのが、 AI翻訳がある時代において、外国語教育をどう捉えるべきかという、 小学校教育からの提言だったんですよね。 言語教育エキスポという、3月の頭に毎年早稲田で開催される学会なんですけど、 私はそこに自分が初めて出て、 その時に東大とか東京学芸大学とかの先生たちとシンポジウムという形で、 私は小学校教育の立場でそこに出たんですよ。 今の私の主張、それこそ英語の考え方の根幹をまとめて発表したのは、そこが初めてなわけですよね。 それが2019年ですから、かれこれ7年前になるんですか。 その7年前から私の基本的な主張は変わってないということなわけですよね。 図書館でたまたまであったこの本が非常に面白くて、 その当時、私は自分のFacebookにこの本を読んだ感想を書いているんですよ。 全体じゃなくて、一番印象に残った、特に自分の発表と絡むところで、 第5章に教授者のジョナサン・ルイスという方が書かれた、 翻訳とコンピューターという章が面白かったので、それを読書メモとして書いてあるんですよね。 そこに書かれている内容というのが、いわく自動翻訳、この時はまだAI翻訳という言い方をしていなかったんですよね。 自動翻訳という言い方をしていたんですけど、自動翻訳ソフトの市販状況というのは、 翻訳先の言語の話者の経済力に比例しているんだということを書いてあるわけですよ。 つまり意思疎通のレベルにとどまらなくて、政治的に情報収集が必要とみなされれば、 その言語への翻訳が開発されるというふうに書いてあるわけですね。 わかります? つまり、特定の言語の翻訳に需要があるといった場合、 それはその言語の話者が多いからという単純な数の論理じゃなくて、 そこにはその言語の翻訳というのが政治的に、経済的に価値があるから、 商業的にそれが作られるんだという主張なわけですよ。 それはそうですよね。だって、何の経済的にも政治的にも意味がない言語を お戯れで作るわけないじゃないですか。 限られたリソースの中で、そういった精神とかサービスを作っていくわけですから、 当然そこには優先順位が存在するわけですよね。 だから、単純に言語の等価交換、AからB、BからAという以上の意図が含まれているのは当然ですよね。 コンピューターの処理速度は、その当時と比べて今も多分天文学的に向上しているわけですから、 多少事情は異なるかもしれませんけどね。 そういった事情があるのはよく分かるな。 この本が、その当時は自動翻訳か。 自動翻訳によって世の中がどう変わるかということの予測が書かれているんですよ。 それは、現代が答え合わせになっているんだと思うんですけど、 どのようなことが2001年の段階で書いてあったかというと、 まずインターネットが普及することによって、 ある側面、英語帝国主義には歯止めがかかるだろうと書いてあるんですよ。 なぜかというと、今まではコミュニティに関わろうと思ったら、 英語を選択するしかないような、そういうマイナー言語のコミュニティというのがあったわけですよね。 だけど、インターネットが普及することによって、 手軽に特定の言語のコミュニティというのが形成されて、 そこにアクセスすることが容易になっていく。 だから、生きていく上で英語を使えないと困る、みたいな状況じゃなくて、 自分の言語で意思疎通が図れるような時代が来るでしょうね、ということがまず予測されている。 もう一個が、コンピューターで言語を処理するという、 そういう発想とか技術というのは、 言葉の多様性を失わせてしまうのではないかという批判があった。 この状況を言語のマクドナルド化という、 金曜日の放送で私が引用した言葉になるわけなんですけど、 どの言語も画一的な表現になっちゃうんじゃないか。 それこそ、翻訳なんかさせようものなら、 ある特定の言語が持っていた多様性とか豊かさみたいなものが削られて、 無味乾燥した表現でみんながコミュニケーション取れるようになってしまうのではないか、 ということを懸念した声がある。 だけど、このジョナサン・ルイスさんはそんなことはないよと。 むしろ、言語の処理技術に対して積極的に関わっている人ほど、 言語の社会的とか文化的な側面を痛感している人はいないだろうと書いているんですよ。 つまり、言語の分析すればするほど、 言語というのは表層的な仕組みだけ分かったって理解できるものじゃなくて、 文化的な側面とかをちゃんと踏まえて処理して、 それを翻訳するということをしていかないと、 おかしなことが起きるんだということを、 その開発者ほど痛感しているんだというふうに言っているわけですよ。 つまり、言語のマクドナルド化をしているように見えて、 その開発のプロセスにおいては、 文化的、社会的な側面というのはちゃんと考慮されているんだと。 むしろ、今まで明示されていなかった、みんなの暗黙の了解だったものが、 きちんと言語化されていく、明示化されていくという意味で、 むしろマクドナルド化と反対の方向に行くんじゃないのということを言っているわけですよ。 もう一個、インターネット上の情報交換の場をレストランに見立てるならば、 文の味付けは大雑把でも素早く要求を満たしてくれる、 ファーストフード屋が出る一方で、 その情報の発信者が腕によりをかけて書いた文章を堪能できる、 高級レストランも登場するだろうというふうに書いてあるわけです。 これが私が金曜日に放送した内容とリンクするわけですけど、 目的は様々なわけですよ。 AIで文章を作る、AIで文章を翻訳するというようなことが起きたときに、 その目的って皆様々なわけですよね。 本当にパッと結果が欲しいっていう人もいるでしょうし、 じっくりとこの文章ってどうなってんだろうとか、 この文章の表現をもっと味わいたいっていうそういうニーズもあると。 だから目的によってコンピューターで処理される言語っていうのに 求められる精度って異なってくるわけですよね。 だからそれ自体が多様性でしょって言ってるわけですよ。 そうなってくると、やれマクドナルドが良くないとかじゃなくて、 それはそれでも価値があるものとして受け入れられるし、 一方でこういうマクドナルドの味に対して、 もっと趣深い文章っていうのを人間がじっくり作ってね、 人間らしい表現としてそれを売りにするような文脈もまた別に出てくるだろうということで。 だから私はマクドナルドはあるけれど、 高級料亭の和食の味はなくならないですよねって言ってたわけですよ。 この予測が25年前に、 つまり四半世紀前に予測されてたんですよね。 もう多分その通りになってると思うんですよ。 私はこの話を読んで今の自分の考えになっているので、 世の中がAI翻訳とかAIによる文章生成っていうものに対してギャンギャンギャン言ってるけど、 そんなのもうとっくに四半世紀前に予測されてましたぜと。 だからそれはもうそういうものとして多様性として、 これは共存していくことになるんでしょうよというふうに思っているというお話を先週はさせていただいたわけですよ。 この本は生成AIなんていうものがこんなふうに登場して、 AIっていう技術はもう昔からあったんですよ。 だけど今みたいな生成AIがまだまだ登場する前で、 ましてや機械翻訳なんていうのがもう泣かず飛ばず、 まだ実用的なレベルになってない時の本なんですけど、 それでもそこに書かれてた予測というのは非常に資産に富んでいる。 現代においても資産に富んでいるなというふうに今振り返ってみても思うわけですよ。 この本も全然万人受けする本じゃないので、 ぜひお読みくださいとか出読みたいなふうに言うつもりは全くないんです。 全然ない。 ただ今ある問題なんていうのは実はとっくのとおり大昔に 頭の人たちが議論し尽くしてるんですよっていうことね。 今ギャーギャー言ってる人もちょっと落ち着こうぜっていうことを伝えたくて、 この放送した次第でございます。 以上、ジョニア・ナリタでした。 ご視聴ありがとうございました。 また次回お会いしましょう。 もっと見る #AI翻訳 #生成AI活用 ChaChat Update 〜現役教師・成田潤也の思考録 | 外国語学習×ICT×働き方成田 潤也 | ChaChat英語00:271.ChaChatタイトルコール09:572.西垣・Lewis 著『インターネットで日本語はどうなるか』(2001年 岩波書店)が予測してた未来https://voicy.jp/channel/821906/7523972コメント感想・質問・応援メッセージを書こう シラトミズキ2月10日インターネットも生成AIも似た道たどっていくのかなあと感じています。出た当初は否定的な意見が多いですが、徐々に生活の1部に浸透していくのではないかなと感じています。もちろん盲目的に信じて活用するだけではダメだと思いますが、使うからこそ見えてくるものやわかることも多くあるのかなと。書籍の持っている力ってすごいなと改めて思います。1返信 成田 潤也 | ChaChat英語2月14日確実に同じ道を辿るでしょうね。懐古主義は否定はしませんが、だからと言って新しいものを否定しかしないのは品が無いな、って感じてしまいます。異なる価値観を否定せず、「自分が信じるものの価値を最大限にアピールする」という方法をとって欲しいですよね。 伊藤 寧2月10日25年前から予想されてたってすごい話ですね!1返信 成田 潤也 | ChaChat英語2月14日過去の人、みんな頭いい説。 ゆうき19792月9日そういう意味で、名著は何年経っても名著ですよね👍特に、ここ最近向山洋一先生の「授業の原則10箇条」を再び耳にするようになったのも同じような感じかも。不易と流行。温故知新。古いと言って、バカにする若者よ!古いものにも良いところはいっぱいあるんだぞぅ👍1返信 成田 潤也 | ChaChat英語2月14日古さ=アンティークと言い換えると、途端に価値がある感じが演出できるというライフハックを授けましょう😉 Asu ka2月9日大昔にとっくに議論されている!そうですよねぇ😊2返信 成田 潤也 | ChaChat英語2月14日「いいこと考えついた!俺、天才!!😆」って思ったことのほぼ100%、過去の誰がが発見したり言及してたりします😅1 大野 ひろき@笑って学べる伝えかたラジオ2月9日なるほど!レストランの例えがめっちゃわかりやすいです!😳2返信 成田 潤也 | ChaChat英語2月14日どっちもニーズがあり、それぞれに相応しい文脈があるって話ですね。1 もっと見る
#467 教育委員会に余白がなきゃ、学校に余白が生まれるわけないじゃない? 11分・9時間前・ 42再生AI目次学校の働き方改革、その先にあるもの知られざる教育委員会の激務の実態SNS批判の裏にある行政の苦悩心身を壊し去る指導主事の現実教育委員会に余白がないと学校は?
#466 「オッサンの見方・考え方」を働かせて 10分・昨日・ 111再生AI目次フォーラム参加で気づいた「聞きたい話題」の変化実践者から見た学校運営、大局的視点への関心「おっさんの見方・考え方」が選択を変える瞬間キャリア展望がもたらす情報の優先順位とは前進とバランス:「見方・考え方」操縦の難しさ
#465 【コメント返し】寄らばChaChatの陰 34分・一昨日・ 123再生AI目次日本語オノマトペの驚くべき世界生存者バイアスが語る経験の罠遅延から見出す時間の使い方AI時代の「意図」と情報モラルドラマ「Tシャツが乾くまで」の深層
#464 【雑談】「antique化」と「pro-aging」と 9分・9月12日・ 75再生AI目次白髪の出現とポジティブな「antique化」身体の変化に適応する新たな習慣老化を肯定的に捉える「pro-aging」「pro-aging」と「ポジティブエイジング」「pro-aging」が変える仕事と教育観
#463 日本語の「画像はイメージです」問題 10分・9月11日・ 87再生AI目次日本語「画像はイメージです」の困惑英語での「イメージ」表現3つの違い日英語「イメージ」が示す意味のズレ単語の守備範囲が異なる言語の奥深さ言葉が世界を切り取る面白さとは
#462 日本語の「マイ◯◯◯」問題 10分・9月10日・ 104再生AI目次New Horizon絵辞典タイトルの疑問英語指導者が直面する文法上の壁和製英語「my○○」が招く誤解「My Number Card」の英語正式名称東京書籍に問う「My」命名の意図
#461 【注意喚起】Canvaの共同編集リンク放置問題 9分・9月9日・ 113再生AI目次「Canva共同編集リンク放置」問題の本質授業後もアクセス可能な編集権限リスク気づかぬうちに作品が改変?教師の盲点リンク削除だけでは不十分なCanva対策あなたの過去Canvaデザインは安全か
#460 【報告】寄稿『授業力&学級経営力 PLUS 学習指導要領改訂のゆくえ 外国語』 6分・9月8日・ 98再生AI目次「学習指導要領 改訂の行方」寄稿報告小学校AIデジタル学習基盤活用の実際生成AI活用!小学校英語授業の舞台裏AIで自立学習を支援するアプリ開発改訂の行方 書籍に学ぶ今後の展望
#459 「前日に休校連絡」の是非 10分・9月7日・ 125再生AI目次予想外の晴天、前日休校は杞憂か前日休校決定がもたらす安心感親の仕事と生活、前日判断が与える影響学校運営の難題と安全優先の選択予定変更をプラスに変える視点と課題
#458 【コメント返し】笑うChaChatにはコメ来たる 31分・9月6日・ 176再生AI目次コメント返し会運営変更の背景と反響キャリア転換期の葛藤とアンティーク論AI研修の構図と「目」が語る言語の妙Mr.Children名曲に隠れた歌詞の真実笑い声が紡ぐリスナーとの共感と絆
書籍の持っている力ってすごいなと改めて思います。
懐古主義は否定はしませんが、だからと言って新しいものを否定しかしないのは品が無いな、って感じてしまいます。
異なる価値観を否定せず、「自分が信じるものの価値を最大限にアピールする」という方法をとって欲しいですよね。
特に、ここ最近向山洋一先生の「授業の原則10箇条」を再び耳にするようになったのも同じような感じかも。
不易と流行。
温故知新。
古いと言って、バカにする若者よ!
古いものにも良いところはいっぱいあるんだぞぅ👍
と言い換えると、途端に価値がある感じが演出できるというライフハックを授けましょう😉
そうですよねぇ😊
レストランの例えがめっちゃわかりやすいです!😳