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【仕事】「必要なスキル」や「伸びる業界」の無意味さ。− 澤円

【仕事】「必要なスキル」や「伸びる業界」の無意味さ。− 澤円

この記事は、Voicyパーソナリティ 澤円さんの放送をもとに書き起こした記事です。
音声でも聴きたい方は、記事最後の再生プレーヤーからお楽しみください!

就職や転職でよく聞かれる質問に答えます

いかがお過ごしでしょうか。澤でございます。

僕はHR業界界隈っていうんですかね。いわゆる人材系の仕事ってのをちょこちょこやっているせいもあって、就活とか転職とかそういうキーワードでお話を聞かせてくださいとか、なにか講演してくださいとか、あるいは相談に乗ってくださいみたいなことが、ちょいちょいあるんですね。

その時に、非常によく聞かれる質問っていうのがありまして、「これから必要なスキルは何ですか」という質問と、「これから転職するんだったらどういう業界を選べばいいですか」とか「伸びていく業界てどういうとこですか」とかそんな感じの質問を受けるんですね。

それでちょっとこのVoicyでも紹介していこうかなと思うんですけれど、僕はどういうことを答えるかという話するとですね、これシンプルにですね、「その質問は意味がありません」っていうちょっとバッサリ系の答えになっちゃうんですね。

スキルさえ持っていれば安泰なのか?

「えーーーっ」ってなるかもしれないんですけど、これなんでかって言うと、答えるのが面倒くさいとかそういう話じゃなくてですね、本当に意味がないんですね。なんでかって言うと、スキルというのはどのスキルを活かそうと思えば活かせるし、持っていたとしても活かしようのない場合もあるわけですよね。

そしてスキルっていうのは必ずいつか陳腐化してしまうので。スキルというのは横並びで比較をされる可能性があるんですね。そうするとスキルが高い人間に社会で高い値段がついて、スキルが低い人は結局のところ大した額はもらえないということになりかねないですね。

スキルを持っているということと、キャリアで成功するということには相関関係はそれほどありません。スキルを持ってるって言うのはちょっとこれ曲者なんですね。すごく高いスキルを常に維持して、さらに言うと成長し続けられるとなったらこれ別物かもしれないですけれども、スキルを持ってるという、保持をしているという事だけで勝負できるような業界は、もはや存在しないんじゃないかなと思います。作業者としては生き残る事が出来るのかもしれないんですけれども、特定のスキル一個どれかを持っているから安泰っていうのはもうないんですよね。

なので常に複合的なスキルというのが求められるし、あと変化していくということを意識すると思うんで、このスキルを持っていれば大丈夫ですよというものはなくて、極めて汎用的なスキル、例えばコミュニケーションスキルとか、プレゼンスキルとか、マーケティングの知識とか、そういった物っていうのを組み合わせていて、そしてその時その時の時流に乗っかった状態で理解していくと言うのが大事なのかなと思います。

例えばプログラミングなんかもそうなんですけれども、プログラミングスキルっていうとこれちょっと曖昧すぎるので、ぼんやりすぎているんですね。例えば僕がプログラミングスキル持っているけれど、一応持ってるだけで、使い物になるかと言うと全然使い物になりません。僕はいくつかの言語でコードを書くことができるんですけれども、だけどプログラマーとしては全然使い物ならないですね。ですのでスキルを活かした仕事というのはちょっとできないということになるわけなんです。

というよりは、活かせるだけのスキルを持ってるわけじゃないってのが正確なところだけど。そのスキル、あるいは経験知識というのを持っている事によって、プログラミングについて語ることができるんですね。そのプログラミングというものがどういうものかっていうのを知った上で世の中の仕組みを語ったりとか、ITの重要性を語ったりとか、あるいはサイバーセキュリティの話をしたりとかっていう、そっちに活かすことができるんですね。

なのでスキルというのは組み合わせになってくるのかなと思います。スキルさえ持っていれば安泰というものは残念ながらこの世には存在しない、というのがまずスキルに関する質問の答えですね。

転職では「どの業界」よりも「何をするのか」か大切

次なんですけど「どの業界」ですね、これ本当に全く意味がないですね。それだったらまだ「どの会社」って言った方がよっぽどマシかなと思っています。

なぜかと言うと、業界とか、もっと言うとその業界の中の会社というは、対象がでかすぎると。それ以上に「あなたは何をするの」というところの方がはるかに大事になってくるんですね。「あなたは何をして、どうやって活躍をして、そしてその会社なり、業界に貢献をするんですか」というところの方が100万倍大事なんですね。

この業界がいいですかねっていう風に自分で考えたとしても、その業界の人があなたを選ぶかどうかって別問題なんですね。もっというと、その業界であなたが活躍できるかどうかって全然違う話になりますので、あなたは何をするのという所をまずはしっかりと手入れをする必要があるかなと思います。

ここで初めてのスキルの話ってのも活きてくるんですね。私はこういうスキルを持っていて、この会社でこうやって貢献ができますよということが説明可能になっていると、採用される確率というのはあげることができます。「何でもやります」「私気合で頑張ります」って言う人は極めて雇いにくいんですよね。結局どうやって貢献してくれるのかってのが、全然予想ができないので、非常に使いにくいというかですね、そもそもオファーは出せないということになってくるかなと思います。

具体的にそのスキルを持っていたとしても、活かし方ということを本人が理解していないと、あまり良く見られないんですね。私はプレゼンが得意ですという風に言うと、これ汎用的スキルなので有利に働きそうな気がするんですけれども、ただプレゼンが得意でプレゼンのスキルがありますっていうのは、説明しているようで全然していないんですね。

具体的にどのようにそのスキルというのを活かして、そして最終的に組織なり業界なりに貢献することができて、顧客の満足につなげるか、というところが具体的に説明ができないと意味がないわけです。まず大事なことっていうのは、私にはこのようなスキルがあり、このようなアクションを起こすことができますよ。こういうスキルを活かして顧客なり、もし社内のバックオフィス系の仕事が得意なんだったら、社内の調整をこのような形で行いますよということが、具体的に説明ができるようになっておくと、すごくいいんじゃないかなと思います。

転職の時っていうのは、これが説明できなかったら、もうまったく話にならないんですね。転職してくる人っていうのは、雇う側としては、過去にその人がどういう経験を持っていてそしてその経験をどうやって活かしてもらおうかという風に、それを見極めるのが採用面談の肝になるはずですね。ですのでもちろん採用してもらう側、つまり面談を受けにいっている側の人は、それをちゃんとロジックを組んで説明可能な状態にしておくのがポイントになってくるかなと思います。

就職活動での戦略とは?転職の応用編

そしてこれで就職ですとね、学生さんになってくると、そういう経験値がない状態で受けることになるんですね。これ全然戦略変わりますよね。元の過去の経験値がないっていうことが前提条件になるので。

だったら、「私はこういう性格の人間なので、こうやって貢献することができますよ」と。例えば粘り強いのが武器になるでしょうし、あとですね、「好奇心が旺盛でいろんな仕事に興味を持つことができます」なんて素晴らしいキャラクターです。あとは「私は物覚えが早いです」なんていうことが言い切れるとしたら、これめちゃくちゃ武器になりますよね。

というような感じで、とにかくですね、自分の武器というものを理解して。経験値がなければ、その自分が今認識している武器というものを応用して、会社及び社会に貢献できますっていう、そういう物語を作ると、すごく自信を持って面談に臨めるんじゃないかなという風に思います。

なのでまずはですね、スキルというものにあまり幻想を持ちすぎないっていうことと、自分がコントロールしようもない、業界動向みたいなものに一喜一憂しないことですね。

正直ですね、業界っていうのはもういくらでも代わりがあるわけですよ。安泰と思われていた業界っていうのが一気にガタがきちゃったりとか、業界としては安定しているはずなのに、会社によっては経営がまずくって負け組に入っちゃうなんてよく聞く話なんですよね。ですので、そういった物っていうのが起きるんだと、要するに不安定な状態っていうのが当たり前なんだって思って、常に自分自身も変化していくんだぜ思うのが、これが一番ですね、キャリアを積んで行く上で大事になってくるマインドセットなのかな、なんて思います。参考になったでしょうか。

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