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人前で話すことが怖い人への処方箋。“プレゼン の神様”澤円さんのアドバイス

人前で話すことが怖い人への処方箋。“プレゼン の神様”澤円さんのアドバイス

「プレゼンテーションの神様」とも呼ばれる澤円さんが、人前で話すことが怖い人に向けてアドバイスします。澤さんいわく、人前で話すのが怖いのは当たり前。そして質問には答えられなくても良いといいます。その理由を深堀ります。

この記事は、Voicyパーソナリティ澤円さんの放送をもとに書き起こした記事です。
音声でも聴きたい方は、記事最後の再生プレーヤーからお楽しみください!

人の前で何かの発言をするというのは、人類にとって異常事態

昨日は久々のリアルイベントで、かなり少人数で、あとオンラインでもつないで、いわゆるハイブリッドイベントという形でお送りしました。そちらに何人かオンラインサロンのメンバーも入っていただいて、非常に楽しく質疑応答の時間を取ることができました。そして何人かから「質問するということに勇気が必要だった」っていう話を聞きました。

これ確かに、質問するっていうのはほかの人も聞いてますから、人前で話をすると言うこととイコールなわけなんですけれども、それに非常に勇気がいる。これすごくオーバーに聞こえる人ももしかしたらいるかもしれないんですけれども、実は人の前で何かの発言をするというのは、人類にとって異常事態なんですね。

どういうことかというと、全世界どこでアンケートを取っても、人前で話をすることっていうのは1番怖いものとか、1番避けたいものとか、死ぬよりも嫌なものとかっていう形で定義されているんですね。多くの人がそう思っているというレポートがたくさんあがっているんです。要するに人間というのは、もともと人前で話すように出来ていないと言っても良いかもしれないですね。

多くの人が見ている中で、何かお話をするというのは、非常に勇気がいることですし、それに対して抵抗感を感じるとか、場合によっては恐怖を感じるというのは、めちゃくちゃ自然な反応であるとも言えるんじゃないかと思います。ですので、僕に向かって質問をするというのがすごく怖いとかですね、勇気がいるっていうのは、これはものすごく当たり前の反応だということなんです。決して僕が襲いかかるとか、周囲の人から石とか槍とかが飛んでくるとか、そんなことは基本的にはないと思うんですけれども、ただやっぱり勇気がいるということはです。これはまあ、自分自身の中の心理的な反応ですから、なかなか止めようがないと言うことになります。

人前で話すことではなく、発言の隙をつかれるのが怖い

そういった人向けの処方箋というのをちょっとお話しようかなと思うんですけれども、人前で話をするときというのは、僕は答えるタスクが生まれるわけですよね。質問を受けて答えるというのは僕、結構得意なんですけれども、これがすごく苦手という人もまた多いんですね。

多くの人は人前で話すことが怖いと言うよりも、それもそれで怖いんですけれども、それに加えて何かを話したあとで質問されるのが怖いという風に考える人も多いんじゃないかと思います。つまり、自分が何かについて説明をしたとき、それについて隙だったり穴だったりそういったものを突かれたときに、どうしようとというふうに思って、どうしても怖くなっちゃう。

やっぱり人間は未知のものに対して恐れを抱きますので、どうなるかわからないという状態はやっぱり怖いわけです。繰り返しになりますけれども、これはめちゃくちゃ自然なことなんだと思ってください。そして質問が怖い。これ、ものすごく多くの人が言うことなんですけれども、質問することではなくて、受けることですね。質問するのも勇気がいるんだから、質問を受けるなんて言ったらもっと勇気いるんですよね。何聞いてくるかわかんないですから。

質問はオプションサービスだから答えなくても良い

質問が怖いという人に対する、これは処方箋なんですけれども、質問はオプションサービスなので、必ず答えなければならないものではない、ということなんです。これ本当なんですよ。質問はオプションサービスなんです。そして答えなければならないというのは、例えば取り調べとかですね、そういったものは答えないということ自体が、場合によっては罪に問われるかもしれないですけど、それでもですね、都合の悪いことは言わないでいて、黙秘権なんていうのが保障されたりしていますので、なので、これについても場合によっては保障されているんですね。

ということで、質問は、オプションサービスなんです。裏を返すと質問に答えるということは、加点以外のなんでもないとも言えるんです。ちょっとでも答えることができればもうそれはプラス点であると言うふうに考えればいいです。相手が仮に満足してない顔をしていたとしても加点です。それでいいんです。そういうふうにまずは思ってください。それに加えて、もし相手がすごく満足のいく顔をしたりとか「ありがとうございました」という反応が引き出せれば、これは、もう自分を褒めちゃって構わないです。

それぐらい質問に答えるってのは大仕事ですから、出来ないからって気にする必要も無いし、もっと言うと相手の質問に的確に応えることができたというときにはですね、これはもう本当に自慢していいぐらいです。もう今日はいい日だということで、祝杯をあげてもいいぐらいの、そんな感じで考えてください。そして、うまく答えられなかったとしても、そんなにマイナスにはならないと思ってください。質問というのは、何しろ自分が全部何もかも知っているわけじゃないし、知っていなければならないっていうふうに相手が言ったとしても、これはっきりいっちゃうとちょっと思い込みですね。相手の都合ですから。

ただ、例えば採用面談とか、そういったときの質問っていうのは答えられないこと自体は悪いことじゃないんですけど、答えられなかったことによって面接通らなかった、これは仕方ないです。なぜかというと、相手が求めてたのがそれだったので、そういうことで自分が悪いというよりは、これはマッチングしなかったということで、まあ残念でしたということになるわけですよね。ですので、これは質問に答えられなかったことが悪いというよりも、どちらかというと相性が上手く合わなかったという風に解釈すればいいんじゃないかなと思います。

「質問に答えられない」という回答をすれば良い

そう考えると、質問に答えられないかもしれないので、私は人前で話をするのが怖いんだと。ちょっと気持ち楽になるといいなと思ってこんな話をしました。僕自身は質問に答えるということが非常に得意になったので、幸いなことに、いろんなところで話をするっていうのに恐怖を抱かないで済むようになったんですけれども、これは多分特殊っていうふうに考えてもいいかなと思います。これはどっかおかしいですよね。頭おかしいですよね。あの頭おかしい人って言うのはだいたいそういったところが特異になるんじゃないかと思うので、僕の場合はちょっと特異体質だったのかなと思いますし、もちろんこれはですね、ある程度は自分の中で練習をしたりとか、自分なりのトレーニングをした結果としてこうなっています。

そしてもう1つマインドセットとして、自分は質問に答えられなくてもこれは自然なことなんだという前提条件。これはもう全く同じなんですよね。その上で質問に答えたりとか、場合によっては質問に答えられないことがあるんだけれども、1回受け止めるというだけで終わりにすることもあります。つまり、私はそれに関する答えを持っていませんというのが答えになる。場合によっては、それに加えて今は持ってないけれども、場合によってはそれはもっと詳しい人を紹介できるかもしれない。もしくは自分がちょっと調べればお答え出来るかもしれないということでお答えするという、その行為の期限というのをちょっと延ばしてもらうという、そういうやり方をすることもあります。

ということで今日は、質問には答えなくても大丈夫なんだよと。答えなくても大丈夫というよりは、質問を恐れすぎてしまって人前で話をするのが怖い場合っていうのは、質問に全然答えられないことっていうのを気にする必要はないんですよっていうのを、皆さんにお伝えしたいなと思います。

人前で話をすることは、人生を大きく前進させる

そして人前で話をするということは、大きく自分の人生というのを前進させる効果もありますので、人前で話をすると色んな反応が帰ってきますから。これはもちろん、ポジティブなものもネガティブなものもありますけれども、何かのフィードバックを自分に向けて返してもらえるというのは、人前で話をする勇気を持った人だけなので、ちょっと人前で話をする機会がありましたら、どんどんそれには食いついて言ってもいいんじゃないかなと思います。

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